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動物園の鳥
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動物園の鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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3部作の完結編。 なんというか、一気に3冊読んでしまいました。 巻が進むごとに、一編の長さが長くなる印象。最後は長編だし。 話自体は悪くないんだけど、ほかのレビュアの方々おっしゃっている様に、ステレオタイプの登場人物にうんざりです。 話自体もこの手の日常ミステリーは意外と書き手が少ないので、及第点なだけで、北村薫や加納朋子と比較すると(比べることに無理があるが)数段落ちる。 一気に読んだと言うのもなんというかキャラクター描写や台詞回しがどうにも恥ずかしくて、急いで読んじゃった、というのが正しい。 小学生のころ鳥井みたいなこと考えてたなと思い出すと、ますます恥ずかしい。 とはいえ、人が死なないミステリで、ある程度読ませる作家、作品って本当に少ないので、もう一冊、「切れない糸」あたりだけお付き合いしようかな。 それもだめなら、僕に合わないのでしょう。 | ||||
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1巻読んでがっかりしたので読むのやめようと思ったんですけど、書店で絶賛されてたしこれから良くなるんだろうと思って最終巻まで読み進めたのですが・・・騙されました。 みんなアッサリ反省して改心して仲直りして、感情移入できる登場人物が一人もいないし、トリックもそんなアホなって突っ込みたくなるくらい強引でなんだか穴だらけ。 すべてにリアリティを求めるのもどうかと思うけど、これはありえなさ過ぎると思います。 主人公二人もなんだか好きになれない。 こんな27歳(口の利き方を知らない、すぐ泣く、綺麗ごとのオンパレード)って嫌だけどなぁ。 | ||||
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もはやミステリではなく、主人公達の成長の物語である。鳥は飛びたてるのか。 動物との距離感を程よく保つことが難しい人がいる。人間同士との距離感だって。 世界はそれなりに優しい。人のもつ優しさを信じていたい。そんな作者のメッセージは素晴らしい。 一歩を踏み出す勇気を出すためには、優しく甘やかすだけでは不十分なことがある。 ほろ苦くても、自分で自分を縛る檻から踏み出てしまえば怖くない。 物悲しくても、他者が自分を守る檻から踏み出しても縁は切れない。 坂木と鳥井は大人になることができるのだろうか。それは実際に読んでもらいたい。 最後まで相変らずご飯が美味しそうだった。 | ||||
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2004年に出た単行本の文庫化。 三部作の完結編。これまでの2作とは違い、長編になっている。 ミステリとしてのトリックや謎解きは放棄されている。そうではなく、主人公・鳥井の過去を明らかにし、また前二作で溜まった人間関係の昇華を目的に書かれた本であった。 感傷的で涙もろく善良すぎる登場人物たちにうんざりさせられるのは前作と同じ。罪を犯した人間の改心の早さと、彼に与えられる赦しには、もう飽き飽きといったところだろうか。 ただ、だからといって読んでつまらない本ではない。本書に描かれているのは人間心理の一面の真実を突いていると思う。それゆえ心を動かされ、ある種の感慨を得た。要するに、鳥井や坂木のような人間たちがいても良いと思うわけだ。同様に、本書のような作品の存在も認められるべきと思う。 | ||||
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ひきこもり探偵シリーズ初の長編で、完結編です。 鳥井と坂木は栄三郎の友人であり、動物園でボランティアをしている安次朗に、動物園に住み着いている野良猫を虐待している犯人を捕まえてほしい、という依頼を受ける。 栄三郎のために動物園まで足を運ぶ二人だが、坂木はそこで、かつて鳥井をいじめた張本人である谷越と再会してしまう…… 相変わらず善意の塊のようなお話です。 少々説教くさくもあり、それが嫌だという人はいるだろうけれど、私は好き。 どこまでいっても最後にはわかりあうことの出来るあったかな人間関係と、鳥井の作るものすごくおいしそうなごはんのシーンに癒されました。 また今回は鳥井だけでなく、坂木の持つ心の傷やその他の脇役の背景なども出てきて面白いです。 坂木と鳥井の関係にも、とりあえず決着がつきました。 今までの伏線から、一体どうなってしまうんだろうとはらはらしていたけれど、こちらもあったかく落ち着いてよかったです。 二人にはやっぱり、ずっと一緒にいてほしいなあ。 ただ鳥井の幼児逆行シーンが好きな私としては、ちょっとだけ物足りなくもありました。 不安定でかわいい鳥井がもっと見たかったなあ。 最後のおまけにこれまで出てきた地方銘菓と鳥井の料理のレシピが付いています。 これはちょっとうれしかった。 | ||||
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大人になるということを表現するとこういう形もある。旅立ちというよりも巣立ちなのだろう。すがるのではなく、自らを奮い立たせるために行動を起こすのだ。他人のためではなく、自分のために生きる。ここに描かれているのは行為の実行者たちだ。よりわかりやすく、そして厳しく描かれた世界は共感が持てた。 | ||||
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本シリーズ第一作目からずっと、「次こそは」とがっかりしながらも期待を込めて読み進めてきた最終章。この、最後が一番残念でした。設定に惹かれて買ったのですが内容がなんともお粗末。登場人物たちが皆単純で、一度諭されたら素直に反省する姿に疑問を覚えます。私は勧善懲悪モノが好きなのですが、これは少し違います。絵に書いたような良い子ちゃんばかりでは逆にしらけます。 | ||||
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シリーズ3作目にして最終作. 名前だけの人も居ますが,シリーズの登場人物がほぼ総出演. 物語性のある作品だけに,最初から読んでおいたほうがよいでしょう. しかし,謎に絡む『男』は今回もステレオタイプのような人物. 主人公とその相棒との間にかなりの因縁があったにもかかわらず, あっさりと説き伏せられていまい,そのあとには少しさわやかな別れ. 毎度とはいえ,それまでを考えればあまりにお気楽な人たちにうんざり. それまでの,すぐにわかるような単調な対比や伏線も物足りません. 結局『心の傷』や『引きこもり』など,話題の言葉を並べているだけで, その奥までは踏み込めず,チープな仲良しごっことお涙ちょうだいばかり. 「一本調子の一般論しか口にしない」と相手を非難する場面がありましたが, まさにこの作品(シリーズ)がそれで,読み終えてもなにも残りません. ただ,その後の話も含めたラストはそれなりにまとまっていたように思います. | ||||
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ひきこもり探偵・鳥井と友人・坂木、そして彼らを取り巻くあたたかい人たちとの心の交流を描く、ミステリー(?)第3弾。 今までの2巻は、やさしさに焦点が当たっていましたが、この巻は非常に身につまされるような思いを感じました。 人のちょっとした悪意や無関心が時には人を殺すこともあります。癒せない傷を与えることも。自分を振り返ってみても、そうした無自覚な悪意で人を傷つけたこともあるでしょう。 でも、人を傷つけ、自分が傷つくことを恐れて、檻に閉じこもっていては世界は変わらない。美月ちゃんの言葉が頭に残ります。 「だから私、好きな人に好かれるための努力はするけど、そうじゃない人から嫌われるのはちっとも気にしない。ただ、相手の言うことには耳を傾けるようにしてる。もしかしたら、相手が言ってることが合ってるかも知れないし。」 しっかりと自分を持ち、傷つくことを恐れずに。相手を理解しようとする気持ちも忘れずに。たとえ理解し、理解されなくても、コミュニケーションを続けていこう。 今の日本はかつてないほどの競争社会になりつつあります。人を蹴落として「勝ち組」になることがもてはやされています。でも、人が生きていく上で、本当に必要なことは何でしょうか。この本は、そんなことも考えさせてくれます。 人は弱い。だけど少しのやさしさと思いやりをもって相手に接すれば、少しづつ世界は変わっていく。そう信じられる。 ささくれだった心に一服の清涼剤。爽やかな気持ちになれる読後感です。 | ||||
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3部作の完結編であるが、1・2部と描いてきた 坂木・鳥井の2人を中心とした人々の交流を今回 は完結編にふさわしく、それぞれの登場人物の心 の深い想いにまで踏み込んで見事にピュアな「坂 木司」ワールドとして描ききっています。 主人公がイコール作家名となっている覆面作家の 作品において、恐らく作家が一番言いたかった想 いがこの完結編には込められているのではないで しょうか。 悪意のある人との摩擦が実際の世界にはある中で、 少しの善意や思いやり、人のやさしさに主人公が ふれる度に、彼はこの世界はまだ生きていく価値 があると実感します。 また人は自分が存在しているということを無条件 に喜んでくれる人々に支えられていきてきるのだ という事を主人公は実感します。 これらの想いに強く共感した読者は恐らく数えき れないのではないでしょうか。 最後がどうなるかは明かせませんが、あとがきの あとにも物語のページが続いているにで、文字通 り最後まで読者の期待を裏切らない一冊と言える でしょう。 余談ですが、おやつや、料理の描写シーンも達人 と呼べる域まで達しており、そこを読むだけでも 価値はあります。 またいつか続きを読みたくなるシリーズでした。 | ||||
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三部作シリーズの最終巻ですが、ここからでも面白いです。(でもシリーズ全部読破する方が更に味わいが増します)ラストで問題になるのは、鳥井と坂木の関係はもちろん個人と世間体、常識との距離、他人のものさしなど自分達が生きるうえで、行動にどう責任を持つかを考えさせます。いじめやポイ捨て、動物虐待自分だけしか見えないと中身が育まれない大人になってしまう傷が出来ても克服した笑顔が出来る大人そんな大人への第一歩は、人の言葉に耳を傾ける心が固いまま大人になるのではなく、柔軟な心を育てていきたいこの本を読むと、自分の心も、人の心も幸を願いたくなる | ||||
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雑誌の書評を見て気になっていた本でした。3作の最終話だけれど、この一冊から読んでも大丈夫という事で、ワトソン君的な坂木との関係がどうなるのか?事件の結末は?と読みやすく進む間に登場する美味しそうな料理。一気に読みました。織り成される登場人物達の、心のヒダにはさまれた思いに触れたとき、心を動かされジワッと涙がこぼれてました。 | ||||
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私が大学生になったとき、私は知っている人が全くいない世界へと踏み出しました。毎日不安で、人の悪意に出会うことがとにかく恐ろしかったのを覚えています。 私がそのときまでに得ていた教訓、人とうまく付き合うための手段は「距離を保つ」ことでした。それに従い人と出会う度にこの人とはどれだけの距離を測ろうかと考えたものです。世の中には分かり合えない人が溢れているものと諦めていましたから。 ところが1年すると、誰にも頼らないように生きるなんてとんでもないことだと思うようになっていました。私は大学の1年を新たな友情の発見ではなく、ただ他人と距離を保つことをして過ごしてしまったのです。行き過ぎた保身ですね。私は人とのコミュニケーションを拒んでいました。それから大人になることにも抵抗していました。ずるいことですが、子どもでいるほうがずっと楽でしょう?大人よりも責任が軽くて。 『動物園の鳥』を読みながら私は何度も泣きました。同じ言語を話していても、言葉が通じない相手に会ってきて、私は人と分かり合う努力をしなくなったことに気付きました。人とコミュニケーションを取ろうとすることが生きることだとすると、私は生きることを放棄していたということになります。それはご免です。 大学の1年で学んだように、私は一人では生きられません。世界の何処かにたった一人で人生を闊歩できる人がいたとしても、私はその人の様にはなれません。自分がそんなに強くなかったことを知ったので、素直に人に当たっていこうかなと、考えました。そして、それが大人になるってことなんだろうなと思いました。 涙が溢れる場面が次から次へと巡ってきて、エピローグも、伊藤清彦さんの解説までも泣きながら読んで、私は心配になっていました。明日、私は明るい気持ちでこの本のことを思い出せるのだろうかと。かつて悲しみを引きずるような本に出会い、しばらくの間沈んでいた日のことを思い出しました。 でも、違うんですね。私はこの本の構成に感謝します。最後の1ページまで読み終えて、とても晴れやかな気持ちで本を閉じることができました。 私には何でもなかった昨日、隣にいた誰かが私のせいで心を痛めたかもしれない。けれど私は気付かない。 日常にはそういうことが隠されているかもしれません。相手のことは分かりません。だからこそ考えるのですよね。分かり合う努力です。そのことを語ってくれたこの本は忘れたくない一冊になりました。 | ||||
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