1Q84

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1Q84の評価:

3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.66pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,146件 561〜580 29/58ページ
No.586
(5pt)

「孤独」と「時間」、そして「枠組み」

本作品はあまりにも部数を伸ばしすぎだと思われる反面、多くの人に届くように広く、深いテーマを目指した村上氏の意図がある程度読み取れることは確か。それは孤独からの再生、時間の概念、宗教(的な枠組み)の果たす役割とでも言うのだろうか。
孤独からの再生をテーマとするために二人の主人公が必要であり、アンチテーゼとしてもう一人のキャラクターが必要だった。当然その他のキャラクターの個性や描写も深いリアリティを持っており、作品のエンターテイメント性を高めている。
時間は直線的に進んでいくものとは限らない。それぞれの視点で進む物語はそのことを象徴している。キャラクターの言葉を見ても、随所で時間の捉え方、概念に関する示唆が登場している。
そして宗教の果たす役割ということで言えば、当然「空気さなぎ」と「リトル・ピープル」ということになるだろう。「リトル・ピープル」は人々の「魂のスキマ」とも考えられるようなシーンで出現し、象徴的に「空気さなぎ」を紡ぎ出す。このリトル・ピープルと再生の繋がりに関するテーマが、最終的にはまだ完結していないような気がしている。
よくよく情報を調べていないので続くかどうかはわからないが、この点が続編につながっていくのだろうか。
深く広いテーマ、さらに未来性をより具体的に、エンターテイメント性を持って描こうとする姿勢は、これまでの村上春樹氏作品のファンならば賛否両論あるように思う。それは彼が良くも悪くも(失礼ながら)「普通の作家」になる可能性があるからだ。しかし、本作品においてはその試みは少なくとも成功しているのではないかと思う。ボリュームある長編だが、ぜひ多くの人に手にとってもらい、感じて欲しい物語。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.585
(2pt)

んー,期待してただけに・・・

1,2の展開から,かなり期待をしてのbook3。
半分ほどまではなるほど面白く読めた。
しかし,牛河がタマルによって殺されたところから,「・・・?」。
天吾と青豆の再会も,引っ張るだけ引っ張って,手をつないでまったりセックス。
どうも今ひとつ腑に落ちない終盤の展開。
「ノルウエイの森」を思い出させてくれるような,あるいは「ねじまき」に匹敵するような
「何か」を期待していた者としては,何だかあっけない終わり方ではあった。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.584
(4pt)

それぞれの死と生が重い

個人的には村上春樹作品の中でこの作品がすごく好きとはいえないです。
でもこの作品全体や話の流れを全部好きにならなくても、パーツパーツで印象に残るところは今回の作品にもいろいろありました。
今までちょくちょくいろんな作品で出てきた牛河さんが、ストーリの中にこれだけ現れてきたことに驚くと同時に、村上ファンにはうれしいものではないでしょうか?
牛河さんは初期の作品ではえげつなく表現されていたけど、年をへるごとに彼の描写がマイルドになってるような気がします。そしてそんな彼にも、背負ってきた人生があり、彼が生まれ育った環境、はぐくんだ家庭があり、あのように死んでしまったいきさつに、われわれヒトの人生のせつなさを感じました。
あと天吾のお父さんと天吾の関係、お父さんの生きてきた人生、死に様もやはり心に重くのしかかってきました。
どの主人公も、それぞれの事情を抱えそれぞれの人生を歩み、時にはそれぞれの人生の流れが交錯したりしなかったりする、、、そんな辺りが私には共感できました。
また年月を置いて読み直すと、この作品の別の箇所で共感したり楽しんだりできるのかなと思います。
皆さん4巻が出るみたいに書いてらっしゃいますが、私はこれで終わりでいいかな。
それより短編小説やエッセイの出版を待ってます・・・というのが個人的な希望です。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.583
(4pt)

賛否両論を自分で確かめました。

賛否両論あるようだ。
結論から言えば、面白く読めたし、600ページという分量も気にならなかった。
ブック1、2の内容は忘れていたので、その復習という点では申し分はない。
村上春樹自身が解説してくれていると考えれば、贅沢なほどだ。
退屈に思うこともある彼独特の比喩は冴え渡っているし、
違和感を感じた登場人物は、ある種、書き割り的で、個人的には、逆にいい方向に作用している。
ラストの展開は、回収のされ方が安易という気がするし、
青豆と天吾がどうのこうのというのも正直、共感はしない。
その点を差し引けば(本当はとても残念だが、もう昔の彼ではないのだ)、よくできた小説だと思う。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.582
(2pt)

読むも読まないも自由だが。

10歳の時に離別した二人の男女が周囲に多大なる迷惑をかけつつも20年後に再会し、セックスをするラノベ。
600ページあるが、村上春樹の素晴らしく冗長な表現技巧のお披露目を少しご自重いただくだけで、品質を損なわずに200ページには圧縮できそうだ。
登場人物はみな頭の回転が早く、賢く、知識豊かで趣味が高尚。言葉は含蓄と隠喩に富む。素晴らしい。馬鹿が存在しない完璧なイヤミなスノッブだらけの世界だ。反吐が出る。
そんな彼らの言葉や行動を紡ぐ文章表現技巧は緻密でさすがの一言だが、行動動機の裏付けに説得力がまるでないためリアリティはひとつもない。
プレイステーションの上で動くフルCGムービーのお人形劇を延々と見させられているかのようだ。
タマルのドラえもん振りは、まあ便利。素晴らしい。タマルにお願いしたら何でも解決☆
無敵のデウス・エクス・マキナ・タマル様最高!
リトルピープルやらマザやらなんやらは話を膨らませるためのたんなる舞台装置でした。ちゃんちゃん。終了。
1、2巻で勃起したので今回も抜きどころ盛りだくさんかなと思ったらあっさりしすぎて拍子抜け。
20年溜めたセックスがそんなもんでいいのか?
深刻なテーマを上っ面だけ体裁整え、広告費たっぷりかけたマーケティング戦略で見事バカ売れさせちゃいました☆
つまらなくはないし、むしろ面白いと思うが、貴重な時間とトレードオフできるか、よく考えてから読んでほしい。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.581
(3pt)

最もエンターテイメントに徹した作品

 恐らく、この小説は村上春樹の作品の中で、最もエンターテイメントに徹した作品であろう。
 彼の小説は、フォークナーやカフカ、ロブ=グリエといった20世紀の先達の小説技法を大胆に取り入れながらも、それをエンターテイメント性の高い身近な文学に昇華してきたことの功績が大きいと思うが、彼の過去作品と比べて以下の点でより万人受けする内容になっている。
1)過去作品は、謎を意図的にオープンなままにしておくことで、作品に隠喩性と深遠な雰囲気をもたせてきた。
 「1Q84」は自己完結しており、だれが読んでも分かりやすい謎解き作品になっている。
2)村上作品はどれも映画的であるが、過去の作品は比較的ペダンティックな映画(たとえば、「海辺のカフカ」は「マグノリア」、「時計じかけ」など)から得たであろうイメージをちりばめながら、登場人物たちの心理的な動きに比重を置き、そこに作品の重みを持たせてきた。
 「1Q84」では、多くの人がイメージしやすい映画的シーン(「ニキータ」や「地獄の黙示録」のイメージなど)をちりばめ、心理描写よりはストーリー展開で引っ張る内容になっている。
3)過去作品は、「僕」や登場人物の視点、映画館の観客の視点(「アフターダーク」)といった具合に視点を一貫させ、その視点以上のことは語らなかった。
 本作品では、こうした視点を超えた作者の解説が書き込まれており、「分かり易さ」を意識している。
4)過去作品は、常に何らかの喪失感を持たせたエンディング(例えば、「ノルウェイの森」や「クロニクル」の逃げていく女性、「ハードボイルド」の諦念)がお決まりであったが、この作品は主人公の希望が成就され、前向きな未来を予感させる受け入れ易いエンディングになっている。
5)村上作品では、ある音楽を通奏低音のように繰り返し登場させることで作品の持つ雰囲気を高めるのに大きな役割を持たせる場合が多い。「1Q84」でも、ヤナーチェクのシンフォニエッタが繰り返し登場するが、ここでの使われ方は謎解きを面白くさせるための1アイテムの位置づけに近い。
といったように非常に謎解きのストーリーテリングに徹しており、他の村上作品の持つ洒脱な重みみたいなものを期待した場合は、軽さの方ばかりが目に付いてしまう。面白いが、「売れる」ことを非常に意識した作品というのが感想である。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.580
(5pt)

イチブトゼンブ

 全て知るのは不可能なのだ。青豆、天吾、牛河の各人物の視点に密着した記述によりこの事実がまず明確になる。彼らは其々知り得た事実を因果律によって系統立てて世界を理解しようとするが、作者は世界にふたつの月を浮かべて嘲笑う。
 例え、それが因果律によって理解できなくとも、それ故に我々を不安に陥れようとも、事実が事実であることを拒否出来ない。そんなストレスに対する救いとして神は存在する。宗教が存在しうる。そして、神でないなら知りすぎてはいけない。牛河の運命がそう警告する。私はこれを現代の知識万能の時世に不可知な領域、または神聖なるものを復活させようとする物語として読んだ。
 この壮大な物語は丁寧で完結で清らかな文章で綴られている。時折見せる独特の比喩表現もチャーミングだ。その文章を読むだけでも代価に値する。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.579
(5pt)

「無きに等しい人生」など、誰にとっても無い

素直にとても面白かったです。
加えて、非常にわかりやすかった、と思います。
このBOOK3では、それまで端役だった牛河が
狂言回しの役目を果たしているおかげで、
BOOK1と2で入り組んだ話は、かなり整理されます。
しかし、このわかりやすさ、ということを考えると、
これまでの愛読者を念頭に書いているのではなく、
普段は小説を読まないような人々にも開かれているような気がします。
1と2が売れすぎたせいで、3がより平易になったのではないかと……
そして、この1Q84という作品のわかりやすさは、
やはり全世界の読者を意識しているからだと思います。
一方、ストーリーの展開について述べれば、
『君の名は』的な、ベタな青豆と天吾のすれ違いは
ある意味、非常に古典的といえましょう。
そして、出会った後の二人の展開は、
(春樹的に)非常にベタで期待を裏切りません。
その描写は、かなり、あっさりですが(笑)。
個人的には、死について描かれている部分が良かったです。
ひとつ挙げれば、天吾が父の死後、遺品を整理する時が印象的でした。
社会的に見れば無きに等しいような人の人生を
肯定しているような目線が好きです。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.578
(5pt)

買ってよかった!ようやく気が晴れた気分です。

 小説の原点は、作者の自己主張なんかじゃなく、先ず読者が引き込まれる魅力あるストーリーを語ることができるかどうかだと、BOOK3を読んで改めて思った。
 とにかく面白いし、共感できる。自分は神秘的なものには意外に寛容なのだと気づいた。おそらくほとんどの読者は、リトルピープルくらいは許容できるであろう。
 そうだ、BOOK2にこんな言葉がある。「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ」
 結局、村上春樹の小説はそういうことでないか?私自身全て理解した訳でなく、釈然としないところもあるが、それはつまらぬことで、そんなことを超越する魅力、いや魔力がある。
 BOOK2では不満が残ったが、BOOK3はほぼ満足である。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.577
(4pt)

ちゃんと伏線が回収されていて、すっきりしました

2週間くらいかけてまったりと読みました。
Book2まで読んだところでは、この話はちゃんと収束するのかな?
あるいは、この状態であとは読者の想像におまかせ状態なのかな?
ともやもやした状態でしたが、本書Book3を読んで、ちゃんと落とし所があり、すっきりしました。
でも、まだまだ続編がでる余地がありそうな結末だったので、これからの動向を見守りたいと思います。
上・中・下ではなく、連番の数字になっているのは、何冊でるかわからん、ということなのかもしれませんね。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.576
(5pt)

信じること

Book3を読み終わった感想は、多くの皆さんが書いていますが「違和感」でした。
このようなハッピーエンドという終わり方はこれまでの村上さんの作品ではなかったように記憶しています。
また、どなたかも書いてましたが、”ノルウェイの森”をはじめとして初期の村上さんの作品に登場する女性は重要な意味を与える役どころでも、女性側の思いや気持ちについてはほとんど描写がなく、そのために存在感が希薄で、女性としては消化不良を感じることもありました。しかし、今回は青豆という生々しい女性が登場し、赤裸々な気持ちがつづられていることが、これまでの作品とは違う違和感の理由のように思います。
それでも、最後の100ページはジェットコースターのように時間を忘れて読みきりました。
そして心に残ったのは「自分を信じることの大切さと意味」でした。
パラレルワールドは私は昔から個人的に好きなプロットなので、違和感なく読み進むことができました。Book4は元の世界である1984と1Q84のねじれと同期点について語られるのでしょうか。とても楽しみです。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.575
(5pt)

村上さんの小説の集大成だと思います。

僕は大学時代から村上春樹のファンだ。
でも、というか、だから、というか「アフターダーク」の時には途中で投げ出されてしまったような終わり方に失望し、アマゾンにもそういうレビューを書いたことがある。
一度は村上さんの作品に失望した僕だけど、そのときに書いたように、それでも期待し続けただけのことはあって、村上さんは「1Q84 Book1」で見事に期待に応えてくれたかに思えたが、「同Book2」では、やはりこの本も「アフターダーク」同様、混沌のままに終わるのかと少しがっかり。
ところがまさかのBook3。これで落ちが着けるのではと大期待しながら読んだ。
Book3を読んで抱いた印象は、この本はafterオウムの村上さんの集大成(Book1のときの感想と同じ)ではないか、ということ。章立ての形式からしても、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の、「世界の終わり」の時空と「ハードボイルドワンダーランド」の時空とが交互に描かれ、最後それが見事に結び合うのを一つの頂点として、「アフターダーク」ではそれを超えようとして失敗した(ように僕には見える)が、「1Q84 Book3」では「天吾」「青豆」「牛河」の3人の軸で順繰りに語られ、さらに各々の章で時間がずれている、そしてそのずれは読み進まないとわからないため、三人が探し、探され、追いつ追われつする中で、たとえば「天吾」の章では、「青豆」は、「牛河」は、すでに読んだあの時間にいるのか、それともあの時間はまだ来ていないのか、とドキドキハラハラするので、章立て形式も「世界の終わり・・・」よりも更に技巧的(良い意味で)になっている。
内容の面でも、村上ワールドは更に豊饒さを増し、膨張するイメージを確かな筆力で描写している。こんな表現、並の作家にはできないと思う。
P.551「二十年間という歳月が天吾の中で一瞬のうちに溶解し、ひとつに混じり合って渦を巻いた。そのあいだに集積されたすべての風景、すべての言葉、すべての価値が集まって、彼の心で一本の太い柱となり、その中心をぐるぐるとろくろのように回転した。天吾は言葉もなくその光景を見守った。ひとつの惑星の崩壊と再生を目撃している人のように。」
おそらくこの言葉に表現されている、時空の融合のようなものは村上さんが自身の人生に重ねて感じていることそのものなのだろうと想像する。単なるでっちあげの世界ではないから力強い。
日本経済新聞の数日前の夕刊の最後の頁にこの「1Q84」に関する特集記事が載っていた。今朝古紙回収でその新聞も出してしまったので、本文を辿ることはできないが、批評家にも概ね好評で、「わかりやすいように、しつこいほど饒舌な文章」だが、「新しい地平を開拓した」旨のことが書かれていたように記憶する。ただ、一人の批評家は酷評しており、「何も解決されていない」「だからBook4が出るはず」とあった。しかし、僕はこの批評家の感性を疑う。一体何を読んでいるのだろうかと。解決はされている。解決というよりも主人公たちの決断はされていて、それは作者の決断でもある。Book4をこの批評家が期待するのは牛河のその後だろうが、それをどう描くにしても明らかに蛇足だ。読者が好きなように想像すればよいだけの話。だから僕は、賭けてもいいが(何を?)Book4は出ないと思う。
現代日本の最先端をいく作家の、集大成をリアルタイムで読める2010に、それなりの経験を積んだ中年として生きていられる僕は幸せだと思った。いつも同じような、幸せを噛みしめる括りで申し訳ないけれど。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.574
(2pt)

ユングの引用は上手いが…

待望のBOOK3。
しかし読み始めてすぐにまた描写の繰り返しが
多いのにゲンナリし始める。
長くしようとして書き増ししたような按配で冗長。
明らかに「ねじまき鳥」を超えるテーマとサイズの長編を書こうとして
失敗している感が拭いきれない(筆力の衰えかも)。
前回のオカルト的展開を踏まえた啓蒙目的で
書いている感じが若干鼻につくのと、
後半の天吾と青豆の再開から結末までが素っ気ない描写な上に
内容がありきたり過ぎて椅子から転げ落ちそうになったww
タマルがユングを引用する殺人シーンは
なかなか読ませるものがあったが
ミステリーの書き手にあのレベルのものを
書ける人は山ほどいるし、わざわざ春樹が書く必要が
あたのかしら等々…不満は多い。
これでBOOK4を出たりすると正直きつい。
やはり「ねじまき鳥」が作家としてのピークだったのかも。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.573
(5pt)

書かれることのなかった物語として

ある水準を越えた作品では、何を書かないかは何を書くか以上に大事だ。
出版史上最大の成功を収めた本書で、作者は何を書かなかったのだろうか。
天吾の母親のこと。「ふかえり」や青豆の「味方」の人達や天吾の「父親」がそれぞれ一人ひとり独立した人間として考えていたこと。
そして3巻の物語を読む我々は、書かれなかったこと故にこれを特別な物語として楽しむことができる。
4月にはじまった1Q84年の物語は、今回12月で完結した。
1Q84年の1月から3月まで、そして最終ページで二人はどこにいるのかは、書かれることはないのだ。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.572
(5pt)

天上の物語

根幹のテーマはシンプルだ。新興宗教をからめてはいるが、基本的には主人公二人の精神的な結びつきを壮大に表現したかったのだと思う。それこそが、この危険に満ちた世界を乗り切っていく唯一の舵なのだと。
それを裏付けるかのように、物語は他にもいろいろな組み合わせのペア(二者関係)が登場するが、それぞれ全てが(物語の言葉を借りて言えば)マザとドウタのような関係に思われる。思えば他者との関係というのは全てがそういう役割に集約され、それがすなわち原子核と分子のような結びつきとなり、人間関係の最小単位が構築されるのだ。もちろんうまくいくものもあれば、なかにはうまくいかないものもある。ただそういった他者との関連性もまた、派生した主題の一部であろう。
ストーリーの展開は濃密だ。例えていえば1センチのものを表現したい場合、10等分して1ミリずつ描いていくのを普通とすれば、1000等分して0.01ミリずつ描いていくような感じである。しかし退屈ではない。当たり前だが、0.01ミリの世界には、1ミリの世界とは全く違う景色が広がっているのだ。テーマがシンプルな分、物語にはこの密度の濃さが必要だったのではないだろうか。というかおそらく作者は、そういう小説を書きたかったのだ。たった1行ですむ事を、原稿用紙数千枚で表現するというような。
しかし村上春樹以外、いったい誰がこんな小説を書けるというのか。純粋といえばこれほど純粋な話はない。純粋という言葉すらも不純に感じしてしまうぐらい、この物語は凄すぎる。しかしそれゆえにもしかしたら、この現実世界にこの書は崇高すぎるのかもしれない。村上春樹は、いつのまにかそんな次元に行ってしまったのだ。空に浮かぶ月のように。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.571
(4pt)

ノーベル賞をとる前に

Book3を一気に読み終えた。まずは物語の力に感服した。少なくとも私は、再生を描く9章、根元的な宗教心を描く14章、父親の死を描く21章の物語から確かにメッセージを受け取った。
この物語は光をあてる角度により様々な色を発する多面体のような物語ではないだろうか。それぞれの読者の内面構造を反映する。そのようなものとして、ここに書かれている多くのレビューをおもしろく読んだ。
私はBook2のレビューに「日本人の1%が同じ時期に同じ本を読んで、共通の内容について話題にできるという現象が現れたらおもしろい」と書いたが、村上春樹は本当にそれを達成した。われわれが今直面しなければならないテーマが、この物語には託されていると思う。
読後にBook1,2で感じたのと共通の違和感はそのまま残った。
村上春樹は「カフカ」以降親子関係を描くようになったが、そこには孤独や恋愛や暴力や高度資本主義社会の生活を描くときのような筆力の冴えを未だ感じない。生育歴の犠牲者として親に対する憎悪の果ての無関心を抱き続ける主人公(天吾と青豆)、という薄っぺらなステレオタイプとしてしか親子関係を描けていないので、彼らに感情移入するのは難しい。
一方で、牛河が人生の最後に思い起こした情景が芝生を走るミニチュアダックスだというのはいかにも切ない。牛河に感情移入できるのは、彼が自らのゆがみの由来を眺める視点を獲得したうえで、自分の人生を選択しているからであろう。
Book4が書かれるのであれば、「小さなもの」を授かった二人が親となった後にそれぞれの生育歴に対しどのような視点を獲得し、親となっていくのかがテーマになるはずだ。もし彼がノーベル文学賞を受賞するのであれば、この問題をクリアしてからにしてほしいというのが、ファンとしてのささやかな願いだ。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.570
(1pt)

還暦を迎えたおじいちゃんの妄想小説

今回の妄想は今まで以上にすごいですね。
どうしてこんなに下ネタがお好きなんでしょう。
本当は私も星5つにしたかったですよ。
お金も時間も相当費やしましたからね。
無理やりにでも自己肯定して楽になりたかったです。
でも私のような「被害者」が増えないためにも悔しいけど
正直に評価しました。
この本に高い評価を与えている人たちへ
自分の金と時間を無駄にされて悔しい気持ちは分かりますが、
見ず知らずの人を巻き込もうとするのはやめてください。
それと、村上春樹という名前につられて買ってしまったという人は
おそらくそれ以外にも様々な流行に流されている人でしょう。
貴重な人生を無駄にしないでください。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.569
(1pt)

おとぎ話が流行る時代

これだけ売れて、これだけ面白いと言っている人がいるのに、つまらない、下らないと言ってもしょうがないだろう。アイスクリームが美味しいと言っている人に、それはまずいよと言うようなものだ。要は、ハリー・ポッターやその後の類似文学や類似映画同様、おとぎ話が大人の間で流行る時代なのだと思う。月が二つある世界だとか、青豆だの天吾だの牛河だのといった子供騙しのようなキャラが闊歩する小説は、ファンタジーノベルの定義に当てはまる。そこに思想の奥深さを見るか見ないかは個人の自由だろう。ハリー・ポッターはもちろんのこと、不思議の国のアリスや、イソップの童話に思想の深さを感じ、感動する読者もいるのだから。
以前、村上春樹氏は、オウムの事件は日本人の意識を永久に変えてしまったと談話で語っていた。このコメントが、物事を深く考える人間のコメントであるのかどうか、よく考えてみることが大事だろう。果たして、我々、日本人の意識は、あの事件を契機に永久に変わってしまったのかどうか。多くの人は否と答えるのではないだろうか。確かに、あの事件は衝撃的な事件であった。しかし、多くの日本人は、まるであんな事件などなかったかのように平常通り生活しているのである。いや、それでも意識は変わってしまったと言うのなら、それはどんな事件にも当てはまると答えたい。福知山線の事故はどうか。浅間山荘事件はどうか。原爆投下はどうか。極論すれば、沢尻エリカの離婚問題だって、なんらかの形で、我々の意識に影響を及ぼしている。変わってしまったと言えば変わってしまったような気がするし、そうでないと言うなら、そうでないような気がする。その程度の事件だったのである。それを大袈裟に取り上げて脚色し、わざと内容を不可解にして「深み」があるように見せかける。アインシュタインも言っていたが、真理というものは単純明快なものである。不可解なものではない。村上氏のしていることは、どこかの「予言者」が自分の予言に自信がないものだから、わざと内容をぼかして発表することに似ている。ある意味、卑怯な手法だと思う。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.568
(4pt)

面白かったです。

面白かったです。
続きが読みたくて、夜更かしをして、数日で一気に読みました。
ただ感動するとか、そういった類の感情がわいて来ないですね。
それとここまで性的な部分は必要なんですかね??
私はそれほど小説を読むタイプではないのですが、ちょっと引いちゃいます。
それでも面白かったです。
買って損は無いんじゃないですか。
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.567
(4pt)

連休中に一気読み

BOOK 3 の展開については賛否両論あるようですが、最後まで読ませる筆力というものは、やはりすばらしいと思うのです。
できれば毎日少しずつではなく、一気読みしてフルマラソンを完走したような達成感を味わってほしい気がします。
作品中重要な舞台となっている池尻大橋近辺の高速道路を眼下に見下ろして日々暮らしているのに加え、1984年を生きた中年としてはディテイルをとても身近に感じました。(BOOK 3 に出てきた「赤坂のホテル」って閉館が決まったあそこのことですよね、きっと。。。)
1Q84 BOOK 3 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 3より
4103534257