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雪の断章
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雪の断章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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斉藤由貴主演で映画にもなった作品なので、「雪の断章」というタイトルを 耳にしたことがある方は多いかもしれません。 30年前の作品を新装版にて復刊したというものですので、多少時代を感じさせる 部分もありますが、心に訴えかけてくる物語でした。 孤児院で育ち、とある家に引き取られた少女・飛鳥。しかし、家族から冷酷な 扱いを受け、奴隷のように働かされる。理不尽な仕打ちと耐え忍ぶだけの日々 にピリオドを打つために、幼い飛鳥は家を飛び出した。 札幌の大通り公園で、行き場を失った飛鳥を救いだしてくれたのは青年・祐也。 飛鳥は祐也のもとで育てられ、やがて育ての親である祐也に対して恋心を抱き はじめる。しかし、悲惨な殺人事件が起きたことから、穏やかな暮らしは一転。 2人の運命は動きはじめる。 育ての親への恋、殺人事件、人間の愛憎劇といった要素だけをみると非常に ドラマティックですが、それだけではないのがこの作品。 少女の頑なな部分と繊細さ、そして魂の気高さが美しくリズミカルな文章で 綴られており、人間心理の複雑さも巧妙に描かれています。 登場人物たちの苦しく切ない心情が自分の中に入り込んできて、時間を忘れて 一気読みしてしまいました。 恋愛の要素は大きいですが、殺人事件の謎解きもあるので、ミステリ好きの人 にも愉しめる内容だと思いました。 読書好きの人には、文句なしのオススメ。 胸が締め付けられるような感動を味わえる作品です。 | ||||
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情景描写の美しさ、心理描写の巧みさにすっかり魅了され、この作家の作品はすべて読みました。それぞれの作品の文中に伏線をはり互いに関連性があるので、学生時代に友人と登場人物の家系図や相互年表などを書いて盛り上がったものです。約20年前に最後の作品を発表されて以来、どうされているのだろう…と思っていましたが、先日地方紙に(私は北海道在住)昨年56歳で他界されたとの記事を見つけショックを受けました。記事には、元編集者と作品の復刊を目指すファンの方々の事も載っていました。請う復刊!そして合掌…。 | ||||
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倉折飛鳥は強い…. これが私の読後感でした.その後何度も読み返し,自分の思考の一部に決定的な影響を与えた本. 長期休みの前にまとめて買った本の中の一冊でしたが,運命的な出会いと思わせられる一冊. 終盤,一ページ一ページが重く,先を読みたいけれど,読み終わりたくない,と葛藤に身悶えした一冊. | ||||
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カバーに惹かれて、古書店でこの本を手に取ったのは自分が中学生のときです。始めの数十頁を読んだときは、まさか恋愛小説になりえるとは想像していませんでした。年の差がありすぎかな、と。当時は「傑作だ!」と一人で興奮していましたが、「お兄さん」の完璧超人ぶりとか、主人公の少女と彼のプラトニックな純愛とか、多分に作者自身の幻想というか理想を投影しているのかなと思う点は、成人した今では素直に受け入れられないところもあります。 思春期始めの頃に読むのが正解でしょう。 | ||||
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私はこの本を読む度に何か面白い発見をする。北国と、人の流れ。それをサスペンスタッチに綴る。異色的な表現も面白い。しかし、一番面白い発見は主人公の心の動きでは?と思う。一人で世界観を作ってしまった主人公にとって初めて信頼を寄せる人物が現れた時。それはすべての何もかも破り棄ててでも一番守りたいものとなった。信頼はやがて違う感情もともなっていったことに気づいた主人公は悩み決断を下した。そして気づいてしまった身近な人の裏側。すべてにけりをつけ主人公は一人の人を選んだ。この展開こそが私に何よりも面白みと絶えることのない人間的な深みを教えてもらったのだと思う。 | ||||
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この本を家の書棚で見付けたとき、私は確か12歳だった。まだまだ赤毛のアンに共感し、12歳にしてもオクテな側にいた私にとって、この本のシックな表紙とザラザラの紙に印刷された細かい字の数々が、何とも大人っぽく秘密めいて見えたものだ。ブルジョワ家庭にもらわれ甲斐甲斐しく働く孤児の少女飛鳥は、雪の札幌大通り公園で一人の青年と偶然に出会う。何とも耽美的な筆に乗って、少女の成長と恋、会社組織の闇に絡んだ殺人事件、切ない別れと恋の成就、それらが粉雪の舞う札幌を舞台に幻想的に展開する。そして、12歳にして私は「ベーゼ」という耳慣れない言葉がKissを意味することを知ったのである!このことに大興奮した私は、それ以来本作品を禁断の「官能本」として、大人に隠れながらこっそりと読み重ねることになった。少女の視点からみると、登場人物はまさにオトナの男と若く清楚な女であり、彼らが様々な苦しみを乗り越え恋愛を実らせていくさまは、じっさい何ともいえずロマンチックで官能的だった。そういうわけで、本作は個人的に思春期を揺るがす重大な本であり、大人になって読み返してみる今、本作がよくできたA級通俗小説であると同時に、思慮深く優しい女性像と人間の感情の襞を丁寧に描いた文学でもあること、それゆえ、私にとっての「禁断の書」が他のどの本でもなくこの本であったということに、不思議な安らぎを感じている。それにしても、この作品で賞をお取りになった佐々木丸美先生、今頃どうなさっているんでしょう?単行本の廃刊は残念です。彼女の作品、もっともっと読みたかったです。 | ||||
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幼い孤児の少女が見知らぬ青年に助けられ、成人になるまでの過程を描く愛と感動の物語。 最終章は一気に読んでしまい、涙が流れ、何度も繰り返し読み直した記憶があります。 この感動を妻や子供たちにも読ませてあげたくて、書籍を探しています。 | ||||
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札幌を舞台に、孤児の女の子が大人の女性になるまで、本当の愛・幸せをみつけるまでを幻想的な筆致で描いた一大ロマンにして、作品同士が複雑に絡みあい、大河ドラマ的な感もある佐々木作品の記念すべき第一作目。 孤児という生い立ちのため周りから不当な扱いを受け、幼いながらも社会のありかたに疑問を持つ幼女期、優しい里親に巡り会い、はじめて親友と呼べる友人に出会いながらも、誰にも心を開ききれない少女期、里親に対する愛情に気付くが、生い立ちと今まで受けた恩を思い、口に出せずに悩む少女から大人の女性への変遷の時期が、北海道の自然を織り交ぜながら美しくもの悲しく語られていく。 作中に起こる殺人事件は、犯人がわからない、トリックが使われているなどしているが、それをメインにはしておらず、生きていく、成長していくための障害・通過点といった役割でしかない。そのため犯人が早々とわかってしまうので、ミステリとしては弱いかもしれません。が、事件がどうこうよりも、少女の生き方を応援したくなってくる、名作と呼ぶにふさわしい作品です。 と、はじめて読んだときは思いましたが、何年ぶりかで読み返してみたら、青臭く甘っちょろく感じられました。かといって作品の価値が下がったわけでなく、読み手のほうが歳をとったということなんでしょうね。 | ||||
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この小説を読むきっかけは、今からどれくらい前になるでしょうか、斉藤由貴さんの主演で映画化され、それを見たのが、はじまりでした。まだ小学生だった私は、映画を見ましたが、内容はてんで、理解できませんでした。それから、少したって、その映画が小説の映画化ということで、本を読む機会を得ました。まだ小学生だった私は、本を買うお金を持っていなかったので、図書館まで借りに行って読んだのを覚えています。まだ、小学生だった私が、感じたことは今読んだら同じ感想をもてるかわかりませんが、女の子にとって、永遠のあこがれでであるような、ストーリーだったのを覚えています。小さい主人公の女の子が、もらわれて家で苦労したいたのを助けてくれた大学生のお兄さんとの、切ないラブストーリーとそれに絡んでくる、殺人事件もまた切ない結末が待っています。映画では、悲しい結末だったと思ったのですが、小説は、ハッピーエンドだったが、小学生の私には、うれしくってうれしくって、人は幸せにならなきゃいけない。と子供ながらに、思った一冊です。 | ||||
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