隠された刻
- 予言 (120)
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南太平洋の島を舞台に繰り広げられる欲望と情念の叙事詩である。 明治時代、ある男が借金から逃げるために鉱山人足として渡航した。 終戦末期、もと特攻隊員が秘密任務のため島にやってくる。 そして現代、現地ホテルスタッフの美郷は日本のTV局の取材を手伝うため、島に残る伝説を調査する。 明治パート主役の竹松は、博打と売淫が大好物というゴロツキだ。下手に悪知恵と行動力があるので始末が悪い。 こういう野放図な人物には、苦笑しながらも惹きつけられてしまう。 二次大戦パートは、日本軍のどうしようもなさが容赦なく描かれていて、生々しい迫力がある。 現代パートは、島に伝わる砂絵や歌の謎解きが主体となり、ミステリーとして楽しめる。 味わいの違う三つの話が展開し、終盤で関連が明かされるという贅沢な構成である。夢中になって読みふけった。 最高点でも良いのだが、最終章が腰砕け。明らかに蛇足だ。この部分は脳内で削除することにしました。で、一個だけ星を減らします。 | ||||
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「南洋」の島での3つの時代を扱ったミステリーです。 その間を繋ぐのが「サリタ」と呼ばれる砂絵です。 明治の時代、はみ出し者となり日本を離れ移民としてやってきた竹松。 終戦直前、最後の抵抗を試みる作戦に駆り出された志波。 3.11後、夫を奪われ「南洋」の島にやってきた美郷。 それぞれ現実から逃避して「夢」を求めてやってきた「南洋」です。 そして、現代の美郷が、伝説としての話を「サリタ」と「イリアキ島調査日誌」から紐解いてゆきます。 その「謎解き」や話の収斂の仕方は、坂東眞砂子らしさが十二分に発揮されています。 そして、死後の世界を彩に添えているのも。 ただ、終わり方がちょっとあっさりし過ぎかなとも思いました。 でも、楽しい読み物でした。 | ||||
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全体としては面白かったが、最後のまとめがあまり気に入らないので☆ひとつ減。 | ||||
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本書の帯には「南洋小説」とある。今となってはイメージが持てない向きもあろうが、明治から終戦までの約100年の日本人は南洋に憧憬と野心をないまぜにした気持ちを多く持っていた。ある者は移民、ある者は軍人、様々な思惑が交錯するままに、敗戦とともに南洋という言葉自体が失われた。 本書では、そんな南洋に辿り着いた者達−明治末期のヤクザ者と戦争末期のインテリ航空兵−と、現代の南洋に同じく辿り着いた日本人を、交互に描いている。次第に、別々だった3つのシーンが結びつく中から、タイトルの「隠された刻」が明らかになっていく。 元々はホラーと乱暴に括られることも多い、四国を中心とした日本土着の霊や神等を題材にすることの多い著者だが、最近は様々な時代や場所またストーリーを広げている。本書で描かれる南洋は、明治・戦中・平成とそれぞれの雰囲気を匂わせるように描いていて流石であるが、そもそも著者はタヒチで長く暮らしており、その点ではお手の物ともいえる。 本書の終盤の展開やテーマについては、異論を持つ方もいるだろう。私も「くちぬい」からに更に進んでしまった著者の意識を完全には首肯できないし、挙句のラストについても少し首を傾げる。 ただ、それでダメを出せないほどに、本書は完成度の高さと坂東ワールドな仕上がりである。 どこか南の島で時を過ごす機会があれば、持っていくに相応しい一冊と勧める。 | ||||
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