木でできた海

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評判

木でできた海の評価:

4.00/5点 レビュー 7件。 B ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(2pt)

「sea」は「C」なのかもしれないんだぜ

いつものキャロルと違った。
ちなみに処女作が日本邦訳で出てからずっとのお付き合い。一部の作品はほんとに好きだし、結局好きな作家になるんだと思う。
出来としては凄く良かったとは思えない。多分一番出来が悪い『我らが影の声』のちょい上くらい。だけどやっぱり愛すべき犬は出てきて、ウィーンは出てくるんだな、と思った。

「一人一人の小さな過ちとか無知とかが世界の乱れ」ってテーマはやっぱ共通。ただもう一つのキャロル執心のテーマ「父と息子(キリスト教的意味ではなく、多分キャロルのファザコンが関係してるだけ)も顔を出すんだけど、これが強すぎると処女作以外はいつもバランスを崩しちゃう傾向にあると思う。あと、今回のアプローチはあんまりキャロル向きじゃない。これはディック的アプローチだと思うし、この話に必ずしも必要な要素じゃないって思った。
あと、老いについてかなり書いてるのは、キャロルが老いを感じてるからなのかなー、とか漠然と思った。

だけど「木でできた海で、どうやってボートを漕ぐのか?」 って問いはすごくよかった。 こういう奇跡みたいな言葉と出会えるから、キャロルとの付き合いはやめられないんだ。
木でできた海 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 木でできた海 (創元推理文庫)より
4488547133
No.1
(3pt)

キャロルらしくない凡作

ニューヨーク州の小都市クレインズ・ヴューで警察署長を勤めるフランシス・マケイブは、ある日奇妙な犬と出会う。
ホテルの駐車場で寝ているところを保護され、署に持ち込まれたその犬は、脚が三本半しなく、片目も失われ、頭には大きな古傷もあり、呼吸すら浅い。
首輪のタグに記された「オールド・ヴァーチュー」が名前らしい。
予想に違わず保護から2日後に、犬はフランシスの執務室で息を引き取るのだが、妙な親しさを感じていた彼は、郊外の森の中に自ら墓穴を掘って埋葬した。
しかし、自宅に帰ったマケイブは、ガレージの中の故障しているはずの車のトランクの中に、再びオールド・ヴァーチューの亡きがらを見出すのだった・・・

「蜂の巣にキス」、「薪の結婚」に続きクレインズ・ヴューを舞台にした作品で、これまで脇役を務めていたフランシス・マケイブが主人公。
埋葬場所から舞い戻る犬の死体、夫婦喧嘩の最中に忽然と姿を消してしまった住民と、後に残されたあり得ないほど色彩に富んだ鳥の羽根。
奇妙な事件に頭を悩ませるフランシスの前に、更に奇妙な人物が現れる。
30年前の、つまりは17歳の自分自身。悪ガキを絵に描いたような奴で、本人だけに間違いようがない。
と、このあたりまでは従来のキャロル調であり、読者の予想を裏切る仕掛けもあるのだが、今回は悪い意味で裏切られた。
「薪の結婚」は一風変わった「ヴァンパイアもの」だったが、本作は一言で言うと「エイリアンもの」だ。
ヴァンパイアについては「奪うことによって生きる者」という特徴に関しての独自解釈が現実世界とクロスしてリアルな話になっていたが、荒唐無稽な話のタネがエイリアンというのは全くもってキャロルらしくない。
「7日目以降、ずっとお休み中の宇宙創造者を起こす」という着想は面白いが、被創造物が進化の過程の中で自然にそのような行為に至るという話はSFの巨匠アーサー・C.クラークが「90億の神の御名」で描いており、目新しいものでもない。
木でできた海 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 木でできた海 (創元推理文庫)より
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