■スポンサードリンク


凍える島



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
凍える島
凍える島 (創元推理文庫)

凍える島の評価: 3.25/5点 レビュー 36件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 21~36 2/2ページ
<<12
No.16:
(5pt)

筆者が新本格派であることと人間が描けることの、どちらもが良く理解できる作品

私は、「サクリファイス」ですっかり近藤史恵に魅了され、以後、「エデン」、「賢者はベンチで思索する」、「凍える島」と、筆者の著作歴を遡るような形で読み進めてきたのだが、その中では、「サクリファイス」は別格として、デビュー作であるこの「凍える島」が、一番面白かった。 

この作品では、外界から閉ざされた孤島で、一人、また一人と殺されていくという、あまりにも有名な古典の名作を想起せざるを得ない、いまさらのような設定を使っている。また、名指しされた犯人も、これまた、別の古典の名作どおりのベタなパターンを使っており、正直いって、これで終わっていれば、オリジナリティのかけらもなく、「何、これ?」と、ミステリ・ファンのひんしゅくを買いかねないだろう。 

しかし、最後のひねりの効いたどんでん返しが、なかなかのものなのだ。私がこれまで読んできた作品からは、筆者がいわゆる新本格派ミステリ作家に属する人だとはとても思えなかったのだが、この作品のこの結末を読んで、それが実に良く理解できた。 

また、筆者は、新本格派ミステリに対する「人間が描けていない」という批評に対して、「どう見積もっても半分以上は、わたしたちは肉でできた機械にすぎません」と、新本格派を擁護する発言をしているのだが、そうした反論とは裏腹に、この作品で示している理屈では測れない人間の奥深い心の綾を描く筆力は、とても新本格派とは思えないレベルにあるのだ。

一つだけ気になったのが、読み始めればすぐに気が付くことなのだが、この作品では、ほぼ全ての外来語の長音が、「モォタォボォト」、「グレエプフルウツ」といったように、母音に置き換えられているのだ。当然、筆者は、こうした表記に対して、何らかの様式美なり美学を見出しているのだろうが、私のような読者からしてみれば、これだけしつこく使われると、読みにくいし、うっとうしいだけなのだ。ちなみに、私が読んできた他の近藤作品では、こうした表記に対するこだわりは全く見られない。読者か編集者の指摘でもあって、こうしたこだわりを捨てたのだろうか? 

凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.15:
(4pt)

ラブストーリーinミステリー

私は、読後「満足」でした。最近読んだのですが、今でも読み応え十分の傑作だと思います。ミステリーとしても優れているでしょうけれど、むしろ恋愛小説といえるジャンルに入るのかもしれません。ともあれ、あまり先入観をもたず、最後までとっぷり小説の世界に入り込むことができれば、何かしら心に残してくれる作品になると思います。とくに女性におすすめです。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.14:
(4pt)

悪くはありませんが…

レトロテイスト・ミステリーと言える作品でしょう。ところどころに古めかしい言葉が点在しております。それと人物でありますが一部狂気に駆られる人物がいますので気をつけてください。人間のいやな面をまざまざと見せ付けられますから。犯人指定形式は…これは某有名作品まんまですね。だけれどもそこで終わらないのです。実は一見そういう風には見えても裏があるのですから。読みやすい作品ではあります。ただし犯人に関しての展開は急にそこに行き着くため違和感を覚えました。なんとなく夢見がちなテイストもちょっとマイナスかなぁ。悪くは無いですがまだ有名になる前の作品なので未熟さが目に付きます。
凍える島Amazon書評・レビュー:凍える島より
4488023355
No.13:
(3pt)

タイトルに惹かれて・・・。

凍える島(孤島)のミステリー!!
北の荒海を想像して凍えて来るじゃないですか!!
無人島の設定が出来れば場所は関係ないですが、瀬戸内海でした。
キャストは、喫茶店『北斎屋』に集う男女8人。
『和』的な要素を出す為に、日本刀も出てきます。
その島が、かつては新興宗教の聖地だったとか。
伏線たっぷりで、読ませます。
不倫あり、異質な三角関係あり、映像も浮かんでくるミステリーです。
霧が包み隠してしまうようなラストに考えさせられました。
『−』を使わない独特のカタカナ表記が、私は読み辛かったので☆3です。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.12:
(1pt)

ケータイメール世代の文章

孤島ものとしては、「孤島となってしまう理由」に、ちょっと無理がある。
色々と説明はしているものの、納得しにくい。
それから、これはストーリーとは関係ないが、独特のカタカナ表記があまりにも読みにくい。
本来、「ー」で表されるべき長音が、全部「アイウエオ」で書かれ、目に鬱陶しい。
なにしろ、「コォヒィ」ですからね、「コォヒィ」(笑)。
一瞬、「コーヒー」とは理解できない。
ひとつ二つの語について、そういう書きかたをする作家は多い。
たとえば、「コミュニケイション」などと書く人はけっこういるが、長音「ー」を一切使用しない人は、珍しい。
非常に読みにくかった。
例えばこれが、文学だとか詩だとかなら、良いのだろう。
しかし、娯楽作品の最たるものであろう筈のミステリでそれをやられるのは、少々つらい。
もう一つ。
女言葉がない。
誰が喋っても、「〜〜だよ」「〜〜よね?」式の、性別不明の話し言葉で、これがとても気に障った。
今の若い女性は、そういう喋り方をするのだろうし、耳で聞く分には違和感がないと思うが、それを文字でやられると困る。
「」の中が誰の発言か、すぐには判らないのだ。
これは、ミステリではかなり困る。
やはり、現実に即していなくとも、ある程度の女言葉は必要と思う。
「〜〜だわ」「〜〜なのよ」等の女言葉がね。
そういった文章の所為か、どうも登場人物に感情移入できなくて、最後まで読みはしたものの、感想としては「つまらない」のみ。
細々したトリックの中には、「いいね」と思えるものもあっただけに残念至極。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.11:
(2pt)

読後感と言うか、結末がすっきりしない

93年鮎川哲也賞受賞の孤島連続殺人もの。近藤作品は2作目。
えーとですね。
凄い話です。
登場人物の女性の一人称で話が進むせいか、文体がサスペンスフルというか、いろんな意味で読み進むのがどきどきです。だいたい孤島もので一人称は難しいでしょう(こないだもそんな短編を読んだ気がするな)。読後感と言うか、結末がすっきりしない気になってしまうのはなぜでしょうね。
どんでん返しはばっちり決まって、おぉーと思わせておいて、まだ話は続いて、というあたりが受賞理由なのかしらん。発表が93年だし、当時は斬新だったのかも。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.10:
(5pt)

しんしんと凍みる、ミステリ。

椋くん、うさぎくん、鳥呼、という呼び名(あだな)と、
喫茶・北斎屋というほのぼのした雰囲気から一転、
物語は急転直下でどんよりと重たい、凄惨な連続殺人へと向かう。
天使はモップをもって、などのスマート&スイートな作品と比べるとかなり厳しいので、
近藤史恵さんの他のほのぼの作品が好きな人は、取扱い注意。
作家さんのデビュー作に触れるとき、私は少し緊張する。
渾身の一作!という思いやこだわり、熱が籠っている、その新鮮なイキオイを嬉しく手にする。
ちょっと不遜な物言いを許していただければ、デビュー作は、素人である読み手の我々側から、
溜めた力を放って向こう側に飛翔する、その瞬間を感じられる気がするから。
シャワア、レェベンブロイ、ペエジ、グレエプフルウツ、チイズ、ビィル・・
「ー」という表記を一切利用しないことで加わる、後を引くような重力。
ところどころにちりばめられた、詩のようなつぶやき。
悲しい物語なのに、しんしんと心に響く。
ちっとも納得できないけれど、それでもこの作品は、とても美しいと、思う。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.9:
(3pt)

雰囲気が重く、だるい

「そして誰もいなくなった」に似せて構成されたお話。
孤島、密室、連続殺人。
しかしそれだけではない。
それに恋愛がからむ。
不倫、裏切りを描く。
だが、壮大な人劇が繰り広げられるわけではない。
登場人物がどこか冷めているように見える。
歪み、何かが狂っている。
それがホラーのような怖さを生んでいる。
ミステリーの上に恋愛やホラーを乗せている。
ミステリー自体もひとひねりしてある。
けっこう面白い要素は多いのだが、全体的に漂う重くだるい雰囲気が好きになれなかった。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.8:
(4pt)

不思議な魅力を持ったミステリ

孤島を訪れた数人の登場人物たちの間で次々と殺人が起きるという古典的スタイルを採りながら、斬新な結末で見事に現代的な作品を作り上げた鮎川哲也賞受賞作です。物語の語り手というのは客観的な視点を保っていなければならないものですが、本作では主人公が恋愛感情故に精神破綻を起こし、後半は何が真実なのか読者には非常にわかりづらくなりますが、その現実に対するあやふやさが、奇妙な魅力となっています。
犯人の意図はいまひとつわからないし、こんなトリックが成功するとはとても思えませんが、主人公の心理描写の迫力を前にするとなんとなく納得してしまうから不思議です。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.7:
(4pt)

大人のミステリ

 無人島、外界とは音信不通、限られた人間が次々に殺されていく・・・何ともオーソドックスなテーマで、これをどう料理するのかと、ワクワクして読みました。あまりにメジャーなシチュエーションだからこそ、犯人を誰にするのか、動機をどうするのか。トリックだけでなく、登場人物のキャラクターなどにも魅力がないと読者を納得させられないと思ったので、近藤史恵初体験にあたり、この作品を選んでみました。
 これは、映像にしてはいけない。小説だからこそ楽しめる作品だなと思いました。この世界観を映像で表現するのは難しいでしょうね。たとえば表記。「コーヒー」を「コオヒイ」など、長音(伸ばす音)をあえてアイウエオ表記しています。なぜかそれだけのことなのに、全体がノスタルジックな雰囲気になり、喫茶店の経営者とその客で無人島への旅行、なんてなかなかないシチュエーションに違和感を感じなくなるんです。不思議。
 犯人は誰かを考える、ミステリとして楽しむのはもちろん、どちらかというと恋愛小説の趣きが強いように感じました。それも、大人の苦しい恋愛。好きだとかなんだとか、浮かれている恋ではなく、前にも進めず後戻りもできない、そんな苦しみがにじみ出ている。大人でもこういった感情が理解できる人は多くはないでしょう。いくつもの恋愛模様が絡み合って生まれた悲劇。ほんとうに、そうするしかなかったんだろうか。読んだ後にも深い余韻の残る作品でした。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.6:
(4pt)

血がにじむような

この人が描く人間模様はいつも限りなく不安定で、ちょっと触れても血がにじみそうな気がする。好き嫌いはあると思うけど、その痛さを味わってみたくて、怖いものみたさで近づいてみる。デビューの頃の作品で、すごく彼女の色が出ている作品。
凍える島Amazon書評・レビュー:凍える島より
4488023355
No.5:
(5pt)

女性ならではのミステリー

…正直、ミステリー離れをしつつある私が今でも、近藤さんの作品だけは欠かさず買うようになったきっかけをくれて!しかも近藤さんの作品も当たり外れがあるから、この本を読んでいなければ次を買おうとは思わなかったでしょう。…なんというか…「孤島の殺人事件」なんて、ベタベタな展開をここまで面白く読ませてくれる作品を私は知りません。全編を通して流れる、昏く重い空気も私のツボ!ラストも…なんというか…女性だから書けたんだろうなという感じで、私は大好きです。恋愛とミステリーを絡めた作品を書かせたら、この人以上はないのではないか、とまで思っております。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.4:
(5pt)

ミステリと心理描写の両立。

本格ミステリ。それも王道の孤島モノとくれば、それだけで敬遠する人もいそうだが、ご安心を。ただのミステリに非ず、です。人間の昏い面を見事に描写されたこの作品、きっと最後には一味違った感動が感じられると思います。少しカタカナ表記に癖があって、読んでいて違和感がありました。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.3:
(4pt)

古典的ミステリと「和」の融合

 限られた人間しかそこにはおらず、ほぼ密室状態にある「孤島の殺人事件」ときたら、ネタ割れどころか、オチバレに陥る可能性が高い。そこそこの本読みならば、ミステリの女王の彼の代表作は読んでいるはずだから。 無人島への喫茶店仲間による慰安旅行。真夏の孤島で過ごす1週間は、恐怖の時間と化す。 由緒正しきネタを作者は「和」の雰囲気を取り入れ、独自の、そして新鮮な印象をもたらす物に変えている。たとえあなたがこの話のオチが読む前から判ったとしても、決して読んだ時間は無駄にはならないと私は思う。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014
No.2:
(1pt)

女性だから書けた作品

…同時に女性だから受賞出来た作品。確かに、自分の文章を綴れる人だと思う。中途半端な椎名林檎っぽいとも感じたけど。この作家の作品は追いかけてみようとは思います。でも、これがデビュー作ならばデビュー作を超えるために一生作り続けると云う「クリエイターの法則」が本当ならひどく低いハードルのような気がして残念。
凍える島Amazon書評・レビュー:凍える島より
4488023355
No.1:
(5pt)

ミステリでもありラブストーリーでもあり

霧の中を手探りで進むような、そんな数日間の間に起こる、殺人事件。無人島、密室、連続殺人、そして犯人探し。ミステリ好きにはたまらない、お約束の要素は沢山あるけれど、何より印象的なのは、主人公あやめさんのやさしい語り口で綴られる恋人との秘密の関係。泣けるミステリ。おすすめです。
凍える島 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:凍える島 (創元推理文庫)より
4488427014

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!