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終戦のローレライ



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終戦のローレライの評価: 4.43/5点 レビュー 187件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全161件 121~140 7/9ページ
No.41:
(5pt)

「亡国のイージス」という亡霊が頭をよぎるが‥‥

 ドイツが無条件降伏をし、日本は本土決戦を決意した第2次世界大戦の終戦間近。属する国を失ったドイツ軍の残軍は、特殊装置“ローレライ”を搭載した潜水艦を手土産に日本へ来る途中、“しつこいアメリカ人”の攻撃を寸前のところでかわすため、“ローレライ”を海中へと投げ捨ててくる。 “あれ”以来、妖刀のような浅倉大佐は“黄色いSS”こと日系ドイツ人のフリッツ少尉を先頭に“ローレライ”の回収作戦を決行する。その作戦に従事する兵士は、内容の全貌を知らされることなく“伊507”に乗り込む。その無謀とも言える回収作戦の重要任務を任されたのが、清永と折笠。だが、回収地点に“しつこいアメリカ人”が‥‥。作戦延期に対し、フリッツ少尉がとった行動とは‥‥。“ローレライ”の正体とは!?  「貧乏暇なし」読んで字のごとく金も暇もないので文庫待ちを決心したそんなある日、幸か不幸か行きつけの古本屋で半額の値札を付けた本作品と目が逢ってしまい、理性を抑えきれなかった書評子は当然のごとく購入。まだ上巻しか読んでいないが、なけなしの小遣いを使っても購入したことに少しの悔いもない。そんな内容となっている。文庫化するのを待っている方、単行本で買う価値あり!
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
406211528X
No.40:
(5pt)

超長編だけどあっという間!

福井さんの作品は比較的最近になってファンになりました。それ以前の3部作は全て文庫本になっていたので気軽に購入できたのですが、この作品は上下巻、なおかつ2段組のため実は購入をためらっていました。しかし映画かも決定したため、これは先に原作を読む必要があると考え先日購入しました。文章としてはすごいボリュームですが、読み始めるとあっという間、しかも無駄な描写が少ないので非常にテンポ良く一気に読めました。福井さんの作品は一貫して戦後正面から向き合う課題に対して避けてきた逃げてきたこの国の形、をテーマにしています。エンターテイメントとしても大変評価できますが、国家としてのアイデンティティーやそこに生きる人間ドラマとしても大変楽しめた作品です。
終戦のローレライ 下Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 下より
4062115298
No.39:
(5pt)

さて映画は期待に応えてくれるか

いよいよ映画の公開が近づいてきました。文庫本も発売になりワクワクします。もう1年以上読んでから経ちますが、前半の締めくくりの2行は(文庫だと2冊目の最後)店頭でパラパラと見ただけでまた熱くなってしまいました。10年ほど広島に住んでいたこともあって、この物語を振り返ると潜水艦の中の葛藤、登場人物の魅力もさることながら、思わず力がはいったかもしれません。福井氏の小説で私の最も好きな「決めせりふ」は、個人的には小説の通り映画でも言って欲しいと思います。良いのがたくさんありますが、やはり1番は唯一出てくる「終戦のローレライに・・・」でしょう。期待します。
終戦のローレライ 下Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 下より
4062115298
No.38:
(4pt)

戦争と椰子の実

美しい装丁。「亡国のイージス」に受けた感銘。迷わず手に取りました。重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛いのは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、考えずにはいられません。殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、琴線に触れます。強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流していく素晴らしい小道具となっています。正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを与えています。かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願うのは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
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4062115298
No.37:
(4pt)

戦争と椰子の実

美しい装丁。「亡国のイージス」に受けた感銘。
迷わず手に取りました。

重厚なテーマに加え饒舌な文章、専門用語も多い為、読み辛い
のは確かで、読了するにはそれなりの時間が掛かります。
ですが、やはり素晴らしい作品と言わざるを得ません。

熱い筆致で描かれる、人間ドラマと戦闘シーンに心震えます。
冷めた視点で紡がれる、祖国を憂う思想に心痛みます。
戦闘の結末に涙を止めるのは難しく、何を勝ち取る為の戦争か
何に命を賭けるのか。縋るものを探してもがき苦しむ登場人物
達の命の重さ(いや、軽さなのかもしれませんが)を、
考えずにはいられません。

殺伐とした戦争の中、幾度となく歌われる「椰子の実」の歌が、
琴線に触れます。
強い個を持った伊507乗組員達の心の傷、毒素を洗い流して
いく素晴らしい小道具となっています。
正直に言えば、ローレライという非現実的な代物には最初不安
を覚えましたが、有無を言わせぬ精緻な描写がリアリティーを
与えています。

かなりの大作ゆえ、手を出し難い向きもあろうかと思いますが、
読めばそれだけの見返りはあると思いますので、お勧めします。
できれば次作は、別のジャンルで新境地を見せて欲しいと願う
のは欲張りすぎでしょうか。期待を込めての星4つです。
終戦のローレライ 下Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 下より
4062115298
No.36:
(5pt)

最高。お世辞じゃなく。。

難しそうな本だなあ、と感じた貴方もご安心を。自分は中2だが、宿題するのも忘れてのめり込んだ。こんなに面白い本には最近出会ってない、と思う。伊507の仲間たち(浅倉たちもですけど)一人一人が魅力的・個性的で強烈に印象に残る。フィクションなのだが、なぜか感情移入してしまい、こういう【太平洋戦争】もありなのかな、と考えさせられる。・・・それと。久々に泣いた。学校の<読書の時間に>だ。まわりの奴らに笑われたが、仕方なかった。自分の贔屓してた【清○】が死んでしまったのだから。・・・と、まあ貴方もすぐ伊507の乗員になれる≦終戦のローレライ≧。今までで読んだ書籍のなかで最高。これを読まないわけにはいかない。・・・・映画化とかないんかなあ。
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406211528X
No.35:
(5pt)

戦争のひとつの真実

この作品は、もちろんフィクションなのですが、アジア・太平洋戦争においてあるひとつの真実ではないかと思います。とても面白く、そして悲しい物語です。お断りしておきますが、仮想戦記のように次から次に新兵器を投入し、敵をバッタバッタとなぎ倒し、最後には逆転勝利をする。そういった痛快な物語を考えている方にはお勧めはできません。確かに激しい戦闘シーンも多々ありますが、ストーリーは全然別物です。私は、こういった物語をよく読むほうで、その流れで手にしたのですが、読んでみると違うんです。瞬く間に物語の中へ引き込まれてしまいました。今までに一度も読んだことのない、そしておそらくは他にありえないだろうストーリー。戦争の裏側については最近結構明るみに出ていますが、その明るみに出ていない部分の一端を見たような感じです。私はこの本を読んで久しぶりに涙が出ました。今の自分を見つめなおさせてくれる、そんな一面も持った本です。まさに魔法の力を持つ「ローレライ」システム。その魔力に触れ、手に入れたのはとっくの昔に敗北へのカウントダウンが始まっている日本。この魔力で戦況を覆すことはできるのか。話は思いもしなかった方向へ次々に展開します。作者に引っ張られながら読み進めると、突然緊迫の戦闘シーン。無防備な状態で敵から一方的な攻撃。静かに、しぶとく耐え続ける緊迫の海中戦。そして物語は様々に絡み合い、複雑になっていきます。しかしそれを解く鍵はただひとつ。何のための戦争なのか。何になるというのか。戦うものの本音。こうして徐々に佳境へと向かい、最後にはすべて理解し、戦争は終わります。それは、望んだ形だったのでしょうか・・・。できるだけ多くの人に読んでもらいたい。「戦争を知らない世代」だからこそ読んでほしい。戦争はいけないとかではなく、その時その時を生きる人の「今」があります。その人たちにとって「今」はそれが全てであり、真実であり、現実なのです。私が読んだ本の中でも最高の作品だったと思います。
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406211528X
No.34:
(5pt)

終戦のローレライ

ナチスドイツは敗戦し、大日本帝国も壊滅的な打撃を受けていた。終戦間近、帝国海軍は「伊507号」戦利潜水艦を極秘裡「最終兵器ローレライの回収」作戦に出動させる。このローレライとは?そして展開はいかに?といったところですが、当時の日本の情景とリアルな展開はこの本の分厚さと、字の小ささを勘定に入れたとしても、面白い。
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4062115298
No.33:
(4pt)

面白かったけど

 元来、福井氏のファンでありまして、非常に期待して読みました所、実に期待通りの面白さであり、思わず目頭を熱くしてしまう瞬間も多々あり、大変にオススメな作品であります。 ただ、多くの方が前作「亡国のイージス」を超えた、と評しているのでありますが、私としては甲乙捨てがたいところであるものの、強いてどちらかに軍配を上げろ、となれば、イージスを取りたい、と思うのであります。まあ、好みの問題なんでしょうが。 ということで、もし、どちらも未読の方は、ぜひ併せてイージスもお読みいただくと宜しかろうと思う次第であります。
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406211528X
No.32:
(5pt)

歳短くとも感動多し

この本との出会いはあるサイトのかたが2003年で一番良い作品だったと書いてあったところからが始まりです。題名から惹かれこれは「読んでみるしかないっしょ」と思い切って買ってみました。高校生の私にとってハードカバーはつらいですが読後にはそんな感情は微塵も残らずむしろお金を叩いてよかったと思っています。作品の内容は下記の方々が書いてくださっているので書きませんが僕は人生の中で(といってもそんなに読んでないですが)これほど良い小説には出会ったことがないほどとても良い小説でした。特に下巻は涙、涙でページが湿ってしまうほど...(汗)現在2次世界大戦を経験されて生き残ってる人は世界にたった30%しかいなく、多くの方は戦争という悲惨な手段を経験されてません。(もちろん僕もです)中には形だけの戦争しか知らず本当の真実の中身を知らない人も大勢います。そういう人に是非この本を薦めたいと思います。戦争がどれほど悲しいものでどれほどの犠牲が捧げられたのかそして利他的な気持ちを持ち、利己ではない国のため、いや人々のために戦争のない希望を託した戦士たちのストーリーを是非読んでみてください。
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4062115298
No.31:
(5pt)

希望という名の未来

圧倒的スペクタクル,そして濃密な人間ドラマ!戦う愚かさ,戦わなければいけない辛さ,その痛みを全て吸収してしまう少女の悲しき能力。他人を思いやる想像力の塊とも呼べる彼女の存在が眩しい。どんなに先行きが暗くても,争いが絶えなくても,生まれる命がある限り,未来に希望は消えない。経済の充実からは生まれない「自由」の意味。地球の将来までも考えさせる魂を揺さぶる傑作戦争ドラマ。ポッと灯りがついたような,あたたかさを感じる読後感も好き。
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406211528X
No.30:
(5pt)

ずっしり。

読み応えがありました。主題となる部分ではいろいろ考えさせられました・・。あと、あまり本質ではないところでのお遊びなのかもしれませんが、「船は海の上に限る」「まだ何にもしてなんだぞ」などなど、往年のアニメファンにはなつかしいせりふもちりばめられていたり。福井さんが富野さんの小説にも影響を受けられたということは周知ですが、どうみても佐渡先生の時岡先生といい・・これは福井版ヤマト?
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406211528X
No.29:
(5pt)

より一層深みを増した福井小説

 前作「亡国のイージス」は個人的にかなり面白く読ませてもらった。しかし今回もそれなりの期待は出来ると思っていたがその通り。今回は「太平洋戦争」を元にした冒険小説。深海という閉ざされた空間で、戦利潜水艦「伊507」はドイツの秘密兵器PsMBI、通称「ローレライ」を回収しに行くことになる。その節を若干17歳で上等工作兵として「伊507」に乗り込んだ折笠征人の視点でストーリーが繰り広げられる。  感じは「亡国のイージス」のような海洋冒険小説。相変わらずの大スケールだし、今回は実話を元にしているのだから創作もなかなか困難だっただろうが前作を遙かに上回る重量感となっている。上巻は取りあえず「ローレライ」の回収と真相。小説中の折笠の切ない想いのそれがこの小説にも通じるのだろうか。そういう風にして福井晴敏は淡々と戦争反対を訴えている。前作と違い実話に基づいていることでより一層深みを増した書であるから違った読み方が出来る。  上巻を読み始めると最初はしんどいイメージがあったのだが、潜水艦に乗り込んでからの旅路は結構読みやすかった。常に前を向いているストーリーではなく何回もつまずいたりしながらも目標達成の為に進んでいく旅路。閉ざされた空間の中で悪戦苦闘する旅でもある。 どうしても高村薫とダブるところが福井晴敏にはある。細かい描写、人一人にしても着実に書き上げ、ストーリーの中で人間ドラマを演出する。決定的な違いはテーマなのだろうけど。福井晴敏にはそれらからでてくる迫力と緊迫感がある。その福井流のオリジナリティが非常に好きだ。 本作は第24回吉川英治文学新人賞、2004年度版このミスで2位、2005年には映画化も決定。週刊文春では「オペレーション・ローズダスト」も連載中の福井晴敏。今は更なる飛躍に期待するしかない。
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No.28:
(4pt)

ラピュタのパズーとシータですよね

おもしろかったです。主人公の少年と少女が『天空の城ラピュタ』に登場するパズーとシータとダブってしょうがなかったです。飛行船と伊507、一人乗りの凧とナバール(小型潜水艇)、潜水艦ブリッジでの2人の会話など、どこかで見たような光景だなあとずっと思いながら読みました。その気になってみると『サブマリン707』を思い出させるシーンもあるし(最後の潜水艦戦なんてそうですよね)、そんなこといったら○○で敵潜水艦を引っかけるなんて『沈黙の艦隊』にあったような…。これ、けなしてるんじゃありません。人物がみな作りこまれてて、ストーリーも二転三転最後まであきませんでした。戦後日本への懐疑は、まあそういう見方もあるわなァくらいで、いつの時代だって日本人のほとんどは一生懸命だったんですよ。
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406211528X
No.27:
(4pt)

ラピュタのパズーとシータですよね

おもしろかったです。主人公の少年と少女が『天空の城ラピュタ』に登場するパズーとシータとダブってしょうがなかったです。飛行船と伊507、一人乗りの凧とナバール(小型潜水艇)、潜水艦ブリッジでの2人の会話など、どこかで見たような光景だなあとずっと思いながら読みました。その気になってみると『サブマリン707』を思い出させるシーンもあるし(最後の潜水艦戦なんてそうですよね)、そんなこといったら○○で敵潜水艦を引っかけるなんて『沈黙の艦隊』にあったような…。これ、けなしてるんじゃありません。人物がみな作りこまれてて、ストーリーも二転三転最後まであきませんでした。戦後日本への懐疑は、まあそういう見方もあるわなァくらいで、いつの時代だって日本人のほとんどは一生懸命だったんですよ。
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406211528X
No.26:
(5pt)

著者の勉強力と想像力に脱帽

冒険小説でありSFである本作品は質・量ともに重厚であるため、最初に手にした時は正直、腰が引けました。(そういえば「亡国・・・」でも腰が引けた)が、しかし、読み出すと止まらない、当時の男達の情熱に目頭が熱くなりました。背景の重さ、暗さと登場人物達のカッコ良さにミスマッチの感があり、SFの部分はかなりガンダム的であるものの、読後は最高に爽快。私はあまり映画を見ませんが、映画化されたら是非見に行きたい作品のひとつでした。
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4062115298
No.25:
(5pt)

哲学書である。

本書は海洋冒険小説としても白眉であるのは間違いないが、単なる冒険小説とカテゴライズするには惜しい。本書はそういったジャンルを超えた小説である。「亡国のイージス」に続いて著者は我々読者に重い問いかけを為す。「国家とは何か?」「国は個人に対して何を為すか、或いは個人は国家に対して何を為し得るか?」登場人物の全てがこの問いを読者に投げ続けているこの小説を、私は哲学書を読むような気持ちで読んだ。本書は物理的な意味だけでなく、内容でも非常に重い。しかし、重さに耐えて読む価値は十分にある。良い小説は読者によって多様な解釈を許す余地を持っているというのが私の考えだが、その意味では本書は間違いなく「良い小説」である。
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406211528X
No.24:
(5pt)

謎の兵器“ローレライ”をめぐる海洋冒険小説

「亡国のイージス」でたっぷりと自衛隊と護衛艦の世界を描いた、福井晴敏が今度は旧帝国海軍の潜水艦を描く。終戦間際の日本。ドイツより供与された謎の兵器“ローレライ”をめぐる海洋冒険小説の趣。日本へ搬送される途中、九州五島沖で海中に投棄されてしまった“ローレライ”を探すべく、潜水艦“伊507号”が秘密裏に出航する。乗組員は、潜水艦学校の閑職にあった艦長以下、海軍中から集められた様様な屈折した過去を持つ男たち。主人公は素潜りの能力により搭乗することになった17歳の少年兵。同じく小型潜行艇の操縦の腕を買われて呼ばれたその親友や、“ローレライ”担当として、日本人の血を引くドイツ親衛隊(SS)青年将校も搭乗する。冒頭からアクションシーンも満載。冒頭の米潜水艦2隻!とUボートとの戦い、呉軍港への米艦載機の大空襲。五島の岩礁海域、さらに硫黄島沖での米潜水艦との2対1の状況下での対潜水艦戦。「亡国のイージス」でもそうだったが、軍隊に関する描写、潜水艦に関する描写などかなり詳しく、登場人物の描きこみも力が入っており、上下二巻かなりのボリューム。心理描写や独白なども少なくないため、単なる戦記ものとは違う雰囲気を漂わせる。文章が饒舌すぎる嫌いもあり、読みづらい部分もあるが、その多弁さに圧倒される力作。日本軍軍令部が固執し、米軍も執拗に追う“ローレライ”とは何か? “ローレライ”の探索行でストーリが進むかと思いきや、伊507号には新たな任務が与えら、連合国艦艇が多数遊弋する太平洋に進路をとる、というところで上巻は終わる。
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406211528X
No.23:
(5pt)

震えが止まりませんでした。

実を言うと「亡国のイージス」より作品が出されずに心配をしていました。福井さんはもう執筆をやめてしまったのではないかと。それがまさかこんな大物を引っさげてくるとは。福井さんの作品の中でもっとも個々の人々が魅力的に描かれている作品でしょう。読んでいる最中、興奮で震えが止まりませんでした。最後は感動的です。これほどの冒険小説を書ける人は日本には今いないでしょう。他にも見事な冒険小説を書く方はいますが、1つの作品にかけている時間が福井さんは他の作家より長く、その分完成度は非常に高い。評価は文句なしに「5」。私が知る冒険小説のNO.1の作品です。
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406211528X
No.22:
(4pt)

とんでもない作家が誕生したのか?

 è¶...能力ã‚'応ç"¨ã-たナチスドイツの秘密å...µå™¨ã€å·¨ç ²æ­è¼‰ã®æµ·åº•軍艦、浪花節的な登å '人物、潜æ°'艦どうã-の魚雷戦……どう考えてもマンガチックなç' æã§ã€æœ€å¾Œã®æˆ¦é-˜ã‚·ãƒ¼ãƒ³ãªã©ã¯ç-›å¿«ãƒãƒ£ãƒ³ãƒãƒ©æ™‚代劇も真っé'、丹下左膳の大立ち回りもかくやという大サーãƒ"ス。ã"れだã'陳è...ãªè¦ç' ã‚'もとに、ã"れだã'のエンターテインメントã‚'書ã'るã"の作家に、正ç›'脱帽ã-た! 飛び抜ã'た筆力、言è'‰ã®æ'ªæ°'、思想の氾濫、そã-て叙æƒ...性。『亡国のイージス』序章の叙æƒ...性にもãƒ"ックリã-たが、ã"ちらの終章も涙なくã-ては読めませã‚"。å-šå'¼â€¦â€¦ã€€ã›ã£ã‹ãã"れだã'の筆力があるのだから、マスターベーション的な架空戦記や軍事オタクのä¸-界から、å°'ã-離れてもいいのではないだろうか。より広いä¸-界ã‚'相手に筆で勝負できる、希有ã!ªèƒ½åŠ›ã®ä½œå®¶ã ã¨æ€ã†ã€‚ã¨ã„ã†ã"とで、そã"らの期å¾...ã‚'ã"めて今作å"ã¯æ˜Ÿä¸€ã¤å¼•き。
終戦のローレライ 上Amazon書評・レビュー:終戦のローレライ 上より
406211528X

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