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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数126件
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「書く」ことをテーマにした十編の短篇小説。短篇小説の名手といわれるだけあり、「書く」だけでもこれだけ多彩に描けるのかと感銘うけるし、情景が(良くも悪くも)まざまざと浮かんでくる。
個人的には「凶暴な気分」がお気に入り。仕事の鬱憤、誰でも溜まってますよね。「窓」は初めから最後まで、気分、悪。「小説家の一日」はシリーズ化を希望。 |
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ノンフィクション小説だけあって、人物や馬名はすべて実名で読みやすい。小説としてみると大きな紆余曲折がなく、あまりにも順風満帆で物足りなさもあり、前田一族のサクセスストーリーをそこまで見せられても…というのはあるが、それでもノースヒルズの馬は今後も気にしていこうとは思う。
今年は出走馬がなかったダービー、来年は?もう3勝もしているからいい?いやいや欲望は果てしなく。 |
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読了後、自暴自棄という言葉が脳裏に残った。好きになった人、友に裏切られ、目指したことが思わぬ方向に行ったことで目標を失い…青春時代に誰もが陥る暗闇をミュージシャン兼作家ならではの物語を披露してくれた。どの作品にもいえると思うが、表現や使われる言葉の数々がわかりやすい中にも胸をうち、さすが独特の歌詞で楽しませてくれる曲の世界が著作にも生きていると感じた。またしても次回作の期待度が増してきた。
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毎度おなじみのストーリーながら、今回も胸を打つ家族の物語が6つ。食べ物にまつわる思い出というのは生きていくうえで欠かせないだけに、心に残るんだな〜と。
「フィッシュアンドチップス」が食べたくて仕方がない今日このごろ。 |
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由比正雪の乱、慶安の変などは名前は聞いたことがあっても、内容までは知らなかったが、それをあえて取り上げた著者のセンスに拍手!
物語としてはやや盛り上がりに欠けたきらいはあるが、保科正之や祖心尼の描き方、由比正雪の登場のさせ方は著者ならでは。日本史の新たな1ページを勉強できました。 |
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皆が”神頼み”をしに行くお正月に読了。
タイトルを念頭に読んでいくと、どの短編も「神様は試練は与えるだろうけど、本当に幸せにしてくれるんだろうか?」という感想をもたらしてくれる。 中でも「伊藤が消えた」「朔日晦日」では特に感じる。 「新しい音楽、海賊ラジオ」では音楽好きの私にはさわやかな音楽が聴こえてくる半面、厳しい状況に置かれている彼らの感情が苦しいほどに伝わってきた。彼らは意外に気楽そうに見えるが実はそうでもないんだなぁと... 野分には「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」という戦争ミステリの名作があるが、やはり「見張り塔」は読みごたえというか、戦地に置かれた兵士たちの哀しさがよく出ていた。野分さんの戦争ミステリは一級品! |
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前半は中国武術や"百合"で、何やらマンガっぽくて読みづらかったが、後半になるにつれてミステリらしくなった。登場人物がとにかくマンガチック。それにかつて中国人はミステリに扱うことなかれ、というのがあったが、最近はそんなこともないのかな。
中国を扱った乱歩賞は過去にもあったと思うが、こういった受賞作も新鮮味がある。 |
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近々新居を購入予定で、間取り図を見る機会が増えているので興味をもちました。
最近はやりのいわゆる「事故物件」モノではなく、ある「家」に代々伝わる呪いにまつわるミステリ。 間取り図から家にまつわる謎の儀式につなげるあたり、うまくつくられた作品です。不思議な間取りから、あれこれ推理していく展開が興味深く、実際の図面でもなぜこの間取り?などと考えを巡らせたくなりました。 ライトノベル的な小説でわかりやすく、若年層にもウケているようで、書店でも本書を手にとる人をよく見ます。あまり活字が得意じゃない人でも読みやすいんじゃないでしょうか。 |
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丁寧な書きぶりと、しっかりしたプロットは健在。警察署内で起きた窃盗事件が思わぬ方向へ向かっていく、警察内部の闇の部分をうまく表現していると思う。似たような事件が実際に起きても不思議はないような。
ただ、「孤狼の血」シリーズのガミさんや日岡に比べると、登場人物たち黒瀬や泉にしても魅力はややダウンし、ストーリー的にも少々地味なイメージさえ残る。最終盤は安っぽい2時間サスペンスのような展開になったのが残念。 |
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女手ひとつでたこ焼き屋を切り盛りする十喜子、十年ぶりに姿を現した息子とプロレスラーの嫁、手のかかる子供。十喜子を取り巻く商店街の人たちなど、地元出身で大阪を知りつくす著者ならではの大阪人情物語。
十喜子の一生懸命さと庶民的なおばちゃんらしさが全編に伝わり、応援したく(たこ焼き屋に行って見たく)なった。かの名曲のタイトルを拝借しているが、これもなるほど感が。 全編的によき大阪を感じさせるほんわかドラマでした。これぞホンマの大阪人情。 |
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ほっこりストーリーも8巻目ですか。
今回はコロナ禍にもかかわらず、思い出の食を求めて様々な人がやってきますが、期待を裏切りません。 特に「ピザ」の章は少し変化球できました。ともすればワンパターンにハマってしまうところを違う視点できたところは考えられてるなと思います。家族をテーマにしたグッとくるストーリーが毎回珠玉です。また、妙齢の客達のキャラクターがストーリーに華を添えています。セレブで名を馳せている人の幼少の頃の苦労話は胸を打ちます。 |
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オリジナル・ストーリーとして制作された映画のノベライズなので、柚月さんの「孤狼の血」3部作とは別物として読むべき作品。
原作は柚月さんでも、ノベライズは別の人。 映画版のためか、ストーリーは迫力があって楽しめるが、どこか安っぽさは否めない。柚月さんの原作3部作をすべて読破している身としては物足りなさが。 それに前作の映画は”ガミさん”こと大上刑事の存在感が抜群だったので、彼がいないとなるといくら日岡が活躍しても…というのはある。 その辺を「狂犬の眼」「暴虎の牙」はしっかりカバーしていたんだけれど。 まぁ、上林とチンタのキャラで成り立っている作品ですね。 ともかく、映画は映画として楽しませてもらいましょう。 |
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安吾の名作として名高い本作。登場人物が多くて読みにくいという声もあるが、あの時代にこれだけのものが書けたことは驚嘆。よっぽど探偵小説が好きだったんだな。登場人物の個性が光っている。
新潮文庫版に収録の短編「アンゴウ」は戦争の悲惨さとどこかほのぼのさせる感動作。よくぞ組み入れていただきました。 戸川さんと北村さんの対談を読んで、作品世界の裏側がわかってなお楽しい。 |
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いつの時代になってもなくなることのない「いじめ」問題。今回も重いテーマを貫井流に取り上げた作品です。
重厚感のあるテーマを読みやすく描いたと思われるのは、”アニコン”を大量殺人現場に取り上げたところか。その辺に貫井流を感じさせます。 その他にも、自分と接点のあること、あまりないことについて人はどう関わるか、考えさせるところもありました。 事の真相については、そうなのかなぁ。。。という感想にとどまってしまい、読後感はどこか消化不良を感じるものでもありました。 でも、やはり貫井さんともなればこの重いテーマにずっしりとした警鐘を鳴らしたという点では成功しているでしょう。 いわれているほど悪くないですよ。この調子で次回作も重いものを持たせてくださいよ。 |
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前作「たこ焼きの岸本」でたこ焼き屋を営む十喜子の女子高生時代から進と結婚するまでの「エピソード0」的な第2巻です。
十喜子の病院勤務時代にはある「事件」も起きて、ミステリ要素も込められています。 前作にも増して、大阪人情、大阪の文化が織り交ぜられ、大阪下町の人たちの温かさがしっかり伝わってきます。少しでも大阪に縁のある人なら、これぞザ・大阪を(それも古き良き昭和の)感じることでしょう。 十喜子は進のようなちゃらんぽらんな男とよく結婚しようと思ったものですが、前作を読んでいれば納得はいくでしょうね。 |
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確かに翻訳モノ独特の言い回しが気にならないこともないが、古典ミステリの名作には違いない。文句のつけようはないし、時代を考えればその時代にこれだけの構成でできることが称賛に値するといえるのでは。「多重解決」という手法も面白いし、「犯罪研究会」の面々も個性的。
貫井徳郎が本作を意識して「プリズム」(既読)を書いたときいて納得。 |
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悲惨な電車事故をベースに、人を愛することとは?を問いかける心温まるファンタジー。幽霊が事故の犠牲になった愛する人に会わせてくれるというのは既視感があるが、良心的な作品となっていると思う。特に第四章の最後はウルウルくるね。どこか自分に重なる部分もあって、十分惹き込まれた。いいお話を読ませてもらいました。
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横溝正史は私がミステリにハマるきっかけになった作家(そうです、乱歩より先!)。そんな横溝ワールドと親族間のトラブルを上手く絡ませてます。作中でもそう言わせてますが、なかなか上手く描かれています。横溝についての薀蓄もさり気なく公開、あぁそういう時期もあったんだなとしみじみする場面も。シリーズの中でも上位にくるおもしろさでしょうね。
でもなぜ2021年(未来!)の設定が? |
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役場の仕事に行き詰まりを感じる主人公・あたりが現実逃避するお話。結局はもとの職場に戻るけど、どこか「およげ!たい焼きくん」に近いものを感じた。あたりはこの経験を通じて成長できたのか?は少々疑問。
現時点で渚さんの著作すべて読了。次回作が今から楽しみ! |
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ワンパターンなのに毎回ほっこりさせられるエピソード。
今回は第1章にあの大道寺茜さん登場。認知症を患う父親を気遣う様子に感涙。 早くも第7弾になる本作も飽きをこさせず、目頭を熱くさせてくれます。 |
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