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タカタソン さんのレビュー一覧
タカタソンさんのページへレビュー数76件
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刑事小説は数あれど警察を監視する監察官の話は珍しく目新しい。監察官が主人公なら当然スト-リ-は警察内部の不祥事や闇を暴く話となり、その中で登場人物もなかなか良くて面白かった。
主人公の美人刑事が所轄から特務観察室への異動の理由が1章で語られるが、そんな理由で異動があるか!って思うのと、展開が早くてどうなるの?って、どんどん引き込まれます。どちらかというと、主人公よりその上司の鎮目警視正が冷酷でキレキレで鎮目警視正の過去との対峙物語と言える。 最後に起こる事件はこの小説の覚悟でありインパクトを残した。 |
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一体いくつの話が同時進行しているのだろう。5?6?
それぞれの立場から話が進行していくので、ちょっと把握してないと混乱必至。だれが善で悪かも定かではないから読みこなすのが難しい。 でも物語はスパイ、情報小説と言って難しそうだが分かり易い展開でグイグイ引き込まれる。 戦争を起こさない為に限られた国間で会議を行い、ある犠牲を決める。その情報・リストが漏れ、闇で入札が行われ、その入札、情報を巡って色んな事件が起きていく。 登場人物が結構魅力的で本作だけで終わらせるのは勿体ない。 でも、読むと少し怖くなる。フィクションだとは思うけど、近い事実、現実がありそうな気がする。 |
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山岳冒険小説の傑作で調べてみると必ず名前が挙がっている本作。
読んでみると、なるほど、確かにその後の山岳小説に多大な影響を与えているなと思うような、山岳シ-ンの過酷さや非情さに緊迫感あり、つい熱中してしまう。 ただ、この小説は戦争小説であり第二次世界大戦時のナチドイツの作戦のひとつの話。主人公はドイツ人であり、過去登山経験者という事で特別任務に着く。その作戦にたどり着く前は戦争の様子や任務に就く前の訓練など当時のドイツの状況が描かれているが、歴史というか戦争描写が苦手な人は読み進めるのがキツイかもしれない。アイガ-の死闘は後半なのでそこまで頑張れば誰でも納得できる内容。やはり極限状態では、戦争なんて無意味で、敵味方なく自然だけが敵だという・・・。 プロロ-グで意識付けされた氷漬けのナチ軍人の真実が意外に心地よく、エピロ-グでほほ笑む。 |
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主人公が五股をしていた女性にひとりひとり別れ話をしていくスト-リ-。1章毎にひとりの女性との別れ話になっていて、女性のキャラやエピソ-ドは著者らしさが満載で著者作品を読んだこと無い人にもいいかも。ただ、その世界観に入り込めないと、全ての疑問が解決されていないと納得しない方には向いていない。この主人公が別れ話をするのは、「バス」で連れて行かれるからでそれが何故かの理由は明かされない。ただ、その事はこの物語のあくまで前提であって、そこを超えた想像と読解があれば物語は開ける。
章ごとに「あれもうそだったのね?」との類文での始まり方や、分かれ話なのになぜか、ほっとするようなエピソ-ドだったり秀逸だと思うけどな。 |
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暗殺者だけど悪い奴しか殺さない、過去の擁護した雇主の子供を助ける為に罠だと分かっていながら助けに行く。一種のヒ-ロ-小説であり読後感は満足できる。
そもそも暗殺者とあるけど暗殺シ-ンなんてない。けど、強い。グレイマンと言われると通り、普通っぽい身なりで性格も穏やかで、罠にはハマり多くの傭兵に狙われそれでも一人で切り抜けていく。暗殺者として有名なグレイマンを仕留めようとする多くの敵とのギリギリの攻防にヒヤヒヤ。 最後のヤマ場もいい。愛する者を守れるか、陰謀に翻弄された登場人物たちの末路、瀕死の主人公に待ち受ける意外な結末。 久しぶりの面白い冒険小説を読んだなと。 |
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特捜部Qの2作目という事で1作目が何年もの軟禁されていた女性の事件でその異常性や緊迫感で相当高い評価をしていた為、読む前から果たして1作目を超えられるのかと期待は正直していなかったが、これが予想に反してというか想像をはるかに超えて面白い。今作も過去の未解決事件を特捜部Qのメンバ-が追って行くのだが、今回は初めから犯人が分かっていて過去の学生時代の1グル-プで今ではそれぞれが国でも有数なビジネスリ-ダ-で金と権力で真実をねじ伏せる。趣味が狩りでその悪役っぷりというか悪毒さはいかにもセレブな悪役像でサイコ的な要因をプラスして誰でも嫌悪感をもつ悪役で分かり易い。話はそれだけでは済まない。元々学生時代で同グル-プだった唯一の女性キミ-がなぜか彼らを追い詰める。彼女の破滅的?壊れた人格・精神性は今作の重みを増し、また、読み離せなくなるトリガ-となっている。
主人公のカ-ル?前作よりだいぶマシになったかな? |
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北海道警察シリ-ズの何弾目ですか?5弾目?シリ-ズものであるので登場人物もおなじみで、今作も主要メンバ-がそれぞれ追っている事件が実は繋がっていて協力しつつという展開。今回は、犯人探しもそうだが報復から逃れる協力者を守れるかの追う者と追われる者、守る者の三つ巴の展開は緊迫感があって、つい読みふけってしまう。
このシリ-ズの特徴は北海道警察内部ネタが常にあって、1作目の「笑う警官」はこのシリ-ズではバイブル的な存在。これを読まないと関係性とかちょくちょく言葉で出てくる郡司事件とか何の事か分からないと思う。だた、1作目を読んでいてももう何年も前になるので忘れてる。もうそろそろ、そこからの脱皮と主要メンバ-達の新たな展開がないと、マンネリになりそう。 |
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【ネタバレかも!?】
(4件の連絡あり)[?]
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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あらすじを読むと、巨大企業の悪事をばらすみたいなフィクションに近いイメ-ジをとると思うが、半分は当たって?て半分は純粋な警察小説だと思った方がいいかも。
話の筋は巨大企業の強引な地方出店、ワンマン社長、アホ息子がキ-ワ-ド。この企業に個人の恨みで調査する新聞記者と、また別の過去の未解決殺人事件を調査している主人公刑事が最後には交差する。 主人公刑事が地道に聞き込みを行って容疑者に近づいていく過程は丁寧に描写されていて、思わず息をのむ。企業・一族を守ろうとする滝沢もヒ-ル役かもしれないが見逃せない。 最終的には、本題にある通り食肉・牛に絡む展開になるのだが、もっとどろどろした終わり方を期待していただけに意外にアッサリ。物語のバランスを取るための獣医師の変な正義と最終的には警察内部オチで7点。 |
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最新科学と誰もが聞いた事がる歴史とミステリ-、アクションを組み合わさたスト-リ-展開のシリ-ズ第2弾目。1作目の「マギの整骨」も読んでいるから登場人物もすんなり。逆に読んでいないと、主役組織の「シグマフォ-ス」がわかりずらいかもしれない。世界秩序を守る米国国防省機密組織のシグマフォ-ス。
1作目はシグマフォ-ス全員でひとつの事件を追っていく感じだが、2作目は何と司令官のクロウとピア-ズ隊長が別々の事件で話は進んでいく。当然、最後には繋がるのだが今作の方がスト-リ-性が増し評価点は前作と同じでも今作の方が好み。 キ-ワ-ドの「ナチ」、「量子論」に+アクションが少しでも興味がある方ならハマるでしょう。 |
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隠蔽捜査シリ-ズを読んでいる方、好きな方には堪らないかもしれない。
主人公は隠蔽シリ-ズでちょいちょい登場する主人公竜崎の幼馴染の伊丹。 シリ-ズを読むと伊丹のイメ-ジは爽やかで頼れる人物像だが、この3.5で実態の姿が描かれている。 短編集で各章で当然完結するのだが、必ず竜崎との電話のシ-ンがある。 ちょっとした電話シ-ンだが、竜崎の個性が最大限に表れていて思わずニヤけてしまう。 伊丹が主役でも主人公は竜崎だと思ってしまう今作は8.5点。 |
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この小説を読み終わった後、一体何の話だったのかと思ってしまうほど、勿体ない感がどうしてもあった。最終的に小説家・芸術家についての哲学・あるべき論を語りたかったのか?それほど、詰め込まれている、ある意味お得?小説かもしれないが、読み手からすると賛否両論は同然あるでしょう。
自分は実は前半部分の方が好み。 牢獄に捉えられている死刑間近の殺人鬼から告白本の執筆出来る代わりに(本が出ればベストセラ-間違いないので)、ファンレタ-を送ってきた女と面談を行い、その女とのポルノ小説を書けという。それだけでも面白いが、あと本書の特徴として主人公の小説家が書いた小説が挿絵ならぬ挿小説として、ポルノや吸血鬼、SFポルノ?物など、それがまた良く出来ていてバカバカしくも面白い。 このまま、ミステリ-にはせず最後まで突っ走った方が絶対良かった。ただ、残念ながら殺人事件が起こり中盤以降はミステリ-へと変わってしまう。この辺りが中途半端感なのか。ミステリ-を期待するとそこまで行くのに時間がかかる。 期待外れか期待通りか期待するところで評価が分かれる本作は異作なのでしょう。 |
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読み出しから異次元世界でのバトル開始で始まる。
これだけでもインパクトが相当あるが、18人の怪物となった駒とキングの主人公がどのような状況にあるか混乱の内に、誰だかわからない相手とキングが殺されるまでの戦いが始まっていく。 (この時点で夢オチかって思ってしまうが、それは置いておきましょう。) 18体の怪物は、将棋?チェス?の駒のようにそれぞれ特徴があって、その配置や動かし方など将棋・チェスを思わせるような戦略がバトルの面白みになっている。 ただ、このバトルが7番勝負とした事で1戦が非常に簡潔でちょっとしたミスや、時には力押しでアッサリ決着がついたりする。 ここが妙で、5、3番勝負にして1戦の中身を濃くする事も出来たと思う。 そこが、7番勝負なのでスピ-ド感があって次へと読み進めたくなる。 読み手側は当然、この異次元世界がどこなのか、何の為のバトルなのかが、この物語のミステリ-として期待するが、読み終わる頃にはそこが本質では無いと分かると思う。 人間の執念・狂気、暗黒面がこれだけ面白く描かれているのだから、読後感が良いとは言えませんが傑作といいましょう。 |
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ミステリ-と思い込んで読み始めたが、中身は青春小説だと言った方が合っている。
主人公が話さないのがこの物語のキモでもあるのだが、そもそも主人公の一人称で書かれているので物語中で主人公が話さなくてもどういう心理かは全て書いてあって分かるし、ノリの軽いテンポで進むのでそもそも話したくても話せないとか過去の事件のトラウマ感が希薄に感じる。 ただ、金庫破りになるまでの経緯と、金庫破りとして逮捕されるまでの犯罪エピソードが章毎に展開されそれがスピ-ド感があって良い。 最終的に、全ては恋する彼女の為、LOVEの為って事でいいんじゃないでしょうか。 |
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名作「サクリファイス」の続編。
主人公白石(愛称はチカ)がプロロ-ドレ-サ-としてツ-ル・ド・フランスに挑む。 ビジネスとしての自転車競技の世界や、レ-サ-側からのレ-ス視点は興味深くそこが面白さでもあった。 前作に引き続き「アシスト」が物語のキモになっていて、主人公のチカが誰をアシストするか、自分の進む道について悩む。 ミステリ-というよりスポ-ツ小説で、文量に対してその世界観の広がりは素晴らしかった。 |
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著者の初期作品の傑作のひとつと間違いなく言える程、面白い。
主人公は元ヤクザで田舎で老人と手を組んで裏金強奪の裏稼業をしていて、その場面をヤクザ時代の知り合い女実業家に見られ、3億円の強奪を強要される。ただ単純に脅迫するような女実業家ではない事を知っていて調べていくと彼女もヤクザに狙われ死んでしまう。主人公もヤクザ時代に自分の組を仲間と共に幹部を殺すことで潰していて、その仲間との因縁も全て3億円強奪に集約していく。 3億円をどのように強奪するかを主人公達が考えるところも読みごたえがあるし、潰した組の組長娘とも関係や魅力的な登場人物も良い。 ノワ-ルとはいっても、著者の優しさがあって主人公が悪になりきれず、読み易く多少展開の強引さはあるが中だるみがなく一気読み間違いなし。 |
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「特捜部Q」って深夜にやってそうなアメリカの三流警察ドラマっぽい題名だが、これが予想に反して面白い。そもそも北欧ミステリ-で、「特捜部Q」というのは本書を読めばわかるが、厄介者の主人公カ-ルを押し込めて置く為と未解決事件を扱う部署を新規で立ち上げればお金が入ってくるからで冗談みたいな名前が付けられている。
その適当部署である特捜部が過去事件を解決していくのがこのシリ-ズ。 そんな、主人公だけの一人部署に雑用係?のアサドと、適当な感じで過去の事件を調べていくのだが、アサドがなかなかの奇抜のキャラで、主人公はどちらかというと家族や過去を引きずっていて、有能なのに本気を出さないというか、正直本作では魅力があまり感じられなかった。 本作を面白くしているのは、緊張感がある。特捜部が追っている過去の事件が、当時の状況から被害者(女性議員)視点で描かれている。 つまり、現在の捜査状況と過去の事件状況が交互に展開されていき、副題にある通り、被害者の女性議員のあまりにリアルで過酷な監禁状況が何年にも渡って書かれていて、そのサイコ的な描写は苦手な人もいるかもしれないが、それでも女性議員の何とか生きようとする姿勢は物語を盛り上げている。 犯人は読み進めていけば何となくわかってしまうが、終わり方も良かったし、読み応え十分な良作だと思う。 |
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この小説の前半と中盤以降の話の展開の違いは凄すぎる。
警察小説だと読んでいると、後半は犯罪?ノワ-ル?と思わせる展開。 始まりの軽いノリと違って、テ-マは重い。 国益のために何をしても許されるのか、憎しみは正義を変えてしまうのか。 主人公津原の純粋さと汚れていく様は、あまりに切ない。 |
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京料理屋の女将が主人公の客とのふれあいミステリ-?で、「ふたたびの虹」の続編。
一作目は女将本人の生い立ちがミステリ-として根底にあったが、本作は純粋な人間ドラマ。 前作同様短編集なのだが、同じ会社内での人間模様が違う短編で違う主人公、視点で描かれていて繋がりがあり、つい読み進めたくなってしまうだろう。 本作は、働く女性が主人公で仕事、恋愛の価値観や、病気など、働いている人にとっては身近に感じる話でまた、女将との会話の妙が素晴らしく本作も温かいものがあった。 |
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著者代表作の主人公達(鮫とか佐久間とかジョ-カ-とか)も活躍する短編集。
80年代とかにも書かれた短編もあったりして、どれも想像していたよりもよかった。 短編なのでひとつの会話だったりエピソ-ドなのだが、非常にハ-ドボイルドで個人的にいいなって思える短編がいくつもあった。 暇つぶしに最適かも。 |
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