夏の名残りの薔薇

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夏の名残りの薔薇の評価:

3.17/5点 レビュー 18件。 D ランク

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平均点3.17pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(4pt)

人の記憶と妄想と現実と

恩田陸は非常にオマージュが好きな作家だが、今作ほど強烈に、大胆に取り入れた作品は無い。ふんだんに「元」が引用されている。
アラン・レネ監督映画『去年マリエンバートで』が今作のオマージュ元で、引用文が繰り返し繰り返し本文に登場する。
さて、この小説は「人の記憶、妄想と現実」がテーマであると思われる。各章毎に殺人事件が起こるのだが、次の章では記憶がキャンセルされ前章で死んだ人物は蘇っている、というような表現がなされる。
しかし…これは記憶が違っているのか、忘れているのか、現実なのか、妄想なのか。そういう境が曖昧になって…
ところで、この小説は各章を「第〜変奏」としているが、上手いなぁと何章か進んで思った。変奏曲とは主題といくつかの変奏からなる楽曲の事で、今作では基盤となる主題を用意し、各変奏で内容を変えていく、という風に表現している。
これを見ると最新作「中庭の出来事」(06年12月)にも近いものがあり、あちらの方がより込み入っていて年月を感じた。まあ、今作は「登場人物の記憶〜」がテーマで、あちらは「読者の記憶」にテーマが置かれているのだろうから、作風を含めて受け取り方は全く違うのだが。
「自分の幸運を享受しつつも、心のどこかでそのことに物足りなさを感じることがある。そう感じること自体、傲慢で贅沢なことだと承知しつつも、人間とはそういう生き物なのだから仕方がない。」 本文128ページより
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.9
(3pt)

夏の名残の

映画をモチーフに用いた作品はこれまでも数作みられました。本来この手法は半端に映画のイメージに引きずられるので不得手なのですが、今回あまりに大胆な挿入でかえって目につきませんでした。出版当時はタイトルと装丁が印象的ではあるものの特別引っ掛かるものはありませんでしたが、今回改めて振り返ると意外なことに数ある恩田作品のなかでも興奮してしまう部類に入ってきてしまいました。秋のホテル、サロンでの読めない会話、二転三転する事実。目の眩むような秋に読む美しい小説です。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.8
(4pt)

なぁんだ。

恩田陸の本格ミステリ(少ないが)の中では、一番の出来ではないだろうか。
題名と話もちゃんと繋がってる。
いかにも恩田陸が好きそうな設定で、絢爛豪華。
何回も何回も前のページへ行ってしまったが、最後はすっきりした。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.7
(2pt)

「反モラル」がテーマ??

まず、表題と内容の不一致。
内容も、引用の仕方が難解だった。
モラルも含めて、後味の悪い作品。
構成は面白かったが・・・。
これまで読んだ恩田作品の中では一番がっかりしてしまった。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.6
(3pt)

作品の中は迷路?

ここに書かれているのは真実か?見極めながら読み進もうとするが、いつの間にか「この作品の中に迷い込んでしまった!」という気持ちにさせられていた。人の記憶のあいまいさ。起こったことと起こらなかったことの区別は、どうつけたらいいのだろうか?出口を見つけようとすればするほど、出口からは遠ざかる。人の心の中にも、迷路は存在するのだ。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.5
(1pt)

わけがわからない

この作者の作品は初めて読みましたが、私には難解すぎました。読みにくいというわけではないのですが、いろいろな事件が事実なのか、幻想なのか混乱して、最後まで意図がわからず、もやもやしたものが残りました。結末もどうしてそういうことになるのか、いまだに謎です。随所にあった「去年マリエンバートで」の引用文は途中から読むのをやめました。理解がますますしにくくなったからです。最後まで読めば何かがわかるのかと思って期待したのですが、結局理解できませんでした。もっと修行を積んで、文学がわかるようになったら理解もできるのかもしれません。題名と表紙は美しいと思います。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.4
(3pt)

変奏する閉じないミステリー

本の構成に変奏が用いられるように、章が変わる毎に同じテーマが繰り返されつつも変化してゆくそれは、各章で死人が出るが、次章ではその人が生きて別の人が亡くなるからしかし、その構成に読んでいると違和感は生じない人間の心の内に潜む建前と本音が、山頂のホテルという閉じた空間で交差することが、逆も又真なりと思わせるからだ。繰り返される殺人と、上流階級である登場人物達の心の内が、章を重ねることで絶妙な揺れ方を示す殺人は心の内で行ったのか殺人は本当にあったのか読後も見えないページが潜むように感じる、閉じないミステリーだ
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.3
(2pt)

はて?

 雪の中、孤立したホテルで次々と起こる事件・・・? なかなか難解だ。人称の使い方が筋立ての柱の一つだが、これが結構しんどい。 読み進めば、なにかクライマックスめいたものがあるのかと期待したが、それもない(著者の意図による--閉じない結末) 何か、昼寝しながら夢を見ていたような読後感。 チョット毛色の変わった本でした。 
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.2
(3pt)

本当に好きな作家だけれど

恩田陸さんの作品は本当に好きなんです。この作品は解説でも触れられているように興味深い意図があったのでしょう。しかし、長すぎる引用がストーリーと必ずしもマッチせず空回りしているような気がする。記憶が改竄されやすいという事実は脳の働きを理解していれば不思議ではないだろう。しかし、事件が本当に起こったのか起こらなかったのかという作品の根幹部分で齟齬をきたしているような気がする。いってみれば夜のピクニックの全内容が単なる記憶の揺らぎといわれるような思いがする。巻末のインタビューが興味深くそれで何とか星三つか。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202
No.1
(3pt)

去年、マリエンバートで

山奥のクラシックなホテルで、大富豪の三老姉妹が招いた人間だけがやってくる贅沢な数日。図書室で放映される『去年、マリエンバートで』という実在の映画の場面場面を印象的に作品に取り込みながら、語り手が1人ずつリレーして6章で終わる物語。…のはずですが、ここで1つ構成に奇妙な仕掛けがあって、各章の最後で必ず事件が起こります。ストーリーは次の章に受け継ぎながら、事件そのものは、何を言ってもネタバレになりそうなので巧いこといえないのですが、読者が戸惑うような形でどこかに潜みます。腰巻に『この殺人事件は真実か幻か』とありますが、終章まで読むと、こうくるとは思わなかった方向に物語が決着して、びっくりしました。こういう煽りのある作品の場合、読者が徒らに作者に翻弄されるだけの話になりがちだと思いますが、見合うものはあったと思います。恩田さんの作品全部のなかで敢えて星をつけるなら、ということで☆3つにしました。
夏の名残りの薔薇 Amazon書評・レビュー: 夏の名残りの薔薇より
4163233202