ステーション・イレブン
- パンデミック (29)
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おすすめ度:92点 久しぶりに面白い現代小説を読みました。 本書は、新型インフルエンザが爆発的に流行し、文明が崩壊する前後を描いた話です。 小説自体のクオリティも高く、2015年の全米図書賞のファイナリストに選ばれています。 個人的な感想としては、これは翻訳の問題かもしれませんが、文体は完璧とは言えず、読み進めにくい箇所もありました。 ただ、物語の作りの大きさと、何を書くかということについて作者の個性が光っています。 読み始めると、最初は霞や霧を吸っているように頼りなく、掴みどころがない印象をもちます。 ただ、物語が進むにしたがって、粒子が渦を巻いて星を形成するように、物語の中心点が現れます。 そうすると物語は一気におもしろくなり、渦の中心に生まれつつある何かを夢中で見つめることになります。 そして、本書は我々にもう一つのコロナ後の世界を見せてくれます。 今の世界は、たまたまこうなった世界なのだと感じざるを得ません。 文芸としても、コロナ禍における一つの視点の立脚点としても、読んでおいて損のない本だと感じました。 | ||||
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カナダ・トロントの劇場で『リア王』上演中に主演俳優アーサー・リアンダーが突然亡くなる。舞台上では子役のキルステン・レイモンドが彼の死を目撃してしまう。客席から舞台に駆け上がってアーサーの蘇生を試みたのは、救命士の経験があるジーヴァン・チャウダリ。 しかし劇場の外の世界では、地球規模でグルジア風邪の脅威が迫っていた……。 ------------------------- カナダの作家エミリー・セントジョン・マンデルが2014年に発表したパデミックSF小説です。新型ウィルスが猖獗を極めたのちにわずかに生き残った人々によるサバイバル物語には違いありませんが、ストーリーの大半は、51歳の俳優アーサー・リアンダーの3度の結婚と離婚ののちの元妻たちとの一筋縄ではいかない人間関係の機微に割かれています。 注目を浴びる映画や演劇の世界に生きるアーサーの人生が、決して華やかさ一色ではなく、愛を求め、愛を失い、彷徨を続ける様が奇妙に心に沁みます。 アーサーの旧友であるクラーク・トンプソンが空の旅の途上で五大湖近辺に緊急着陸させられた旅客たちと過ごす、20年にわたるポスト・パンデミック時代が第6章「飛行機」から描かれますが、それもまた筆致はいたって平坦で穏やかです。リチャード・マシスン『アイ・アム・レジェンド』やTVシリーズ『ウォーキング・デッド』のような苛烈で救いのない、生きるか死ぬかの世界が描出されるわけではありません。怪しげなカルト教団が立ち現れる場面は確かにありますが、その一団のリーダーである預言者の意外な素性を知ると、どこかうら寂しい思いが残ります。 今(2020年2月)、実際の世間では中国・武漢市から始まった新型コロナウィルスの蔓延をめぐって世界中が危機感を募らせています。どこか人類の終末を予感させる世の中の雰囲気を小説世界で味わってみたいとの思いからこの『ステーション・イレブン』を手にしましたが、そんな私の下心を見透かしたかのように、この書の中にはどこかぬくもりを感じさせる静謐な物語がありました。 文庫本で500頁近いこの長編小説を一度として倦むことなく読み通すことができたのは、訳者・満園真木氏のすぐれた訳業のおかげです。私は以前、満園氏の翻訳でリサ・ガードナーのサスペンス小説2冊(『棺の女』、『無痛の子』)を読んだことがあり、氏の紡ぐ和文のすばらしさに強い感銘を受けたものです。今回も翻訳調の訳文は一切見られず、流れるような日本語の中を泳いでいくことができました。そのことに感謝したいと思います。 . | ||||
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一気に読み上げました。ひと昔まえには考えられない文明の急速な発展!奇跡のような世界史に対するオマージュです。 | ||||
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致死性の新型インフルエンザで多くの人が命を落とす、いわゆるパンデミックものに分類されるのですが、感染が広がり、人類の99%が死滅する様子が、パンデミック物につきものの凄惨な絶命シーンやパニックの描写がほとんどなく、実に淡々としています。 アーサーというシェークスピア俳優につながりのあった生存者どうしの交流を描くヒューマンドラマです。 カナダ出身の作家さんの手による作品ですが、日本人の感性に合うように感じました。 | ||||
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