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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
スパイクの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
スパイクの総合評価:
8.20/10点 レビュー 10件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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ヒロインは、突然連絡のとれなくなった相手の青年を捜そうと、この世界にきてしゃべれるようになったビーグル犬スパイクとともに、青年の言った言葉やメールの文面から、もうひとつの世界と、この世界がどう違っているのかを調べてゆきます。
どうやらほとんどの事実は、ここと平行して、あちらの世界でも起こっているようなので、こちらの事件を解決すれば……
このあたりは、とても緻密に論理が進んでゆき、ミステリの快感がありました。
それだけにこの緻密なままにラストが導かれれば最高だったのですが、そこはいきなりパズルの論理が崩れてしまっています。惜しい。こういう結末にしたい気持ちはわかるので、そこまでの持ってゆきかたが、数学的なSF論理から少し離れればよかったのですが。
その点は不完全燃焼でしたが、この物語で印象的なのは、なんといってもビーグル犬スパイクです。ヒロインとの二人三脚ぶりもですが、彼の語る次元の界面の越え方がすごい。ゴムの膜を押して向こうにでると、向こうにいるものがこちらに押し出されてきてしまうとか、こちらに来るときは、体が輪切りになって、全部がひっくり返るような感じとか、パラレルワールドを大変リアルに体感させてくれます。
また、言葉を使えるようになったために、「他の犬より匂いを識別できるようになった。ほかの犬は嗅いだ匂いを忘れてしまうが、ぼくは言語化して、タグをつけておけるから忘れない」というくだりなど、はっとする意見も。
ラスト近くで二匹のスパイクがふたたび入れ替わるところ。「尻尾を持ち上げてジャンプしたビーグル犬の下半身だけが二つ、向こう側とこちら側から合わさった、そんな異様な姿が宙に浮かんだと思うと、いつの間にかその逆――両方に頭のついた姿に変わっていった」シュールレアリスムの絵を見ているような描写でした。小説の中で、これほどふしぎな名犬に出会ったことはありません。
もちろん、「スパイク」という言葉のもうひとつの意味を活かしての、ちょっとせつないラストも心に残ります。
パラレルワールド恋愛ものの名作と呼べると思います。