罪の段階
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
罪の段階の評価:
7.33/10点 レビュー 3件。 A ランク
罪の段階の総合評価:
7.92/10点 レビュー 24件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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また、男性でありながら、これだけ女性の問題全体や個々人の心のヒダまで微に入り細に亘って客観視して描写出来るのも脱帽する他ない。
こんな男性も居たのかとすら思う。
なのに、
読んでいる最中と読後の気分の悪さ。
登場人物数人のありのままの下劣さに心暗くなる。証拠のテープの内容も同じ起因で気分が悪くなるのである。
弁護人クリスは、弁護以外にも大変な重荷を担っているにも関わらずけなげに耐えて逸脱せずなんだか模範的過ぎてリアリティがなかった。
カーロも犠牲者として人間が出来過ぎている。
そして、この2人の「親子」関係も。
ただ、読ませるのに気分が悪いというのは、
本作のみならずこの年代からの「法廷サスペンス」の他作品にも見てとれる共通点でもある。
なにがしか気分が悪い。
人間が美しくない。
人間とはいいものだと思える作品が少なくなっている。
時代が反映されているのかとも推測する。
なぜなら例えばクリスティの法廷モノであれ何であれ
そういう気分の悪さは無いからである。
むしろ、被害者であろうと加害者であろうとも、否そのどちらかに本質的な違いがあるのかとでもいうような人間である事自体への憐れみや慈しみが全編を貫き深い感動を呼ぶ。
エキセントリックさなど無しにである。
そこに時代の違いと作者の度量の違いを感じる。また、クリスティは女性として自分の事も含めた問題は別の「女性小説群」で描いている。中でも「春にして君を離れ」は10代以来の永遠の愛読書である。
ここまで書いて気づいたが、
本作の作者が女性の問題や心理に慧眼で有る事で、本作で女性の問題が材料にされている気もする。
なにしろ本物の弁護士なので材料には事欠かないだろうが、本物の人間の悲劇を小説の材料にしないで欲しい。
「子供の眼」も買ってしまった。
アタマを抱えている。
追記
今、「子供の眼」冒頭をほんの少し読んで感じたこと。
薄々感じていたが、本作のみならず1990年代〜特に2010年以降は「サスペンス」や「ミステリ」に限らず小説というツールに限定されず、TVやネットで配信される映画やドラマも流行りの歌も人間讃歌を視野になど入れて居ないではないか。
どれだけ人間が醜くて脆弱で卑怯かを争って訴えている。(中にはそうで無いのもあるが良作が激減)。連続殺人やサイコパスのオンパレード。
対極に「愛とロマンとファンタジー」の安売りがある。
その現象が示す現在の人間社会の酷薄さが恐ろしい。
間違いなく文学を含めた表現の在り方は時代の反映だ。もう、無いモノねだりはやめようと「逝きし世の面影」(この本自体は評価しない)
に回帰して救われたい自分を痛切に感じる。