犬の力

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評判

犬の力の評価:

3.96/5点 レビュー 77件。 B ランク

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平均点3.96pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全58件 41〜58 3/3ページ
No.18
(4pt)

綿密な取材に基づいて思い切りよく描いた著者の自信が伝わる1000頁

 1970年代から90年代に至る中南米およびアメリカ合衆国を舞台にした麻薬戦争を描く巨編の下巻467頁。上巻とあわせれば1000頁を超える大部の作品です。
 史実を背景にしながら虚構を組み立て、激しい暴力と陰謀、人間の欲望と正義への希求を描く、スピードとスリルあふれるストーリー・テリングはなかなか読ませます。
 麻薬戦争の背後にうごめく超大国の政治の闇と企業の思惑。反共の名のもとに、恣意的な政治決定や企業活動が多く行われ、おびただしい量の血が流れた史実が仮借なき筆致で描かれていきます。
 本書にはモンサントという実在する企業の非社会的行為についても赤裸々に綴られています。これほどまでに著者が思い切りよく筆を進めたということは、かなり綿密な取材に基づいて書ききるだけの自信があったのでしょう。そのことに大いに驚きと敬意を感じなら読み進めました。
 アメリカ大陸の麻薬戦争は今日なお終わりが見えぬ状況にあり、本書が描くDEA特別捜査官アート・ケラーと麻薬王アダン・バレーラの対決のような事態は今も続いているのでしょう。そのことに思いをはせると、なんとも痛ましい読書になります。
*上巻のレビューでも記しましたが、原文に登場するスペイン語を訳者は、日本語の訳語にカタ仮名ルビで原音表記しています。残念ながらこの下巻でも幾つか表記に誤りがあります。「誘拐者に死を=ムエルト・ア・セキュエストラドーレス」は「〜セクエストラドーレス」、「愛国連合=ユニオン・パトリオテイカ」は「ウニオン〜」とするのが原音に近いといえます。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.17
(5pt)

このミステリーがすごい!2010年版 海外編 第1位

 1970年代から90年代に至る中南米およびアメリカ合衆国を舞台にした麻薬戦争を描く巨編。まず読み終えた上巻だけで574頁あります。
 米国麻薬取締局の特別捜査官アート・ケラー。
 メキシコの新興麻薬組織を率いるバレーラ一家。
 高級娼婦となった美貌の高校生ノーラ。
 苦悩する司教フアン。
 NYの貧しいチンピラ、カラン。
 ヒスパニックからイタリア系、アイルランド系など様々な国や民族の出自を抱えた痛ましい男女が、おのおの閉塞感を抱えながら物語を生きて行きます。
 中南米の70‾90年代はアメリカの反共政策に翻弄された時代です。
 この小説にはサンディニスタやイラン・コントラ、解放の神学、メデリン・カルテルなど私が学生時代に報道で幾度も目や耳にした実在の組織や事件の名前が現れ、またオリバー・ノース中佐がモデルとみられるクレイグ大佐(469頁)なる人物が登場するなど、懐かしい歴史をその現場で実際に生きてみる感覚が私にはあります。虚実ないまぜの物語を作者創造のキャラクターたちが疾駆する姿はなかなか読ませます。
 バレーラ家のアダンが、難病の娘を抱える父、妻を愛する夫であるかたわら、組織の要として対立勢力との激しい抗争にあけくれる姿が奇妙に心に残りますし、民衆救済を実践する司教フアンが、娼婦ノーラと特異な友愛関係を結んでいく姿もこれまた強く印象に残ります。
 仮借なき麻薬戦争がどう展開されていくのか。下巻へと進んでみます。
*原文に登場するスペイン語を訳者は、日本語の訳語にカタ仮名ルビで原音表記しています。残念ながら幾つか表記に誤りがあります。「でくの坊=ヒホ・デ・プタ」は「イホ・デ・プータ」、「不可触=イントカブル」は「イントカーブレ」、「古狐=ツオツロ・ビエーホ」は「ソロ・ビエーホ」とするのが原音に近いといえます。
*162頁の「ミッキー・D」は、俗称で「マクドナルド」のことです。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.16
(4pt)

こういう壮大な物語も書けるんだ〜

作家名を知らずに読んでいたら、決して「ニールケアリー」シリーズを書いた人の作品だとはわからないでしょうね。
ちょっとうれしい驚きでした。
「これが名訳か?」なんてけなす人がいるようですが、まあこのレベルの本を原書で読めるんなら最初っから原書で読むべき。
「ニールケアリー」シリーズならなんとか原書で読めそうですが、この本はキツイなあ〜。東江さんの翻訳のほうが楽しめます。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.15
(5pt)

血で脈打つストーリー。ウィンズロウの最高傑作

オリジナルは2005年リリース。邦訳は2009年8月25日リリース。2010年版海外編『このミス』第1位。『週刊文春ミステリーベスト10 2009』第2位。事実上2009年の海外ミステリーは『ミレニアム』とこの『犬の力』の一騎打ちだった。間違いなくドン・ウィンズロウの最高傑作だ。
自身がニューヨークをはじめ全米・全英で私立探偵をし、一方で法律事務所や保険コンサルタントをしていたというキャリアが実に作品に生きている。つまりここでのストーリーが極めて『現実に近い』のだ。それ故、ストーリーの登場人物も極めてリアルで、実在している(あるいは実在していた)としか思えなくなる。他作品例えば『ボビーZの気怠く優雅な人生』でもここに登場するDEAは登場してくる。ただそのリアルさが極限に近くなっている。
まるで現代版『ゴッド・ファーザー』を眼で見ているような映像性はすばらしい。この作品は是非とも映画で観てみたい。そう思った。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.14
(5pt)

非常に映像的。是非とも映画に

オリジナルは2005年リリース。邦訳は2009年8月25日リリース。2010年版海外編『このミス』第1位。『週刊文春ミステリーベスト10 2009』第2位。事実上2009年の海外ミステリーは『ミレニアム』とこの『犬の力』の一騎打ちだった。間違いなくドン・ウィンズロウの最高傑作だ。
自身がニューヨークをはじめ全米・全英で私立探偵をし、一方で法律事務所や保険コンサルタントをしていたというキャリアが実に作品に生きている。つまりここでのストーリーが極めて『現実に近い』のだ。それ故、ストーリーの登場人物も極めてリアルで、実在している(あるいは実在していた)としか思えなくなる。他作品例えば『ボビーZの気怠く優雅な人生』でもここに登場するDEAは登場してくる。ただそのリアルさが極限に近くなっている。
まるで現代版『ゴッド・ファーザー』を眼で見ているような映像性はすばらしい。この作品は是非とも映画で観てみたい。そう思った。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.13
(4pt)

ちょっと違ったか…

ウィンズロウの訳本は全て読んでいると思います。
最新刊が出て、評価もすこぶる高いので期待して購入しました。
結果、私の知らなかった「影のアメリカ史」が多少なりと理解できたことは収穫でしたが「一冊の本として好きか?」と問われれば複雑な気がします。
この手の作風、テーマ、表現をされる書き手の方は、沢山いらっしゃると思います。
面白いのは間違いないのですが、個人的にこの作家に期待している部分があまり見えませんでした。
次作も決定していますし、今度は「私の好きな」ウィンズロウを読める事を期待しています。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.12
(5pt)

皆の好きな麻薬戦争

米国の大沢在昌、マイケル・スレイドばりの血みどろ。この作者はこんな作風?下巻が楽しみ。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.11
(5pt)

原書で再読を

昨年、渡米した折り、書店で偶然見つけ、ウィンズローの名前に懐かしさを思いだし購入してまさに一気読みでした。原書でもそれ程難解な表現は有りませんので読み易いかと思います。今回、翻訳されたのを再読しましたが、また、あの時の興奮が甦りましたね。訳が素晴らしい。とてもテンポよく分かり易い。最近、フィクションものに疲れて、エッセイやノンフィクションものに逃げていましたが、こういう作品がでてくると、止められませんねー。ジェームスエルロイが激賞したのも唸づけます。次回作にも期待したいものです。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.10
(5pt)

人間の深淵な狂気が訴えてくる

タイトルの『犬の力』。
本文内で明確な説明はされないものの、非常に印象的にこの言葉が使われています。
それは、人間の心奥深くにある狂気に似た感情を暗示していると私は感じました。
麻薬捜査官であるケラー、権力に取りつかれたバレーラ兄弟、
ささいなきっかけから暗殺者となったカラン。
十数人にも及ぶ登場人物たちは、初めこそ自分の信念に基づいた生き方をしていますが、
年を経るにつれ、自分の過去と自分の中の狂気に支配された人生をいつしか歩み始めています。
アメリカ、南米の麻薬戦争に絡む史実は事実に基づき、
その裏で暗躍するフィクションの登場人物たち。
リアリズムとフィクションが見事に融和し、その世界観にどっぷりとはまらせてくれます。
「ミレニアム」やトム・ロブ・スミスの「チャイルド44」なども読み応え十分でしたが、
当初はそれを凌駕する出来のハードボイルド小説でした。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.9
(5pt)

30年にわたる麻薬戦争を描いた、読み応え満点の一大サーガ

その作風から“アメリカ文学界の狂犬”とも呼ばれているLA4部作で有名な暗黒小説の大家ジェイムズ・エルロイにして「この30年で最高の犯罪小説だ」と言わしめた、ドン・ウィンズロウの、30年にわたる麻薬戦争を描いた入魂の大長編。
血みどろの麻薬戦争に巻き込まれたDEA(麻薬取締局)のエージェント、ドラッグの密売人たち、高級コールガール、殺し屋、そして司祭。戦火は南米のジャングルからカリフォルニアとメキシコの国境地帯へと達し、’75年から’04年までの約30年にわたって苛烈な地獄絵図を描く。
本書は、麻薬カルテルの密輸の実態、組織化、陰謀、暴力抗争、政治的暗躍と権力との癒着、それにともなう政治・官憲の腐敗と、復讐、暗殺、そしてそれらに立ち向かう正義、人々の愛憎、何よりもまして裏切りにつぐ裏切りの構図のそれぞれを余すところなく、史実をまぶしながらもあぶりだしている。
それにしても激しい小説である。私はウィンズロウの作品を読んだのはこれが初めてだが、巻頭の「主な登場人物」が次々と殺されてゆき、血塗られた抗争の果てに生き残って微笑むのは誰か・・・、ウィンズロウの現在形・言い切り型のハードな文章に臨場感をあおられて、文庫上・下巻にして1041ページの厚さにもかかわらず、最後の最後まで目が離せず一気読みしてしまった。
本書はまさに、ウィンズロウが渾身をこめた、読み応え満点の一大サーガである。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.8
(5pt)

30年にわたる麻薬戦争を描いた、読み応え満点の一大サーガ

その作風から“アメリカ文学界の狂犬”とも呼ばれているLA4部作で有名な暗黒小説の大家ジェイムズ・エルロイにして「この30年で最高の犯罪小説だ」と言わしめた、ドン・ウィンズロウの、30年にわたる麻薬戦争を描いた入魂の大長編。
血みどろの麻薬戦争に巻き込まれたDEA(麻薬取締局)のエージェント、ドラッグの密売人たち、高級コールガール、殺し屋、そして司祭。戦火は南米のジャングルからカリフォルニアとメキシコの国境地帯へと達し、’75年から’04年までの約30年にわたって苛烈な地獄絵図を描く。
本書は、麻薬カルテルの密輸の実態、組織化、陰謀、暴力抗争、政治的暗躍と権力との癒着、それにともなう政治・官憲の腐敗と、復讐、暗殺、そしてそれらに立ち向かう正義、人々の愛憎、何よりもまして裏切りにつぐ裏切りの構図のそれぞれを余すところなく、史実をまぶしながらもあぶりだしている。
それにしても激しい小説である。私はウィンズロウの作品を読んだのはこれが初めてだが、巻頭の「主な登場人物」が次々と殺されてゆき、血塗られた抗争の果てに生き残って微笑むのは誰か・・・、ウィンズロウの現在形・言い切り型のハードな文章に臨場感をあおられて、文庫上・下巻にして1041ページの厚さにもかかわらず、最後の最後まで目が離せず一気読みしてしまった。
本書はまさに、ウィンズロウが渾身をこめた、読み応え満点の一大サーガである。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.7
(5pt)

現在も進行中のメキシコ麻薬戦争クロニクル

 日本人にとってメキシコの麻薬戦争は太平洋の彼方の遠い世界の出来事です。本作がどれくらい現実とリンクしているのかネットでざっと調べてみました。南米の麻薬といえばコロンビアが有名ですが、それに比べてメキシコの記述はほんの僅かしかありませんでした。アメリカとメキシコの麻薬戦争に関して邦文で体系的に知りたてれば本書を越えるものは見当たりません。ニュースサイトを見るとメキシコではあまり小説の舞台と変わらないようです。本書を読めばなぜメキシコからアメリカへの麻薬の流入が止まらないのか、メキシコの麻薬はどこから来てどこに流れるのか、更に今までニュースでしか知らなかったイラン・コントラ事件の背景も本書を読みながら学ぶことができました。
 しかし本書の魅力は詳細な取材によるリアリティだけではありません。文庫本上下巻たっぷり1000頁、十数人の登場人物の世界にすんなり入り込ませるウィンズロウの筆力はすばらしい。裏切りに次ぐ裏切り、おびただしく流れる血、それぞれの思惑、毒をもってしか制せない毒に対峙して、自らも毒まみれになってもなお、どちらかが滅ぶまで続けなければならない戦いの輪廻を十分に味わうことができました。限りなく09年ベストに近い出来栄えです。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.6
(5pt)

15年ぶりに読んだウィンズロウは09ベストでした

 ドン・ウィンズロウをご存知の方はどのくらいいるのでしょうか?私は15年前ニール・ケアリーシリーズが好きだったのでが、必ずしも多作の作家とはいえないウィンズロウの作品がもっと読みたい!と地団太を踏んだものでした。今回は偶然書店で本書を発見、作者名を見て即買いしました。上下巻、約1000頁まさに徹夜本です。舞台は、メキシコ麻薬戦争の30年間なのですが、頁数と風呂敷の大きさを全く感じさせないウィンズロウの筆力は15年前から全く衰えていませんでした。知らないうちに何冊か邦訳されているようなのでそちらの方もチェックしておきたいところです。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.5
(5pt)

得した気分

メキシコの麻薬カルテル撲滅に執念を燃やすDEAの特別捜査官 アート・ケラー、ボクシングのマネージャで、麻薬カルテルの親玉の甥 アダン・バレーラ、友の命をすくったためにマフィアの一員となったニューヨークヘルズキッチン出身 ショーン・カラン、高級娼婦としてスカウトされたカリフォルニア娘 ノーラ・ヘイデン
本作品は、麻薬犯罪を核とした、彼らの1975年から30年にわたる戦いの歴史だ。彼らがあるときは、敵になり、あるときは味方になり、血で血を洗う抗争劇、復讐劇を演じる。めくるめく膨大な情報量の提示によって、フィクションとは思えない真実味を出してる。が、個性的、魅力的な登場人物(これがとても多い!)が縦糸、横糸のようにからまって、彼らの愛憎劇がおりこまれているため、殺伐とだけはしてはいない。
それぞれの視点で、あちこちに、クライマックスが用意されており、誰に肩入れすることなく、そのときの視点から手に汗握ることができるのも嬉しい。なにか得した気分。
個人的には、ニール・ケアリーシリーズ(もちろんこれも良いが)より、「ボビーZの気怠く優雅な人生」、「カリフォルニアの炎」が好きなので、大満足。読む本が沢山つんであっても、ついつい優先順位をあげてしまう、ウインズロウはそんな作家なんだなぁ
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.4
(5pt)

! 怒涛! の展開!とは、まさにこの下巻!

アメリカとメキシコを結ぶ長距離通路が摘発されたのも、
メキシコで神父が麻薬取引絡みで、射殺されたのも、
1994年暮れにメキシコの大統領候補が暗殺されたのも、
同時期にメキシコのペソの切り下げが突然行われ、
中南米の通貨危機が懸念されたのも、
CIAが共産ゲリラ阻止のために、中南米に
せっせと武器を供給していたのも、これ全部事実。
しかし、それらを紡いで、これほどのクライム・ノベルを
読ませてもらえるとは。
裏切りに次ぐ裏切り。味方は実は偽りの味方。
誰が誰の為に働いているのか?正義も悪もない。
みんな悪か?
ここに登場した主人公たちは皆、手駒の一つとして
どこに向えば良いのかも判らず自分の属するサイドを
右に左に変えながら銃を片手に疾走し続ける。
そしてリアルな戦闘、処刑、殺しの描写。
いったい何百人この下巻だけで殺された事か...
物語を彩った主人公たちが、一人減り、二人減り
最後に本当の地獄絵図が待ち構える。(本の帯の口上に
偽りなし!)
最後の数ページになっても最後の最後に生き残る人間が
見えず、興奮するわ。
ティワナ、サンディエゴの突き抜ける晴天の下の
血みどろの殺し合いを想像してくれ。
やっぱり、現状<ミレニアム>より<犬の力>を推します。
[LA コンフィデンシャル]を超えたかもしれん。
次回作<フランキーマシーンの冬>早めにお願いします。
犬の力 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 下 (角川文庫)より
404282305X
No.3
(5pt)

いやはや

一気に読みました。正確に言うと、途中、家人の世話に手が離せなくなり、かといって、先が気になるのでちびちび読み進められず。意を決して一時中断し、一週間後に再開。最後のページまで一気に読みました。はあっ。すごいスピード感。裏切りに継ぐ裏切り。登場人物のみならず読者も何度も裏切られ、そこまでやるかと己の甘さに気付き、それが快感に。それなのになぜか、すべての登場人物たちに(悪党ですら)憎みきれないものがある。そして、ああ、この人だけは最後まで生き延びて、と思わず祈ってしまうほど感情移入。わが国でも、この夏薬物汚染が巷を騒がせたせいもあって、作品の世界がリアルに思えてくる。計算されつくした展開と、磨きぬかれた訳。ほんとに元は英語なの?と思うほど見事な日本語です。シルヴァーウィークにふさわしいゴールデンコンビの世界。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.2
(5pt)

驚きました。本当に面白い!

今まで、この作家の本は一冊も読んでいない。
題名も変な題名だし、単に裏表紙の粗筋に引かれて購入。
今、上巻を読み終えたばかり。通常は面白い本だと、3〜4日で読了するのだが、
本作に関しては、今すぐ、下巻に取り掛かるべきか、悩んでいる。
何故か?
面白すぎて、読み終わるのが勿体無くて、読み終わってしまったら、何時また同等の
作品に出会えるのか、不安さえ覚える!
共産主義を食い止めるための、麻薬と武器のバーターのカラクリのくだり、麻薬捜査官の
拉致殺害を巡る暗闘のくだり、なんかページをめくる手が止まりませんでした。
マフィアの殺し屋カランの話も、これだけで別に一作書いて欲しいくらい。
まだ、上巻を読了しただけだが、読感としては、昔むさぼり読んだ<ゴッドファーザー>の
近代版、あるいは傑作<警察署長>の趣きか...
今年読んだ中では[ミレニアム]に並ぶ、興奮本!
あっちは北欧のバイオレンス、こっちはメキシコを含む北米のバイオレンス。
今年のミステリー賞レースは難しくなった。(でもミレニアムは全部で6冊、
おまけに作家がすでに死去ゆえ、一位はしょうがないか...)
翻訳も素晴らしいというか、流石というか、入り組んだ話で、登場人物も多数なんだが、
誰が喋っているのか、的確に分かる。
雑誌の評論なんかを書いている人は、締め切りに追われて、どんなに面白い本でも
速読せねばならないらしいが、本書をそうせざるを得ないとしたら、悲劇だな。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041
No.1
(5pt)

鳥肌もの

ウィンズロウは「ニール・ケアリー」シリーズしか読んだことがなかったのですが、鳴り物入りな帯に惹かれて手に取ってみました。
あまり血なまぐさい系は得意じゃないので、読み進めるのがつらくなるような場面もありましたが、それより何より、先がどうなるのかのほうが気になって引きずられるように読了(生活ペースがだいぶ乱されました・・・)。
あちこちに迷走しているようで、最後の一点に向かって集約していく筆力、やっぱりウィンズロウはスゴイ。最後の章を読み終わったら、ばーっと鳥肌が。
話題作でも、話を広げておいて、最後が肩すかしに終わってガッカリさせられるものが多い中、これは満足度大です。
犬の力 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 犬の力 上 (角川文庫)より
4042823041