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鯉沼家の悲劇 本格推理マガジン



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初公開日(参考)1998年02月
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鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)

1998年02月28日 鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)

宮野叢子が旧家の連続殺人を禍々しく描き、乱歩から『一種の気魄を持つ特異の力作』と賞された「鯉沼家の悲劇」。横溝正史が中絶した作品を岡田鯱彦・岡村雄輔がそれぞれ完結させた「病院横町の首縊りの家」。さらに異色の作家・狩久の短編。鮎川編集長、芦辺拓、二階堂黎人、山前譲らが選んだ、いまなお光芒を放つ『本格』の名作が、半世紀の時間を越えて蘇る。(「BOOK」データベースより)




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鯉沼家の悲劇 本格推理マガジンの総合評価:9.00/10点レビュー 3件。Cランク


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(7pt)

幻を掘り起こしては見たものの…

今回収められた作品は4編。目玉は表題作の「鯉沼家の悲劇」、横溝正史の未完短編を岡田鯱彦、岡村雄輔がそれぞれ補完させた「病院横丁の首縊りの家」、そして狩久氏の短編「見えない足跡」「共犯者」の2編。

「鯉沼家の悲劇」は序盤、田舎の旧家の因縁めいた話が訥々と語られる辺り、横溝正史作品を髣髴させ、むごたらしい悲劇の幕開けを今か今かと忸怩たる思いで焦らされたが、最初の殺人があってからあれよあれよとこちらが推理する暇を与えずに鯉沼家の人々が次々と死んでいき、解決も呆気なく、ぽかんとしてる間に終わってしまい、いささか消化不良。恐らく作者は当初並々ならぬ決意で作品を著そうと思っていたのだが、最後の方で枚数制限のため、駆け足で物語を閉じてしまった、もしくはなかなか進まぬストーリー展開に作者自身が飽きてしまったために力業で結末まで持っていったのかのどちらかで作品を終わらせてしまったのだろう。

狩氏の短編は今となってはもはやヴァリエーションの1つに過ぎないもの。両編のメイントリックはどちらも平凡なものだったが「見えない足跡」は最後に探偵役の推理が二重構造になっていたのが救い。「共犯者」は真相を知った後のまゆりの行動に力点が置かれていたが、古さは否めなかった。

結論を云えば、前作の「硝子の家」がそれぞれ強烈な光を放つ作品だったの対し、今回は小粒だった。やっぱり「幻の名作」というものはそうあるものではないのだろう。



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No.2:
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鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)Amazon書評・レビュー:鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)より
4334725597
No.1:
(5pt)

横溝正史好き必読の古典

ミステリ作家の鮎川哲也氏監修、本格推理シリーズ(文庫書き下ろし作品収録)の特別編として出版された本です。ミステリのクラシックスとも言える以下のような作品が収録されています。

・雑誌「宝石」に発表された宮野叢子(村子)作「鯉沼家の悲劇」。1949年発表の作品。

・横溝正史氏が体調不良のため筆を折った「病院横丁の首縊りの家」に、岡田鯱彦氏と岡村雄輔氏が各自それぞれ別に続編を創作したもの。

・狩久「見えない足跡」「共犯者」

本のタイトルにもなっている「鯉沼家の悲劇」ですが、舞台になる鯉沼家は平家の落人が先祖と言われている越後の旧家、”名家中の名家、大地主中の大地主”と言われてきましたが、今では”気位ばかり高く、すべての調子が狂っている”という落ちぶれた状態です。強靭な精神で一家をまとめている長女、ちょっと性格のおかしい2人の妹、3人とも独身の中年女性、そしてやはり妹ではあるが、先々代の妾の娘、彼女は神がかりになることがあり、時々おかしな言動をする。そしてお家に忠実な女中と爺や。こうくれば、時代や背景はまさに横溝正史風です。「犬神家の一族」や「真珠郎」などと似通った設定ですが、むしろこの作品が横溝氏に影響を与えたというべきで、横溝作品より1,2年前に出版されています。
作者の宮野叢子氏ですが、戦後、雑誌「宝石」から生まれたすぐれたミステリ作家たち、江戸川乱歩が名を挙げた山田風太郎や島田一男、高木彬光などの中に紅一点で加えられたほど、期待の新人であったようです。
ただ、最後の4分の1くらいで、おかかえ医師の息子の若先生が探偵役になって、ひとりで主人公(駆け落ちした妹の息子)に語る形で一気に解決、原稿枚数の関係でもあったのか?ばたばたと急ぎすぎた感じで、ミステリとしてはちょっと残念でした。けれど、この鬱々とした濃厚な雰囲気は、横溝正史好きの人には絶対に気に入ると思います。アマゾンで検索すると、宮野氏の作品は、宮野村子探偵小説選として2冊出版されていますが、そちらの方も読んでみたくなりました。

「病院横丁の首縊りの家」、タイトルからすぐに連想されるのは「病院坂の首縊りの家」ですが、この”病院横丁”の方はそれに先んじること約20年前に書かれた未完の短編です。横溝氏が体調を崩して書けなくなってしまい、あわてた編集部が、2人の作家が解決編を書くという企画を思いつき、岡田鯱彦、岡村雄輔氏に依頼したということ。哀切さに満ちた大作”病院坂”に比べると、どうしても軽めの仕上がりになっていますが、これはこれでおもしろいと思いました。両氏はいずれも兼業作家で、岡田氏は東大で国文学を修めた東京学芸大教授、岡村氏は早大出のエンジニアです。その人柄や職業柄が作品に反映しているというべきか、作家が違えばこんな違う作品になるんだと、2つの解決編を楽しめるので、1つで2度おいしい思いをすることができました。

狩久氏の短編2編は、個人的な好みですが、古めかしい謎解き小説という感じで、ちょっとイマイチでした。

古本でこのお値段、これで盛りだくさんにしっかり楽しめます。お得な一冊だと思います。おすすめです。
鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)Amazon書評・レビュー:鯉沼家の悲劇―本格推理マガジン 特集・幻の名作 (光文社文庫―文庫の雑誌)より
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