聖なる怪物
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ミステリベストテンにランクインした『斧』、『鉤』に続き、翻訳出版されたのが、本作『聖なる怪物』。 前二作を読んだ僕としては、期待が大きくなるばかりだったが、結論からいうといまいち。解説によると、前二作と同系列のダークサスペンスを、過去に遡って掘り起こしたものだそうだ。三匹目のどじょうとはならなかったんだな。 ウェストレイクのヒネた笑いは健在なのだが、短編を引き伸ばしたかのような冗長さがある。ワンアイディアを長編に仕上げるウェストレイクの技は堪能できるのだが、途中で結末が予想できてしまうため、読了後に徒労感がてしまう。 物語は、老優ジャック・パインと彼のインタビューワーとの対話によって形成されている。インタビューによって、ジャックの過去がフラッシュバックされ、如何にして偉大な俳優となったかが語られる。大物女優や、有力劇作家(男)に身を委ね、干されても立ち上がって名優としての地位を確立していく。 ジャックは典型的な映画産業のセレブリティとして描かれているのだが、これがステレオタイプすぎてげんなりしてしまう。この手の話しは、今や海外ドラマは、映画でお馴染みなのだから。 インタビューの途中で、得体の知れない発作が起きては、記憶がぶっとぶジャッキの壊れっぷりは面白くはある。まるでゼンマイ仕掛けのおもちゃのようだ。醜態をさらしながらも、なお意気軒昂なジャック。 ジャックに影のようにつきまとうのは、親友のバディー・パルだ。バディーはジャックの金を使い、ジャックの女房をたらしこむ。酷い仕打ちを受けながら、ジャックはバディーと離れることができない。ここが、本作品の核心となる部分なのだが、”なぜ”がわかるとこのインタビューそのものの仕掛けに気づくだろう。 老齢に近づいたジャックは、放埒な生活を続けたせいで、俳優活動に支障が出てくるようになって ・・・ と続く。 結末は、やっぱりそうだよね なのだけど、ページ数のわりに面白味が少ない(つまらなくはないけどね)。先に述べたとおり中編ぐらいの分量で、キレを良くしたほうがいいのではないかな。 | ||||
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ある程度有名だと思われる俳優がインタビューを受け、色々かたる中でやがて・・・というお話。解説によると著者のウェストレイクが映画界との関わりが深かったので、その中で自分の聞いたり体験したことを推理小説風に再構築してみようと考えたと思われる作品。 ここで描かれるハリウッドの内幕は結構よく聞く話ではあるし役者は得てしてこういう人が多いとも聞くのであまり衝撃を受ける程でもないので、ウェストレイク独特の語り口を堪能する、という読み方が正解だと思いました。 サスペンスなので最後に仕掛けもありますが、私のように長くこういうものを読んでいると慣れてしまってあまり強い衝撃は受けませんでした。この辺は読みすぎた読者の性みたいで悲しい・・・。 まぁ、あまり期待しないで値段に見合った娯楽読み物を読もうという人にはお勧めですが、繰り返すけど期待しすぎないようにとは言っときたい。それなりに面白かったですが。 | ||||
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Donald E. Westlakeの『Sacred Monster』(1989年)の翻訳。 ノン・シリーズの作品であり、お馴染みのキャラクターが出てくるようなことはない。 まあ、ウェストレイクの中ではあんまり優れた作品ではないと思う。これまで訳されてこなかったのも、無理はないかと。 それでも、物語の全体に大きなトリックが仕掛けられており、その「違和感」がちょっとずつ読者に示されていく展開が怖い。 主人公の口調の訳文が、ちょっと老けすぎているような気がする。全体としては読みやすいのだが。 | ||||
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ウェストレイクといえば、私にとっては“ドートマンダーもの”なんだけど、これは不運な泥棒のドタバタとは、まったくワケが違った。酒とドラッグに溺れ、過去の名声にすがって生きる老優ジャック・パイン。広壮な自宅のプールサイドに座り、インタヴュワーに向かってしゃべりまくる。自らの成功の道のり、退廃と乱行に彩られた半生を。原題には“狂気の喜劇”というサブタイトルがついているらしい。文庫カヴァーの裏にも「笑ってられるのは途中まで」とか書いてあったけど、私はまったく笑えなかったぞ。最初から最後まで。おもしろかったけどな。ジャックはしょっちゅう、話の道筋ばかりか意識まで失ってしまう。危なっかしくてまったく笑えない。そして案の定、話は危ない方へ危ない方へと進んでいく。ちゃんと読んでいると、伏線が次々に生きてくるのがわかる。オチは「そう来たか!」と驚くけれど、実はそれもきちんと伏線が張ってあったり。年明けから当たりをひいて(話の内容とは別に)気分のいい読書だった。 | ||||
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