石の来歴

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評判

石の来歴の評価:

4.24/5点 レビュー 21件。 B ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全61件 21〜40 2/4ページ
No.41
(5pt)

戦争ストレス

(内容に触れています)

レイテ島の戦いで敗残兵となった真名瀬が、上官の命令により、病兵を殺害する。
戦争後遺症となり、記憶の喪失、混濁を招く。

殺人事件発生時刻、真名瀬にアリバイはない。
強いて動機を挙げれば、戦争ストレスによる狂気が浮上する。

ふたつの殺害のキーワードは「緑色チャート」であり、この鉱物をめぐり、
上等兵は真名瀬に、真名瀬は愛息に「石の来歴」に関するうんちくを傾ける。

この共通項がぶきみさをかもし、めちゃくちゃな動機であるけれど、
2件目の殺人に、異様な説得を持たせている。

荒唐無稽な殺人が根幹をなしているにかかわらず、ミステリの枠に収めず、
純文学に昇華する企てに気魄を感じる。

※画像・プロフィールは無視してください
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.40
(5pt)

戦争ストレス

(内容に触れています)

レイテ島の戦いで敗残兵となった真名瀬が、上官の命令により、病兵を殺害する。
戦争後遺症となり、記憶の喪失、混濁を招く。

殺人事件発生時刻、真名瀬にアリバイはない。
強いて動機を挙げれば、戦争ストレスによる狂気が浮上する。

ふたつの殺害のキーワードは「緑色チャート」であり、この鉱物をめぐり、
上等兵は真名瀬に、真名瀬は愛息に「石の来歴」に関するうんちくを傾ける。

この共通項がぶきみさをかもし、めちゃくちゃな動機であるけれど、
2件目の殺人に、異様な説得を持たせている。

荒唐無稽な殺人が根幹をなしているにかかわらず、ミステリの枠に収めず、
純文学に昇華する企てに気魄を感じる。

※画像・プロフィールは無視してください
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.39
(5pt)

SFか?

人は一つの人生しか生きることはできない。一度に一つの事しか出来ないように。しかし、SFでは、同じ主人公が何種類かの人生を生きることを仮定できる。追いつめられた敗残兵が一人の大尉のもとに集まり、洞窟を見つけそこに引きこもる。主人公は、ここで大尉から命じられて、いつも話をしていた上等兵を切り殺してしまう。
 この事件が主人公の人生の重いくびきとなる。彼は戦後一見幸福げな人生を送るが、聖書のヨブ記のように、家族を失う。最初に期待の長男が通り魔にに刺されて亡くなる。この事件から妻が離婚して実家に帰る。次男も同様に亡くなる。家族を失った主人公は、再び戦時中の洞窟に戻ったように、昔切り殺した上等兵と出会い、今度は彼を生かして共に逃亡する。
 今、通り魔とか、高齢者による訳の分からぬ交通事故による狂気の殺人事件が続発している。長男の死、次男の死、石に対する執着、主人公を巡る人生を好転させるためには、戦中のあの忌まわしい事件を清算しなければならない。
 人生は何のためにあるのか。石集めに熱中できた人生は、素晴らしい。過去の忌まわしい体験は、負の遺産を負わせた。全ての不幸はここに起因している。戦中の罰を受けたような生き様を描いた、主人公の人生には、大いに共感できる。しかし、現実には多数の無辜の民を死に追いやり、特攻を命じて若者に人生を奪った、指揮官クラスの老人たちが戦後も、安穏と人生を過ごしている。寿命が来て平穏無事にあの世に去った。連合軍に裁かれなかった悪魔のような爺さんが今も生きてたまに、マスコミでとり沙汰されることがある。こういう老人がまだ生きているのかと驚くことがある。全てを命じられた従った兵士が、戦中の犯罪を忘れて生きてきたのに、家族を不幸が次々に襲ってくる。戦時中の罪を問われたような人生が描かれていると思った。この罰ゲームにも似た人生を転じるには、もう一度やってはいけないと言う後悔の源である事件を逆転しなければならない。SFの中でしたそれは出来ない。現実に生きる人生もやり直しは効くと信じるが、時の勢いの中で、全てが狂気の沙汰だったのだから、後の人生を、人命を大切に、家族を大切に生きていけたら良かった。石集めに熱中、何でも熱中することを追及して人生を送りたいが、幸せな人生を暗転させた通り魔が、彼に切り殺された上等兵の生まれ変わりだったりしたら、古来の前世、現生、後世の因果話になってしまう。人智を超えた所には、そんなこともあるのかもしれない。不可思議がかえって真実を描写しているのかもしれない。難しい。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.38
(5pt)

SFか?

人は一つの人生しか生きることはできない。一度に一つの事しか出来ないように。しかし、SFでは、同じ主人公が何種類かの人生を生きることを仮定できる。追いつめられた敗残兵が一人の大尉のもとに集まり、洞窟を見つけそこに引きこもる。主人公は、ここで大尉から命じられて、いつも話をしていた上等兵を切り殺してしまう。
 この事件が主人公の人生の重いくびきとなる。彼は戦後一見幸福げな人生を送るが、聖書のヨブ記のように、家族を失う。最初に期待の長男が通り魔にに刺されて亡くなる。この事件から妻が離婚して実家に帰る。次男も同様に亡くなる。家族を失った主人公は、再び戦時中の洞窟に戻ったように、昔切り殺した上等兵と出会い、今度は彼を生かして共に逃亡する。
 今、通り魔とか、高齢者による訳の分からぬ交通事故による狂気の殺人事件が続発している。長男の死、次男の死、石に対する執着、主人公を巡る人生を好転させるためには、戦中のあの忌まわしい事件を清算しなければならない。
 人生は何のためにあるのか。石集めに熱中できた人生は、素晴らしい。過去の忌まわしい体験は、負の遺産を負わせた。全ての不幸はここに起因している。戦中の罰を受けたような生き様を描いた、主人公の人生には、大いに共感できる。しかし、現実には多数の無辜の民を死に追いやり、特攻を命じて若者に人生を奪った、指揮官クラスの老人たちが戦後も、安穏と人生を過ごしている。寿命が来て平穏無事にあの世に去った。連合軍に裁かれなかった悪魔のような爺さんが今も生きてたまに、マスコミでとり沙汰されることがある。こういう老人がまだ生きているのかと驚くことがある。全てを命じられた従った兵士が、戦中の犯罪を忘れて生きてきたのに、家族を不幸が次々に襲ってくる。戦時中の罪を問われたような人生が描かれていると思った。この罰ゲームにも似た人生を転じるには、もう一度やってはいけないと言う後悔の源である事件を逆転しなければならない。SFの中でしたそれは出来ない。現実に生きる人生もやり直しは効くと信じるが、時の勢いの中で、全てが狂気の沙汰だったのだから、後の人生を、人命を大切に、家族を大切に生きていけたら良かった。石集めに熱中、何でも熱中することを追及して人生を送りたいが、幸せな人生を暗転させた通り魔が、彼に切り殺された上等兵の生まれ変わりだったりしたら、古来の前世、現生、後世の因果話になってしまう。人智を超えた所には、そんなこともあるのかもしれない。不可思議がかえって真実を描写しているのかもしれない。難しい。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.37
(5pt)

SFか?

人は一つの人生しか生きることはできない。一度に一つの事しか出来ないように。しかし、SFでは、同じ主人公が何種類かの人生を生きることを仮定できる。追いつめられた敗残兵が一人の大尉のもとに集まり、洞窟を見つけそこに引きこもる。主人公は、ここで大尉から命じられて、いつも話をしていた上等兵を切り殺してしまう。
 この事件が主人公の人生の重いくびきとなる。彼は戦後一見幸福げな人生を送るが、聖書のヨブ記のように、家族を失う。最初に期待の長男が通り魔にに刺されて亡くなる。この事件から妻が離婚して実家に帰る。次男も同様に亡くなる。家族を失った主人公は、再び戦時中の洞窟に戻ったように、昔切り殺した上等兵と出会い、今度は彼を生かして共に逃亡する。
 今、通り魔とか、高齢者による訳の分からぬ交通事故による狂気の殺人事件が続発している。長男の死、次男の死、石に対する執着、主人公を巡る人生を好転させるためには、戦中のあの忌まわしい事件を清算しなければならない。
 人生は何のためにあるのか。石集めに熱中できた人生は、素晴らしい。過去の忌まわしい体験は、負の遺産を負わせた。全ての不幸はここに起因している。戦中の罰を受けたような生き様を描いた、主人公の人生には、大いに共感できる。しかし、現実には多数の無辜の民を死に追いやり、特攻を命じて若者に人生を奪った、指揮官クラスの老人たちが戦後も、安穏と人生を過ごしている。寿命が来て平穏無事にあの世に去った。連合軍に裁かれなかった悪魔のような爺さんが今も生きてたまに、マスコミでとり沙汰されることがある。こういう老人がまだ生きているのかと驚くことがある。全てを命じられた従った兵士が、戦中の犯罪を忘れて生きてきたのに、家族を不幸が次々に襲ってくる。戦時中の罪を問われたような人生が描かれていると思った。この罰ゲームにも似た人生を転じるには、もう一度やってはいけないと言う後悔の源である事件を逆転しなければならない。SFの中でしたそれは出来ない。現実に生きる人生もやり直しは効くと信じるが、時の勢いの中で、全てが狂気の沙汰だったのだから、後の人生を、人命を大切に、家族を大切に生きていけたら良かった。石集めに熱中、何でも熱中することを追及して人生を送りたいが、幸せな人生を暗転させた通り魔が、彼に切り殺された上等兵の生まれ変わりだったりしたら、古来の前世、現生、後世の因果話になってしまう。人智を超えた所には、そんなこともあるのかもしれない。不可思議がかえって真実を描写しているのかもしれない。難しい。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.36
(5pt)

ズシリと石のように重い読み応え

石に魅入られた男を襲う悲劇。戦時中、死にゆく男から聞かされた言葉が、そのきっかけだが、家族に悲劇を見舞われるのと、戦時中の記憶がオーバーラップして、緊張感溢れる物語世界を味わった。現実世界で破滅が近付く時、戦時中の記憶も悪夢のように蘇るが、主人公が「殺せ」と言う上官の命令に逆らい、軍刀を捨てて投降した時、大宇宙へ繋がる「石」を手に入れるのだ。ズシリと石のように重い読み応えが印象的。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.35
(5pt)

ズシリと石のように重い読み応え

石に魅入られた男を襲う悲劇。戦時中、死にゆく男から聞かされた言葉が、そのきっかけだが、家族に悲劇を見舞われるのと、戦時中の記憶がオーバーラップして、緊張感溢れる物語世界を味わった。現実世界で破滅が近付く時、戦時中の記憶も悪夢のように蘇るが、主人公が「殺せ」と言う上官の命令に逆らい、軍刀を捨てて投降した時、大宇宙へ繋がる「石」を手に入れるのだ。ズシリと石のように重い読み応えが印象的。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.34
(5pt)

ズシリと石のように重い読み応え

石に魅入られた男を襲う悲劇。戦時中、死にゆく男から聞かされた言葉が、そのきっかけだが、家族に悲劇を見舞われるのと、戦時中の記憶がオーバーラップして、緊張感溢れる物語世界を味わった。現実世界で破滅が近付く時、戦時中の記憶も悪夢のように蘇るが、主人公が「殺せ」と言う上官の命令に逆らい、軍刀を捨てて投降した時、大宇宙へ繋がる「石」を手に入れるのだ。ズシリと石のように重い読み応えが印象的。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.33
(4pt)

私の本棚の福永武彦のそばに置きました。

コメント通り綺麗でした。
内容は、夏目漱石の明暗や福永武彦の忘却の河と通じる個人に固執するあまり、一番近い家族さえ情愛が通じない難しさを感じましたね。家族崩壊と個人確立は特に最近当たり前になっていて、以前知的階級の悩みが、趣味に没頭できる時代だからありふれて来たのかもしれない。いわゆる動物的な家族愛と個人確立は両立しないものか、考えていきたい。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.32
(4pt)

私の本棚の福永武彦のそばに置きました。

コメント通り綺麗でした。
内容は、夏目漱石の明暗や福永武彦の忘却の河と通じる個人に固執するあまり、一番近い家族さえ情愛が通じない難しさを感じましたね。家族崩壊と個人確立は特に最近当たり前になっていて、以前知的階級の悩みが、趣味に没頭できる時代だからありふれて来たのかもしれない。いわゆる動物的な家族愛と個人確立は両立しないものか、考えていきたい。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.31
(4pt)

私の本棚の福永武彦のそばに置きました。

コメント通り綺麗でした。
内容は、夏目漱石の明暗や福永武彦の忘却の河と通じる個人に固執するあまり、一番近い家族さえ情愛が通じない難しさを感じましたね。家族崩壊と個人確立は特に最近当たり前になっていて、以前知的階級の悩みが、趣味に没頭できる時代だからありふれて来たのかもしれない。いわゆる動物的な家族愛と個人確立は両立しないものか、考えていきたい。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.30
(4pt)

文体の魅力

作者の近刊「東京自叙伝」とこの本しか読んでいません。奥泉初心者です。
第一印象は、ずいぶんと文章が上手だなあと言うこと。プロの作家さんなので当たり前と言えば当たり前、ずいぶん失礼な物言いですが、一文が長めなので、ずいぶん饒舌に感じる。でも、ぎりぎり推敲に推敲を重ねた感じもわかる。すごい計算の上に生み出された文体なのではないか。私はそういう観点からこの著作を味わった。
表題作のラストに戦慄しながら・・・・・。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.29
(4pt)

文体の魅力

作者の近刊「東京自叙伝」とこの本しか読んでいません。奥泉初心者です。
第一印象は、ずいぶんと文章が上手だなあと言うこと。プロの作家さんなので当たり前と言えば当たり前、ずいぶん失礼な物言いですが、一文が長めなので、ずいぶん饒舌に感じる。でも、ぎりぎり推敲に推敲を重ねた感じもわかる。すごい計算の上に生み出された文体なのではないか。私はそういう観点からこの著作を味わった。
表題作のラストに戦慄しながら・・・・・。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.28
(4pt)

文体の魅力

作者の近刊「東京自叙伝」とこの本しか読んでいません。奥泉初心者です。
第一印象は、ずいぶんと文章が上手だなあと言うこと。プロの作家さんなので当たり前と言えば当たり前、ずいぶん失礼な物言いですが、一文が長めなので、ずいぶん饒舌に感じる。でも、ぎりぎり推敲に推敲を重ねた感じもわかる。すごい計算の上に生み出された文体なのではないか。私はそういう観点からこの著作を味わった。
表題作のラストに戦慄しながら・・・・・。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.27
(4pt)

上玉のブツ

活字中毒」とは、よく考えられた言葉だ。「読書好き」とはニュアンスが違う。活字中毒者にとっては、作品のテーマやストーリー展開は二の次だ。まずは、言葉や文字の力そのものを堪能する。

例えは悪いが、麻薬中毒者が、ブツを体内に取り入れて洩らすため息と、活字中毒者がブツ?に書かれた文字を丹念に追いながら、思わず洩らすため息は多分同じだ。相当のカタルシスが両者をブツの虜にしている。

また、活字中毒者は、おそらく速読はしない。読むのが速い人はいるだろうが、視線はナメクジのように文字を這っているはず。

本書は活字中毒者にとって上玉のブツだ。綴られる言葉に強い力が宿っている為、かなりの快楽状態を生み出す。正に言霊。

加えて、文節にリズムがあり、一文が長めなので、トランス状態に陥るようなグルーヴが発生している。

二本の小説を収録。最初のタイトル作では、ある種奇妙な戦時体験が背景にはあるが、何気ない日常が瓦解していくさまが描かれる。二本目は、タイトル「三つ目の鯰」でも感じるように、最初に奇妙さを提示し、そこへと徐々に近付いていくさまが描かれている。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.26
(4pt)

上玉のブツ

活字中毒」とは、よく考えられた言葉だ。「読書好き」とはニュアンスが違う。活字中毒者にとっては、作品のテーマやストーリー展開は二の次だ。まずは、言葉や文字の力そのものを堪能する。

例えは悪いが、麻薬中毒者が、ブツを体内に取り入れて洩らすため息と、活字中毒者がブツ?に書かれた文字を丹念に追いながら、思わず洩らすため息は多分同じだ。相当のカタルシスが両者をブツの虜にしている。

また、活字中毒者は、おそらく速読はしない。読むのが速い人はいるだろうが、視線はナメクジのように文字を這っているはず。

本書は活字中毒者にとって上玉のブツだ。綴られる言葉に強い力が宿っている為、かなりの快楽状態を生み出す。正に言霊。

加えて、文節にリズムがあり、一文が長めなので、トランス状態に陥るようなグルーヴが発生している。

二本の小説を収録。最初のタイトル作では、ある種奇妙な戦時体験が背景にはあるが、何気ない日常が瓦解していくさまが描かれる。二本目は、タイトル「三つ目の鯰」でも感じるように、最初に奇妙さを提示し、そこへと徐々に近付いていくさまが描かれている。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.25
(4pt)

上玉のブツ

活字中毒」とは、よく考えられた言葉だ。「読書好き」とはニュアンスが違う。活字中毒者にとっては、作品のテーマやストーリー展開は二の次だ。まずは、言葉や文字の力そのものを堪能する。

例えは悪いが、麻薬中毒者が、ブツを体内に取り入れて洩らすため息と、活字中毒者がブツ?に書かれた文字を丹念に追いながら、思わず洩らすため息は多分同じだ。相当のカタルシスが両者をブツの虜にしている。

また、活字中毒者は、おそらく速読はしない。読むのが速い人はいるだろうが、視線はナメクジのように文字を這っているはず。

本書は活字中毒者にとって上玉のブツだ。綴られる言葉に強い力が宿っている為、かなりの快楽状態を生み出す。正に言霊。

加えて、文節にリズムがあり、一文が長めなので、トランス状態に陥るようなグルーヴが発生している。

二本の小説を収録。最初のタイトル作では、ある種奇妙な戦時体験が背景にはあるが、何気ない日常が瓦解していくさまが描かれる。二本目は、タイトル「三つ目の鯰」でも感じるように、最初に奇妙さを提示し、そこへと徐々に近付いていくさまが描かれている。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202
No.24
(3pt)

芥川賞受賞作

石の収集、戦争体験、家族にまつわる物語が効果的にリンクする、純文学とミステリーが混ざったような作品です。硬質な文体と壮絶な展開に、パンドラの箱を開けてしまったような怖さと、じんわりとした哀しい余韻が残ります。
石の来歴 (大活字本シリーズ) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (大活字本シリーズ)より
488419389X
No.23
(3pt)

芥川賞受賞作

石の収集、戦争体験、家族にまつわる物語が効果的にリンクする、純文学とミステリーが混ざったような作品です。硬質な文体と壮絶な展開に、パンドラの箱を開けてしまったような怖さと、じんわりとした哀しい余韻が残ります。
石の来歴 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 石の来歴 (文春文庫)より
4167580012
No.22
(3pt)

芥川賞受賞作

石の収集、戦争体験、家族にまつわる物語が効果的にリンクする、純文学とミステリーが混ざったような作品です。硬質な文体と壮絶な展開に、パンドラの箱を開けてしまったような怖さと、じんわりとした哀しい余韻が残ります。
石の来歴 Amazon書評・レビュー: 石の来歴より
4163146202