1Q84

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1Q84の評価:

3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク

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平均点3.66pt

Amazonレビュー一覧

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全1,146件 1,101〜1,120 56/58ページ
No.46
(5pt)

究極のテーマ

この誰もが悩み苦しむ問題に、温かい結論を出してくれている。
リトル・ピープル
空気さなぎ
春樹さん独特のメタファが、読み解きやすくなったように感じました。
ただ。始まりが読みづらかったので、最後からさかのぼって読んだりしました。
色々な読み方をしても大丈夫だと思います。
私はbook2の、天吾がパジャマのにおいを嗅いでしまうシーンが、ぶはっ(笑!)となって好きでした。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
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No.45
(4pt)

書き直された過去から浮かび上がる現在の姿

非常に長い作品だった。
はっきりいって整合性のとれた感想を持つことが難しい。
物語に強く引っ張られながら、何度も拭い去りようのない既視感を覚えてしまったからだ。
それは「1Q84」がこれまで映画やマンガで繰り広げられてきた世界観とどこかで重なって
見えてくるからかもしれない。まるで現実の出来事をリアリティのある事実として
享受することができなくなった、この時代の自らの感性を見せつけられているかのように。。。
しかし同時に、その疑いを一掃するだけの読後感は十分にある。
ドストエフスキーが宗教と困窮する現実のはざまに揺れ動く19世紀の人々の姿を
描いたように、村上春樹氏は善悪の基準が曖昧になった不確かな今日に生きる人々の姿を
描きだしている。そこにはある側面、ある瞬間、リトル・ピープルとして無自覚に生きてきた
という私たちの過去の事実に対する言い逃れできない責任の重さがある。
氏は半世紀以上前にジョージ・オーウェルが書いた「1984年」を描きなおすことで、
近過去から見た近未来に生きる、いまの私たちに、この現実の姿を突きつけ、これからの
私たちのあり方を問おうとしているのかもしれない。
一読をすすめたい。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
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No.44
(5pt)

帰ってきましたね!

近年は翻訳物が多く、
長編の切れ味は“今ひとつ感”があったので、
それほど期待しないで読み出したらこれが面白い。
「タイムトリップ」
読み進むにつれ、
私自身を19(Q?)84年当時に引き戻してくれたような感覚を覚えた。
1984年、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」前夜。
夢中で村上春樹を追いかけていたあの頃。
20代前半の私、そして30代半ばの春樹さん…
知性はより鋭利に、クリエイティブな閃きは増量されて、
熟成された「村上ワールド」が展開されている。
衰えるどころかその筋肉はしなやかに、
より強固になって躍動しているように感じる。
かつて遠くに去った親しい友が、
突然、真っ黒に日焼けして帰ってきたような印象。
懐かしさとともに
嬉しい気分に浸ることのできる待望の1冊。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
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No.43
(2pt)

村上作品としては物足りない。

長編はすべて、短編、翻訳本もほとんど読んだ村上ファンです。その前提で、今回は物足りないとおもいました。
比較するのはナンセンスとおもいつつ、無意識にねじ巻き鳥と比較していました。
魅力的なキャラクターが少なかったかも。スプートニクとねじ巻き鳥からダイレクトにお引っ越ししてきたひとたちがいましたが。。。
「階段」のすばらしさを堪能したので、この作品はこれでいいか、という結論です。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.42
(5pt)

村上さん、book3は書かないでください

必要な事は全て書かれている。あるいは書かれ過ぎている。
理解出来ないものを批判するのは簡単で、ある場合においては快感にもなるが、それはとても醜い。
説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ。
この本は作家であり、また一人の人間である村上春樹の最高傑作である。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
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No.41
(4pt)

批判的な人へ

感想は個々あるとは思いますが、SEXとカルト集団という部分にだけ捉われてる読者はどうかと思います。それではただの小学生の感想にすぎません。村上春樹はエンターテイメント作家ではありません。SEXとカルト集団、認知症の父親、大切な人をなくすこと、それを通して何が言いたいのかを読み取り、言葉に出さないにせよ、一人一人が考えることが読者の作者への最大の敬意じゃないでしょうか。また、村上春樹特有の人間の深い部分を文章化できる能力に感嘆します。普通の作家じゃSEXだけであそこまで書けません。毎回そうですが、村上春樹の作品に出てくる主人公はSEXをただの快楽として行っているわけではありません。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
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No.40
(5pt)

Who knows?

2巻も読みました。
その上で、こちらにレビュー投稿をさせて頂きます。
まず、村上さんの作品が好きで手にとった方には満足感は得られるであろうと思います。
それがどのような形のものであれ―文体であれ、内容であれ、です。
この本には、確かに村上さんの匂いがしますし他の作家の真似できるようなものではありません。
しかしもし、最近の「ノルウェイ映画化」などに触発されて読んでみようと手にとられるならば
、いささか合わないかもしれません。
確かに、性描写はおおい。不愉快に感じる方もおられるでしょう。
でも、きっとそれは書かれるべくして書かれたのだし
読み終えた今となっては”それなくして1Q84は成り立たないだろう”と結論付けています。
単なる、官能小説ではなく、観念的な小説です。
一巻だけで、その本の本質を決め付けることがだれにできるでしょう。
最後まで読み通しても、この本の本質は誰も預かり知らぬことです。
まさにこの物語のように。
私は、ぐいぐい惹きつけられました。
最後には、なきそうにさえなりました。
どう感じるかは、皆さん次第ですが、
ひとつ言いたいのは、これは疑いようもない
村上春樹の本であるということです。
多くの人に最後まで、(とりあえず村上さんが書かれているところまで)読んでいただきたいと思います。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
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No.39
(5pt)

村上春樹たる小説

本当に村上春樹らしい小説だった。
ある意味いつもの登場人物そして時代背景。
1980年代。そして1970年代の影、学生運動、喪失感、セックスと暴力。
主人公の青年はいつものように、孤独で、器用で、素敵なガールフレンドがいる。
ヒロインは美しく、頭も切れ、そして暗い過去をもつ。
風変りな美少女。
90年代に熱心に村上春樹を読んだことのある人なら、懐かしさすら感じてしまう設定だ。
でも本当に面白い。グイグイと展開に巻き込まれ、眉をひそめたくなるような性描写や暴力シーンも気にならない。
きっと村上春樹は集大成としてこの本を書いたんじゃないか?
繰り返し、繰り返し同じ使われてきたテーマを更に書き直し、自分の本当書きたかった事をまとめなおしたと思える。
ある意味この「1Q84」を読めば他の村上作品は必要としない、そんな作品にしたかったのではないだろうか?
私は本当にこの本が大好きだ。まだ1巻しか読んでないし、きっと最後まで読めば、ぽっかりとした喪失感に包まれるのはわかっている。でもその全てが村上春樹である。
私の宝物にしたい1冊です。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.38
(3pt)

終わり方が・・・。

1・2と息つく暇もなくむさぼるように読みました。ただ、2の最後1/4ころから最後にかけてが難解です。どう解釈すればいいのでしょうか・・・。希望はあるのでしょうか。
この本にいたっては、すべての登場人物が、あまりにも現実離れしてます。でも一気に最後まで読みました。2日間頭が村上ワールドでした。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.37
(5pt)

愛に関する光と影の均衡

天吾と青豆が離れ離れでいてもお互いを求めあっていたことが光。
その反作用としての影が愛のない性交。
均衡は保たれていたのだろうか。
だとしても誰のために?
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.36
(4pt)

村上ファンにとってはうれしい作品

 いい意味でも悪い意味でもファンの期待を裏切らない作品だと思います。
 ここのところの作品がどちらかというとナゾ賭け的な要素が強く、初期の作品のように純粋に楽しめない要素が強かったのですが、この作品はそんな要素を残しながらも、比較的初期の作品の空気感があるように思います。
 とはいってもはやり最後は喪失感で終わり、読了後にすっきりしない後味を感じます。
 今回のような作品もすきなのですが、初期のころからのファンとしては、「羊をめぐる冒険」や「ハードボイルドワンダーランド」のようにとりあえず「終わったんだ」感を感じさせてほしいです。
 Book2で終わっていますが、もしかして続編があるのかと思ってしまう作品です。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.35
(5pt)

最近の村上作品の中では一番かも。

第3章で青豆が警官とすれ違う場面あたりまで読み進めてこれはただならない小説だ、という予感がしましたがさらに読み進めて、やはりただならない小説であることを確信させられてしまいました。
青豆や天吾、ふかえり、といった人物に素直に好感が持てる、感情移入できる、という面でこれまでの村上作品よりも人物の描写が良いと思いますし、村上氏の小説を読むことは常に最も刺激的な経験です。
どんな風に青豆と天吾の物語が繋がっていくのかどきどきしながら読み進めています。
「一人でもいいから心から誰かを愛することができれば人生には救いがある、たとえその人と一緒になることができなくても」
こんな素敵な言葉に出会えるのも村上氏の小説の魅力です。
携帯もインターネットもなかった時代、1984年を村上氏が時代のひとつのターニングポイントとしてとらえているのでしょう。BOOK2でその謎がどういう風に解き明かされるのか本当に楽しみです。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.34
(5pt)

下巻も購入し手元に置いたうえで、お読みください。

ご購入の際は、上下巻を同時に購入しておいたほうがいいでしょう。いま上巻を読み終えましたが、もし手元に下巻がなかったら、なぜ下巻を一緒に買わなかったのか後悔し心が落ち着かなかったと思う。
今回の長編は、あの世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドのように、二つの話が交互に同時並行するスタイルです。ご想像できるように、この二つの話は次第に距離を縮めていきます。その進み方が Very Haruki で、読み進めるといつの間にか自分が物語の世界へいってしまい、こちらの世界に戻ってくること(読書を中断すること)が難しくなってきます。そして上巻が終わるタイミングでそれら二つの話が一気に距離を縮めますので、下巻に対する読書継続意欲が最高潮に高まります。この下巻を待てないという気持ちは、デートのたびに恋人との距離が少しづつ縮まりつつある純情な青年が、その手ごたえから次のデートに向けて妄想が膨らんでしまうことを抑えることができない状況、に似ています。
文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]に掲載されていた、イスラエルでのエルサレム賞受賞スピーチで著者は、"システム" に対する姿勢を述べています。下巻まで読み終わらないとわかりませんが、本書のテーマも、"システム" に対抗する立場でいたい自分、が表現されている予感がします。春樹が初めての方にも大変おすすめできる長編小説です。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.33
(5pt)

マイ フェヴァリット シングス!!

婉曲な使用方ですが、カフカ君が森の中で聴いていたあの曲が、歌詞だけ出てきます。
…この小説はまさに「春樹's フェヴァリット シングス」のみで、成り立っています。
「嫌悪は美学の集積である」と引用したのは、伊丹十三でしたね。なるほど「クィーン」や
「アバ」は嫌悪の方ですね。でも、車や銃器の物描写、千倉海岸や高円寺、ホテルオークラのロビーといった場所描写、そしてヤナーチェク、ローリングストーンズ、ビリーホリディ等音楽描写、料理の描写、アスリートの肉体描写、そしてハードボイルドにかならずある大金持ちの依頼人の豪邸における描写…。もしかすると二つの月も好きな風景?
好きなもの、好きな場所、好きな登場人物、そして、得意なリズムと絢爛たるメタファーで、
ぐいぐいとストーリーは求心的に進行します。発行部数は物語に本来は影響をおよばさない筈。さて、book3-4にいつ会えるのでしょうか?7年後?そんな殺生な!でも、同時代に生きて
本当に良かったです!そう、「春樹をめぐる冒険」に参加できて!!
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.32
(4pt)

結びつく過去,明るくない未来

25年前を想定した社会での出来事は,その20年前からの出来事を交差して終焉を迎える。
何とも言えない世界が広がっている。
あり得そうな語りは,あり得ない世界を描いているのだ。
絶望まではいかないけれども,希望は少ない。
決して明るくはない未来が何とか続いているのが希望なのだろう。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.31
(5pt)

新作LPにどきどきしながら針を下ろすあの感覚

 これまでの村上春樹小説とは、はっきり違っている。細かなことはおいておいて、まずパッと目につくのは、非常に説明的に物語を展開していることである(謎めいたメタファーはもちろんあるが、ぎりぎりまで絞り込まれている)。これは、いずれ翻訳によって日本語圏以外の多くの人にも読まれることを織り込んでのことかもしれない。
 村上春樹氏の辿ってきた道のりや考えが、くっきりわかる小説といえる。説明的といったが、決して詰らないわけではない。ページターナーとしての技術は着実に上がっている。古くからの読者はもちろん、村上ワールドに初めて親しむ読む読者も、奇抜なストーリーを十分に楽しむことができるだろう。
この小説で表明されている村上春樹氏の考え(と私が感じたもの)を2つあげてみる。
1.10代のときの決定的な出会いが何よりも大切である。
 今までの小説にも、繰り返し繰り返し現れていたテーマだが、今回の小説を通じて、もう一度それが表明されている。偶然の、でも決定的な出会いが人生にはある。それを肯定する。青豆にとっての天悟、天悟にとっての青豆。
 これは作者村上春樹さんの人生に必ず対応する経験があるはずだ。でも、その伝記的な事実が問題ではない。繰り返し発せられているメッセージが本質的である。10代のときに同じ匂いをもった者との同志的な出会い、これを持つことができた人生の幸運を物語り続ける作家として、村上春樹は読むことができる。
 ずっと読んでいる読者には『1973年のピンボール』の直子の直系として、青豆さんを捉えることができるように思う。その青豆さんが最後に選んだ行動が強く肯定されているところも注意を惹く。
2.意識の下へ降りること
作品の冒頭、主人公の青豆さんが首都高から非常階段で下りていく。思えば、村上小説の主人公たちは常に下に降りていくことを繰り返していた。『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』しかり、『ねじまき鳥クロニクル』しかり。下へ降りること、そして深く眠ること。これらの行為を通じて、主人公たちは自分にとって本質的なものを受け取ることができる。この信憑を共有できるかどうかが、村上小説を受け入れることができるかどうかの分かれ目だ(再アップ)。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.30
(3pt)

パラレルワールドときめきエロゲー(教祖様モノ)

前作は非常に箱庭的な世界で作者が悪意を操作しているみたいな感じだったが、今回は悪意の所在がリアルであり、しかもその方法もかなり具体的なのでトリック感みたいなものは薄い。
あと女性が男を性欲のためのみに使用しあとはほとんど交わらないフェミニストというのも新しいのか?
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.29
(5pt)

なんて切なく美しいシーンだろう

暴力と死に満ちたこの作品にあって、村上春樹の全作品の中でも屈指のとても美しい場面が
描かれている。主人公の二人が、お互いのことをそれぞれ想うシーンだ。
「これが王国なのだ」
「僕は必ず君を見つける」
まるで暗闇から光輝く大聖堂が浮かび上がってくるように、孤独な二人の愛に荘厳ささえ感じた。
過酷な人生を過ごす中で多くの大切なものを失ってきた彼らだからこそ、最後まで守り抜いた
その気持ちが、あんなにも美しく見えるのだろう。
システムの圧倒的な力に対して、個人の力はあまりに弱いが、彼らの深い愛はきっと何かを
変えるはず。
現実の厳しさを容赦なく描く村上春樹だけに、彼らの未来は決して平坦な道ではないだろうが、
その先には他の小説とは比較にならない深い感動があるだろう。
たとえ後味の良いハッピーエンドではないとしても。
3巻以降の展開がとても楽しみだ。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.28
(5pt)

亡き父への想い/「感じる」姿勢で味わって欲しい一冊

僕は本作を一流のエンターテイメント作品として素直に、かつ大いに楽しみましたが、同時にこの作品を、昨年亡くなられた村上さん自身のお父様へのレクイエム、そんな風にも読みました。
毎朝食前に戦争で亡くなった人たちのために祈る父親の姿を見て育った村上さんは、近年はそのお父様とは断絶状態にあったと聞きます。「父のまとっていた死の存在感、それは彼が僕に遺してくれた最も重要なものです」(エルサレム賞受賞スピーチより)と語った村上さんの、恐らく最後まで伝えることのできなかった亡き父へのさまざまな想い。僕にはそれが本作に流れる通奏低音のように、そっと聴こえてきました。
そんなことはさておき・・・・・・。村上作品に触れるとき、僕の心は、まるで音楽や絵画を味わう時のような感覚に満たされます。季節が運ぶ風の匂い、遠く過ぎ去った記憶たち、いつかどこかで見た風景、胸の奥を締め付ける懐かしい痛みなどが、時に優しく、時に激しく心に湧き上がってくるのです。
まだ本作を読んでいない方には、心をまっさらに解放して、「読む」というよりはぜひ「感じる」という姿勢で味わって欲しいのです。そうすればきっと、本作の読了前と読了後で人生の見え方が少しだけ変わってくる、そんな風に僕は思うのです。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.27
(5pt)

村上春樹と同時代に生きる

 村上春樹の名前を初めて耳にしたのは、学生時代だった。友人の一人が『村上春樹くらい読まなくちゃいけない、と思っているのだけれど……』その言葉が今でも忘れらない。そして村上春樹のほとんどすべての作品を読んできた。                      今回この作品を心待ちにしていた。そして裏切られることなく、また途切れることもなく読み通すことができた。それは最初に手にとった作品「中国行きのスローボート」がそうであったように……。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」も「ノルウェーの森」も「ねじまき鳥クロニクル」も……。                           村上春樹の小説を 特に幾年かにいっぺん出版される長編小説は、本当に他の作家では味わえないものがある。最初から緊張感に満ち、予想もつかない展開が待っている。まったく村上春樹の術中に嵌っているのがよく分かるのだが、それは別に構わないことだ。安心して物語の中に浸っても何の問題もないのではないだろうか。                    ところで不思議に思っている人も多いだろうが、この本は2冊なのに(上)(下)でなく、(Book1)(Book2)とされている。それにどちらの主人公もはっきりとした解決がなされていない。恐らく村上春樹は続刊を予定しているのだろう。それを何よりも楽しみにしている。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222