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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数359件
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高校生の世代が抱えるだろう心の問題がこれでもかって程、訴え掛けてくる。
思いつく不幸を全部入れてみましたと言わんばかりです。 誰もが自殺したくなってしまう辛さを文章で感じました。 物語は自殺する瞬間を未来視した所から始まり、 学校に赴任したカウンセラーが自殺して誰かを救うために 高校生達をカウンセリングする流れになっています。 自殺を止められるかどうか――? この目的の本筋の中にこの世代の葛藤が描かれ感じる物語です。 ↑に高校生の世代が抱えるだろう心の問題が たくさん出てくると書きましたが、 多く出ている中でとても繊細な要因が最後まで書かれないものがあります。 この要因が、 ミステリとは違った読了感を得る本書に対して、 ミステリと思わせてしまう読書への鋭い切り口だと思いました。 自殺をテーマとしたメッセージ性が強く出てしまう作品を ミステリ仕立てにして読み物にした印象です。 そう感じる程、読了後に心に残る物がありました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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暴走している内容で
ぐちゃぐちゃしたエログロ小説なのに、 そんなに陰鬱にならない。 昔、夢野久作を読んだ時に味わったような 幻覚を受けた作品でした。 登場人物を"人間"と"化け物"と区分したとき、 見た目と中身が対比されている印象を受けました。 (原始的でとても素直なカッパの存在が ある意味、一番心が綺麗でまともな人間っぽさを受けてしまった) そして話の主軸になる雷太はどちらでもない、 人間と化け物が合わさった存在だなと感じました。 作中でも夢と現実が交差する箇所がありますが、 それがなくても頭に非現実感がたっぷり流れてくる久々のインパクト。 さらに他にはない独特の言葉遊びがとても魅力的。 このシリーズは引続き読んでみたいと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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歴史小説は苦手で、しかも日本史じゃなくて中国物。
ちょっと敬遠していましたが悪い評判を聞かないのと、 普段読まないジャンルなので、たまには良いかなと手に取りました。 中国の秦の時代を舞台とした歴史物語。 登場人物達の名前が中国名なので頭に入り辛かったのですが、 キャラクターのセリフや雰囲気が特徴的な事もあり、 名前ではなく琅邪の人物達の情景が頭に浮かび、 すんなり物語に入り込む事が出来ました。 メフィスト賞作品なので、もしかしたらミステリではなく、 このまま歴史小説なのだろうか……と思った所で、 「鬼の正体」「甦る死体」や「棺の中で成長する女の謎」、「一夜にして消失する屋敷」などなど、 多くの謎が現れ、結果はボリューム多いミステリでした。 久々に苦手な歴史物が面白く感じた作品です。 あと、「琅邪の鬼」が明かされる所がとても印象的で素敵です。 こういうの良いです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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伝承や非科学的な妖怪に至っても すべてあった事にして、
そもそもその存在はどうやって発生したのか?を想像してみよう。 という考え方がとても刺激になった。 短編5つでどれも民俗学と絡めてあり楽しく読めた。 ミステリとしては『不帰屋』、 民俗学としては、だいだらぼっちの存在を紐解く『双死神』 が特に楽しかった。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
ネタバレを表示する
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6編+1つの短編集。
1つ1つの事件に対して、登場人物達が二転三転する推理合戦を行います。 著者が述べている通り、本書の大半がミステリの見所である推理合戦で構成されているのが面白かったです。 ただ、その為か事件はクイズ問題の様に扱われており、 結末はバカミスと言われても仕方がない解答へと落ち着いてしまうのが苦笑いもの。 正直、入門用のクイズ問題を読まされている錯覚になって読み進むのが辛くなりそうでした。 が、最後まで諦めずに結末まで読んで良かったと思います。 評価が俄然変わります。 当初は雑誌連載だったらしいのですが、 連載中は読者から失笑を買ったりしなかったのかな?と思ってしまいました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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目を覚ますと辺り一面、見なれない景色。
>サバイバルのためのアイテムを求める者は東へ。 >護身用のアイテムを求める者は西へ。 >食糧を求める者は南へ。 >情報を求める者は北へ進め。 昔、ゲームブックが好きだった事もあり、 それに見立てられたミステリーというのがとても面白く感じました。 見立てなのですが選択肢がある不思議さも良いです。 ゲームの進行には食料の確保、情報の取得、他の参加者との争いなどなど、 終始、緊張感が解ける事がありませんでした。 舞台の全容が明かされた時は、やっぱりそうか。と分かりやすく提示されますが、 明かされると同時に物悲しさが漂うラストでした。 |
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これは予想以上に面白かったです。
表紙とタイトルからはピンと来なかった作品なのですが、 ネットで評判が良かったので読んでみました。 監禁事件を疑う1枚の紙切れから物語が始まるので 『監禁』がキーワードとなっているのは確かですが、 表紙や言葉から連想されるような、おどろおどろしさは全くなかったので、 読了後の感想としてはまず、題名で損していると感じました。 この本は主人公の違う3つの物語で構成されています。 よくミステリーにあるようなラストに一気に結びつくのではなく、 章刻みに徐々に結びついていく展開が面白く、 最後どうなるのだろう?と気になりながら一気に読めました。 最初期待していなかったのもありますが、なかなかの当り本でした。 |
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学生サークルの面々が合宿先のりら荘で
刺殺、射殺、水死、毒殺、絞殺と手順を変えて殺され、 死体の傍らにはスペードのトランプが置かれる。 ミステリ心をくすぐります。 久々にわくわくしながら読みました。 登場人物を把握するまでもなく、 バタバタ死んでいき、謎が提示されるのでパズル小説を読んだ印象です。 警察が介入するので、完全なクローズドサークルではないですが、 それに近い面白さがありました。 |
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100ページ台の短い小説なので直ぐに読めました。
本人の意図しない所から襲い掛かった不幸に対して、 悩める人たちの恨みや自問自答と言った、 心の傷がテーマである作品でした。 そこに加害者達の相次ぐ死の謎と言った興味も加味され 短いながら深く、とても読ませる作品でした。 |
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希少本で読めなかった本。
いつの間にか復刻していたので手に取る事ができました。 名作として騒がれ過ぎている感があったので、 あえて期待していなかったのですが、 読んでみたら良い作品だと思いました。 メインの仕掛けだけに支えられている感が強く、 中身の話はあまり惹きこまれなかったのですが このトリックのアイディアが斬新でした。 他ではもう真似できないネタですね。 |
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あらすじにあるのでネタバレじゃないですが、『読者が犯人』をテーマとした小説。
どうやって読者を犯人とさせられるのか? が、この小説の主題。 実現方法が、気になってあっという間に読んでしまった。 この手の小説は過去にも存在するけど、無理やり感が強かったり、 「全ての読者」を対象とする事は難しかった。 けど、これは舞台設定をちゃんと作り、 納得できる範囲でやってのけたと思う。 なかなか面白かった。 |
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