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マクダフ医師のまちがった葬式



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マクダフ医師のまちがった葬式の評価: 4.00/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

う~ん、シリーズのイメージになんだか違和感が・・

1900年代初頭エドワード7世時代の英国を舞台にしたシリーズ3冊目です。初巻から続けて読んできましたが、おもしろさでいうと個人的には1、3、2の順でしょうか。ただ、今回は読後感がなんとなく釈然としませんでした。

ひとつめの理由は、老医師マクダフ氏をあっさり殺してしまったことです。バジャーズ・エンドの村人たちの診療を長年に渡って一手に引き受けてきたマクダフ先生、思いやりがあり思慮深く聡明で、時に主人公セシリーの相談にものっていた、そんなレギュラー・メンバーの遺体が棺から引き出され、重しをつけて凍った池に沈められていたなんて、ちょっとあんまりではないかと思ってしまいました。作者はこの老先生にそんなに愛情を持っていなかったのか?3作目にしてこんなやり方で退場になるとはびっくりでした。

そして二つ目の理由。ペニーフット・ホテルはロンドンから上流階級たちがお忍びでやってきて滞在し、スタッフたちも口が堅いので安心して過ごせるという場所です。が、常連客が知り合いを引き込んで地下にあるレンタルルームで賭博を行っていたことや、それが宝石の盗難や、あげくは殺人事件まで引き起こしてしまったことを、オーナーであるセシリーは「ホテルの人気や経営に悪影響を及ぼすから」という理由で、警察からひた隠しにしようとします。セシリーは誠実で清純なイメージがあったので、ホテルのためだったら平気で犯罪に目をつむるというのは、まるで犯罪の片棒をかついでいるいかがわしい宿の女主人みたいで、どうなんだろ・・と思ってしまいました。
村にいる巡査は切れる方ではありませんし、近くの町からやってくる警部も決してすぐれた人物ではないので、自分たちで事件を解決しようとするのはわかるのですが・・・。安心して読めるユーモア・ミステリという印象だっただけに、このあたりはなんだか納得がいきませんでした。

明るい話題としては、恋人同士だった下働きのイアンとメイドのガーティが晴れて結婚することになります。また名コック、ミシェルの意外な側面が見えたりと、登場人物たちのキャラクターもだんだんと明らかになってきます。

ふと思ったのですが、なんとなく内田康夫氏作の浅見光彦シリーズに共通するものがあるかも・・と。毎度登場するメンバーに感情移入し、にやっと笑いながら雰囲気を楽しむという感じです。正直、ミステリとしてのレベルはそんなに高くないと思うのですが、古き良き時代の英国が味わえます。
マクダフ医師のまちがった葬式  (ペニーフット・ホテル) (創元推理文庫 M キ 6-3)Amazon書評・レビュー:マクダフ医師のまちがった葬式 (ペニーフット・ホテル) (創元推理文庫 M キ 6-3)より
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