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(短編集)
ロードムービー
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ロードムービーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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「冷たい校舎の時は止まる」の登場人物による短編集。 こどもを主人公に描いた、3つの短編が収録されている。 この作者はこどもを描くのがうまいと思う。 いっしょうけんめいなんだけど、どこかずれている。そんな子供を描くのがうまい。 斜に構えた感じもなく、変なコンプレックスも作品に出てきていない。 お得意のSFもホラーもなし。大きな事件も起こらない。 だけど、こころ温まるお話でした。 特に表題作のロードムービーが好きです。 主人公たちのいっしょうけんめいな姿。 あー、いいなー。心打たれました。 ただし、「冷たい―」を読んでいないと隠されたオチがわからない。 3本目に関しては、「冷たい―」を読んでいないと意味がわからない。 既存のファン向けの作品でしょうか。 | ||||
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小学5年生の春、トシは「嫌い」とか「近づかない方がいい」と言われていたワタルと 友達になった。その時からクラスメートのトシに対する態度が変わり始めた。どんな ことがあってもワタルとの友達関係を続けていこうと決心したトシだったが、ある日 思いも寄らぬことが起こった。表題作「ロードムービー」を含む3編を収録。 「冷たい校舎の時は止まる」に登場した人物たちに再び会うことができ、何だかなつかしい 気持ちになった。もちろん、「冷たい・・・」を読んでいなくても充分この作品を味わう ことはできる。 トシとワタルの物語を描いた「ロードムービー」、塾の生徒千晶とバイトの先生のふれあいを 描いた「道の先」、心に傷を負った少年ヒロと彼の力になりたいと思う少女みーちゃんを 描いた「雪の降る道」、3編どれもよかった。 自分ではどうにもできないことがある。そんな時、幼い心はおびえ、とまどい、不安に 押しつぶされそうになる。そこに、誰かが手を差しのべてくれたなら・・・。作者はどうして 弱い者の心をこんなにも巧みに表現できるのだろうか。登場人物たちの悩み、苦しみ、不安、 そして心の震えまでが、手にとるように伝わってくる。読んでいくうちにどんどん感情移入 していく自分が止められなかった。 哀しく切ないストーリーの中に、ほっとする救いとほんのりとした温もりがある。そんな 珠玉の短編集だった。 | ||||
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今回の短編はどうにもありがちなお話で、もっと他の作家(たとえば島本理生、豊島ミホとか)のほうが同じテーマでも上手に料理するのではないかと思える。辻村さんらしい良さは、じっくりと伏線をひいて作品をしっかり構成してくるところからじゃないと、まだでてこないのかなぁ。どうせ短編をやるなら、作家としてもっと冒険してほしかった。番外編として、コアなファンだけが楽しめるというレベル。 | ||||
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新聞の書評を見て良さそうだと思って読んだのですが 2番目の話は主人公も彼女も名無しの上、いきなりサカキという 人物名が出てきて関連作を知らない人間はおいてけぼりです。 カナンさんが『著者の作品には過去作の事情を 知らないと充分楽しめないリンクが多い、 というのは、いかがなものでしょうか』 と書いていらっしゃるように読んだ後で????というのは ストレスが残ります。 | ||||
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思春期の先が見えない将来への不安や、自分の力では何もできないことへの苛立ち。 大人になる前の忘れていた時や気持ちを思い出させてくれる作品でした。 最初の2作品は『冷たい…』の未来の話、最後の一つは過去の話。 『冷たい校舎…』が未読なので、登場人物の性格に今ひとつピンとこない部分もありました。 さっそく、『冷たい…』を読むつもりです。 そしてまたこちらを再読…かな。 | ||||
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『冷たい校舎の時は止まる』の前日譚や後日譚に当たる三つの話を収めた短篇集。 本書の刊行後、漫画版『冷たい校舎』も発売されており、連動させ、相乗効果を狙う戦略があったのかと、 つい、ゲスの勘繰りをしてしまいますが、『冷たい校舎』を読んでいるほうが、より楽しめるのもたしか。 『冷たい校舎』は、グイグイ読ませる、学園ホラーサスペンスなので、 未読の方は、まずそちらを読んでから本書を読むことをオススメします。 さて、本書における集中の白眉は、表題作「ロードムービー」。 ある事情から家出をした小学生のトシとワタルの道行きを描くパートと、児童会長選挙までの 彼らの学校生活を描くパートが交互に配される、カットバックの構成が採られたミステリです。 本作に仕掛けられているのは、著者十八番の××トリックなので、著者の 過去作を読んで、しっかり免疫がついている人は、引っかからないかも。 (フルネームが明示されない人物には要注意、ですね) 当初、本作だけは、ノンシリーズ作品なのかと思ったのですが、もろもろ確認して、やっと了解。 (トシの両親は、あの人とあの人だったのか!) それにしても、番外編である本書はともかく、著者の作品には過去作の事情を 知らないと充分楽しめないリンクが多い、というのは、いかがなものでしょうか。 著者としては、ひとつの世界を構築していく喜びがあり、ファンからすれば、 それを共有する楽しみがあるのでしょうが、外側の人間からは排他的な営み と見なされる危険性があります。 (そう考えると、本書がハードカバーで出版されたという事実は、 それだけ固定ファンが多い、ということの証しなのでしょうが) 作品のテーマ面も含め、著者には、そろそろ新境地を開いてほしいですね。 | ||||
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著者のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ短編集。 3人の大人になる前の子ども時代にどうしても「できない」もどかしさを優しい視点で描いている。 それぞれの少年、少女は思いっきり背伸びして、「できない」もどかしさに必死に抵抗して、傷つきながらも頑張っています。 辻村さんの書く小説は読んでいる人に痛さを感じさせることがあります。その「痛み」を自分の「痛み」に重ね合わせられるのであれば、本当にお薦め。大事な人にだけお薦めしたい作家です。 ただ、短編で読んでいると、その痛みを感じたり読み終えた時のカタルシスがほんのちょっと物足りなく感じてしまいます。その分だけ、ほんのちょっと個人的な評価を下げています。 直接、ストーリーとは関係ありませんが、表紙の紙質とか、本のつくりが丁寧で持っていてとても素敵です。出版に携わっている人の努力が見えてちょっと嬉しくなりました。 | ||||
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元となっている「冷たい〜」を読んでいなくても十分楽しめる本でした。 が・・・悪くはないんだけど、3つとも新鮮味がない。 以前読んだことがある、何かで見たことがある・・・みたいな使い古されたテーマのように思えるのがちょっと。 だって1つ目の「ロードムービー」が≪引っ越しで離れ離れになるのが嫌で家出をする小学生の話≫ 2つ目の「道の先」が≪塾の講師のバイトをしている大学生を好きになるちょっと大人っぽい中学生。≫ 3つ目の「雪の降る道」が≪病気の友達を毎日見舞ったんだけど、その友達に「お前なんかいなくなれ」と言われて家出≫ でも、どの話も子供だからこその無邪気さ・無鉄砲さなんか描かれるのでなんだか懐かしい気持ちになりました。 勢いでやっちゃったり(言っちゃったり)するんだけど、すごく後悔するの。 先が見えない不安だけでなく、子供は自分で選ぶことができない。 その不安とモヤモヤがよく出ていました。 この3つのお話が「冷たい〜」とどうつながっているのか気になります。 | ||||
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辻村深月さんの作品は今迄のものはすべて読破してます。 辻村さんの作品にはしかけがたくさんあって、もうそろそろ学習しなよ、自分・・・と思うほど辻村さんのしかけにはまります。(笑 それは多分、辻村さんの作品は先を予測する暇もないほど物語の中にのめりこんでいるからなのだと私は思います。 今回の作品も、辻村さんの得意技とも思えるどんでん返しがひとつめのロードームービーにはあって、残り2作はほっこりと心が温かくなります。 感じたことのある焦燥感、虚無感、でもそれだけではなくそれを包み込む埋めて満たしてくれる救いの手が嬉しいです。 ハッピーエンドとわかっているのに、不安になる。でもハッピーエンドとわかって安心する。 必ず、「冷たい校舎の時は止まる」を読んでからの方が、この作品の重さもわかるのではないかと思います。 | ||||
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表題作を始めとする短編3話が収録されています。どのお話も大人になる一歩手前の切ないお話です。☆『ロードムービー』。今までは、学校でも人気者であった主人公のトシが仲間外れに…。唯一の友達は、ワタル君。いじめにも負けず闘い続ける2人に更なる試練が…!どこにもであるお話だけにギューッと胸が痛んだ。それは、ワタル君の言葉の力。常にトシちゃんに遅れをとりがちなワタル君のそのひたむきな気持ちに泣けてしまった。そして、ずっとトシ君だと思って読んでいたらラストでまさかのトシちゃん(笑)。意外でした!! ☆『道の先』。塾ではリーダシップを取っている少女千晶。そして彼女が好きなった相手は、大学生の塾のバイト教師だった!こちらもありがちな設定です。しかし、この世代の少女の気持ちが、とても良く描かれています。大人のようでいて実は、まだ心は大人になりきれず…。受け止めてくれる人がいるだけで気持ちは、やっぱり違う…。 ☆『雪の降る道』大切な友を亡くしてしまい深い傷を追った少年。そんな少年を健気に元気付ける少女。そんな少女の明るさそしてひたむきさに素直になれない少年だが…!とにかくひたむきな女の子が、なんとも可愛らしい…。一心に大好きな少年のために尽くす少女。いつも一緒にいるからその存在の大切さに気付かない少年だけれども…。やっと自分の気持ちに素直に向き合う事が出来るようになる。好きだからこそつい甘えそして気付かないふりをしてしまう…。切ない。 | ||||
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懐かしさやいとしさを感じるストーリーでした。全体的にふんわりしている感じ。大きな仕掛けはないけど、満足の出来です。 思わず『冷たい校舎の時は止まる』を最初から読み返したくなる。あれって長いから読むの大変なんだけど、読みたくなってしまいますね。すでに読んでいる人なら「ニヤリ」とできるところが多々あってうれしい。大人になってからの彼らの物語も読んでみたい気もするけど。 基本的に全部子どもたちのお話なので、『冷たい校舎の時は止まる』を読んでいない人でもすんなり読めると思います。これを読んで興味を持ったら、ぜひ、『冷たい校舎〜』を手に取ってもらいたい。 温かい物語を語ってくれる作者さんだなぁと読むたびに思います。 | ||||
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「冷たい校舎〜」から生まれた短編集。 いつも通り(良い意味で)、寂しさと温かさがひしひしと伝わる作品でした。 辻村さんの作品を多く読んでいる人ならば、当然『再登場』に意識が向いてしまうわけです。 期待してもいいです。ですが、やはり本筋の物語が良い!! 誰もが感じたでしょう、先が見えない人生への漠然とした不安・無力感を見事に描いています。 短編ですから、そこまで大掛かりなクライマックスは無いわけですが、 何と言うのでしょうか、一話目の子供達を気づけば見守ってしまってる自分に驚きました。 三篇あるから、三日はかけて読もうとしたのに・・・気づけば読み切っており、 「冷たい校舎〜」を部分的に読み直す始末(笑 きっと、この人の作品を読んで何も感じなくなったら、何かを失ってるんだろうなぁ そう思わざるを得ません。 | ||||
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