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ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編



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【この小説が収録されている参考書籍】
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編の評価: 4.14/5点 レビュー 175件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全133件 81~100 5/7ページ
No.53:
(5pt)

ねじまき鳥の登場と猫の失踪で動き始める、避け得ぬ苦難を迎える夫婦の愛(哀)の物語の序

「あなたは私と一緒に暮らしていても、本当は私のことなんかほとんど気にとめてもいなかったんじゃないの?あなたは自分のことだけを考えて生きていたのよ。きっと」
この三歳で祖母に預けられた経験を持ち、主人公と出会うまでは絶対的な孤独を背負い生きてきたクミコ(主人公の妻)の言葉に彼女が抱える深き苦悩と夫を心の拠り所としていることが如実に現れています。
最後半、二人がお世話になった預言者である本田さんの第2次大戦時の上官・間宮中尉の外蒙古での諜報活動が独白される中、恐らく陸軍中野学校卒の上級情報将校がソ連の将校・ボリスに全身の皮を剥がれる様が描かれますが、それはまたクミコが抱える苦悩や心の痛みの大きさが比類なきものであることの暗示でもあるのでしょう。
アムステルダムでの最後の英会話でフリージャーナリストの26歳の英国系女性は「ねじまき鳥クロニクル」のsurrealな世界にとても魅かれたと言っていました。ある種の人にとっては限りなく深い意味を持つ、村上さんの幾分かは自伝的な小説です。
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)より
4101001413
No.52:
(5pt)

個人的に人生のベスト3に入れると思う

とある大物芸能人が昔、
「ある女優さんの話なんだけど、その人は『この世界とは別のもうひとつの世界へ行き来することができる』って言ってて。
あっちの世界はこちらの世界とほとんど何も変わらなくて、瓜二つなんだけどあっちの世界では争いがなくてみんな幸せに暮らしてるんだってさ」
とテレビで喋っていた記憶があります。仔細は間違ってるかもしれませんが概ねこういう内容だったはずです。
読まれた方はご存知とは思いますが、この作品の中で主人公は似たような体験をしていきます。
個人的にその話とこの作品を頭の中で並べたとき――
その話は単なる作り話ではなく、
この作品は単なる物語ではないのではないか、という疑問に駆られてしまいます。
作品中ほぼ主人公の一人称で『性質も場所も時代もまったく異なる複数の物事(それ自体が随分と現実実がなく、荒唐無稽な話も少なくない)』聞いたり経験していきます。
全く関連性の無いそれらに対し、主人公は整合性に欠けているのを自覚しながら、説明のつかない、証明しようがないなにかを見出し、あるはずのない共通項を拾い上げ、縫い合わせていく。ある場所に辿り着くために。
他の評価の低い方のレビューを見て、まぁしょうがないかもな、という感覚もあります。
無茶苦茶だし気取りが鼻につくからなぁw
でもこんな表現ができる作家さんってきっと滅多にいないでしょうね。
一部の後半では読んでいて体の震えが止まらなくなりました。本を読んでいてこんな経験は人生初(最後かも)でした。
見えるものだけが、科学で証明されるものだけが全てではない、と思っている方には是非読んでいただきたいです。
ちなみにはじめの大物芸能人は誰かというと『昼メガネ』と再ブレイク芸人にあだ名をつけられていた方ですw
以上、長文失礼しました。
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4101001413
No.51:
(4pt)

不可解だが魅力的

井戸や壁抜けに象徴される、無意識の方向に主人公がどんどん向っていくので、私はこの主人公が「本当に」「今」生きているのか、はらはらしながら読んでいた。意識が無意識にむかっていくと、人間は生きているのか死んでいるのかわからないような状態になる。井戸を掘るまではいいが、壁を抜けてしまうのはそういう意味でとても怖いことだ。戻ってこれないことだってあるから。こちら側とあちら側は、紙一重で違う世界なのだ。第三章で最後、笠原メイに会うという設定がなければ、私はこの主人公が最後までこちら側に戻ることができたか不安なままであったと思う。最後を読んで安心した。
日常生活って、現実的にはなにがあるということでもないのだが、ふとしたことで変化していくものだ。夫婦関係も、人生もだ。そういった「ふとしたこと」の中に潜む不可解さや深淵を書かせたら、やはり村上春樹の横に出るひとはいないかもしれない。さすがに読後は疲労感も感じたが良い作品である。
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4101001413
No.50:
(5pt)

村上さんの最高傑作

あまりに小説的に巧みな村上春樹氏の計算された書き方は、どうもいろいろな読み方を、読み手側の視点に応じて許容するようだ。本書、戦後の日本社会全体に潜む問題を扱っているようにも読めるし、また純粋に個人の意識の問題をメッセージにしているようにも見える。非常に巧みな計算された書き方ができる、村上氏ならではの表現だ。
また、村上春樹氏の言葉の扱い方は、丁寧に巧みで美しく、そのタッチは、まさにすばらしい音楽を聴いているような錯覚すら思わせる。海外の、特にアメリカ文学から、引き出してきた特徴的な表現が、さらに独自の形で展開されていく。
本作品は、ばらばらに完成されてきたパーツがまとまりながら、3部作として完成したという、異例の流れでできた。国境の・・も、ねじまき鳥との関連で書いた作品だという。
今後、これを越える作品を村上さんが書けるのか、まったく違う主題に行くのかどうするのか。。ファンとしては期待し続けたいと思う。
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4101001413
No.49:
(5pt)

気が付いたら夜が明けていた

昔ちらっと読んだ時にはもって回った、回りくどい文体で読みにくいと敬遠していました。
が、最近本棚を整理していた時に見つけたのでせっかくだから読んで見る事に。
・・・食わず嫌いは良くないですね。
様々な要素が詰まっていてさらには主人公の内的世界にまで何の断りもなく放り込まれるので
状況を把握できるまでには少し時間がかかるかもしれませんが、その過程すら楽しんでいくのがこの作品だと思います。
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4101001413
No.48:
(4pt)

二回目を読み終えて

一年くらい前に初めて読んで、今回また再読してみました。
「流れというのが出てくるのを待つのは辛いもんだ。しかし待てねばならんときには、待たねばならん。その間は死んだつもりでおればいいんだ」。作中に出てくる本田さんの言葉です。
ネコの失踪という問題に始まり、香水のニオイを残していなくなってしまう妻。物語がじょじょに流れ出していく第一部です。個性豊かな登場人物たちや、主人公の悩める心情に共感しているとあっという間に読んでしまえる一冊です。
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4101001413
No.47:
(5pt)

間違いなく傑作です

この3部にも及ぶ大長編で主人公に変化が見受けられました。
著者の以前の長編の主人公はどこか心が弱く、いつも不条理の迷路に追いやられて起きる問題にしょうがなく対処するといった感じでしたが、本作品はそのような以前の作品の面影は少なく、主人公に使命感や正義といった感情の炎が心の底で燃え上がっているように思えました。
第1部で登場する多くの人物が精神的な面で何かを主人公に与える、第2、3部で妻がどこかに消えてしまう、それは誘拐なのか?それとも妻の心に何か異変が起きたのか?彼女を必死になって探求する主人公、しかしそれを阻む得体の知れないどこか異様な人間達…。
この作品で主人公は変わりました。
いったい俺に何の恨みがあってこんなふざけたマネをするんだ、と。
この現象の黒幕はどこのどいつだ、と。
主人公は妻の幻想を何度も何度も思い浮かべながら、奇妙な連中と戦うのです。
様々な人物からピースを掻き集めながら、何とか真実のパズルを完成させようと果敢に振る舞う主人公にはすんなりと好感を抱けました。
特に第3部で登場人物とコンピューターで会話するシーンはスリリングな展開で楽しめました。
登場人物ひとりひとりのコアに特殊な色のようなものがあって、その独特の色が強固な思想を帯びていて、その色に少なからず影響を受けている方もいるのではないでしょうか?個人的には主人公の他に赤坂ナツメグと赤坂シナモンという親子が好きになりました。
トオルとクミコ、この夫婦が再会できることを俺は祈っています。
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4101001413
No.46:
(5pt)

昼間でも星は見える、いい言葉です

心理学用語で有意識の「エゴ」に対し無意識を「イド」と呼ぶそうです。村上作品に多数出演しているエレベーターや井戸(当て字?)は無意識領域を象徴しているように思えてなりません。指摘の得意な友人がこの小説は「物語の最小単位である個人の枠組みが壊されている」と言っていました。その通りだと、思います。作中で登場人物たちはしょっちゅう名前を失ったり捨てたり、また初めから無かったり。無名というのは個人であることを止めるのと同じですから、そういう枠組みを捨てた「自分ではないもの」同士の接触(電話、壁抜け、メール等)があってこの物語は回転している。良い意味での曖昧さがそのまま小説の深度に繋がっていると感じました。まだまだ謎は多く、一生噛み切れないするめみたいな小説ですね。
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4101001413
No.45:
(4pt)

さぁここから

中学生の頃読んだ初めての村上春樹作品を大学4年生の今、再読。
中学生の時は、たしか第3部の途中で読むのを放棄したままだった気がする。
読売文学賞を受賞し、村上春樹作品の中でもかなり重要な位置を占めるといわれている本作、ってことで再読。
とりあえず第1部読了。
めちゃくちゃ読みやすい。
流れるような文章。素晴らしい文章力。
2・3日で読める。
いくつもの物語が全て始まったばかりで、まだレビューを書けるほど、感想をもてるほど、進んでいない。
ただ、今までの春樹作品の中でも、飛びぬけて長大な小説だけあって、作者の気合を感じる。
すげぇ前フリがでかい感じ。
「さぁ、始まるよ… 始まっちゃうよ… 始めちゃうよ…」
みたいな。
彼はこの作品で何を表現し、主張するのでしょう。
楽しみですなぁ。
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4101001413
No.44:
(5pt)

忘れられない作品

この本を読んだのは高校生の時だったか。
10年近くが経ちましたが、私の記憶の中では
全く色あせることのなく、今でも強烈な印象を
持った本です。
もう一度読み返してみようかな。
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4101001413
No.43:
(5pt)

もっと早く読んでれば

村上春樹にはずっと変な偏見があって作品を読むことはなかった。
最近はノーベル文学賞候補にもなっているし、外国でも人気あるらしいので読んでみようという気になって「海辺のカフカ」を買って読みだしたら、これが面白くまだ読んでいる途中に「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「ねじまき鳥クロニクル」を買い続けざま読み終わった。
特に気に入ったのが「ねじまき鳥クロニクル」だ。
一章,一章が短編小説のように読めて、謎が多いので一度読んでもわからない事が多く、何度でも読み返したくなる。
 高校生の時、世界史の先生が小説は同じ作家の作品を読みとおしたら、いろんな発見があり面白さが倍増すると言っていた、その先生はドストエフスキーの作品を読みとおしたらしいが、今となってはその先生の言ったことがよくわかる。村上春樹の訳した「グレートギャッツビー」「ロンググッドバイ」「レイモンド・カーヴァー短編集」は読んでいたが、こうして村上春樹の三作品を読んでいくと一作では分かりずらかった、書きたいことが何となく解ってきた。
レイモンド・カーヴァーの作品などは物語として大した事が起こるわけでもないし、大して面白いと思はないが、なぜ村上春樹がこの作家が好きなのか、
「ロンググッドバイ」の後書きに村上春樹が「作家は人のなす行為を具象的に精密に描くことによって、その自我の輪郭をより客観的に描くことができる」
と書いているのを読むと理解できるし、村上自身の作品を読んでみても「細部の名人」になりたいのだなというのが分かってくる。
最近の日本の若手の作家は内言だけで書かれているのが多いが私には物足りない。
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4101001413
No.42:
(5pt)

井戸での出来事で心の明暗を連想する

 村上春樹氏の代表作の一つです。この物語では、人の心を「井戸」に例え表現をしています。
 「間宮中尉の長い話し」の中では中尉が井戸に閉じ込められる話しが出てきます。何度読んでも、井戸に太陽の光が差した数十秒間の間の喜び、そして、暗闇での悲しみなど、良く言葉で表現できたと関心するほどリアルで、また心の明暗を連想できる。
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4101001413
No.41:
(4pt)

奥の深い長編だった

 この物語のカギのひとつは 『境界』 かと思う。 生と死の境界。 意識の中の世界と,外の現実世界との境界。 そして,愛と憎しみの境界。
 憎しみというか残虐さや暴力,支配欲というような人間の心のはたらきの延長上にあるものとして戦争というものを据えている。 ノモンハン事変を題材にして, 『生と死の境界』 と 『意識と現実世界との境界』 についてうまく表現していたように感じた。 デビット・リンチの映画マルホランド・ドライブを連想させた。
 また,境界をはさんだ二つの世界の架け橋として 『性欲』 というものを用い,また,境界を貫きやぶるものとして 『愛』 というものが物語のテーマになっていた。 
 戦争に関する逸話の中で,きわめて残虐な殺人場面の描写がある。 また,とてもエロチックなシーンがある。 いずれも生と死,意識の中と現実世界との 『境界』 を表現する上で格好の具体例であると同時に,ハラハラドキドキと読み進まずにいられない強力な調味料となっている。
 物語の中で,野球のバットが重要な役割をもつ。
 たしか村上春樹は,プロ野球を観戦中,誰かが二塁打を打ったときに衝撃的なヒラメキのようなものを得て小説を書こうと決心した,というような話をどこかで読んだ。 バットを作品に取り入れたのは,そういう作者自身の思い入れもあったのかもしれない。
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4101001413
No.40:
(5pt)

シュールで壮大な世界観

「ノルウエーの森」を最近読んだばかりですが、
米国では、「ねじまき鳥クロニクル」が最も評価が高いらしいとの事で読んでみた。
一見平凡そうな主人公の、ごくありふれた日常的な風景(スパゲティーを作るところ)から物語は始まるのだが、次第に非現実的なエピソードが重なっていき混沌とした世界へ入っていく。
さらに物語は過去の戦争の話にも広がり、現実と非現実、日常と非日常が交錯し、
それぞれの世界はバラバラの様でいながらも、「井戸」「顔のアザ」「バット」などのキーワードによってリンクされている。
一言で言うなら、村上ワールドとでも言うべきシュールで壮大な世界観を表現しおり、
「ねじまき鳥」によって象徴されている「何物かの力」がそれぞれの世界をつなぎ、動かしている。(さらに他の村上作品にもリンクし、ひろがっているのが凄い!)
その「何物かの力」の大きな要素になっているのが「暴力」であり、これらの世界を支配するパワーとして描かれている。
まだまだ解釈がまとまらず、何日かは本書の事が頭から離れないだろう。
本書は村上春樹の集大成とも言える作品であり、間違いなく傑作だとは思うのだが、
正直言って長かった・・・(やれやれ)
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4101001413
No.39:
(4pt)

重いけど面白い世界観

初めてこの本(第一部)を買って読んだときは、あまりに独特な世界観についていけず、途中であきらめて放置してしまいました。
その後、海辺のカフカや世界の終わりとハードボイルド・ワンダー・ランドなどを読んで春樹Worldに惹かれて再びチャレンジ。
今度は第三部まで一気に読みました。
井戸や謎の女性など、春樹さんの小説に特徴的なものが登場してきます。
象徴的で抽象的な表現もあるので、やはり、好き嫌いがわかれる小説だと思います。
私は、春樹さんの小説の中でも大好きな作品のひとつです。
現実逃避したいときに読みたくなります。
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4101001413
No.38:
(4pt)

後遺症

村上春樹氏の作品は大好きなんですが、私にはこの作品はちょっと衝撃的、残虐的でした。第一部を読み終えて3ヶ月になりますが、生皮を剥ぐシーンが、脳裏にしっかりと焼きついてしまって異様な不快感を覚え、第二部に進めません・・・・・。ロシア人の将校と同じく暫く食欲不振にさえなったぐらいです。実際にその情景を見たわけではないのにその情景が頭に浮かんでくる。擬音語をほとんど使ってないのに音までもが聞こえてくる。自分のちょっとした切り傷を見ると、あの場面の文章が頭の中を駆け巡り、貧血状態になる・・・。村上氏のあの淡々とした情景表現がよりいっそう残虐性を際立たせます。
早くこのシーンを乗り越えて第二部に進みたい。
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4101001413
No.37:
(5pt)

傑作!!

村上春樹の作品の中で、ねじまき鳥クロニクルほど感慨深い作品はない。第三部までと、長編作品であり、読むのが大変ではあるが、社会のいろんな問題にさまざまな角度から触れられていて、面白い。読み終わったときに受ける不思議な感覚が忘れられず、何度も読んでしまう。
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4101001413
No.36:
(5pt)

根源にある暴力性

あけすけに言えば,村上春樹の長編作品でいちばん好きなので,★5つをつけている。『ノルウェイ』でもなく,『世界の終わり』でもなく,「羊3(4)部作」でもなく。
決して本読みではないので大長編は苦手だが,この作品はあっという間に読み終えた。数ヶ月おいてまた読んだ。数年たっても読んでいた。作者の長編はすべて読んでいるが,ここまで没頭できる作品は他に見当たらない。「どうしてこんなに読ませるのか」と考えているうち,作者のある言葉に触れる機会があった。「(執筆の根源としての)性と暴力」。
この作者が性的表現にこだわってきたことは,多くの方がご存知であると思う。『ノルウェイ』が,ややもするとこの側面からのみ語られることも,この点に起因する。その次の長編であるこの作品が示したこと,それは性にこだわることはすなわち暴力にこだわること,ということである。生の衝動とまとめてしまうのは,あまりに安易な私見になるであろうか。
ともかく,不条理にして妻を奪われる夫が帯び始める暴力性に,私は(誤解を怖れずに書けば)惹き込まれた。性もそうだが,暴力もこの世界には満ち溢れている。ただ,満ち溢れているからこそ,現実を超えてそれらを表現することは難しい。更に,性が性それ自体の欲求を充たすのに比べ,暴力はそれ自体は欲求しない。そのため,性以上の表現力が求められる。
阿部和重や町田康などはともかく,暴力は安易に手を出しやすい素材であるため,小説として書き切っている作家は少ない。『ねじまき鳥』以降,やや筆力が落ちたようにも感じられる点は残念であるが,この作品だけでも作者の評価は国内外を問わず相応に高い。
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4101001413
No.35:
(4pt)

読もうか迷っている拷問・処刑マニアの方へ

 あなたの興味がある生皮剥ぎのシーンですが、ぞくぞくするほど刺激的というところまではいっていません。あともう少し、具体的な描写がをほしかった。
 ただ、「村上春樹にしてはよくやった」というレベルには一応達しているとは思います。淡々とした描写がかえって苦痛に耐える男を効果的に描いている、ともいえますし、細かい点でキラリと光る描写もあります(剥いだ皮に○○がついている、とか。○○が何かは読んでのお楽しみ)。
 春樹の物語自体には全く興味なし、という人でも、この箇所のためだけに買って、損はないといえるでしょう(文庫なら)。
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4101001413
No.34:
(5pt)

とりあえず第一部

 だけ読んだ。前半は正直言って微妙かなぁ、何だか今までの長編に比べるとやたらテンション低いなぁと思っていたのだが、最後のほうの間宮中尉の話から一気に雲生きが怪しくなっていく。 村上春樹らしからぬ残酷な描写。 そして、今まで村上春樹にとって重要なモチーフとして登場してきた井戸がはっきりと姿を現します。そこに閉じ込められた男と、その底に一瞬だけ差し込む太陽の光。そんな情景はあまりに美しく、またあまりに残酷である。井戸は絶望や孤独のメタファであると思われるが、その中に一瞬だけ差し込む光は唯一の希望であり、また絶望であるという逆説的な表現にもなっている。 あまりの描写の素晴らしさに涙が出そうになった。
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4101001413

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