事件

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評判

事件の評価:

4.48/5点 レビュー 33件。 A ランク

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平均点4.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全104件 41〜60 3/6ページ
No.64
(4pt)

リアルな裁判物

まず、事件そのものが地味だし、カッコいい弁護士が登場するでもなく、劇的な大逆転があるでもない、昭和36年のお話ですが、それから現在まで、裁判が相当に変わっているのだろうとは思いますが、そうした中でも、目から鱗が落ちるようなリアルな裁判のお話でした。
事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.63
(4pt)

リアルな裁判物

まず、事件そのものが地味だし、カッコいい弁護士が登場するでもなく、劇的な大逆転があるでもない、昭和36年のお話ですが、それから現在まで、裁判が相当に変わっているのだろうとは思いますが、そうした中でも、目から鱗が落ちるようなリアルな裁判のお話でした。
事件 (1980年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (1980年) (新潮文庫)より
B000J85RO2
No.62
(5pt)

リメークして映画製作してほしい、

20年前に一度読んで再読、裁判の、尋問の場面は、読み込んでしまう。
事件 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (創元推理文庫)より
4488481116
No.61
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (創元推理文庫)より
4488481116
No.60
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (1977年) Amazon書評・レビュー: 事件 (1977年)より
B000J8UL8E
No.59
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) Amazon書評・レビュー: 事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
4575658464
No.58
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.57
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 (1980年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (1980年) (新潮文庫)より
B000J85RO2
No.56
(4pt)

真実とは何か

裁判の推移を軸に据えて、物語は進む。序奏は静かに、中盤以降、一気に走り抜ける。 読み応えのある小説であるが、話の展開が少々都合良すぎはしないか、という面もある。裁判の決着はついても、真実は何か、という重い問いは残される。裁判の限界を暗示している。真実は当人の心の中だけにある。
 若山富三郎主演のNHKドラマを思い出した。いしだあゆみの熱演が記憶に残る。もう40年近く以前のテレビドラマであった。わたしも20代であった。
事件 Amazon書評・レビュー: 事件より
4103037024
No.55
(5pt)

問題提起の書

図書館から借りてきたビデオ『事件』(1978年東映)がなかなか面白かったので、原作の大岡昇平の小説『事件』-case-を読み返してみました。と言っても昔読んだ記憶も曖昧で初めてという方が正確か。昭和36年~37年に新聞連載されたものを、昭和52年に加筆修正、『事件』と改題して刊行、ベストセラーとなり翌年に映画化。少年の殺人と死体遺棄被告事件の審理について、検察官と弁護人の法廷内外の攻防、判決に至るまでのプロセスをリアルに描いていて、裁判とは、捜査、論告とは如何にあるべきかという問題提起の書としても読み応えがあり、久しぶりに充足感がありました。
本書は文庫版ですが、活字が小さくて私には辛いので、実は再読の際は、大判の筑摩書房の大岡昇平全集(第6巻所収)によりました。読みながら考え、考えながら読む400ページ、少し疲れました。この作品は、大岡氏の作家として本格の取り組みのひとつかと思います。内容について次のような記述が印象的でしたので挙げておきます。

『野口判事補が何年たってもいやな気持を経験するのは、法廷で最初被告人と顔を合せる時である。罪が軽ければ保釈が許されるけれど、大抵は1ヶ月ぐらいの拘留を経て来ている。長い拘禁生活と、警察官と検事の取調べに、被告人はほとんど打ちのめされた姿になっている。..... いかめしい法廷に出て暗闇から突然日光の中に引きずり出された人間のように、戸惑ったような表情のいたましさに、野口判事補は、いつまでも馴れることができない。...... 裁判官がまず被告人から取り去ろうとつとめなければならぬのは、この怯えた気持である。』(公判)
『証人は公判廷で、供述調書のとおりを述べることを要求されている。..... 供述したことはなかったと思い直したとしても、一度言ったことを変えるのは、なにか悪いことをするように感じるものである。また一度筋道を立てて話すと、それが確乎不抜の真実のように思えてくるのは、万人共通の心理である。』(殺意)
『現在の司法修習制度で、これ以上判事の数がふえる見込みがないとすれば、英米のような陪審制、あるいは独仏流の参審制によって、民間人を裁判に関与させる方法が、関係方面で研究されたということである。しかし現在の民間に陪審員の資格者がどれだけいるか。すでにアメリカの陪審制について、地元のアメリカの法曹界から批判の声が上がっている。十二人の市民によって有罪無罪の評決をさせ、裁判官が刑をきめるというシステムは、最も民主主義的のように見えるが、素人はとかく法廷で被告人や証人に対して抱く感情に支配され易く、証言の持つ意味を理解しないことが多い。評決に入るに先立って、裁判長が「説示」して、問題点を要約するのだが、それも大抵は理解されない。あるいは法廷で言われることを全然聞いていず、居眠りしている陪審員もいる。しかも彼もまた一票の力を行使するのである。被告人はやはり職業的裁判官によって裁かれる方が幸福である、という考え方が日本では支配的である。』(証拠調)

引用が過ぎましたが、2009年5月にスタートした『裁判員制度』は、すでに8年を経過しています。その現状を踏まえた上で、この40年前のこの作品を再読、少しも古びていないその問題意識、作家の眼というものに改めて驚きを感じています。
ちなみに『事件』の各項の見出しは、順を追って、事件、判事補、公判、冒頭陳述、証拠調、弁護士、被害者、証人、尋問、休憩時間、午後の法廷、殺意、間奏曲、新生活、新事実、現場検証、被告人質問、論告、最終弁論、合議、判決、真実。

映画もなかなかの佳作。キャストは、裁判長に佐分利信、検察官芦田伸介、弁護人に丹波哲郎。被告人永島敏行、被害者に松坂慶子、証人には大竹しのぶ、北林谷栄、森繁久弥、西村晃、渡瀬恒彦そして乙羽信子。ベテランの裁判長と新進の陪席裁判官、判事から転進した弁護士、民間からの出戻り検事、証人たちの心理、葛藤なども丹念に描かれている原作を読んでから、再度ビデオを観るのもいいなと思いました。
事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) Amazon書評・レビュー: 事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
4575658464
No.54
(5pt)

問題提起の書

図書館から借りてきたビデオ『事件』(1978年東映)がなかなか面白かったので、原作の大岡昇平の小説『事件』-case-を読み返してみました。と言っても昔読んだ記憶も曖昧で初めてという方が正確か。昭和36年~37年に新聞連載されたものを、昭和52年に加筆修正、『事件』と改題して刊行、ベストセラーとなり翌年に映画化。少年の殺人と死体遺棄被告事件の審理について、検察官と弁護人の法廷内外の攻防、判決に至るまでのプロセスをリアルに描いていて、裁判とは、捜査、論告とは如何にあるべきかという問題提起の書としても読み応えがあり、久しぶりに充足感がありました。
本書は文庫版ですが、活字が小さくて私には辛いので、実は再読の際は、大判の筑摩書房の大岡昇平全集(第6巻所収)によりました。読みながら考え、考えながら読む400ページ、少し疲れました。この作品は、大岡氏の作家として本格の取り組みのひとつかと思います。内容について次のような記述が印象的でしたので挙げておきます。

『野口判事補が何年たってもいやな気持を経験するのは、法廷で最初被告人と顔を合せる時である。罪が軽ければ保釈が許されるけれど、大抵は1ヶ月ぐらいの拘留を経て来ている。長い拘禁生活と、警察官と検事の取調べに、被告人はほとんど打ちのめされた姿になっている。..... いかめしい法廷に出て暗闇から突然日光の中に引きずり出された人間のように、戸惑ったような表情のいたましさに、野口判事補は、いつまでも馴れることができない。...... 裁判官がまず被告人から取り去ろうとつとめなければならぬのは、この怯えた気持である。』(公判)
『証人は公判廷で、供述調書のとおりを述べることを要求されている。..... 供述したことはなかったと思い直したとしても、一度言ったことを変えるのは、なにか悪いことをするように感じるものである。また一度筋道を立てて話すと、それが確乎不抜の真実のように思えてくるのは、万人共通の心理である。』(殺意)
『現在の司法修習制度で、これ以上判事の数がふえる見込みがないとすれば、英米のような陪審制、あるいは独仏流の参審制によって、民間人を裁判に関与させる方法が、関係方面で研究されたということである。しかし現在の民間に陪審員の資格者がどれだけいるか。すでにアメリカの陪審制について、地元のアメリカの法曹界から批判の声が上がっている。十二人の市民によって有罪無罪の評決をさせ、裁判官が刑をきめるというシステムは、最も民主主義的のように見えるが、素人はとかく法廷で被告人や証人に対して抱く感情に支配され易く、証言の持つ意味を理解しないことが多い。評決に入るに先立って、裁判長が「説示」して、問題点を要約するのだが、それも大抵は理解されない。あるいは法廷で言われることを全然聞いていず、居眠りしている陪審員もいる。しかも彼もまた一票の力を行使するのである。被告人はやはり職業的裁判官によって裁かれる方が幸福である、という考え方が日本では支配的である。』(証拠調)

引用が過ぎましたが、2009年5月にスタートした『裁判員制度』は、すでに8年を経過しています。その現状を踏まえた上で、この40年前のこの作品を再読、少しも古びていないその問題意識、作家の眼というものに改めて驚きを感じています。
ちなみに『事件』の各項の見出しは、順を追って、事件、判事補、公判、冒頭陳述、証拠調、弁護士、被害者、証人、尋問、休憩時間、午後の法廷、殺意、間奏曲、新生活、新事実、現場検証、被告人質問、論告、最終弁論、合議、判決、真実。

映画もなかなかの佳作。キャストは、裁判長に佐分利信、検察官芦田伸介、弁護人に丹波哲郎。被告人永島敏行、被害者に松坂慶子、証人には大竹しのぶ、北林谷栄、森繁久弥、西村晃、渡瀬恒彦そして乙羽信子。ベテランの裁判長と新進の陪席裁判官、判事から転進した弁護士、民間からの出戻り検事、証人たちの心理、葛藤なども丹念に描かれている原作を読んでから、再度ビデオを観るのもいいなと思いました。
事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.53
(5pt)

問題提起の書

図書館から借りてきたビデオ『事件』(1978年東映)がなかなか面白かったので、原作の大岡昇平の小説『事件』-case-を読み返してみました。と言っても昔読んだ記憶も曖昧で初めてという方が正確か。昭和36年~37年に新聞連載されたものを、昭和52年に加筆修正、『事件』と改題して刊行、ベストセラーとなり翌年に映画化。少年の殺人と死体遺棄被告事件の審理について、検察官と弁護人の法廷内外の攻防、判決に至るまでのプロセスをリアルに描いていて、裁判とは、捜査、論告とは如何にあるべきかという問題提起の書としても読み応えがあり、久しぶりに充足感がありました。
本書は文庫版ですが、活字が小さくて私には辛いので、実は再読の際は、大判の筑摩書房の大岡昇平全集(第6巻所収)によりました。読みながら考え、考えながら読む400ページ、少し疲れました。この作品は、大岡氏の作家として本格の取り組みのひとつかと思います。内容について次のような記述が印象的でしたので挙げておきます。

『野口判事補が何年たってもいやな気持を経験するのは、法廷で最初被告人と顔を合せる時である。罪が軽ければ保釈が許されるけれど、大抵は1ヶ月ぐらいの拘留を経て来ている。長い拘禁生活と、警察官と検事の取調べに、被告人はほとんど打ちのめされた姿になっている。..... いかめしい法廷に出て暗闇から突然日光の中に引きずり出された人間のように、戸惑ったような表情のいたましさに、野口判事補は、いつまでも馴れることができない。...... 裁判官がまず被告人から取り去ろうとつとめなければならぬのは、この怯えた気持である。』(公判)
『証人は公判廷で、供述調書のとおりを述べることを要求されている。..... 供述したことはなかったと思い直したとしても、一度言ったことを変えるのは、なにか悪いことをするように感じるものである。また一度筋道を立てて話すと、それが確乎不抜の真実のように思えてくるのは、万人共通の心理である。』(殺意)
『現在の司法修習制度で、これ以上判事の数がふえる見込みがないとすれば、英米のような陪審制、あるいは独仏流の参審制によって、民間人を裁判に関与させる方法が、関係方面で研究されたということである。しかし現在の民間に陪審員の資格者がどれだけいるか。すでにアメリカの陪審制について、地元のアメリカの法曹界から批判の声が上がっている。十二人の市民によって有罪無罪の評決をさせ、裁判官が刑をきめるというシステムは、最も民主主義的のように見えるが、素人はとかく法廷で被告人や証人に対して抱く感情に支配され易く、証言の持つ意味を理解しないことが多い。評決に入るに先立って、裁判長が「説示」して、問題点を要約するのだが、それも大抵は理解されない。あるいは法廷で言われることを全然聞いていず、居眠りしている陪審員もいる。しかも彼もまた一票の力を行使するのである。被告人はやはり職業的裁判官によって裁かれる方が幸福である、という考え方が日本では支配的である。』(証拠調)

引用が過ぎましたが、2009年5月にスタートした『裁判員制度』は、すでに8年を経過しています。その現状を踏まえた上で、この40年前のこの作品を再読、少しも古びていないその問題意識、作家の眼というものに改めて驚きを感じています。
ちなみに『事件』の各項の見出しは、順を追って、事件、判事補、公判、冒頭陳述、証拠調、弁護士、被害者、証人、尋問、休憩時間、午後の法廷、殺意、間奏曲、新生活、新事実、現場検証、被告人質問、論告、最終弁論、合議、判決、真実。

映画もなかなかの佳作。キャストは、裁判長に佐分利信、検察官芦田伸介、弁護人に丹波哲郎。被告人永島敏行、被害者に松坂慶子、証人には大竹しのぶ、北林谷栄、森繁久弥、西村晃、渡瀬恒彦そして乙羽信子。ベテランの裁判長と新進の陪席裁判官、判事から転進した弁護士、民間からの出戻り検事、証人たちの心理、葛藤なども丹念に描かれている原作を読んでから、再度ビデオを観るのもいいなと思いました。
事件 (1980年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (1980年) (新潮文庫)より
B000J85RO2
No.52
(5pt)

問題提起の書

図書館から借りてきたビデオ『事件』(1978年東映)がなかなか面白かったので、原作の大岡昇平の小説『事件』-case-を読み返してみました。と言っても昔読んだ記憶も曖昧で初めてという方が正確か。昭和36年~37年に新聞連載されたものを、昭和52年に加筆修正、『事件』と改題して刊行、ベストセラーとなり翌年に映画化。少年の殺人と死体遺棄被告事件の審理について、検察官と弁護人の法廷内外の攻防、判決に至るまでのプロセスをリアルに描いていて、裁判とは、捜査、論告とは如何にあるべきかという問題提起の書としても読み応えがあり、久しぶりに充足感がありました。
本書は文庫版ですが、活字が小さくて私には辛いので、実は再読の際は、大判の筑摩書房の大岡昇平全集(第6巻所収)によりました。読みながら考え、考えながら読む400ページ、少し疲れました。この作品は、大岡氏の作家として本格の取り組みのひとつかと思います。内容について次のような記述が印象的でしたので挙げておきます。

『野口判事補が何年たってもいやな気持を経験するのは、法廷で最初被告人と顔を合せる時である。罪が軽ければ保釈が許されるけれど、大抵は1ヶ月ぐらいの拘留を経て来ている。長い拘禁生活と、警察官と検事の取調べに、被告人はほとんど打ちのめされた姿になっている。..... いかめしい法廷に出て暗闇から突然日光の中に引きずり出された人間のように、戸惑ったような表情のいたましさに、野口判事補は、いつまでも馴れることができない。...... 裁判官がまず被告人から取り去ろうとつとめなければならぬのは、この怯えた気持である。』(公判)
『証人は公判廷で、供述調書のとおりを述べることを要求されている。..... 供述したことはなかったと思い直したとしても、一度言ったことを変えるのは、なにか悪いことをするように感じるものである。また一度筋道を立てて話すと、それが確乎不抜の真実のように思えてくるのは、万人共通の心理である。』(殺意)
『現在の司法修習制度で、これ以上判事の数がふえる見込みがないとすれば、英米のような陪審制、あるいは独仏流の参審制によって、民間人を裁判に関与させる方法が、関係方面で研究されたということである。しかし現在の民間に陪審員の資格者がどれだけいるか。すでにアメリカの陪審制について、地元のアメリカの法曹界から批判の声が上がっている。十二人の市民によって有罪無罪の評決をさせ、裁判官が刑をきめるというシステムは、最も民主主義的のように見えるが、素人はとかく法廷で被告人や証人に対して抱く感情に支配され易く、証言の持つ意味を理解しないことが多い。評決に入るに先立って、裁判長が「説示」して、問題点を要約するのだが、それも大抵は理解されない。あるいは法廷で言われることを全然聞いていず、居眠りしている陪審員もいる。しかも彼もまた一票の力を行使するのである。被告人はやはり職業的裁判官によって裁かれる方が幸福である、という考え方が日本では支配的である。』(証拠調)

引用が過ぎましたが、2009年5月にスタートした『裁判員制度』は、すでに8年を経過しています。その現状を踏まえた上で、この40年前のこの作品を再読、少しも古びていないその問題意識、作家の眼というものに改めて驚きを感じています。
ちなみに『事件』の各項の見出しは、順を追って、事件、判事補、公判、冒頭陳述、証拠調、弁護士、被害者、証人、尋問、休憩時間、午後の法廷、殺意、間奏曲、新生活、新事実、現場検証、被告人質問、論告、最終弁論、合議、判決、真実。

映画もなかなかの佳作。キャストは、裁判長に佐分利信、検察官芦田伸介、弁護人に丹波哲郎。被告人永島敏行、被害者に松坂慶子、証人には大竹しのぶ、北林谷栄、森繁久弥、西村晃、渡瀬恒彦そして乙羽信子。ベテランの裁判長と新進の陪席裁判官、判事から転進した弁護士、民間からの出戻り検事、証人たちの心理、葛藤なども丹念に描かれている原作を読んでから、再度ビデオを観るのもいいなと思いました。
事件 Amazon書評・レビュー: 事件より
4103037024
No.51
(5pt)

面白くて引き込まれました

ドラマになったことは知らず、俳優のイメージは無く読みました。法廷でのやり取りが興味深く、引き込まれました。
事件 (1980年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (1980年) (新潮文庫)より
B000J85RO2
No.50
(5pt)

面白くて引き込まれました

ドラマになったことは知らず、俳優のイメージは無く読みました。法廷でのやり取りが興味深く、引き込まれました。
事件 Amazon書評・レビュー: 事件より
4103037024
No.49
(5pt)

面白くて引き込まれました

ドラマになったことは知らず、俳優のイメージは無く読みました。法廷でのやり取りが興味深く、引き込まれました。
事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) Amazon書評・レビュー: 事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
4575658464
No.48
(5pt)

面白くて引き込まれました

ドラマになったことは知らず、俳優のイメージは無く読みました。法廷でのやり取りが興味深く、引き込まれました。
事件 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (新潮文庫)より
410106508X
No.47
(5pt)

事件

新潮文庫の小説を探して居たのでとても良かった。気に入っている。
事件 (1980年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 事件 (1980年) (新潮文庫)より
B000J85RO2
No.46
(5pt)

事件

新潮文庫の小説を探して居たのでとても良かった。気に入っている。
事件 Amazon書評・レビュー: 事件より
4103037024
No.45
(5pt)

事件

新潮文庫の小説を探して居たのでとても良かった。気に入っている。
事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) Amazon書評・レビュー: 事件 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)より
4575658464