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タッキー さんのレビュー一覧

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レビュー数99

全99件 21~40 2/5ページ

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No.79: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

記者の矜恃を示す作品

有名なグリコ森永事件。当時小学生だったため、キャラメルなどのお菓子にビニールが付いたのを覚えています。結構犯人に肉薄している場面が多々あり、あぁそんなことがあったんだと今更ながら思いました。犯人グループの一人の子供と新聞記者の二人の視点で進んでいき、それぞれが事件を調べていくというストーリー。核心に迫るごとに二人の距離が縮まっていく展開は読んでいてゾクゾクします。この手の本を読んで思うのは、どこまでがフィクションで、どこからがノンフィクションなのかということ。全てフィクションかと思うくらい臨場感のある作品でした。
罪の声 (講談社文庫)
塩田武士罪の声 についてのレビュー
No.78: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

映画のようなサスペンスストーリー

クイーンの作家活動40周年の記念作品。ミステリー色はなく、クイーンとしては異色のストーリー。三人の強盗が奪った金を隠すため、警官の家に押し入り警官に金を預けて、代わりに警官の娘を拉致して逃亡。そこから始まるサスペンスもので、次々とストーリーが展開早く動いていき、次どうなるか、先が気になって楽しく読めました。まるで映画を観ているようで、面白かったです。
孤独の島 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-22)
エラリー・クイーン孤独の島 についてのレビュー
No.77: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

胸打たれる津山事件の真相

この事件は、現実にあった津山三十人事件をモチーフにしているらしく、中盤でその事件を克明に描写。そのページ数は200ページ超。読んでいて、本編の内容がどうでもよくなりましたf^_^;津山事件はリアリティに溢れていて、優等生だった睦雄が結核に侵され、人から疎まれていく様子が書かれており、もちろん睦雄に非はあるものの、田舎の小さな閉鎖的な社会の怖さを感じさせられました。龍臥亭事件の結末はまぁトリックは島田さんらしい、そんなんありか?と思いつつも何となく予想ができたもので、むしろ津山事件に胸が打たれました。
龍臥亭事件〈上〉 (光文社文庫)
島田荘司龍臥亭事件 についてのレビュー
No.76: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

シンプルな謎解きのミステリー

表題作の短編と中編で、いずれもエラリーの秘書のニッキーが登場。表題作の方はクイズのような軽めのストーリーで、謎としては単純で読みやすいお話でした。中編は、中国から船で母国アメリカに帰ってきた腹話術師が、帰国直後に殺され、ホテルのトランクの中で発見されるという事件。やはり長編とは異なり、どこか軽く、人物描写などの重厚さにはやはり欠ける気がしました。謎解きはこちらもシンプルで悪くなく、良くも悪くもない良質ミステリーという印象です。
大富豪殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-25)
エラリー・クイーン大富豪殺人事件 についてのレビュー
No.75: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ダレカガナカニイル

頭の中で他人の人格と会話するってどんな気持ちなのかなぁ?今回の井上作品はこれ!解放の家という、宗教団体のような団体の教祖の死をきっかけに、その教祖の声が頭の中で聞こえるようになった主人公。この邪魔な声を追い出すにはどうすればいいのか、というお話。途中、幽体離脱のような『ポア』が登場したり、かつての『なんちゃら真理教』を彷彿とさせる内容もありつつも、この話、最後残り5分の1程度になってもどういうテーマの話なのか全くわかりません。でも、ようやく最後の方で、どうやら教祖を殺害したのは誰かがテーマとなっている気がしたのですが、それも違いました。
ダレカガナカニイル… (講談社文庫)
井上夢人ダレカガナカニイル… についてのレビュー
No.74:
(7pt)

安定のシリーズ12作目

これで12作目となる安定のこのシリーズですが、今回も安定の内容。その中にあって、塔子が潜入捜査をしたりと、少しオッという場面もあり、楽しめました。ただ、やはりマンネリ感はどうしても出てしまうので、鷹野や塔子以外のキャラたちも、せっかくキャラが確立しているので、そこにスポットをあてて活躍させても面白いのではと思いました。次作は、塔子の事件でしょうか。
天空の鏡 警視庁殺人分析班 (講談社文庫)
麻見和史天空の鏡 警視庁捜査一課十一係 についてのレビュー
No.73:
(7pt)

人魚がもたらす妖のストーリー

この変わったタイトル。どんな作品なのか想像もできないので、作者の作品が好きでないと、手を出さないであろう作品。でも、読んでみるとこれが実に面白い!新撰組を題材にした連作短編ものの時代小説。坂本龍馬や人斬り以蔵が、海岸に打ち上げられていた人魚を食べるところから話はスタート。この肉を食べると、いろんな妖に取り憑かれるというもの。一番良かったのは沖田総司の吸血鬼?のストーリー。全体を通して、妖にとらわれた姿を描き、独自のアレンジを加えつつも、史実に基づいたストーリーにしているところがなんとも秀逸のでき。
人魚ノ肉
木下昌輝人魚ノ肉 についてのレビュー
No.72:
(7pt)

ラストは温かなハッピーエンド

ラストは宮部さんらしい温かいハッピーエンド。温かい気持ちになりました。前の感想でも書きましたが、宮部さんの描く時代小説の登場人物が大好きで、この作品でもみんないい人ばかりで、それだけで温かい気持ちになりました。ただ由衣の方だけが気の毒に思いました。
この世の春(上) (新潮文庫)
宮部みゆきこの世の春 についてのレビュー
No.71:
(7pt)

危機に対して大切なことを伝える作品

1人1冊限定で平積みで売っていたため、買いたくなり、購入した一冊。地震、台風、新型ウイルスなど、様々な危機。この本が描くのは中世にも猛威を奮ったペスト。この本の内容は、今の日本や世界の状況とシンクロします。トップの反応や対応などなど。これは1947年の作品ですが、書かれていることは、医師であるリウーを通して危機に対して地道にできる自分の仕事を一つずつ確実に行うことの大切さを訴えるもので、すごく共感できました。訳が難しいのか、そもそもの内容が難しいのか、むずかったですが。
ペスト (新潮文庫)
アルベール・カミュペスト についてのレビュー
No.70:
(7pt)

家裁調査官を題材にした作品

何を扱っているのか、地味なタイトルからは分かりませんが、家裁調査官の話。佐方検事シリーズのような展開と雰囲気で、柚木さんらしい作品だと思いました。5つの連作短編で、離婚調停やモラハラなどが取り上げられています。テーマは重いのですが、そこは柚木作品で、出てくる人たちや土地柄が温かく感じられ、気持ちよく読めました。
あしたの君へ
柚月裕子あしたの君へ についてのレビュー
No.69:
(7pt)

何が正義か?

コンビニ強盗犯が病院に立て籠り!そして金を要求して逃走を計る。途中まではありきたりの展開でしたが、中盤から終盤にかけて怒涛の展開!読みやすい文章で一気に読むことができました。もちろん面白かったのですが、最後はどちらが正しいのか犯人の肩を持ちたい気が。そのため読後感はよくなく、直近で読んだ『蟻の菜園』に続き、なんとなくスッキリとはしませんでした。
交渉人・遠野麻衣子 (河出文庫)
五十嵐貴久交渉人・遠野麻衣子 についてのレビュー
No.68:
(7pt)

児童虐待をテーマにした社会派ミステリー

児童虐待をテーマにしたなんとも切ない社会派ミステリー。練炭殺害事件を犯したと目される女性が犯人であることに疑問を感じて調べる雑誌記者。調べるうちにその女性の素性を巡って意外な事実が判明。父親からの虐待。本当に可哀想です。現代パートと過去パートが交互に繰り返される構成で、辛い話ではありましたが、過去パートで登場する福井県の人たちや方言が良かったです。自殺の名所とも知られる東尋坊。命の公衆電話って本当にあるんかなぁなどと思い、行って見たくなりました。
蟻の菜園 ‐アントガーデン‐ (角川文庫)
柚月裕子蟻の菜園 -アントガーデン- についてのレビュー
No.67:
(7pt)

本編の裏側に潜む事件集

『シャーロック・ホームズの蒐集』というこの作家の作品が非常によくできたものだったため、こちらの作品も購入。ワトスン、レストレードやハドスン夫人といったホームズシリーズに出てくる脇役を主人公にした6つの短編。ミステリーとして面白かったか?と言われれば正直疑問符がつきます。でもいずれの作品もホームズ本編の裏側に潜んでそうなプチ事件を創造して取り扱っており、ファンとして見た場合、決して読んで損はない内容でした。
ホームズ連盟の事件簿
北原尚彦ホームズ連盟の事件簿 についてのレビュー
No.66:
(7pt)

不思議な余韻が残る本好きのためのストーリー

海外ベストセラー作品が読みたい!と思い探り当てた一冊。スペイン作家の作品を読むのは初めて。第二次大戦後のバルセロナでの物語。これまで本でもあまり馴染みがない場所がストーリーの中心だからか、なんとも不思議な魅力があります。フリアン・カラックスという作家の『風の影』という本を手に入れたダニエルは、その作家に興味を覚え、フリアンの生涯を追い求めるうちに様々な謎に出くわすというストーリー。少しテンポは遅いですが、さすがベストセラー!しっかりと読者を惹きつけます。後半では『風の影』の作者フリアン・カラックスの小説を焼き払うために彼の本を探す人物の意外な正体や、フリアンとフメロ刑事の因縁の対決、そして主人公ダニエルの恋の行方などなど、いろんな見どころが詰まっています。最後は全てが収まるところに収まり、なんとも不思議な余韻が残る本好きのためのストーリー。結局、この本はミステリーというでもなく、どういうジャンルの本かと問われるとビミョーな内容です。
風の影 (上) (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォン風の影 についてのレビュー
No.65: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

子どもたちは夜と遊ぶの感想

辻村作品らしく、中盤まではスローペースの展開。題名を見てもどんな種類の話か分からず、また途中まで読んでも分からず。でしたが、ペンネームiとθが交互に殺人ゲームを犯していくというストーリー。特に中盤から終盤にかけては面白かったです。強いて言うならちょっと冗長で長かったかなぁ。でも秋先生もいいし、月子も魅力的。結構テーマは重いのに、登場人物一人ひとりが生き生きしている分、スッと読めました。
子どもたちは夜と遊ぶ 下 (3) (講談社文庫 つ 28-4)
辻村深月子どもたちは夜と遊ぶ についてのレビュー
No.64:
(7pt)

連続ドラマのような作品

5つの短編で構成される法医学ミステリー。最近ドラマでもこの手の作品が多いためか、まるで連続ドラマのような作品でした。主人公はいわゆる研修医で、老練な教授の下でこき使われるというもので、この辺りもドラマのような設定。5つの短編の話が最終話で一つの話として収斂され、読み応えがありました。まだまだ続編もありそうですので、また読んでみたいと思いました。
ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)
中山七里ヒポクラテスの誓い についてのレビュー
No.63:
(7pt)

レビューを書くのが恐怖な小説

これはレビューを書くのが怖くなりますねぇ。今作はどこまでフィクションなのかノンフィクションなのか?もちろんフィクションなのでしょうが、やっぱり小説を書くのって大変なんだなぁと思わせられました。また、もちろん人間が一番怖いってのはよく分かりますし、そこをテーマにしたこの小説も好きですが、なんか妙にリアル過ぎて、個人的には前作、前々作の方が好きだと思いました。こんなレビューを書くと・・・
恐怖小説キリカ (講談社文庫)
澤村伊智恐怖小説 キリカ についてのレビュー
No.62:
(7pt)

驚きのラストシーン

前作でリカに拉致された者が遺体で発見される場面から始まり、二人の女性刑事がリカを発見するために捜査。ありきたりな展開かと思いきやラストは驚きの展開。そうきましたか。さらに続きがあるそうですが、やはり主人公は?
リターン (幻冬舎文庫)
五十嵐貴久リターン についてのレビュー
No.61: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ネットの怖さ

土ドラやお気に入りの方の感想などを受けて購入!『リカがコワイ』は月並みですが、今更ながら、ネットの怖さを思い知らされます。その気になれば、個人情報はツツヌケ。消したくても消えない、消せない。調べようと思えば、いくらでも調べられる手段がある。なんかそれが怖いですねぇ。さて、リカはこの巻では、あまりリカ自身の素顔が実は見えてない気がしました。今後、そういった部分も出てくるのかなぁ、と思いながら、次巻以降も期待です。
リカ (幻冬社文庫)
五十嵐貴久リカ についてのレビュー
No.60:
(7pt)

復讐の恐ろしさ

- [ ] よくドラマで『あいつをこの手で』なんて言いますが。人を殺せば、その被害者の遺族は、加害者を自らの手で始末できるという『復讐法』をテーマに、刑の執行を見守る監察官の視点で書かれた5つの連作短編集。復讐法の適用を選択すると、自らの手で加害者を被害者と同じような状況で始末できるというもの。このため後の執行を強く望む遺族、その適用の選択を躊躇う遺族など様々。復讐は、する側もされる側も、そして見ている側もみんな辛い残酷なものと、改めて思うとともに、自分だったら?と思わず考えさせられました。
ジャッジメント (双葉文庫)
小林由香ジャッジメント についてのレビュー