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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数374件
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デス・ゲーム系の小説。好みです。
「二つの箱のどちらかを開ければ上階への扉は開かれる。」 アイテムを得るか死を迎えるか。 いつもながら面白いアイディアなのですが、 もっと良くなりそうな期待を受けつつも、もどかしく終わります。 前作までの傾向と同じで、 死のゲームなのにあまり緊張感がなく、主人公の思考が肌に合わないのは、 あえてやっている設定なのかなと思いました。 予想外な展開はあまり生まれず、 淡々とゲームを進行している印象を受けました。 毎度いろいろと不満をこぼしてしまうのですが、 それだけ扱うネタが好きなので、ついつい読みたくなる不思議な作家さんです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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音を色として認識する共感覚の扱いが巧く、
不思議な新しさを感じたミステリでした。 相手の声色で心理状況はもちろん、犯人までわかると述べる探偵。 この探偵の能力が嘘なのか本物なのかの疑心を交えて話は進行しつつ、 当の探偵は犯人が分かっているから証拠集めに専念して行動する。 倒叙ミステリのようで、そうではないユニークな進行でした。 本書を手に取った時はライトノベルで良く見られる、 設定とキャラ立ちが強い小説かと思いました。 ですが読み終わってみると、細かな伏線が多く散りばめられたミステリとも感じ、 特殊能力系のミステリの逸脱した雰囲気に負けない真相もインパクト大で、 なかなか面白い小説でした。 肌に合わなかった点としては、 無能な助手としてヘイスティングズ扱いを受けている山紫郎の行動や思考が 最後まで好みに合わず不快でした。 引き立て役なのか、その分他の人物が魅力的でした。 コテコテの本格ミステリと違って、 特殊能力で解決していく内容は好みが分かれそうですが、 私には個性的な作品で面白かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリーではなかったのですが、
ホラー文学と言いますか、不思議な魅力を味わえたのが良かった作品です。 内容は総じて不気味で「ぼっけえきょうてぇ」然り、 文章表現される岡山の方言が怪談の雰囲気を一層醸し出していました。 女郎が客に対して話しかける独り語りの構成ですが、 これもある種、怖いものに触れて 身動き取れなくなっている変な緊張感を味わえる不思議な仕掛けを感じます。 映像化された作品でもあり、 そちらはグロい表現を強調したものになっている模様です。 ただ、この文章の独特の雰囲気は小説ならではの魅力であり、 映像では違った所を制作陣の好みも相まって惹きだす結果になったのだと感じました。 表題作は40P台の短い小説ですが、 長編のごとく、とても濃いものを読んだ気持ちになりました。 |
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邪馬台国はどこですか?に続く2作目。
本書はアトランティス、ストーンヘンジ、ピラミッドの謎である、 あれは何なのか?なぜ存在するのか?などを新解釈していく小説です。 前作より評判が劣りますが、私はこちらの方が好みでした。 ピラミッドについて1990年以前は奴隷が作っていたものと解釈されていましたが、 現代の研究では、きちんとした雇用と専門の技術者でつくられている事がわかっている。など、 歴史の解釈は現実的に変化しています。 本書で掲げる珍説は、前作以上に「これは無いだろう」と感じるのですが、 頭の片隅では、「でも…もしかしたらアリかも」。と、その発想に惹かれるものがありました。 世界の七不思議を日本らしく解釈している珍説でまとめてあり、、 特にストーンヘンジの解釈については、とても素晴らしく思いました。 面白い小説です。 |
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タイトルにある邪馬台国はどこか?のほか、、
ブッタは悟りを開いてない。イエスの復活の真相とは?など、 歴史で見知った内容を別の解釈で解き明かす小説です。 よくある「本当はXXXだった」系の歴史の解説書とは違い、 軽妙なバーでの会話の手掛かりから真相を導き出す流れのテンポが ミステリの終盤における真相の謎が解かれる気持ち良さを受けました。 現実では的外れな解釈であるかもしれないですが、 想像に富んだ解釈と理論的な展開でミステリを感じたのが見事でした。 |
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前作の密室を開けないまま推理を展開する「扉は閉ざされたまま」に続く、特殊なシーンを描いた倒叙式ミステリ。
今作は、社長を殺そうと企む梶間。梶間に殺されたい社長。前作に続く超頭脳の探偵役の碓氷優佳。計3名による頭脳戦です。 目的を見ると『被害者+加害者 vs 探偵』と、被害者と加害者の意志が協力している所が斬新でした。 冒頭の著者の言葉にある通り、 「事件が起きるまで」を丁寧に書かれた、他であまり類を見ない作品で、 事件が起きなくてもミステリとして楽しむ事ができるという事と、 究極の探偵を描くことに成功している1作とも思えました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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一時期本屋さんでたくさん並んでました。
読み終わった感想としては凄いのを平積みにしたなと感服です。 多くの人々に嫌な気分を味あわせるであろうこの文体は凄いです。 この点が好みと言うと変に思われそうですが、 こう描ける筆力は本当にすごいと思います。 ミステリの感じはあくまで活用した程度で、この点で期待すると違う印象を持ちます。 途中まで好みに合わずでしたが、最後の章あたりで作者のやりたい事が感じられて、 なるほどと思った次第です。 また、巧くドグラ・マグラを取り入れたか意識している作品だと思いました。 両方の作品を読んだ方は何の事か感じるかと思います。 個人的には第8章で終わらせたら 色々と物議を醸して面白いかなと思ったりしましたが、 それはそれで難しい作品になっちゃいますね。 陰鬱な情景に目が行きがちですが、構成もよく出来ている作品だと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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人の心。心理状況を正しくも悪くも
深読みもできる想像力が長けている作家さんだと今回は強く思いました。 人が接触した時に交わされる心模様を 明るく爽やかに描くのとは逆で、 ミステリの謎で分からない心理状況である不安さを巧く活用して 毎回違った心の物語を作っている気がします。 著者の作品は読み終わって、楽しかった、気分が晴れる。 とは違った複雑な気分を持ってしまうのですが、 それぞれどういう言葉で区別したらいいか分からないような、 毎回違った物語が魅力的だと思いました。 |
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目張りされた密室、敷き詰められたラベンダー、充満する花の香り。
吉村達也のシリーズ作品はお手軽でさっと読める推理作品が多く、これもその1冊です。 本自体に香料インクでラベンダーの香りを入れている仕掛けもあり、 "香り"が特徴的な作品で使い方も巧いです。 元々短編だった事もあり、短めでさらっと読める作品にしては、 犯人を特定する方法や、敷き詰められたラベンダーの目的の意外性もあり、なかなか面白かったです。 特に本書で特徴的な香りの使い方が見事です。 あまり類を見ない臭覚を巧く活用した作品の1つだと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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驚いたと言う声を良く聞いていたのでどんな仕掛けの本かと思いましたが、
これはそこだけピックアップする1発ネタの本ではない印象でした。 個人的には多種多様な考え方や感情表現を感じる作品でした。 当たり前ですが、同じ人間でも様々な考え方や感情があります。 男と女、感情表現の高い人・低い人。正義と悪。日本人と外人。異性が好き、興味ない。など 多くの対比の要素を組み合わせた人々が登場します。 そんな人達の会話や考え方が面白く、読んでいて、あぁそんな考え方があるんだ。と感じました。 印象的なのがブータン人のドルジで、ブータン人は生まれ変わりを信じている。 なので輪廻転生の長い時の中で知り合えた人の幸せを願うし、 死を恐れないから活動も積極的になれる。こんな感覚はいいなぁ。と思います。 軽妙でいて深く心にひっかかる言葉を読んで楽しみましたが、 些細な事が現在と過去の何が起きたか先が気になる謎に絡んでくる作りも巧いです。 引っ越ししてきたばかりで状況が分からない椎名と共に、 読者の私は物語に翻弄された感じでした。 ペット殺しの嫌な感じや登場人物達の物語の結末に心沈むものがあったので 少し好みとは逸れて点数低いですが、作品は凄いと思ってます。 |
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この小説は、事件が起きて謎を解決するジャンルのミステリではありません。
勝つ為には後輩を犠牲に何だってすると噂されている エースへの疑心などがミステリの要素として存在しますが、 半分以上はロードレースを魅力的に知る物語でした。 が、これはこれで凄く面白かったです。 ロードレースの事をまったく知らないで読みました。 自転車で競走して1位を目指すぐらいの感覚でしたが、 実は個人競技ではなく、団体競技であって仲間をサポートしながらチームで戦うなんて事を初めて知りました。 エースをゴールへ導くために他のアシスト達が風を受け、他選手を誘導し、事故が起きたらタイヤを受け渡す。 そんな試合中の雰囲気や、選手たちの葛藤などに凄く引き込まれました。 結末は納得しかねるものでしたが十分楽しめました。 続編もある模様なので読んでみたいと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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気付いたら新刊が楽しみになってしまった作者のこのシリーズ。
作者の本を読むのが初めての方は、 いきなり本書から読んでも肌に合わないだけになる恐れがあるので、 『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』などのバカミスのシリーズを先に読み、バカミスに心を開いておく準備が必要です 登場人物達に言わせている作者の想い。 ・ある種のバカミスを読むと元気がでる。 ・マニア向けで版が少なくても希少価値がでる。 ・文芸のなせる芸術。 などなど、 作品作りの想いが強く感じる、物語そっちの気の趣向の本です。 今回は趣向に凝り過ぎて物語に面白みがなかったのが正直な所です。 物語と仕掛けが密接していた三崎黒鳥館白鳥館の方が完成度は高い印象でした。 後半の事件の解決編を読んでいる最中でも今回は期待し過ぎたかな。 と低印象でしたが、最後良い意味で気持ちが吹っ飛びました。 いままでシリーズを読んできた人も翻弄する 三崎黒鳥館白鳥館、新世界崩壊の先を行ってしまった本書。 作者のバカミスにかける思いがここまで来ると感動的で、 歴史に残る作品作りっていいなと、不思議な心情になりました。 作者の走り続ける姿に拍手。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリ好きの心をくすぐる『館』『島』と言うシンプルなタイトル。
孤島に建築された六角形の館で起こる事件。 そして嵐の為のクローズド・サークル。 建築家や六角形の館など、 綾辻行人の十角館のオマージュ作品として感じ、 それが良い効果を持っていて好感的な作品です。 また、お決まりのミステリのガジェットは抑えつつ、 そこにテンポ良いユーモアを交えてあるので、 気軽にミステリの楽しい所を感じとれる本だと思いました。 トリックがとても分かりやすく提示されてますが、 それはそれで安心して読めますし、 館の存在理由が物語とちゃんと一体になって意味があるのが良かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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表紙のイラストから軽いテイストを感じさせますが、
創元推理から出版で、鮎川哲也賞佳作がうなずける、中々良くできたミステリでした。 実の所、この表紙によって中に登場するキャラクター造形が頭の中で定着してしまい、 この表紙じゃなかったら別の画が浮かぶ気がします。 悪い言い方をしてしまうと文章での表現でキャラの個性が思い浮かび辛くて、 このセリフが誰のものなのか。男なのか女なのかイメージし辛い面がありました。 なので表紙のイメージと昔読んだ何かのマンガの記憶の画が浮かびながら読みました。 気になったのはそのぐらいで、 爽やかな青春小説として楽しめましたし、 トリックや動機についても読了後の気持ちはとても良いものでした。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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捻くれ感がとても強く感じてそこが良い意味で個性的に感じられた作品です。
ゾンビ映画の撮影をしようと廃墟に訪れた所、死体が発見されます。 通常ならここから事件発生でドタバタし始める所、この作品では、 騒いで警察来て事情聴取されても面倒だから、気にせず撮影しよう。 と、めんどくさい。他人と関わりたくないオーラ全開の思考展開が面白いです。 生きている価値がないと思う自分自身がゾンビであり、 実際に死んでる死体は注目されることで生を感じて羨ましい。など、 死体を通じて取り巻く、引きこもりの思考や行動が私には斬新で楽しめました。 死体消失の謎や動機にも唸りました。 不思議な面白さがある作品です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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多重人格を扱ったサスペンスストーリーとして、
とても面白く読めました。 文庫版の帯には「騙された」と言った、 どんでん返しを期待させるキャッチコピーがあった模様ですが、 それに期待して本書を読むと読みたかった内容との違いに戸惑ってしまうと思います。 話は各登場人物たちが知り合った1人の女性が行方不明になる所から始まります。 それぞれの人たちと接している時の1人の女性の像が異なり、 女性と接した人たちの話を聞いていく中で、 同一人物なのか?もしかして多重人格者だったのか? なぜ多重人格になってしまったんだろう? と言った感じに謎が展開されます。 このストーリーの展開はとてもテンポが良くて判りやすく、 そして1つの殺人事件の謎とも絡まってきて中々面白かったです。 ちょっと残念だったのが、 文庫化するにあたって最終章のモノローグ4を封印します。と言った作者のコメント。 この一言は余計だと思いました。 正直あってもなくても伏線が効いてくる内容でなく、 余談みたいなものなので、 読者にあるなしを選ばせるのではなく、 作者が1つの作品としてどっちかに決めてしまったらよいと思いました。 帯のコピー然り、余計な文章が読者に意図しない印象を与えてしまい、 勿体無いと感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリではなく、SFになると思いますが、
SFとも違う。単純なジャンル分けに収まらない作品だと感じます。 世の評判とあらすじを見てもさっぱり内容が判らず、 どんなものかと手に取り読みましたが、なるほど。。。これは凄くて表現できない。 近未来を舞台とした殺戮の物語。 虐殺を駆り立てる切っ掛けとなる虐殺の文法。言語とは何か?と言う この小説では見えやすい目的を軸に宗教観や生物、言語や思考を リアルなSFの世界感で包んで物語にした上で頭に入れられた感じです。 世界観に圧倒。凄いものを読んだ読了感です。面白かった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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