Ker 死神の刻印
- 北欧ミステリ (199)
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あらすじを読んでのダークな世界観と、書き込みの評価の高さに、期待して読みました。が、読み終わっての感想は、正直そこまではというものでした。 人物の設定と世界観はかなりいいが、生かしきれてないです。途中に挟まれる子供の話は、意外性がないし、ヤナの行動がどうも腑に落ちなくて。 続編書きたいために上手くまとめた感じがして、どうせならもっと振り幅大きくすればいいのにと思ってしまいました。 物足りずです。 | ||||
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移民局職員の男が殺された事件に端を発して次第に明らかになる凄惨な大量殺人の謎に挑む警察捜査陣とダークなヒロイン女検事ヤナの活躍を描くスウェーデンの新鋭女流作家シェップが著した異端派ミステリーの処女作です。本書は最近に読んだミステリーの中ではかなり型破りな変り種の一作にして常識を打ち破る予測不能の斬新なダーク・ミステリーの力作でありまして久々に新鮮な読み心地を味わいましたね。 移民局職員の男が自宅で殺害される事件が起き、唯一の手掛かりとして現場で子供の手の跡が見つかるのだが、その後今度は海辺で少年の遺体が発見されて謎は深まるばかりだった。事件を担当するノルシェーピン地方検察庁検事のヤナは少年のうなじに刻まれた文字を見て自分と同じだと気づき内心で愕然とする。幼時の記憶を喪失している彼女は警察とは別に事件を調べる内にやがて徐々に己の忌まわしい過去の記憶を取り戻して行くのだった。 本書の小説技法である現在の捜査の進行と過去に名もなき七歳の少女が経験した過酷で悲惨なエピソードが平行して語られる展開を読んでいる内に誰もが次第にそのからくりが読めて来て少女の正体に気づく事でしょうね。やはりスウェーデンのミステリーだなと思ったのは、発端の2つの殺人事件はそれ程でもなかったのですが後半に明らかとなる凄惨な大量殺人の何とえげつなく無慈悲な残酷さだろうと強く感じさせられましたね。本書にはフーダニット・ミステリーの魅力は殆どありませんが、その代わりに普通の正統派警察小説ではまず味わえない少々荒っぽい目的の為には手段を選ばないダークなヒロインの放つ異端の魅力が存分に味わえますね。私が感心したのは女検事ヤナが容疑者レーナとの尋問のシーンで「お孫さんは何人おありなの?」と見当外れの質問をしたのに対して直ちに蒼白になって手掛りを自白する仕掛けのぞっとする巧さで、その異常な態度に周りの刑事達が不審に感じないかと一瞬心配になりましたね。本書に登場する人物面では悪党どもには当然の如く強い嫌悪の念しか感じませんでしたが、警察チームの個々のメンバーの性格がそれぞれ巧みに描かれていて全員に好感を持ちましたね。真面目で実直なヘンリック警部と少々お調子者でズルイ所もあるが憎めない女警部補ミア、それから捜査チームリーダーのグンナルと女鑑識官アネリーのプライベートでは男女の関係できっぱりと別れられずに腐れ縁の愛を交わすシーンが何とも良かったですね。データがあまりにも少なすぎる事もあって無理もなくチームが事件の全貌を掴むには至りませんが、チームワークは抜群でこれでも良く健闘している方だと思いますし、仕事一辺倒ではなく彼らのプライベート・ライフに十分に筆を費やしてくれる著者の心配りがとても嬉しかったですね。そしてヒロインのヤナについてですが、その性格のドライでクールかつ非情な面によって読者の好き嫌いが別れそうに思いますが、でも殺るか殺られるかの情無用の勝負では咄嗟に身体が反応して行動するしかなかったのでしょうし、正直に打ち明ければ巨大な悪の正体を暴く事が出来なくなるという判断から止むを得なかったのだと考えれば彼女を支持せざるを得ないだろうと思いますね。か弱さとは無縁の強い女ヤナには思いやりや優しさが感じられない所がやや物足りないですが、今後もっと彼女の真実の人間性を知る機会が得られる事を期待したいですね。まあ過去の友が敵に回るという運命の残酷さが何とも悲しいですが、さらに徹底した非情な展開が予想されスリルとサスペンスに満ちた怖い物見たさの興味を強くかきたてられる続編が紹介されて読める日を今は楽しみに待ちたいと思いますね。 | ||||
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なによりも翻訳が素晴らしい。過不足なく解説がされているばかりか、北欧に住んでいる身にとっても、不可思議な訳がないので、違和感なくスムースに読み進めることができた。 この本がおすすめな理由はいくつかある。 1. 現代の難民の問題などの社会的な視点が、ミステリに組み込まれていて、現代社会について考えるきっかけになる。 2. スウェーデンの現在の姿が過不足なく描かれている。移民がたくさん住んでいるエリアの描写であるとか、自然の描写とか。フィヨールミルクを食べるスウェーデン人や子供の姿がたくさん出てくるのだけれども、そうそう...みんな食べるのよね、とか。 3. こんなクールな人たちがいるのか?と思うものの...物語として面白い。暴力的かつ頭脳明晰な登場人物はとても魅力的で、ミレニアムを思い返した。 | ||||
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話の細部にリアリティに欠けるところも若干見られるが、ストーリーの展開とテンポ、周辺人物の書き込み等、良く出来ている。 私の場合、ケイト・ベッキンセールを主人公にしてイメージを膨らませた。 すぐにでも映画化されそうな作品。 続編がすでに書きあがっているということなので、出版社の早期翻訳を望む。 それにしてもこの作品が何社もに断られて最初は自費出版された、ということが出版社側の「いい物を見る目」の無さを感じる。 乱歩賞や横溝賞等、相変わらず「過去の傷を背負って・・・・」ばかりが受賞する日本でも同じであろう。 | ||||
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正義のダークヒロイン、検事ヤナ・ベルセリウスを主人公にした北欧ミステリー。 謎に満ちた移民局職員の殺人事件。 その殺人事件の犯人と思われる少年の殺害…事件捜査の進行とともに描かれる少女の過去の壮絶な物語。 次第に殺人事件と少女の過去とが交わり、驚愕の真相が明らかになる。 前半の展開に比して、終盤はやや端折り気味で、拍子抜けの結末だったのが残念。 非常にもったいない。 | ||||
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