漱石と倫敦ミイラ殺人事件
評判
漱石と倫敦ミイラ殺人事件の評価:
4.56/5点 レビュー 25件。 B ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全59件 21〜40 2/3ページ
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出版当時、その島田荘司がホームズのパスティーシュ(作風を模倣して書かれた作品)を書いたというのだから、大いに興味を持ったものだった。
彼のデビュー作であり代表的シリーズの主人公・御手洗潔はまさにシャーロック・ホームズのような存在感を放つキャラクターだからだ。
果たして島田がホームズをどんな風に書くのか。しかも本書は同時に夏目漱石のパスティーシュでもあるのだ。
ホームズが活動していた頃の1900年に漱石は渡英していた。その史実(?)を利用して組み立てられた筋立てはまさに本格推理小説。漱石ヒストリーをなぞり、漱石の在英時のスケッチ的なものが混じる『永日小品』など漱石作品のエピソードを交えながら話は進む。
漱石の書いた文章とワトスンの書いた文章が交互に現れ、互いの目線が交差する仕組みが楽しい。だが読み出してまずはビックリすることがある。漱石のパートが激しくトバしてるのだ。
漱石パートの、ホームズへの悪意あるキャラクター造形がとにかく凄い。もはやいしいひさいちのホームズパロディの域に達するエゲツなさ。廃人同然。
そういう悪どい語りを聞いた後に、ワトスンの筆の中に登場する漱石の控え目でキチンとした感じがザワザワする!島田先生オモロイ。
「ちょっと金之助〜」と思ったけれど・・・後に本作は青少年向け図書としてルビ付本で新たに出版された。その経緯もうなずける爽快な読後感が待っていた。
そしてこの2017年2月に出た電書版は、そのルビ付本に島田荘司が寄稿した青少年へのメッセージ「夢見る時代の力」が掲載されている。(注・電書版ではルビと挿絵と年譜は除かれている)島田少年の小説家はじめの一歩が描かれていてジーンときた。青少年よ、推理小説を書け!という著者のメッセージに心が熱くなる。良いもん読ませてもらいました!
読んだら漱石とホームズと島田荘司が好きになっちゃう本。小説を読み始めたばかりの若い人にもぜひ読んで貰いたい。