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ニコラス刑事 さんのレビュー一覧
ニコラス刑事さんのページへレビュー数50件
全50件 41~50 3/3ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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ミステリーとして、いろんなピースがひとつになる時、思いもしない結末になる。こういった手法は常套だが、この紺屋探偵が受けたふたつの依頼もラストで重なるときの意外性は中々楽しめる。探偵も身体の不調から田舎に引きこもり、やっと再起を目指して心と身体が目覚めたとき、生きていく上での糧を得るために選んだ仕事が犬さがし専門の調査事務所とは面白い。だが、思惑どうりには行かず妙な依頼が舞い込む。
探偵とその妹のキャラクターが楽しくて続編があっても良さそうと思うほどである。 この人の「インシテミル」は余り評価できないが、これと「さよなら妖精」はとても良いと思う。 |
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評判は聞き及び知っていた。さて、実際に手にとって読み進むと、ロードレースのことは何ひとつ知らない自分でも物語に引き込まれる。簡潔な文章でも主人公の心のうちや思いなどがちゃんと伝わってくる。
エースとアシストの関係。勝利に純粋に貪欲であるがゆえに陰で誤解を受ける部分。そんな伏線ともいえる話からレース場面を描き、事故が起きてしまい隠された真相が見えてくる時、主人公は本気でレースをアシストとして生きる気持ちを固める。清々しい読後感のあるスポーツ小説にちょっと意外性を絡ませた読み物として楽しめた。 |
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古典部シリーズのなかの一冊。古典部というよく訳の分からない部活動のメンバー4人の高校生活と、遭遇する不思議な事件?の謎解きと、それぞれの今向き合っている事柄や、人との関わりなどに対しての自身の心の内とそれぞれの行動を描いている。メンバー4人のキャラクターはまぁ、ある種のパターン化されたものと同類といった印象を受けるが。しかし、性格付けはうまくそれぞれ魅力的だ。
文化祭の各教室からひとつづつモノが無くなる。訳の分からないメモを残して。どうやら、誰かが盗んで持って行くらしい。ホームズ役の動かない男が中々面白く、不思議な能力を発揮して事態の答えを示すあたりは楽しめる。学園ものではあるが、チャラチャラした浮ついた所が無く、真摯な高校生活を送るメンバーの生活と日常のちょっとした謎。そういった描き方が好感が持てる。 |
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この作家はアクロバットな視点と手法でミステリーを書く作家で、ハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」を意識した「麦酒の家の冒険」など何点か読んだが、これも色とりどりのミステリーが収められた短編集で中々面白かった。些細な手がかりから思いがけない結論を導き出す論証過程を描いたものが、この人の得意とするものではないだろうか。「卵が割れた後で」や「アリバイ・ジ・アンビバレンス」とか「時計じかけの小鳥」などがとりわけ面白かった。あまり長い厚い本を読む時間が無いときには丁度良い本と思う。この人の書く短編もなかなか味がある。
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密室ものは、あまり堅牢な密室を構築すると作家自身の首を絞めかねない。しかし隙間だらけの密室では読者から首を絞められる。つまりそれだけ最初からハードルの高いジャンルと云える。これは密室にする動機もトリックも残念ながら今一歩。タワンティンスーユ帝国の物語を読者に示しながら、それを側面にして現実の世界での事件の動きを読み進む構成になっているが、実はこのタワンティンスーユの物語が重要な意味を持っていることになる。タワンティンスーユ帝国、つまりインカ帝国のことだが十三世紀始め、アンデス地方に成立した帝国で、首都はクスコ。十五世紀後半には現在のエクアドルからペルー、チリに至る一帯に大統一国家を建設したが、一五三三年スペイン人の征服者ピサロによって滅ぼされた帝国。この帝国の不思議な歴史を舞台に語られる物語が密室殺人の謎を解くキーになっている趣向だが、このへんは大変面白いのだが、やはり肝心の事件の謎を構成する部分が脆弱で犯人も、その意図もいまひとつの感が強い。それと刑事に同伴して館を訪れるのが美少女探偵となっているが、このへんはいまどきの読者に迎合した作者の姿勢が見えてシラケる。美少女探偵って何?西之園 萌絵はそんな風に描かれていないがとても魅力的だ。
この辺もマイナス評価の一因でもある。ともあれインカ帝国の話は面白かったのに残念な結果だ。 やはり、密室物はもうネタ切れでトリックも出尽くしたのか・・・。 |
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ジェレミー・ビールドとヘレン・ローズの関係がとてもうまく描かれていて、ミステリー小説としてまた別段の味わい深い物語になっている。作者はこのへんの人間心理やキャラクターに沿った話し方、言葉使いなど作家として流石と思う描写力である。さて、ミステリーとしてはスコットランドの地方都市で帰宅途中の女性教師が襲われる。この件を発端として連続殺人が起こる。現場には棺のカードが残されており同一犯の犯行と思われる。新聞記者ビールドは容疑者とみなされながらも犯人を追う。謎の絞殺魔の正体とその真意とは・・・。とこういったストーリーだが探偵役のビールドの人間臭いキャラクターが秀逸で読み進むのが楽しい一冊である。
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むかし、むかし『夏と冬の奏鳴曲』を読んで気に入ったので、この作家の本を探して読んでみたのがこの『あいにくの雨で』だった。タイトルは叙情的な感じがするが、このタイトルこそが真相を見破るヒントの役目になっている。ミステリーの王道、密室殺人を扱ったものだがトリックは、あのジョン・ディクスン・カーの名作のトリックをアレンジして使っている。しかし、それがこの作品の評価を下げる要素には当たらない。青春ミステリーとして読み応えのある内容だ。作者が示す謎にあなたはどう応えるか?お試しあれ。
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昭和二十年代。地方の山村。言い伝えと因習の村。そう、これは横溝正史の世界。いまどきこういったスタイルの作品を書く作家は貴重だと思う。北村 薫、以降の日常のちょっとした謎を扱ったミステリーも素敵だが、もう少し濃い味のものが読みたいと思ったらこういった作品がベストではないだろうか。その地方独特の風習。村の出来た歴史と等しく祀られる神の社。村の実力者たち。民話と古来の言い伝えの融合。子供を捉え監禁し助けたければ事件の謎を解けと迫る神男。大雨で孤立した村。村の警官は神男の手下となっている現状で作家の刀城言耶は必死の推理を巡らせる。だが、余りにも手がかりが乏しく逆に誰でなければ犯人になり得ないかと考えた時・・・・。人の心が作り出す怪異、それに獲り憑かれた人。感じる力を持った人。閉ざされた村での連続殺人。二転三転する真相。怪奇ロマンとミステリー。
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芸能マネージャーが一人の男と一人の女と出会う。男二人と一人の女。子供の頃流れ星を見つけるのがうまかった彼はその男をスターにするため担当している俳優、花ジンを裏切り彼を野倉監督の新作に出演させるべくオーデションを受けさせる。この手でスターを作り上げたいと奮闘する男。しかし、渋谷の路地裏で一人の男が殺された事件があり、オーデションでも逆転がありズブのシロウトがスターと成っていく。一人称の視点が変わり迷宮に入るストーリー。大掛かりなトリックはないがミステリアスな話が最後まで続き真相も消える。
誰が誰なのか複雑な入り組んだ関係の物語を、渋谷での路地裏の殺人をキーワードに織り成す不思議なモノローグ・・・。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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これはミステリー?どうも評価が一人歩きしている感じで、楽しみにして読んだぶん、なぁ~んだ、と云う感想で記述トリックとしたら、例えば『葉桜の季節に君を想うということ』のほうが自分としては面白いと思う。あるいは『ハサミ男』のほうが秀逸だと感じるほどの内容だった。それに男女の濃密な描写のシーンがあるが、あんなものは必要なのか疑問に思う。恋愛に関して女はこの登場する男以上に上手だったというお話で構成は上手いが二度読み返すほどでもない。
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