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凍える島
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凍える島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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気取った心理描写やせりふ回し、頭の弱い主人公のナルシスティックな言動にイライラしたが、読後は妙に爽快感、満足感があった。 | ||||
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孤島ものは色々ありますが、この展開はまた魅力的でした!他の作品も読みたくなりました! | ||||
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多数の人が指摘している文章の読みづらさ。 コオヒイカップ、ジインズ、モォタァボォト・・・。 なぜこんな読みにくい表記をするのか?と。 それについて一考を呈したいのだが、 著者は大阪芸大芸術学部卒という、おそらく生粋の文学好きであり、 明治~昭和初期に至る近代文学作品は当然読んでいるだろう。 かの文豪たちの古めかしい文体や雰囲気を蘇らせてみたかったのではないか、と想像できる。 さらに、舞台設定も孤島もの、連続殺人ものといったミステリの古典的な手法を用いているし、 殺人の凶器が「日本刀」ってのもいかにも古風な道具立てだ。 この作品で面白かった点は、寄り集まった男女の複雑な恋愛関係を描きながら、 意表を突く事件解明がされているところだろうか。 フェアかアンフェアかギリギリな印象もあり、決して万人が絶賛するとは思えないが。 総じて、必読とは言わないが一読の価値はある。 | ||||
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デビュー作でしたよね。 この作品は作者の何作かあるクローズドサークルものの中で1番衝撃がありました。 1992年頃の作品ですから携帯電話とかありません。 その頃と現在の年齢の人の精神年齢もずいぶん違うから、この作品の登場人物で20代に思えない人も半分くらいいる。 他の読者が気になってイラついたカタカナの部分は、最後精神的に死んだ人の回想なのかと考えました。 なんて読者を引き込むのがうまいんだろう。と感心してしまう作家さんですが、デビュー作はやはり少しあらけずりで、でも強烈で読み終えてから、登場人物の一人に対し『そんなの愛じゃない』と思い涙が出ました。 | ||||
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最後の最後まで犯人がわからなくて楽しめました。 話の設定舞台も孤島というところが好みだったし、読みやすかったです。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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本作が受賞した第4回鮎川哲也賞はレベルが高く、一時予選通過作品に西澤 保彦の名前があったり、最終選考にはあの貫井徳郎氏のデビュー作の慟哭があったことで知られている。その中から受賞した本作であるが、個人的には慟哭の方がグランプリに相応しかったのでないかと思う。 本作も孤島での連続殺人というクローズドサークルものの定番の設定ながら、登場人物達の愛憎劇に焦点が当てられ、アリバイや密室などの定番の要素も出てくるが、あまり奇抜な物理トリックを駆使せず、心理的なトリックといわゆる叙述トリック落ちで魅せる作品。 最終選考で叙述トリックものが本作と慟哭と2作もあること自体が初期の鮎川賞では珍しいことである。 ちょっと変わった雰囲気のクローズサークルものを志向していることもあり、やや読後はすっきりしない感じも残し、奇抜なトリックなどは殺人事件のトリック自体にはないのであっさりしている感もある。 | ||||
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私は、「サクリファイス」ですっかり近藤史恵に魅了され、以後、「エデン」、「賢者はベンチで思索する」、「凍える島」と、筆者の著作歴を遡るような形で読み進めてきたのだが、その中では、「サクリファイス」は別格として、デビュー作であるこの「凍える島」が、一番面白かった。 この作品では、外界から閉ざされた孤島で、一人、また一人と殺されていくという、あまりにも有名な古典の名作を想起せざるを得ない、いまさらのような設定を使っている。また、名指しされた犯人も、これまた、別の古典の名作どおりのベタなパターンを使っており、正直いって、これで終わっていれば、オリジナリティのかけらもなく、「何、これ?」と、ミステリ・ファンのひんしゅくを買いかねないだろう。 しかし、最後のひねりの効いたどんでん返しが、なかなかのものなのだ。私がこれまで読んできた作品からは、筆者がいわゆる新本格派ミステリ作家に属する人だとはとても思えなかったのだが、この作品のこの結末を読んで、それが実に良く理解できた。 また、筆者は、新本格派ミステリに対する「人間が描けていない」という批評に対して、「どう見積もっても半分以上は、わたしたちは肉でできた機械にすぎません」と、新本格派を擁護する発言をしているのだが、そうした反論とは裏腹に、この作品で示している理屈では測れない人間の奥深い心の綾を描く筆力は、とても新本格派とは思えないレベルにあるのだ。 一つだけ気になったのが、読み始めればすぐに気が付くことなのだが、この作品では、ほぼ全ての外来語の長音が、「モォタォボォト」、「グレエプフルウツ」といったように、母音に置き換えられているのだ。当然、筆者は、こうした表記に対して、何らかの様式美なり美学を見出しているのだろうが、私のような読者からしてみれば、これだけしつこく使われると、読みにくいし、うっとうしいだけなのだ。ちなみに、私が読んできた他の近藤作品では、こうした表記に対するこだわりは全く見られない。読者か編集者の指摘でもあって、こうしたこだわりを捨てたのだろうか? | ||||
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私は、読後「満足」でした。最近読んだのですが、今でも読み応え十分の傑作だと思います。ミステリーとしても優れているでしょうけれど、むしろ恋愛小説といえるジャンルに入るのかもしれません。ともあれ、あまり先入観をもたず、最後までとっぷり小説の世界に入り込むことができれば、何かしら心に残してくれる作品になると思います。とくに女性におすすめです。 | ||||
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レトロテイスト・ミステリーと言える作品でしょう。ところどころに古めかしい言葉が点在しております。それと人物でありますが一部狂気に駆られる人物がいますので気をつけてください。人間のいやな面をまざまざと見せ付けられますから。犯人指定形式は…これは某有名作品まんまですね。だけれどもそこで終わらないのです。実は一見そういう風には見えても裏があるのですから。読みやすい作品ではあります。ただし犯人に関しての展開は急にそこに行き着くため違和感を覚えました。なんとなく夢見がちなテイストもちょっとマイナスかなぁ。悪くは無いですがまだ有名になる前の作品なので未熟さが目に付きます。 | ||||
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椋くん、うさぎくん、鳥呼、という呼び名(あだな)と、 喫茶・北斎屋というほのぼのした雰囲気から一転、 物語は急転直下でどんよりと重たい、凄惨な連続殺人へと向かう。 天使はモップをもって、などのスマート&スイートな作品と比べるとかなり厳しいので、 近藤史恵さんの他のほのぼの作品が好きな人は、取扱い注意。 作家さんのデビュー作に触れるとき、私は少し緊張する。 渾身の一作!という思いやこだわり、熱が籠っている、その新鮮なイキオイを嬉しく手にする。 ちょっと不遜な物言いを許していただければ、デビュー作は、素人である読み手の我々側から、 溜めた力を放って向こう側に飛翔する、その瞬間を感じられる気がするから。 シャワア、レェベンブロイ、ペエジ、グレエプフルウツ、チイズ、ビィル・・ 「ー」という表記を一切利用しないことで加わる、後を引くような重力。 ところどころにちりばめられた、詩のようなつぶやき。 悲しい物語なのに、しんしんと心に響く。 ちっとも納得できないけれど、それでもこの作品は、とても美しいと、思う。 | ||||
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孤島を訪れた数人の登場人物たちの間で次々と殺人が起きるという古典的スタイルを採りながら、斬新な結末で見事に現代的な作品を作り上げた鮎川哲也賞受賞作です。物語の語り手というのは客観的な視点を保っていなければならないものですが、本作では主人公が恋愛感情故に精神破綻を起こし、後半は何が真実なのか読者には非常にわかりづらくなりますが、その現実に対するあやふやさが、奇妙な魅力となっています。 犯人の意図はいまひとつわからないし、こんなトリックが成功するとはとても思えませんが、主人公の心理描写の迫力を前にするとなんとなく納得してしまうから不思議です。 | ||||
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無人島、外界とは音信不通、限られた人間が次々に殺されていく・・・何ともオーソドックスなテーマで、これをどう料理するのかと、ワクワクして読みました。あまりにメジャーなシチュエーションだからこそ、犯人を誰にするのか、動機をどうするのか。トリックだけでなく、登場人物のキャラクターなどにも魅力がないと読者を納得させられないと思ったので、近藤史恵初体験にあたり、この作品を選んでみました。 これは、映像にしてはいけない。小説だからこそ楽しめる作品だなと思いました。この世界観を映像で表現するのは難しいでしょうね。たとえば表記。「コーヒー」を「コオヒイ」など、長音(伸ばす音)をあえてアイウエオ表記しています。なぜかそれだけのことなのに、全体がノスタルジックな雰囲気になり、喫茶店の経営者とその客で無人島への旅行、なんてなかなかないシチュエーションに違和感を感じなくなるんです。不思議。 犯人は誰かを考える、ミステリとして楽しむのはもちろん、どちらかというと恋愛小説の趣きが強いように感じました。それも、大人の苦しい恋愛。好きだとかなんだとか、浮かれている恋ではなく、前にも進めず後戻りもできない、そんな苦しみがにじみ出ている。大人でもこういった感情が理解できる人は多くはないでしょう。いくつもの恋愛模様が絡み合って生まれた悲劇。ほんとうに、そうするしかなかったんだろうか。読んだ後にも深い余韻の残る作品でした。 | ||||
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この人が描く人間模様はいつも限りなく不安定で、ちょっと触れても血がにじみそうな気がする。好き嫌いはあると思うけど、その痛さを味わってみたくて、怖いものみたさで近づいてみる。デビューの頃の作品で、すごく彼女の色が出ている作品。 | ||||
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…正直、ミステリー離れをしつつある私が今でも、近藤さんの作品だけは欠かさず買うようになったきっかけをくれて!しかも近藤さんの作品も当たり外れがあるから、この本を読んでいなければ次を買おうとは思わなかったでしょう。…なんというか…「孤島の殺人事件」なんて、ベタベタな展開をここまで面白く読ませてくれる作品を私は知りません。全編を通して流れる、昏く重い空気も私のツボ!ラストも…なんというか…女性だから書けたんだろうなという感じで、私は大好きです。恋愛とミステリーを絡めた作品を書かせたら、この人以上はないのではないか、とまで思っております。 | ||||
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本格ミステリ。それも王道の孤島モノとくれば、それだけで敬遠する人もいそうだが、ご安心を。ただのミステリに非ず、です。人間の昏い面を見事に描写されたこの作品、きっと最後には一味違った感動が感じられると思います。少しカタカナ表記に癖があって、読んでいて違和感がありました。 | ||||
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限られた人間しかそこにはおらず、ほぼ密室状態にある「孤島の殺人事件」ときたら、ネタ割れどころか、オチバレに陥る可能性が高い。そこそこの本読みならば、ミステリの女王の彼の代表作は読んでいるはずだから。 無人島への喫茶店仲間による慰安旅行。真夏の孤島で過ごす1週間は、恐怖の時間と化す。 由緒正しきネタを作者は「和」の雰囲気を取り入れ、独自の、そして新鮮な印象をもたらす物に変えている。たとえあなたがこの話のオチが読む前から判ったとしても、決して読んだ時間は無駄にはならないと私は思う。 | ||||
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霧の中を手探りで進むような、そんな数日間の間に起こる、殺人事件。無人島、密室、連続殺人、そして犯人探し。ミステリ好きにはたまらない、お約束の要素は沢山あるけれど、何より印象的なのは、主人公あやめさんのやさしい語り口で綴られる恋人との秘密の関係。泣けるミステリ。おすすめです。 | ||||
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