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ニコラス刑事 さんのレビュー一覧

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レビュー数56

全56件 41~56 3/3ページ
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No.16: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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殺人鬼フジコの衝動の感想

ある女性が書いた殺人鬼フジコについての記録小説。これを読み進む形で物語りは始まる。小学生の頃からの生活の様子からスタートするが、思ったことを口に出せずクラスメイトに引きずられるネガティブな性格などが表わされている。一人の男子にいじめられる標的になるが何も抵抗できない。家庭は最悪の状態で家族と呼べる状態ではなかった。そして、踏み切りでの出来事。いじめっ子Kに追いかけられたフジコは・・・。
フジコの視点で書かれている小説を最後まで読んでいくと、この小説を持っているひとりの女性の「あとがき」がある。そこには書かれていた事以外の隠された真実が資料と仮説によって示されている。それを確かめるべくある人物に会うことにしたことを記して「あとがき」は終わっている。次のページには新聞記事の小さな切り抜きがある。その記事は「ある人物」に会おうとした女性の遺体の一部が発見されたとの報だった。
と、こういった仕掛けの凝った物語だけれど、どうも内容が暗く重苦しい雰囲気で読んでいて楽しい気分にはなり得ない。その辺で読者はどうするか、最後まで読み進めるか本を閉じるか分かれることだろう。
でも、私自身はこういった仕掛けのある話は好きなのでラストでの意外性も楽しめた。
本当に悪いやつは影に隠れている。
殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子殺人鬼フジコの衝動 についてのレビュー
No.15: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アミダサマの感想

作者はホラーとか、サスペンスとかそういった色合いでこの作品を書こうと意図したわけでは決してないと思う。僧侶の経験もある氏の現世感や仏教の世界感を多少交えながら、人の世の無常や何でもないことが歪んで広まったり、悪いことが連鎖して起きたりするが、そんなことは特別なことではなく普通にあることでそんな中を人は生きていくのだと云っている気がする。自分を見失っている、何かに囚われている者も結局救ってくれるのは愛する人であり、愛する人がそばにいるからこそ人は再生出来る。いろいろな因縁やしがらみに振り回されず本当に自分に必要な人、その人は外見や過去や学歴や家柄などといった物差しは陳腐でただ本質をみてその人だと気付くべきだと教えてくれている。そんな気がしたラストだった。安っぽいホラーではない深い意味の物語である。氏の作品はこれで三作目だ。「ユリゴコロ」で衝撃を受けてからますます気になっていく。
アミダサマ (光文社文庫 ぬ)
沼田まほかるアミダサマ についてのレビュー
No.14: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ラットマンの感想

世の中には無愛想と評される人がいます。目は口ほどにものを言い、と云うことわざがありますが、現実には胸の中の想いは口に出さなければ中々人には伝わりません。ですからあの時母が一言でも漏らしていればお互い誤解したまま長い年月距離を置いた関係とはならなかったはずです。つまり物語を構築している世界そのものが崩れ去ることになります。そんな危うい世界ではあるのですが、さすが道尾秀介でありましてそういったところは露ほども感じさせず読者を手元に引き寄せて思うがまま手の上で踊らさせます。
そして、これが真相です、と安心させておいて更に次の仕掛けのタネ明かしを見せて悦に入っています。
あんぐりと口をあけて二の句を告げずに居る読者を悪戯坊主のよな顔をしてにニヤニヤと見つめているのです。愛すべき悪戯小僧なのです。
ラットマン (光文社文庫)
道尾秀介ラットマン についてのレビュー
No.13: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

仮面幻双曲の感想

とてもクラシックな探偵小説の体裁を纏った物語である。それはつまり根本的なトリックを成立させるためには現代社会ではありえないからであり、時代背景を昭和の時代で戦後間もない頃にしたのはそのせいである。
とは云え、双子の兄弟、顔の整形、弟からの兄殺害予告、といった懐かしさを覚える古き良きミステリーの装いで幕を開けるストーリーは面白さを予感させる。ただ、残念なのは登場人物のキャラクター造形があっさりしていて平坦な文章と相まって物語りに深みが無いと云う事である。悪く言えば推理クイズの問題編を読んでいるような感じである。だが、本編はなかなか良く出来ていると思う。謎めいた現象も犯人からすれば必然でありそれを指摘する探偵の論理展開も見事であるが、いかんせん探偵役の思考の道筋がさっぱり読者には見えないことに不満が残る。伏線はきっちりしているがそれだけですべてを解き明かすのはちょっと無理だろう。物語の中の探偵と読者は対等ではないと云う事になる。そのへんがどうもネ。しかし、昭和の香りのする探偵小説を味わえるのは悪くない。
仮面幻双曲
大山誠一郎仮面幻双曲 についてのレビュー
No.12: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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ラバー・ソウルの感想

う~ん、微妙だなぁ。ラストのドンデン返しの衝撃度はそれ程でもないし、けっこう読める範囲内とも云えるけど・・・。結末が読めるからつまらない本とする気はないものの、この内容ならばちょっと長すぎると云う印象だなぁ。構成と文章は岡島二人のティストそのままで、非常に読みやすい。奇形のストーカー男の恋と独白、そして殺人事件の様子を事情聴取に答える形で読み進めていく展開だが、ある意味アンフェアな部分がある。そこを隠しておいてどうですラストのドンデン返しには驚いたでしょう?と云われても納得できない。印象から受ける心理の逆をつくトリックと云うかプロットは良いけれど、もう少し捻りがあっても良かったんじゃあないだろうか。少しストレート過ぎると思う。
ラバー・ソウル
井上夢人ラバー・ソウル についてのレビュー
No.11: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

セカンド・ラブの感想

多分、読んでおくべきミステリーと云ったカテゴリーのなかに収まっているだろう「イニシェーション・ラブ」と似たような趣向の第二弾という内容で知られている本だが、先の本を読んでいれば仕掛けの内容が読めるので生半可なものでは難しいだろうと想像していた。春香の行動は半分は理解できるがもう半分はちょっと理解できない。時の総理の名前とかヒット曲の具体名が出てくるとオヤと思わせるが最後を読み終えると成る程と思う。しかし結局最後の二行が無ければ普通の恋愛小説の体裁であり、仕掛けの多様さから考えれば前作のほうが勝っていると思われる。まぁ読み易い文章でサクサク読み進めるが、恋愛関係にある男女の心の機敏のようなところは上手く書かれていると感じる程度で、それほどのインパクトもないのでこれといった感想も書けない。
セカンド・ラブ (文春文庫)
乾くるみセカンド・ラブ についてのレビュー
No.10: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

魔術師の感想

イリュージョンとは単なる物理的トリックではない。イリュージョニストは観客心理を学び観客を騙す為の
トリックを考案する。観客の目だけでなく心も欺こうとする。演技の目的は25セント硬貨を消して観客を笑わせる事ではない。現実とは正反対の物を見せ、信じさせ、それが現実であることを欠片も疑わせないこと。絶対に忘れてはいけないことは誤導・・・ミスディレクションがイリュージョンの核となすものである事。
捜査協力のマジシャン修行中のカーラの言葉。相手は変相、早変わり、脱出と変幻自在の魔術師。リンカーン・ライムのチームはこの難敵にどう立ち向かうのか。興味は深々。この作ではライムは徹底した現場からの微細物証拠採集を科学的分析で解明して犯人を特定していく。解明された事実をリストにして思考を重ねる。天才的な閃きによる推理ではない。いわば地道な捜査だ。だが、相手はイリュージョンの達人。ミスディレクションにより翻弄される捜査陣。犯人の本当の狙いは?
ストーリーにはとても興味を惹かれるが読み終えてしばし黙考。プロローグを派手にして読者を惹きつける狙いは解かるがあれこれと盛り込みすぎなのもどんなものか。かえって捜査陣の眼をひきつける結果となるだろう。結局本当の狙いとは何か、そこの攻防が描かれただけの話しとなっている。その割にはあれこれ横道に逸れる印象で魔術師とライムの頭脳戦を期待したがそれすらも薄い感じ。
エフェクトとメソッド。プロットそのものが歪んでいるようなそんな印象の物語。
長編なのでひと月ほどかかって読み終えたが、ちょっと残念な感想となった。ヒューマンなサイドストーリーもイマイチの感じだ。
魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)
No.9: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ウォッチメイカーの感想

リンカーン・ライムとは、四肢麻痺の鑑識の天才。こういったキャラクターだと「鬼警部アイアンサイド」を
思い出すが、ちょっと古過ぎるか・・・。本を手にとって最初のページの登場人物紹介のところに、
ジェラルド・ダンカン・・・ウォッチメイカーとある。何故犯人の名前が?と不思議に感じたが、読み進めてその訳が解かった。始めからきめ細かい描写の文章で状況を読者に示す書き方をしている。海外作家は得てしてこういった文章を書くのは承知していたが、この本に限って云えば計算なのか?自然に作家の意図する方に
眼を向けた読み方をしていく。二重、三重の意外性があり最後まで読者を引っ張っていく力は並みの作家ではない証拠だ。ホンの小さな証言、些細な出来事などを神のごとく閃きと名推理で言い当てる、といったアホらしい設定ではなく、周りにいる仲間や協力者たちの感想とか思いつきなどをヒントに思考を進める捜査官という人物設定が良い。そして事件には真っ向から挑むため微細証拠の収集や周辺の聞き込みなど基本的な作業をきめ細かく指揮し、その役割を充分認識した仲間たちの活躍で謎の犯行を重ねる犯人に肉薄していく。
色々な伏線を回収していく終盤の動きとストーリーの多様さでリンカーン・ライムのファンも初めて読んだ人も楽しめるミステリーと云える。
ウォッチメイカー
No.8: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ジョーカー・ゲームの感想

巷に溢れる殺人事件物、探偵役は刑事でも、便利屋でも、大学のセンセイでも無いモノ、そう云ったセンから
スパイものと云うジャンルに眼をつけたとしたら作者の勝利。
でも、こういったジャンルで短編を書くならば、もっと読み手の思い込みとか想像を見事にうっちゃる捻り手が必要なんじゃないだろうか?情報戦、頭脳戦を制する一流の頭脳明晰な人物を主人公にするなら、その分ハードルも高くなるはずで、それこそ最後の一行ですべてがひっくり返るストーリーを見せてくれないと物足りない。他のレビューにもあるように人物造形が浅いのも影響して物語に厚みがない。
取って付けたような設定とお話ではその世界に入り込めない。
といってもこういったスタイルの長編を書くには相当の力量がないと難しいだろう。志水辰夫や他のベテラン作家の作品を読んでみれば解かる。だが、片鱗は見れる。今後の作品次第と云うところか。でも、このような物語とくれば「陸軍中野学校」を思い出すが・・・。
ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
柳広司ジョーカー・ゲーム についてのレビュー
No.7: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

警官の血の感想

親子三代に渡る警察官としての人生の軌跡を描いた物語だが、個人的には第三部の和也がいちばん面白い。
現実の歴史的な事件や出来事にフィクションを絡ませて描かれたストーリーはドキュメンタリーのようで、それぞれの時代を写しながら警察官として一人の人間として生きていく様が生々しく書き込まれている。
和也から見て祖父にあたる清二の身の回りで起きたふたつの殺人事件。そして、清二の不審な死。
この事件を背景にしてそれぞれの時代の事件、出会う人々との交流などを絡ませて最後の第三部和也では清二の死の真相が明かされる構成だが、このへんの謎といった部分よりも各人の警察官としての日々の活躍と生き方を描いたところの方がこの物語の大事な部分なんだろうと思う。会話や人物設定など確かな筆力で書かれた男の世界の物語で世相を切り取るセンスも確かだ。読んで損のない一冊と思う。
警官の血〈上〉 (新潮文庫)
佐々木譲警官の血 についてのレビュー
No.6: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

木曜組曲の感想

この人の作品は「中庭の出来事」と「夏の名残りの薔薇」に次いで三作目。前二作は曖昧な話で終始したが、この作品は事実関係が明らかになるストーリーでスッキリとした結末を迎える。
四年前に死んだ高名な女流作家の家に毎年その日に集まる五人の女。警察の調べは自殺で決着が着いている。しかし、それぞれの胸に収めていた小さな違和感を口に出していくうちに、あの日何があったか少しずつ見えてくる。その日だけそこから消えていた小さな額縁。少し動かされた鏡。肩を痛め手を上げられなかったはずなのに、あの日二階の窓から手を上げていた女。そして、五人が集まった日に差出人不明の花束が届く。不穏なメッセージカードと共に。
大人の女の知的で品のある無駄のない会話。飲み食べて本音を吐き出していくうちにあの日の本当の死の様子が浮き上がる。
舞台劇を観るような五人の女のディスカッションで進行する推理劇。
肩の凝らないミステリーとしてなかなか楽しめた。
木曜組曲: 〈新装版〉 (徳間文庫)
恩田陸木曜組曲 についてのレビュー

No.5:

噂 (新潮文庫)

荻原浩

No.5: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

噂の感想

どんでん返しのあるミステリーとして知られているが、それがなくても普通に面白い作品と思う。サイコ・ミステリーとして充分に面白く良く出来た物語と評価できる。ただ、意外な犯人の心の内がもう少し描写されていればより一層事件の異常さや不気味さが増して良かったのではないかと感じた。広告業界の戦略。誘発された殺人事件。刑事コンビの捜査の道筋。特異な視点から始まった事件だが、最後に真犯人にたどり着くまで興味深く読み進めることができた。この作家は「コールド・ゲーム」とこの「噂」の二冊しか読んでいないが、「コールド・ゲーム」はともかく、これは面白かったと云う感想である。
噂 (新潮文庫)
荻原浩 についてのレビュー
No.4: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Nのためにの感想

始めに、ミステリー度は低い。でもこういった物語は好きだ。メインは杉下希美だろう。野バラ荘に住む三人。台風で床上浸水をきっかけに言葉を交わすようになる。例えば今街を歩いていてすれ違った人、年のころ40~50代の人がこれまでどのような人生を送ってきたか、そんなことは誰にも分からない。どんな過去がありどんな思いを溜め込んでこれまで生きてきたか・・・。それぞれ人には事情がある。タワーマンションの一室で起きた若い夫婦の死亡事件。それぞれのモノローグと回想で少しずつ事件の全容が見えてくるストーリー。

Nのために・・・。みんなが少しずつウソをつき隠したこと。 『告白』は好みじゃなかったけれど、これは自分の好みに入る物語だった。倒叙形式のような過去の回想と事件への関わりへの事情がそれぞれの視点から語られる物語。最後のページまでその世界に入り込み楽しめた。
Nのために (双葉文庫)
湊かなえNのために についてのレビュー
No.3: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

クラシック音楽の世界。ピアニストを目指す少女。レッスンやコンサートの臨場感を表わし伝える文章力はたいしたもの。ミステリーとしてのトリックは古いものだが、うまく使って音楽物ミステリーとして楽しめる作品に仕上げている。モノローグ・台詞・状況の描写などムダな言葉を排し流れるような文章で読み易い。ただ一点、個人的に納得出来ないのは火事の原因。物語のうえで火事は必然でも、あの家族にとっては火事は偶然の出来事。祖父は理路整然と話し頭の良さをみせ、人を見る目は確かで深い洞察力で人となりを判断する人物。そんな人が趣味のために揮発性の塗料などが沢山置かれている部屋の中でストーブを焚くだろうか?
普通、暖をとるならエアコンだろう。そんな思慮浅い人物とは紹介されていない。火事がなければ物語りは始まらない、その都合だけでおざなりに書かれた印象だ。私ならもっと別の原因で火事が起きるように書く。重箱の隅を突っつくような事と思われるかも知れないが、人物像と行為が合っていないので違和感が拭えない。その他は問題なく楽しめたので7ポイントの評価とした。他の作品も読んでみたい作家だ。
さよならドビュッシー (宝島社文庫)
中山七里さよならドビュッシー についてのレビュー
No.2: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

水の時計の感想

退出ゲームなどが評価が高くて最近名前を知った作家である。この本はファンタジーとするレビューを目にしたが私はそうは思わない。逆にとてもリアルな話しだと感じた。自分の身体を難病や過酷な運命にさらされ、死を待つだけの絶望の淵にいる人たちのため臓器提供を願う少女。その臓器を届ける役目の少年は世間の荒波に飲まれた孤独なライダー。しかし、本人も気付かないところで少女との接点があった。各章で臓器提供を受ける側の人たちの悲惨な、あるいは愛に溢れた心と行動の物語を紡ぎ、警察や族の仲間たちに追われる少年を絡ませてひとつのストーリーを見せる。普段表舞台で語られることはそう多くない臓器移植の問題。待つだけの人々。ドナー登録はあっても適合の問題や費用の問題。あまりにも過酷な現実。生と死の重いテーマに暗くなりがちだが、少年の再生への希望とピュアな心情に触れるストーリー展開とに依って読後の気分は悪くない。これがデビュー作だが文章もこなれていて読みやすく感情移入もしやすい。他の作品も楽しみだ。
水の時計 (角川文庫)
初野晴水の時計 についてのレビュー
No.1: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

扉は閉ざされたままの感想

密室ものはもうネタ切れだと思うのだが、これは密室にする意味が成立する斬新な手で、登場人物たちの会話も知的で上質なうえ、時間を追って真相が明らかになる展開がうまく、一気に読ませる作品だった。
なるほど密室ものはまだまだ書き様があるんだなと希望の持てる内容で『星降り山荘の殺人』以来の面白さを堪能した作品だった。
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)
石持浅海扉は閉ざされたまま についてのレビュー


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