■スポンサードリンク
目には目を
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
目には目をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カトリーヌ・アルレーという作家の存在は、最近になって「わらの女」を読むまで知らなかったのだが、この作家、なかなか面白い。現在、新刊で読める彼女の作品は、そのごく一部だけのようだが、もっと、評価され、読まれて然るべき作家だと思う。カトリーヌ・アルレーは、「悪女を描かせたら、天下一品」との触れ込みの作家だが、代表作「わらの女」の悪女は、「この境遇で、これくらいの打算なら、許せるかな」と思わせる程度の悪女であり、悪女の打算が成就し、幸せをつかむ展開を願う気持ちで読んでしまうところがある。それだけに、その結末が哀れで、「こんな終わり方でいいの?」といった、やりきれなさも残してしまうのだが、この「目には目を」で描かれる悪女は、そんな同情の余地もない、正真正銘の天性の悪女であり、まさに悪女書き、カトリーヌ・アルレーの面目躍如たる作品だ。カトリーヌ・アルレーは、虚飾や冗長を廃した簡潔明瞭な文体が特徴で、大変読みやすく、いわゆる「読ませ上手」な作家でもある。特に、この作品では、四人の登場人物の独白で全編を通すというユニークな構成を取っているため、立場の異なる四人それぞれの破滅に至るまでの心の内面が巧みに語り繋がれていき、読者を飽きさせることがない。心理サスペンス小説の傑作と言っていいだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
カトリーヌ・アルレーという作家の存在は、最近になって「わらの女」を読むまで知らなかったのだが、この作家、なかなか面白い。現在、新刊で読める彼女の作品は、そのごく一部だけのようだが、もっと、評価され、読まれて然るべき作家だと思う。 カトリーヌ・アルレーは、「悪女を描かせたら、天下一品」との触れ込みの作家だが、代表作「わらの女」の悪女は、「この境遇で、これくらいの打算なら、許せるかな」と思わせる程度の悪女であり、悪女の打算が成就し、幸せをつかむ展開を願う気持ちで読んでしまうところがある。それだけに、その結末が哀れで、「こんな終わり方でいいの?」といった、やりきれなさも残してしまうのだが、この「目には目を」で描かれる悪女は、そんな同情の余地もない、正真正銘の天性の悪女であり、まさに悪女書き、カトリーヌ・アルレーの面目躍如たる作品だ。 カトリーヌ・アルレーは、虚飾や冗長を廃した簡潔明瞭な文体が特徴で、大変読みやすく、いわゆる「読ませ上手」な作家でもある。特に、この作品では、四人の登場人物の独白で全編を通すというユニークな構成を取っているため、立場の異なる四人それぞれの破滅に至るまでの心の内面が巧みに語り繋がれていき、読者を飽きさせることがない。心理サスペンス小説の傑作と言っていいだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物はたったの4人。破産の危機に直面した裕福な青年実業家と美しいその妻、今ひとつ冴えないが近く巨万の富を手にする年長の同業者と、同じく未婚で女医として働いているその姉。物語はそれぞれの名前がついた章ごとにそれぞれの一人称で進行し、終着する。その手法だけならありがちだが、こういったストーリーでの登用は斬新だった。内容も、アルレーならではの筆致で完膚無きまでの破滅を描く。加えてスピーディーな展開にひき込まれ、短いとはいえ一気に読んでしまった。邦題の『目には目を』に関していえば、原題のまま『タリオン(Le Talion)』とした方がより読者の興味を誘い、なるほど、といわせるインパクトがあって数段良かったのでは。おそらく、現代であればそうしていたと思うのだが、1960年代の翻訳では仕方がないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物はたったの4人。 破産の危機に直面した裕福な青年実業家と美しいその妻、 今ひとつ冴えないが近く巨万の富を手にする年長の同業者と、 同じく未婚で女医として働いているその姉。 物語はそれぞれの名前がついた章ごとにそれぞれの一人称で進行し、終着する。 その手法だけならありがちだが、こういったストーリーでの登用は斬新だった。 内容も、アルレーならではの筆致で完膚無きまでの破滅を描く。 加えてスピーディーな展開にひき込まれ、短いとはいえ一気に読んでしまった。 邦題の『目には目を』に関していえば、原題のまま『タリオン(Le Talion)』とした方が より読者の興味を誘い、なるほど、といわせるインパクトがあって数段良かったのでは。 おそらく、現代であればそうしていたと思うのだが、1960年代の翻訳では仕方がないか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アルレーの作品中、特に印象深い一冊です。男女2人ずつ、計4人の視点で物語が語られていて、読んでいる間ずっと、舞台でうまい役者が交互に独白するのを聞いているようでした。翻訳の安堂氏が演劇の世界の人だからでしょう。特に、悪女アガットの語りが絶品です。アルレーが悪女書きとして日本で人気が高いのは、安堂氏の訳の貢献度が高いのではないでしょうか。ほかの人も訳していますが、安堂氏の担当だと、ぐんと魅力が増えます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!