親切なおばけ
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絵本とはいえ若竹さん作、何かあるのではとビクビクしながら読んだが、幼い子にも安心して薦められるハートウォーミングな物語。 絵は若竹作品の文庫本での表紙絵でお馴染みの杉田比呂美さん。いつもは本のカバーのそで(内側に折られた部分)にひっそりとお名前が書かれているが、今回は表紙に二大主役の一人として原作者名と並んでいる。 「目は口ほどにものを言う」というが「絵は文ほどにものを言う」。 勿論、文章が最初にあって、絵は後付けだと思うが、一度読んだ後、今度は絵だけ見ていくと文章化されていない情報、行間に込められた思いなどが描かれていることに気付く。 この本で特に気に入ったのは、見開き頁で陽だまりの中でおじいちゃんと孫娘ノノコちゃんがお話している絵(というか頁全体)と、次頁で暗転、夜のノノコちゃんの寝室にドアから一筋電気の光が差し込む図(これも頁全体)。それからおじいちゃんの部屋のイメージ画。おかあさんがノノコちゃん達を家から連れ出す絵も笑える。 文庫の表紙でも杉田さんの絵は、シンプルな筆致ながら奥深く、カラッとした明るさの中どことなく寂しさがあって、若竹さんの世界観と合っている。 個人的に一番のお気に入りは「バブル島」の表紙絵。 また葉村シリーズは、葉村さん(とおぼしき女性)が後ろ姿だったり俯いたりして顔がはっきり描かれていないのがいい。最近の光文社文庫の「黒い越流」では表紙は写真になっていたが絵ではなくなったのだろうか。 | ||||
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パラパラッと見た時に、親切が裏目裏目に出ちゃうおばけの話みたいで、おもしろそうっと思ったんですけど、全然違いました。 表紙の女の子、ノノコちゃんの家はすごく古くて、いつ倒れても不思議じゃないようなおんぼろなので、みんなにオバケ屋敷と言われます。 オバケ屋敷に住んでるんだからお前もオバケだ、と誰も遊んでくれません。さみしいけど、他にオバケがいないのだから仕方ない、と思っています。 お父さんもお母さんも、ノノコちゃんがこうしてみんなに仲間はずれにされていることに気がつきません。ただ一人おじいさんだけは気がついていました。みんなにそんなことを言われて「つらかったろう」とねぎらってくれるのですが、ノノコちゃんは、オバケなんて私だけで他にいないのよ、と言って、決してそれがつらいことだとは感じていないのです。 ある日、おじいさんが倒れました。そして「お迎えが来たんだよ」とノノコちゃんに言います。そして「ノノコがオバケでいることが好きなのなら、人のために頑張る、優しくて親切なオバケになったらどうだろう」と言ってくれるのです。それきりおじいさんは、もう何も応えることは出来なくなってしまいました。 ノノコちゃんは、おじいさんに言われた通り、良いオバケ、親切なオバケになろうと思います。 お葬式の準備で忙しい家から追い出されるように外に出たら、空から雪が降ってきました。それを見てノノコちゃんは、おじいさんの「お迎えだ」と思うのです。おじいさんは家の中の棺の中なので、せっかくお迎えが来てもおじいさんの側に行けません。だから、ノノコちゃんが連れて行ってあげればよいと思うのです。 素手で何度も何度もおじいさんの棺まで雪を運びます。当然、手が凍えます。急がないと雪が融けてしまうので、両手を真っ赤にして忙しく運びました。 棺の蓋をあけて、おじいさんの顔を見ようとした人達が、真っ白に雪が積もったおじいさんの顔を見てビックリして腰を抜かします。 一事が万事、この調子なんです。ノノコちゃんは、親切心で、一生懸命努力しますが、裏目裏目に出るんです。そして、とうとうこのオバケ屋敷にものすっごい大事件が起こるのです!!! ノノコちゃんの親切心は、裏目裏目に出ちゃったけど、「親切なオバケになったら、ノノコにはきっといいことがある。おじいさんはそう思ったんだ」と言ってくれたおじいさんの言葉通り、ノノコちゃんはもう仲間はずれにされたりしません。 ノノコちゃんが、一生懸命親切心で努力していることが、読んでいる私にはよくわかるだけに、そして引き起こす事件が中々にスゴイからちょっと笑いそうなだけに、なんだか読んでいて切なくなりました。 | ||||
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