メタボラ

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

メタボラの評価:

4.32/5点 レビュー 96件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.32pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全85件 81〜85 5/5ページ
No.5
(5pt)

今回の作品は桐野作品独特の毒々しさはあまりなく、平坦な感じがするのですが、個人的には好きでした。 登場人物の男達。男が持つ愚かさだとかが鋭く描写されていて、男として恥ずかしくなりました。 今回も出口なしのお話でしす。涙
メタボラ Amazon書評・レビュー: メタボラより
4022502797
No.4
(5pt)

けなげだ、、、

いまどき自分探しの旅だけはやめよう。
というニュアンスの本がおおくあるなか。
ストレートにくるこの作品に読み方を少しだけ
修正した。なんとなれば、若者が動き出すという
事をのぞんでいるからだ。
 親のすねかじりのニートにもそれなりの訳が
あるだろうが。個人的には自分のために体を
動かし苦難承知で旅だった青年を生み出した作者は良いと
おもいたい。
ぜひ一読推薦します。
メタボラ Amazon書評・レビュー: メタボラより
4022502797
No.3
(5pt)

21世紀初頭を代表する「恋愛小説」の一冊となる

 21世紀初頭を代表する恋愛小説の成果であると思う。
人を思う心が本当に通じあう「時」があるのであろうかという
普遍的な人々の問いに、桐野夏生は「メタボラ」で現代を生きる
登場人物を通し、皮膚感覚のレベルで切り取ってみせる。
 そしてこの大著を読み終えた僕は、大きなため息をつきながら
うなずく。人を思う心が自分の中で確実につながる「刹那」があると。
 マイケル・チミノの傑作「ディア・ハンター」を思い出した。
青春時代を共有し、ベトナム戦争に共に従軍し、精神に異常を来し失踪した
クリストファー・ウォーケンをロバート・デ・ニーロが迷宮のようなサイゴン
の街でようやく見つけ出す。ウォーケンはロシアンルーレットのスターとなっ
ており、もはや幼なじみのデ・ニーロを認識することができない。ウォーケン
を見つめながらデ・ニーロは「アイ ラブ ユウ・・」とつぶやく。
ウォーケンは拳銃の引き金を引き、喧噪の中、ゴミためのような賭博場で
死んでゆく。デ・ニーロがつぶやくその「刹那」が人の心を打つ。
 時代を超えて、人が生きていくことには困難さがつきまとう。
その困難さを混乱と共に桐野夏生は鮮やかに切り取る。
あたかもフレッシュな肉はレアほど旨いと言いたげに。
メタボラ Amazon書評・レビュー: メタボラより
4022502797
No.2
(4pt)

『魂萌え』でおばさんを描き、この本では若者を描いた?

594ページの長編なのに、読後一番の感想は消化不良。
『魂萌え』でおばさんの今の気持ちを主人公に書いたから、次は今の自分探しをする若者を描こうとしたのかもしれない。
昭光とキンジの二人が交互に描かれた本だが、その先が気になって読み手が緩むことはない。
ただ、この二人に共通するのは家から逃れて自分探しをしていることだ。
家から飛び出し、帰る家を拒否する自分探しの旅。
自分探しは親から逃げることで、他人と競争するのは腑に落ちない。
欲しいものの価値観がとても小さな世界で、挫折が目に見えてしまう。
桐野夏生が感じた今の若者がこの二人のように感じた。
つまり、桐野夏生はとても歯がゆいのではないか。
何がしたいの!って、本当は今の若者に桐野夏生が問い糾したいのが作品になった気がした。
メタボラ Amazon書評・レビュー: メタボラより
4022502797
No.1
(5pt)

孤独の中にみる永遠

読み応え充分過ぎる。たっぷりと世界にはまった。
登場人物は、宮古島出身の少年、アキンツこと昭光。そして記憶喪失の若者の二人。
沖縄は、やんばるのジャングルを抜けた夜道で、お互いに「逃げた者」として出会う。
そして物語は、各章ごとに、二人の登場人物の一人称で書かれている。
暗い物語なのだが、アキンツの明るさと、弾けるような宮古島弁で、ずいぶんと救われる。
桐野夏生が作者だと言う事を忘れるほどに、堪能して読んでいた。
どこまで正確かは分からないけど、その宮古島の言葉で語られる部分は秀逸である。
最後に記憶を取り戻した青年が語る、そのあまりの悲惨には、正直参った。
でも、この言葉は響いた。
    愛し、愛される。許し、許される。
    甘え、甘えられる。信頼し、信頼される。
    確かな人間関係を持たない限り、僕は破滅するかもしれない。
主人公は、孤独そのものである。
    誰よりも孤独で、苦しみや寂しさを忘れるために酔い、
    ある人物を攻撃するのをやめなかった。
    ある人物とは、僕自身だった。
最後のシーンは、あまりにも切なくて、震えてしまって、涙が流れる。
極普通の人間こそが生きにくい世の中なのだろうか。
その描かれた孤独の世界には、切ないほどの永遠が見えそうに思えた。
メタボラ Amazon書評・レビュー: メタボラより
4022502797