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それでも、警官は微笑う



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それでも、警官は微笑うの評価: 3.76/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(5pt)

無骨な刑事とお坊ちゃん刑事が麻薬と拳銃の密売ルートを追う

東京池袋署刑事課に勤務する武本正純。
無骨な顔と、正義感からなのだが容赦のない腕力で「キチク」と
あだ名されています。
本書でいちばんおもしろいのが
武本とコンビを組む年下の上司潮崎哲夫。茶道の家元の次男坊で
家からの圧力により、自宅から出勤、休日勤務が続けば警視総監自ら
問い合わせが入る。もちろん所属に関しても横やりが入る。
そんなキャラクターなので周りからは疎まれ、相手にされないことも
多い。けれど、潮崎は明るく現場を守りたてます。
そして、そのハンディを力に変えてしまう。
彼が本当は主役なんじゃないかな。
個人的には「中国緑茶の白い葉」というありえないお茶が登場し
おもしろさ倍増。うーん。発酵度の極端に低いシルバーチップの
中国茶はありますけれどね。
ここに出てくる陽竜銀針は聞いたことないなぁ。
ま、だからおもしろいのですが。
ただし、それが証拠として付着していた、というのはちょっとムリムリかなぁ。
在日外国人の存在や、日本の官僚機構のお粗末さなど、物語展開も
読み応えがあります。
でも、やっぱり潮崎警部補が出てくると目が離せない。
それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)より
4061824260
No.4:
(4pt)

ヒーローではない刑事たちの労多き日々を活写!

 探偵やハードボイルドの世界で、いわゆるアンチヒーローが席巻し始めたのはいつ頃のことだろうか? アンチヒーローであっても能力が高いというのではなく、もっと本格的に駄目なアンチヒーローのこと。駄目だけれども持てる能力の何倍もをその努力によって補うという種類の。ドン・ウィンズロウがそうだろうか。アンドリュー・ヴァクスの世界もそうだろうか。花村萬月は破滅的だし、馳星周となるともっと破滅的だ。 しかし警察小説となると、アンチヒーローには日本ではそうお目にかからない。アメリカのよれよれの警官(たとえばウォルター・マッソーやバート・ヤングに演じて欲しいような種類の)がいかにも日本にはいそうもないし、日本警察官というとどうしても体育会系、柔道剣道大必須みたいな印象があったりするから、小説という文化の中でもいわゆる柔らかい警官というのはなかなか出現してこなかったのだと思う。 『踊る大走査線』の人気というのは、若いのにどこかよれよれで悩む現場刑事の能力以上の活躍を描写したことで生まれたものだと思う。『大都会』でも『太陽に吼えろ』でもない、どこか庶民にとって等身大の刑事っていないの? というような願望が生んだヒューマンなドラマとでも言うべき存在。最近は『はぐれ刑事』とか『ケイゾク』とか(ぼくはちゃんとは見ていないけれど)そういったアンチヒーロー等身大刑事というものが、他の多くのアクションドラマと併走しているように見えるのだ。 だから日本警察小説界にもそろそろそういう種類の小説世界が確立してもいいのだという世間からのニーズに対しちゃんと出てきたのが、この作品であったのだ、多分。名だたる警察小説のヒーローをミーハーとしてこよなく愛する若い世代の刑事の出現。これだって書き方がお粗末であればニーズを満たすことはできなかったはずなのだが、なんとも味のある文章、それなりに女性らしく繊細で生真面目な描写。何よりも丁寧に作られた人対人という構図にフォーカスした姿勢。 極めて日常的な、ぼくらに近いところに刑事たちを引き寄せて、言い方を変えれば事件はそっちのけで警察署の中の描写に重心を置いたスタンス。そういう意味ではとても新鮮だし、今まであまり日本小説では味わったことのない、欧米なみの生活臭のある人物たちである。全然格好良くなく、そのくせ頑張り、時には鋭く、でも大きなミスメドをし、どこまでもアンチヒーローな身近な刑事たち。  作者もおそらく警察小説のミーハーなのだろうなと思う。読むことが好きで、書くことが好きで、そして多分、自分で造形した刑事たちが何よりも好きだろうと、そう思える作品である。ある意味大変に素晴らしい現象ではあると思う。
それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)より
4061824260
No.3:
(4pt)

清しい警察小説

本来関わることのなかったであろう人間たちが、ひとつの事件を介してそれぞれが物語りの縦糸、横糸となっていく物語は、デビュー作とは思えないほどの存在感をそれぞれの登場人物に持たせている。いそうでいない彼らは、ヒーローでもなければ、傑出した人間でもなく、泥臭さと人間くささを持ちながら、それぞれの想いを胸に秘めながらそれぞれの物語をつくりあげていく内容は、読み応えが合った。個人的に、この種の小説にありがちなマドンナ的存在が、見事にこちらの予想を裏切ってくれたところに、とくに拍手。
それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)より
4061824260
No.2:
(4pt)

清しい警察小説

本来関わることのなかったであろう人間たちが、ひとつの事件を介してそれぞれが物語りの縦糸、横糸となっていく物語は、デビュー作とは思えないほどの存在感をそれぞれの登場人物に持たせている。いそうでいない彼らは、ヒーローでもなければ、傑出した人間でもなく、泥臭さと人間くささを持ちながら、それぞれの想いを胸に秘めながらそれぞれの物語をつくりあげていく内容は、読み応えが合った。
個人的に、この種の小説にありがちなマドンナ的存在が、見事にこちらの予想を裏切ってくれたところに、とくに拍手。
それでも、警官は微笑う (双葉文庫)Amazon書評・レビュー:それでも、警官は微笑う (双葉文庫)より
4575514063
No.1:
(4pt)

警察と麻薬取締官

この本の面白いところは、「警察」と「麻薬取締官」が二つ絡んでくるところです。官僚組織の悲しさ、二つの組織が互いに足をひっぱる出だしは、「これからどうなることやら」と読者をハラハラさせます。主人公の警察官潮崎と武本のコンビ、そしてそれにからんでくる麻薬取締官の宮田のキャラクターも魅力的で、特に宮田が必死にこの事件にくらいつく理由には、ほろりとさせられます。難をいえば、この作品は途中から犯人が出てきて、重要な情報を主人公たちが解き明かす前に読者が知ってしまうことがあります。犯人が、そのようなことをする生い立ちも語られていますが、その「不遇な生い立ち」にあまり共鳴できなかったことも「犯人を途中で明かしてしまう」タイプのミステリーとしては面白さを損なっているかもしれません。ああ、この人がこういうことをするのはむべなるかな、って思わせるほど共感させてほしかったな、と思います。また、この犯人はインターネットを使って犯罪をし「完璧な手段で身元を隠して」いますが、そのネット知識は、ある程度ネットワークを知っている人には噴飯もの、という欠点もあります。ただ、それを補ってあまりあるほど、主人公たちがいきいきとしています。特に宮田には、そこまで努力をして犯人を見つけたのにも関わらず、失望するような結末が待ち受けていますが、それを明るく受け止め次の道に進む彼には、大いに共感しました。ミステリー、というよりは、三人の若めの男性の成長を描いた青春小説、という感じがしました。細かく見れば、デビュー作ということもあるのか、アラはありますが、読んでいてそれを感じさせないパワーがあり、楽しんで最後まで読めました。
それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:それでも、警官は微笑う (講談社ノベルス)より
4061824260

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