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1Q84
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1Q84の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.66pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全622件 601~620 31/32ページ
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婉曲な使用方ですが、カフカ君が森の中で聴いていたあの曲が、歌詞だけ出てきます。 …この小説はまさに「春樹's フェヴァリット シングス」のみで、成り立っています。 「嫌悪は美学の集積である」と引用したのは、伊丹十三でしたね。なるほど「クィーン」や 「アバ」は嫌悪の方ですね。でも、車や銃器の物描写、千倉海岸や高円寺、ホテルオークラのロビーといった場所描写、そしてヤナーチェク、ローリングストーンズ、ビリーホリディ等音楽描写、料理の描写、アスリートの肉体描写、そしてハードボイルドにかならずある大金持ちの依頼人の豪邸における描写…。もしかすると二つの月も好きな風景? 好きなもの、好きな場所、好きな登場人物、そして、得意なリズムと絢爛たるメタファーで、 ぐいぐいとストーリーは求心的に進行します。発行部数は物語に本来は影響をおよばさない筈。さて、book3-4にいつ会えるのでしょうか?7年後?そんな殺生な!でも、同時代に生きて 本当に良かったです!そう、「春樹をめぐる冒険」に参加できて!! | ||||
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ご購入の際は、上下巻を同時に購入しておいたほうがいいでしょう。いま上巻を読み終えましたが、もし手元に下巻がなかったら、なぜ下巻を一緒に買わなかったのか後悔し心が落ち着かなかったと思う。 今回の長編は、あの世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドのように、二つの話が交互に同時並行するスタイルです。ご想像できるように、この二つの話は次第に距離を縮めていきます。その進み方が Very Haruki で、読み進めるといつの間にか自分が物語の世界へいってしまい、こちらの世界に戻ってくること(読書を中断すること)が難しくなってきます。そして上巻が終わるタイミングでそれら二つの話が一気に距離を縮めますので、下巻に対する読書継続意欲が最高潮に高まります。この下巻を待てないという気持ちは、デートのたびに恋人との距離が少しづつ縮まりつつある純情な青年が、その手ごたえから次のデートに向けて妄想が膨らんでしまうことを抑えることができない状況、に似ています。 文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]に掲載されていた、イスラエルでのエルサレム賞受賞スピーチで著者は、"システム" に対する姿勢を述べています。下巻まで読み終わらないとわかりませんが、本書のテーマも、"システム" に対抗する立場でいたい自分、が表現されている予感がします。春樹が初めての方にも大変おすすめできる長編小説です。 | ||||
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第3章で青豆が警官とすれ違う場面あたりまで読み進めてこれはただならない小説だ、という予感がしましたがさらに読み進めて、やはりただならない小説であることを確信させられてしまいました。 青豆や天吾、ふかえり、といった人物に素直に好感が持てる、感情移入できる、という面でこれまでの村上作品よりも人物の描写が良いと思いますし、村上氏の小説を読むことは常に最も刺激的な経験です。 どんな風に青豆と天吾の物語が繋がっていくのかどきどきしながら読み進めています。 「一人でもいいから心から誰かを愛することができれば人生には救いがある、たとえその人と一緒になることができなくても」 こんな素敵な言葉に出会えるのも村上氏の小説の魅力です。 携帯もインターネットもなかった時代、1984年を村上氏が時代のひとつのターニングポイントとしてとらえているのでしょう。BOOK2でその謎がどういう風に解き明かされるのか本当に楽しみです。 | ||||
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いい意味でも悪い意味でもファンの期待を裏切らない作品だと思います。 ここのところの作品がどちらかというとナゾ賭け的な要素が強く、初期の作品のように純粋に楽しめない要素が強かったのですが、この作品はそんな要素を残しながらも、比較的初期の作品の空気感があるように思います。 とはいってもはやり最後は喪失感で終わり、読了後にすっきりしない後味を感じます。 今回のような作品もすきなのですが、初期のころからのファンとしては、「羊をめぐる冒険」や「ハードボイルドワンダーランド」のようにとりあえず「終わったんだ」感を感じさせてほしいです。 Book2で終わっていますが、もしかして続編があるのかと思ってしまう作品です。 | ||||
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有能だが心に深い孤独を抱えた登場人物達は、村上春樹が繰り返し描いてきたものだし、 暴力、宗教、歴史や超自然といったテーマも過去の作品の延長線上にあるが、その描写は かつてなく鋭く研ぎ澄まされていて、スケールの大きさといい、まさに村上春樹作品の 集大成と呼ぶにふさわしい。 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「アンダーグラウンド」「海辺のカフカ」等で 生まれた流れが、この作品で一つに合流し、圧倒的な勢いと深みとを持つ物語になっている。 今までの彼の小説は、この作品を書くための準備に過ぎなかったと思えるほどで、これほど 物語が持つパワーを強く感じた作品は初めてだ。 村上春樹も年を重ね、小説家として残された時間が短いことに気づいているのかも知れない。 社会というシステムの圧倒的な力に対し、小説という物語で読者に眠る情熱を呼び覚まし、 立ち向かっていこうという強い意志を感じる。主人公はもう「やれやれ」などとは言わない。 読者は、この稀代のストーリーテラーのあるいは最後になるかも知れない渾身の物語を、 全身全霊を持って受け止め、心の奥底を存分に揺さぶられるべきなのだろう。 それは決して楽しい経験ではないだろうが、私達の人生を決定的に変えるかも知れない。 日常に流されるだけの人生から、人と本物の心を通わせ、不正や暴力に立ち向かう人生へと。 | ||||
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洋楽をまったく聴かない人と洋楽しか聴かない人が日本にはいます。 私は中学生の頃(ニルバーナのあたり)から日本の歌謡曲は全く聴きません。そんな人達にとって村上さんの作品は心に響きます。今回もクイーンとアバにうんざりしたり、青豆が子供の頃に聴いた「日本人の歌う曲」に嫌な記憶を呼び戻されたり、そういう感覚で生きている人も日本にはいるのです。 とにかく9月で三十歳になる私がこの作品に今出会えて良かった! | ||||
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今までにないくらいぐいぐいと読み進むことの出来る作品だ。 二つの世界が少しずつ近づいてきている。 暗い部分を持っている人物が、自分の願いをかなえるために集まろうとしているように感じる。 「二つの月」にその答えがあるのかもしれない。 わずか3ヶ月の出来事でしかないのだ。 | ||||
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一気に読み終わった。 素晴らしい作品だったと思う 村上春樹氏の作品がデタッチメントからコミットメントへ 変わってきているという文をどこかで読んだが、この作品は まさにコミットメントの物語だ。 世界お終わりとハードボイルドワンダーランドの、主人公の中で 完結してしまうという終わりがまさにデタッチメント。 そしてこの作品は、世界の…とよく似た形態をとりながら、 正反対の結論へと導かれる。 似た形態をとっているからこそ、その方向性の違いが際立つ。 海辺のカフカで、人物の書き分けにやや疑問を持ったが、 今回は全ての登場人物が生き生きしていて、そういう意味でも 非常に素晴らしいと思う。 読み終わって充実感を感じている。 | ||||
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村上春樹の名前を初めて耳にしたのは、学生時代だった。友人の一人が『村上春樹くらい読まなくちゃいけない、と思っているのだけれど……』その言葉が今でも忘れらない。そして村上春樹のほとんどすべての作品を読んできた。 今回この作品を心待ちにしていた。そして裏切られることなく、また途切れることもなく読み通すことができた。それは最初に手にとった作品「中国行きのスローボート」がそうであったように……。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」も「ノルウェーの森」も「ねじまき鳥クロニクル」も……。 村上春樹の小説を 特に幾年かにいっぺん出版される長編小説は、本当に他の作家では味わえないものがある。最初から緊張感に満ち、予想もつかない展開が待っている。まったく村上春樹の術中に嵌っているのがよく分かるのだが、それは別に構わないことだ。安心して物語の中に浸っても何の問題もないのではないだろうか。 ところで不思議に思っている人も多いだろうが、この本は2冊なのに(上)(下)でなく、(Book1)(Book2)とされている。それにどちらの主人公もはっきりとした解決がなされていない。恐らく村上春樹は続刊を予定しているのだろう。それを何よりも楽しみにしている。 | ||||
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僕は本作を一流のエンターテイメント作品として素直に、かつ大いに楽しみましたが、同時にこの作品を、昨年亡くなられた村上さん自身のお父様へのレクイエム、そんな風にも読みました。 毎朝食前に戦争で亡くなった人たちのために祈る父親の姿を見て育った村上さんは、近年はそのお父様とは断絶状態にあったと聞きます。「父のまとっていた死の存在感、それは彼が僕に遺してくれた最も重要なものです」(エルサレム賞受賞スピーチより)と語った村上さんの、恐らく最後まで伝えることのできなかった亡き父へのさまざまな想い。僕にはそれが本作に流れる通奏低音のように、そっと聴こえてきました。 そんなことはさておき・・・・・・。村上作品に触れるとき、僕の心は、まるで音楽や絵画を味わう時のような感覚に満たされます。季節が運ぶ風の匂い、遠く過ぎ去った記憶たち、いつかどこかで見た風景、胸の奥を締め付ける懐かしい痛みなどが、時に優しく、時に激しく心に湧き上がってくるのです。 まだ本作を読んでいない方には、心をまっさらに解放して、「読む」というよりはぜひ「感じる」という姿勢で味わって欲しいのです。そうすればきっと、本作の読了前と読了後で人生の見え方が少しだけ変わってくる、そんな風に僕は思うのです。 | ||||
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発売前からこんなにも強く読みたいと思わされ、そうして発売前から書店を何度ものぞき、やっぱり発売日より前に並んだのを確認して即、購入したのは久しぶりだった。 扉の言葉で、なにか迫り来るものを感じ、 目次でニヤリとしつつ、ぞわぞわと世界に惹き込まれ。 そういう小説、です。 出来るだけ時間をかけて、それでいて間を空けずに読むことをおすすめします。 これから何度も、何度も読み返すことになるだろう小説だけれど、この「全2巻」と言い張っている作品の続きをぜひとも、私たちの前にさりげなく提示してほしいです。 | ||||
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作家の意図として先入観を持たずに読んで欲しい、と聞いた気がするので 前情報を入れずに読むことにして今読んでいます。 こうやって”知らないもの”を見る・知ることが最近は少なく、知らずの内に 見聞きする作品の見所を頭に入力してからそれを追う様な、ある意味貧相な見方に 慣れてしまっているきらいがあるので、こうやってニュートラルに文字を追えることを 素直に楽しんでいます。 好きな作家で期待が大きいせいもあるでしょうが、文字の一つ一つが瑞々しく 感じられます。 またこうした真新しい物語を今読めることはうれしい限りなので、 これから読まれる皆さんは前情報を入れずに読まれてから他の読者のレビューを ご自身の感想を比較してみては如何かと思います。 という訳で作品そのものについては何も具体的に言っていません。 すみません。 | ||||
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これから、いろいろな批評や賞賛を受けることになるのでしょう。 「海辺のカフカ」以来の長編小説です。 その間には、ノーベル賞候補、エルサレム賞受賞とそのスピーチ、 それから「ノルウェイの森」映画化など、様々なニュースが伝えられました。 発売日に発行部数が68万部にも及ぶような周囲の環境の変化に加え、 あるいはご自身の心境の変化もあったのかもしれません。 私は、(自分にとっては結構深刻な)検査の結果を待つ病院の待合室で 「1Q84」を読みはじめました。 「ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』」「…老練な漁師のように、」。 1ページ目だけで 村上春樹さんの本を読んでいる と強く感じられ、 「途切れなく並んだ“患者さん”の列」や時間もあまり気にならなくなり、 小説や新宗教といった現実的な題材に最初は少し驚きながら、 いつの間にか2時間あまりが過ぎていました。 全て読み終えた今、やはり村上春樹さんの「特別さ」を感じずには いられません。様々な書評によって語りつくされたかようであり、 あるときは“とりとめもなく”、読みやすく“平易”なようにも感じられながら、 他のどんな本とも(たとえそれが自分の大好きな小説家のものであっても) 違った感覚を与えてくれます。 「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということ」 という作中の言葉のように、いろいろな評価は横においておいて 読み始めてみては如何でしょうか。 次の作品(あるいはBOOK3、4)を待ちながら、読み直してみたいと思います。 | ||||
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普通の人が目にしたことのないような単語はほとんど使われていない。 技巧的に飾り立てるよりも伝えることを優先しているように感じた。 読み手に親切な気遣いは感じられるものの、 伝えようとしているものが、まるでさっき見た夢か何かのような不思議な物語である。 やはり読み手は、寝起きの人から長い夢の話を聞かされているような感じになってしまう。 そして、寝起きなのにやけにきっちり細かいことまでしゃべる人だなぁと思いながらも、 気付くとなぜか物語に聞き入ってしまっている。 | ||||
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たまたま連休で読了しました。 とても村上春樹的な作品で、大変浅薄な言い方をしてしまえば、「ハードボイルド・ワンダーランド」での冒険活劇と「ノルウェイの森」での純愛物語の最良の部分を重ね合わせた印象を受けました。 しかし、世界を一旦解体させ、もう一度再構築するなかで、いつの間にか読者自身もその世界に「巻き込まれている」という語り口は、相変わらず魅力的です。ある意味、集大成とも言えるのではないでしょうか。 また今回、「宗教」というものにスポットを当てていることも印象的でした。明らかにオウム、ヤマギシズム、エホバの証人がモデルですが「約束された場所で」から続いた、氏の「(新興)宗教」や「祈り」に対する一つの結論が読みとれると思います。 何度か読み直したいと思います。 ごめんなさい、加筆となりますが、 カルト=悪という単純な構図ではなく、「システム」というものへの根本的な不信感が、村上氏の一つのテーゼで、氏のイスラエルでの講演内容にもリンクしているのだと思います。 | ||||
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伏線が多く張られ、緻密で具体的な描写が、村上春樹氏の世界へ誘う。これほど、エロティシズムで、暴力的な作品を、今このタイミングで、書くとは思わなかった。内向的で、繊細な主人公ばかり描いてきたが、この作品の登場人物は、遥かに息づかいが聞こえるほど、力強い。深刻でも前向きでも、安っぽい恋愛ものでもなく、小説の持つダイナミックな想像力を、読者に掻き立てる。巨大な嵐のようで、繊細な花のようでもある。 まだ、これは前触れだ。次の巻はさらに、強引に惹き付ける。メタファーと、男女の匂いが強烈に感じる村上春樹の世界が、読む人を待ち受けている。こんなに大胆な作品とは想像できなかった。 | ||||
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特別な体験 を通して、主人公たちは、変わっていく。 それは、ここではないどこかに生きることではなく、現実を直視し受け入れて この世界 を生きることだ。 トンネルを抜けると入る前と入った後では、変わってしまっている。 しかし その事実とは関係なく、道は繋がっているのだ。 そして、この物語 は、どのような意味においても、まだ終わっていない。 必ず、続くだろう。 | ||||
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海辺のカフカやアフターダークもそうでしたが、まず『世界の不条理』が示され、物語がすすむにつれて『実存の不条理』へと移行していきます。 まだ続きの物語がありそうなので、今の時点での評価は避けますが、今後の期待も込めて星4つ。 | ||||
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物語全体を通しての感想です。 連続殺人者と小説家、二人の主人公。 本来の1984年ではなくなった、「1Q84」の世界。 不思議な少女「ふかえり」と空気さなぎ。 最後までミステリアスな展開や主人公たちの複雑な内面、そして思わず線を引きたくなるような耳に新しい比ゆの数々、読んでいる間は100パーセント物語の中に入り込んでいました! 特に終盤のいくつかの(僕の中の一番は滑り台のところです)シーンは強く心に迫ってくるものがあって、子供のころのワンシーンのように頭の中にずっと残りそうな気がします。 村上さん、素晴らしい物語をありがとう!!と素直に言いたくなる一作でした。 | ||||
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村上春樹氏の作品については、あらすじを説明したり、読後感をつづるのがとても難しい。 気がつくと、不思議に透明で、危うく、なぜか哀しいほどに可笑しい村上ワールドに引き込まれて時を過ごしている。 古今東西さまざまな文学作品の引用、豊富な語彙、精緻な日本語、洒脱な会話、たびたびページを繰り戻し、幾度も言葉を楽しみながら、時間をかけて、それでも一気に読破した。 | ||||
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