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操縦不能



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【この小説が収録されている参考書籍】
操縦不能
操縦不能 (新潮文庫)

操縦不能の評価: 4.59/5点 レビュー 17件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)

Loss Of Control. Pilot In Commando Ⅲ!

パリ発ウィーン経由成田行きNIA208便の機内で、残りの食事トレイが一つ足りない事象が発生、機内に乗客が一人多く乗っていることが判明した。その男、北朝鮮外交官洪哲沫がポケットから出したメモには「亡命」を希望する旨が書かれていた…。洪は成田からNIA002便でワシントンへ送り届けられることとなった。20時23分、大雪のため遅れて成田を出発した002便では、しかし出発直後、機長が謎の原因で二人とも倒れてしまう。副操縦士の江波が一人で操縦桿を握るも、なぜかオートパイロットが勝手に外れ、夜の太平洋上の暗闇の中で速度と高度を示す計器が狂い始めた。コクピット内に速度超過警報と失速警報が同時に鳴り響き、あわや…墜落!と思われた時、元パイロット訓練生の岡本望美が無線で呼びかけてきた!速度と高度以外の002便の情報を訓練センターのシミュレーターに入力して“仮想救援機として一緒に飛ぶ”ことで、計器情報を伝え002便の“目”になるというのだ!現在、墜落の危機に瀕している男と、かつてパイロットになる夢に挫折した女が、乗員乗客320名の命を救うために、死の夜間飛行に立ち向かう!

 私的に面白いと思う小説2冊分を、1冊に凝縮したような濃度の面白さを感じました。中盤以降、問題が次から次へと発生し、墜落するかもしれない緊張感が最後まで続いて、テンションが落ちることなくあっという間に読み終えてしまいました。著者が旅客機の訓練シミュレーターや、実際の操縦を知り尽くした元パイロットだからこそ思いつくストーリーですね、と思いました。また、視界の利かない夜の太平洋上で、計器が狂いだした旅客機を一人で操縦しなければならなくなった江波と、空にいる320名を救うため、かつての挫折と再び向き合って戦わなければならなくなった岡本望美が、それぞれがそれぞれの場所で、ぎりぎりの状況の中で自分のなすべきことと最大限の力で格闘しつつ、それでもなお能力の限界を越えた状況に時にくじけそうになるのを、無線で励まし合って、この死の危機をどうにか乗り越えようとする、この二人のやり取りと、最後に岡本望美に向けて言った滝内教官の台詞(P338)が、なんとも、なんとも………、良かったです。ただ、2点だけ欲を言いますれば、登場人物が多いので巻頭に人物紹介が欲しかったのと、NIA208便、NIA002便が通った航路の地図のを載せてくださればもっと良かったなぁと思いました。著者が亡くなられているのがとても残念です。残りの作品も全部読んでみたいと思います。星は5つしかありませんが、私の中では★7つでした。
操縦不能 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:操縦不能 (新潮文庫)より
4101160430
No.16:
(5pt)

スタティック孔を塞ぐことで、操縦不能になる危機を乗り越える。

飛行機の故障によって、飛行機がコントロールできなくなる
ということは、あり得る話である。
どうやったら、その故障を 故意に行なって、
その故意性を、隠蔽するか と言うことが重要だ。
ある意味では、空飛ぶ 密室殺人事件のようなものだ。

大気の圧力を測るスタティック孔(static hole 静圧孔)を塞ぐことで、
操縦不能となると言うことが、この物語の鍵を握る。
スタティック孔が、塞がれることで、計器のデータが狂ってしまう。
つまり、飛行機の状況把握ができなくなり、
コンピュータの故障と理解して、違った操作をしてしまうことで、
失速して、墜落する。

女性パイロット1号になる予定だった ノゾミは、
空間識失調(バーティゴ)になる恐れをもっていた。
そのために、優秀な成績を収めたが、パイロットになれず、
事故の調査分析のシゴトをしていた。

2人の機長とひとりの副機長のうち 機長二人が原因不明の病気にかかり
副機長の江波が ひとりで ワシントンまで飛ぶのを日本にもどることに変更した。
そして、操縦不能となった時に、ノゾミが 操縦不能の原因を推定して、
江波と連絡し、そして、シュミレーターで、その操縦のアドバイスをする。
幾度も危機に陥りながらも 危機を切り抜けていく ノゾミと江波。
最後は ノゾミの教官だった 滝内の誘導によって、無事着陸をする。
その展開が 実にスリリングで、ノゾミの中での葛藤の描写がすごい。

実におもしろく、一気に 読み切ることができた。
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4101160430
No.15:
(5pt)

大傑作航空サスペンス

今年2016は著者・内田さんの十周忌です。
内田さんは747世代のパイロットで、本作の舞台も十数年前の日本なので、中型機シフトが進んだ現在とはちょっと感じが違います。けど、全然古くなっていません。
どんなに環境が変わっても、飛行機を飛ばすのは人間だからです。内田さんは、飛んでる飛行機のクルーが何を考えているか、地上の職員たちがどう思っているか、僕らただの乗客にはわからなかったことを、読みやすくわかりやすく描写してくれています。飛行機ファンへの最高の贈り物でしょう。
本作は飛行中の747-400が大ピンチになり、わずかに残ったクルーと孤立無援の地上職員が協力して危機に立ち向かう、という王道サスペンスです。多くは言いません、どうぞお読み下さい。
本作をいちばん楽しめる環境は、飛行中の機内でしょう。全日空がいいですね。あんまりハラハラして腰が抜けるかもしれませんが。
なにしろ、地上の自分の部屋で読んでいるのにこんなにドキドキするんですから。
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4101160430
No.14:
(5pt)

面白かったです。

内田さんの小説は、元パイロットならではの細かい描写がたまりません。 航空ファンの自分の期待を裏切らない。
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No.13:
(5pt)

操縦不能

パイロットインコマンドに比べると格段に面白い。緊張の連続が読者によく伝わる。フライトシミュレータと同期し操縦不能のジャンボを沖縄まで誘導するといった発想が光っている。一般文学通算500作品目の感想。2012/12/12 08:25
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No.12:
(5pt)

現場を知っている人でなければ書けない現実味

インシデント(近事故),アクシデント(事故),空間識失調(パーティゴ)などの用語の意味がよくわかる。
模擬試験(シミュレータ)での訓練の精密さがしみじみと分かった。
視界が閉ざされた状況までも再現できるとは。
そして,実物の壊れた計器の代わりを、模擬試験の計器が果たそうとは。

現場を知っている人でなければ書けない現実味。

航空宇宙のソフトをおろそかにしてはいけないという教訓。
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4101160430
No.11:
(5pt)

飛んでいる感覚

実機を飛ばす副操縦士と
シミュレーターを飛ばす地上の職員。
読んでいるうちに、こちらも一緒に
飛んでいるような気分になってきた。

はじめのほうに、南米の航空機事故の話がある。
高度も速度も計器が故障した場合、
パイロットはどのようにパニックになり
どう処置するべきか。
そこまで読んで、
ああ、失敗学の話ににているなと思った。

・・・本書を読む直前に、失敗学の本を読んでいたので。

テロリストや亡命の話をからめてしまうのは、
安易だなと感じたが、
それは私の勝手な感想でした。
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4101160430
No.10:
(3pt)

専門知識はさすがだが、サスペンス小説として見ると

元パイロットが書いた航空サスペンス小説。
この手の話だと、大抵は「お上がバックについてる」赤社が舞台に
なるのが常だが、この作品では青社が舞台となる。その意味では
ちょっと新鮮だった。
元パイロットが書いてるだけあってリアリティーや説得力はあるが、
サスペンス小説として見ると、少し盛り上がりに欠ける様な気もする。
亡命の背景や、航空機工作の犯人の処理も中途半端である。
読みやすい文章で、専門知識もふんだんに盛り込まれているのだが、
もう少しドラマティックな展開を期待するのは、酷と言う物だろうか。
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4101160430
No.9:
(3pt)

飛行機知識が必要かも・・

北朝鮮の亡命者を乗せた飛行機が、陰謀により闇に葬られようとしていました。
それに気がついたのが、バーティゴでパイロットになれなかった望美。
パニックに陥るパイロットと交信し、地上から飛行機を導きます。
彼女の信念というのが伺えます。
何度もダメだと思い、そのたびに勇気を振り絞る姿が痛々しかったです。
ただ、著者がパイロットだったせいか、機械の名前や飛行状況などが専門的すぎます。
よく分からない化学記号を並べている感じです。
言葉が分からないので、実際の状況がイメージできないことが多かったです。
また、彼の書く本は登場人物が多すぎて、全く人が覚えられません。。。(私だけ!?)
毎回のことなんですが、もう少しシンプルにしてくれたほうがありがたいです。
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4101160430
No.8:
(5pt)

高校生の娘が・・・

高校生の娘に「メッチャおもろいさかい」と言い含め、
これとパイロットインコマンドをあわせて読ませました。
どうやったと感想を聞くと
「お父さんどうしてくれんの?飛行機こわーて乗られヘンようになったやん」
とのことでした・・・
かくいう私も娘と同じような感想をいだきました。
きっと、知能レベルが娘と同程度なんでしょうね。
非常に残念ながら、内田幹樹さんの新作がもう読めません。
作者のご冥福をお祈りします。
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4101160430
No.7:
(4pt)

オススメです。作者が亡くなったのが残念でなりません。

数ある航空機を題材にした小説(軍用機も含む)の中でも、秀逸だと思います。
主人公が天才パイロット的な位置づけの小説などは山ほどありますし、単なるパニック物も多く存在しますが、そういった物と一味も二味も違っていて、誠実なエアラインパイロットだからこそ描ける世界が非常に面白いです。
また、シミュレータについても、存在自体は誰でも知っていますが、単なる操作や手順を覚えるためだけのもっとユルい存在だとイメージしていました。が、そうではなく、非常に大きな存在感と重要性を持ったものであることがわかり、そういった機器を駆使して高度に訓練された人がエアラインパイロットとして活躍できることにも、目からうろこというか、非常に感心しました。
例えていうと、単なる航空機サスペンスやパニック物を読むと、飛行機に乗るのが少し怖くなりますが、この作者の小説を読むと、サスペンスやパニックの要素があるにもかかわらず、逆に安心して飛行機に乗れてしまう気さえします。
あえて苦言を呈すると、(パイロット・イン・コマンドの時もそうだったのですが)導入部から暫く続く、某国機関だの犯罪組織だのの部分については、陳腐且つ安易な印象が拭えません。別のプロットからでも本筋につなげられたのでは?と思ってしまいます。もっとも、業界人としては、パイロットや整備士に過失が無い形で本筋につなげるには「悪者」の存在が必要なのかもしれませんが・・・
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4101160430
No.6:
(4pt)

何度読んでも面白い

これは、2002年に原書房より単行本として登場したものを文庫化した本です。
以前読んだ時はあまりのスリルに釘付けになってしまいましたが、再び読み返してみても奇抜なアイディアでもってジャンボ機をコントロールする場面は新鮮味があります。
日本はどちらかというとエンターテイメント性のコミック作品ばかりが目立つのですが、やはり特別な職業を持った方の作品を読んでみると、その筆力の凄さを感じます。若い人には特に文章でもって表す恐怖感やドラマのような進行性を感じてほしいものです。
一つだけ残念な点は、以前の作品から台詞などが割愛されていたり、または改稿されている為、少々スリル感が薄くなっていることです。
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4101160430
No.5:
(5pt)

元パイロットならではのリアリティ溢れる作品です。

この作品は、初めて買ったのですが、5分読んだだけで、その話に飲めり込んでしまいました。専門用語などは多少ありますが、説明が分かりやすく載っています。CAやパイロット達の感情が現実味溢れる形で描いていますね。
僕が最も感じたのは、この作品を映画化にしても、また違う楽しみがあるのでわないかと感じました。
でも、それぞれの、人物達を自分の想像で表現してもいいですね。
特徴的なのは、複数からの視点で見ると言うことです。
私の見所は、登場人物、岡本 望美さんが、ある事件を続けて調べていくうちにとある共通点から出てくる謎のパイロットが、次々と事故を起こしているというところに目がつき、報告するのだが、関係者の人たちは聞き入れてくれず、とある国際便に異変が起こりそこから次々とトラブルが起きるという所です。
そのあとは、読んでからのお楽しみ。。
小説が初めての方でも十分お楽しめる作品です。
操縦不能Amazon書評・レビュー:操縦不能より
4562035161
No.4:
(5pt)

本格航空ミステリ

 
破壊工作で操縦不能となった
(というより、現在の姿勢や速度・高度がわからくなった)
旅客機をどうやって無事に着陸させるのか?
最後まで手に汗にぎる展開で飽きさせない。
主人公がアレ(ネタバレするので書けない)を使うのは
かなり斬新なアイデアではないでしょうか?
日本ではこのジャンルを書ける作家が非常に少なので
これからもいい作品を期待します。
 
操縦不能 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:操縦不能 (新潮文庫)より
4101160430
No.3:
(5pt)

航空機をモチーフにしたサスペンス調の“冒険モノ”

 2002年に刊行した作品の文庫版が登場です。本来は、一応「パイロット・イン・コマンド」の第3作の位置づけですが、文庫化にあたり、独立した作品としても問題なく読めるようになっています。
 民間機を舞台にしたサスペンス調の作品で、結末まで一気に読めます。面白いです。著者は航空エッセイも出版していますが、小説の方が向いている気がします。設定がしっかりしておりリアルな反面、随所に航空用語や操縦の話が出てきますので、少しそういった知識に詳しくなってから読んだ方が、より楽しめると思います。しかし単なる技術的な要素でなく、登場人物が成長する姿もストーリーを魅力的なものしています。
操縦不能 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:操縦不能 (新潮文庫)より
4101160430
No.2:
(4pt)

この本は面白い

飛行機ものが好きな人には是非お勧めです。なかなか読み応えあります。でも飛行機に興味のない人にはちょっと分かりづらい所があるのかもしれません。
操縦不能 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:操縦不能 (新潮文庫)より
4101160430
No.1:
(5pt)

実は小説家の方が天職なのでは?

この方の本は他の物も読ませていただいております。文章の表現が素晴らしく、どれも満足できる物ばかりです。元パイロットですが、じつは物書きの方が天職なのでは?本作品も最近の事件を織り込んで非常に緊張感のある仕上がりです。始めから終わりまでまったく緊張感がとぎれません。読み始めると先が気になって結局一晩で読み切ってしまいました。少々航空機の知識が必要ですが、期待は裏切らないと思います。絶対にお勧めの一冊です。
操縦不能Amazon書評・レビュー:操縦不能より
4562035161

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