喪失のブルース



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初公開日(参考)2017年10月
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長編小説

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喪失のブルース (ハーパーBOOKS)

2017年10月17日 喪失のブルース (ハーパーBOOKS)

バンクーバーの片隅で、人捜しを生業に暮らすノラ。 相棒は狼の血を引く雌犬ウィスパー。 私立探偵とジャーナリストのボス2人は彼女が事務所の地下室に住みついていることを知らない。 そんなある日、ノラは15歳の少女が失踪したとの報せを受ける。 それはかつてノラが産んで捨てた実の娘だった――。 やがて浮上する15年前の事件との接点。さらに関係者が不審な死を遂げ……。 異色のヒロイン誕生!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

喪失のブルースの総合評価:6.19/10点レビュー 21件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

壊れた女は無敵だ

バンクーバーの底辺の街で、狼の血を引く野良犬だった雌犬ウィスパーと暮らす調査員ノラ・ワッツを主人公にするシリーズ三部作の第一作。作者のデビュー作だけにやや荒削りだが骨太の女性ハードボイルドである。
冬の早朝5時、ノラに「15歳の少女が行方不明になったので探して欲しい」という電話がかかってきた。依頼人に会ったノラは「失踪したボニーは、あなたが15年前に養子に出した子供だ」と告げられる。ノラには確かに、15年前にレイプされて妊娠し、生まれた子供を腕に抱くことも無く養子に出した過去があった。母親としての自覚は全く無かったノラだったが、警察が本気では捜査していないこともあり、少女を捜すことを決心する。単なるティーンエイジャーの家出かと思われた事態だったが、調べを進めるうちにノラの過去にも関わってくる邪悪な陰謀の影が濃くなってきた・・・。
本作の魅力の第一は、ヒロインのキャラが異色なこと。先住民の血を引く姉妹の姉で、幼い頃に両親と別れ、連れて行かれた里親や施設になじめずに家出し、ホームレスや軍隊を経験し、現在は私立探偵とジャーナリストの共同事務所で調査員として働きながら無断で事務所のビルの地下室で暮らしているという複雑さ。しかもアルコール中毒の過去があり、恩を仇で返すような倫理観が欠如した部分もある、いわば壊れた女である。それでも、周辺人物たちからは助けの手を差し出され、一途に正義を貫こうとする強さも併せ持っている。誰かの書評に「ミレニアムのリスベットみたい」という表現があったが、その通り。ストーリーがどうこうよりも、ヒロインの言動に共感できるか否かが、本作の評価を決めるだろう。
ハードボイルド・ファン、ノワール・ファン、女性が主人公のサスペンスがお好きな方にオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.20:
(3pt)

終始暗いお話。

物語の最初から最後まで
終始暗くドヨーンとした陰鬱な雰囲気で
正直読んでいて気分が滅入りました。
なにかしら物語的カタルシスがあればまだ読めたのですが、
それもなく低空飛行のまま終わってしまいました。
現実は厳しいのかもしれませんが、
読んでいて楽しい一冊では少なくともありませんでした。
参考にして頂ければ幸いです。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:喪失のブルース (ハーパーBOOKS)より
4596550727
No.19:
(3pt)

終始退屈

読み終わる前にあまりの退屈さに読む事を諦めてしまいました。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:喪失のブルース (ハーパーBOOKS)より
4596550727
No.18:
(4pt)

粗削りだが、主人公の変化の期待できる三部作序章

アンチ・ヒーローならぬアンチ・ヒロイン。十代後半でこの世の悲劇がすべて襲いかかってきたような女性ノラ・ワッツ、ネイティブ・アメリカンとのハーフでもである彼女の三部作の幕開け第一作である。さてその悲劇。レイプと暴力と遺棄。ジャーナリストに救出されたものの、長い昏睡期間を経て出産の大量出血のさなかで目覚める。レイプ犯の子を妊娠していたのだ。精神を病んだままのノラ。生まれた娘は里子に出され、ノラはブルース・シンガーとしての才能を活かし歌手を志したもののアルコール依存症となる。

 アル中からどうやら脱け出せたという段階で、探偵事務所の調査員として不完全ながら社会復帰を果たす。調査事務所の地下室に、雇い主に内緒でこっそり住み着いている。同じく偶然地下に迷い込んできた雑種犬ウィスパーとともに。社会復帰が十分に果たせていないため、精神も外見も傷つき薄汚れている。穴の開いていないまともな衣類はひとつもない。

 ぼくがこの本を手に取ったのは、彼女の住む街がバンクーバーであるからだ。小説では、雨が降り続く冬のバンクーバー。ぼくが春に観光で訪れたときのバンクーバーの美しい記憶と、本作で描かれる灰色の雨降る街とはイメージが相当に異なるが、傷ついたヒロインの心を通してもなお、バンクーバーは海に囲まれた美しい街である。ガスタウンの石畳の坂を下ると、小樽にも弟分がいる世界にただ二つの蒸気時計、その兄貴分の方があって観光ガイドはここを必ず案内してくれるみたいである。観光スポットとして有名な名所なのだが、残念ながら蒸気時計の記述は本書にはない。ちなみに小樽の蒸気時計の方は、最後に見たときは残念ながら「故障調整中」と貼り紙があり、針もすっかり止まってしまっていた。昨夏の北海道地震の影響である。

 さてバンクーバーだ。スタイリッシュなビルと歴史的な建物が混在するビジネス街と、犯罪者たちの多い危険なエリアとして観光客が必ず注意喚起されるイーストヘイスティング通り界隈(ダウンタウンとも呼ばれる)との間の緩衝地帯として、レトロな町ガスタウン(本書では翻訳者によりギャスタウンとされている)が広がる。石畳のレトロで素敵な街並みは、青銅のガッシー・ジャック像の立つ交差点で終わりを告げる。交差点にある肉料理屋でハンバーガーを齧りながら、道路向こうのダウンタウンを眺めていた時間をぼくとしては思い出す。そちら側を歩く人々の表情は確かに、こちら側にいる人々とは違った影を纏っているように見えてならなかった。もしかしたらウィスパーを連れて歩くノラの姿を目撃していたかもしれない。

 美しく海や島を柵越しに見渡すスタンレーパークは、AAのスポンサーであるブラズーカと定期的に会い、互いの禁酒状態を確認し合うスポットとして用意されている。ブラズーカは、不思議な距離感のある存在で、最後まで掴みにくいだけに印象的なキャラクターだ。ノラへの献身的な愛情の行方が今後どうなってゆくかも見どころとなりそうである。

 さて本書の特徴として際立っているのが、ヒロイン、ノラの孤独な風貌である。十代の少女期を、レイプで台無しにされ、アル中の幻の中で二十代を過ごした。そんな設定が、既に彼女の性格を十分にひん曲げている。そして、まだ精神は癒えてない。この本の評判は、実はアマゾン・レビューでは決して良くはない。それもそのはず、ヒロインがまず感情移入を拒むタイプの孤立した可愛げのない存在であるからだ。社会は、彼女を完全に見捨てているわけではないとは言え、真の意味で彼女の心の救いとなっているのは一頭の雑種犬ウィスパーだけである。人を信じず、敵であり距離のある存在としか見られない悲しきヒロインの痛みが、本書を綴る物語の骨子となっているのである。読者をも拒むその人嫌いで性悪な性格と、美しくもない外見は、優しく美しいヒロインしか期待しない読者には既に愛想をつかされているかに見える。

 レイプ事件に蹴りをつけようとするノラの、新たな探索と闘いの旅が、本書ではメインストーリーとなっている。顔を見たこともない実の娘が行方不明になった、と里親から相談を受けたことに端を発し、バンクーバーから、吹雪のスキーリゾートへ。そして、戻ってきたノラは、バンクーバー島の美しい海岸と決着をつけることになる。激しいアクションの連鎖と、これに耐性を持つノラのサバイバル根性がひと昔前の冒険小説を彷彿とさせる。

 女性作家が冒険小説をうまく書けたためしがない、というのはぼくの感覚である。残念ながら本書でもその感覚は否定されることがなかった。むしろ、女性作家としてはうまく書けた部類だろう。それにしてもやはり問題は残る。活劇シーンがダイハードなみのぎりぎり感でリアリティに欠けている。さらにいくつか。しっぺ返しを食らうのを知らずにノラを助ける、気のいい人たちとの出会いが多すぎたり、ノラの進む方向に極めて都合の良い偶然が用意されていたり。物語づくりということを言うと、詰めの甘さを感じさせるが、デビュー作ということでここは許容したい。極めて多いスリリングなアクション・シーンのいずれもがリズム感とリアリティに乏しいが、ラストの危機に対しブルース・シンガーとしての才能でどんでん返しを図るアクロバティックな仕掛けは、エンターテインメントとして、小説がロマンだということに於いてはとてお素敵な仕掛けとして捉えたい。

 訳者がその解説で勧めている通り、ニーナ・シモンのブルース"Feelig Good"をYouTubeで聴いて本作に臨むと良いと思う。そそられる歌である。また、途中出会うピックアップトラックの女性運転手が、ぼくが世界で最も敬愛するミュージシャン、ニール・ヤング(カナディアンです)をかけていた。ノラはこの助手席で「フォーク・ソングを聴きながら」窮状から逃げ出すことができるのだ。"Heart Of Gold"あたりが、ノラの精神を救い出した形跡は、残念ながらどこにも見られなかったけれども。

 第二作『鎮魂のデトロイト』は今春4月に発売された。本書でも父の自殺は語られているが、その真相を追ってデトロイトに飛ぶ話らしい。作家としての腕が上がっている、とのもっぱらの評判である。ブルース好きの楽しみが一つ増えた。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:喪失のブルース (ハーパーBOOKS)より
4596550727
No.17:
(3pt)

主人公に魅力を感じない

ストーリー展開そのものは
面白いと感じる面もあるし
読後感もまぁまぁだけど
主人公に魅力を感じないし
脇キャラも含めて設定は色々あるわりには
全体的に印象に残りにくい
展開はわりと良かったので
それは少し惜しい作品だとは感じる。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:喪失のブルース (ハーパーBOOKS)より
4596550727
No.16:
(4pt)

どきどき

何が起こるのか本当にどきどきします。
 米国の今のハードな状況も良くわかりますが、一方で、あまりに日本とかけ離れた世界に入り込むのが困難に感じられる面も。
 良くも悪くも海外ミステリー好きに向けた作品と思われます。
喪失のブルース (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:喪失のブルース (ハーパーBOOKS)より
4596550727



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