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骨を喰む真珠
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骨を喰む真珠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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『骨を喰む真珠』(北沢陶著、KADOKAWA)は、麻薬のような耽溺性に注意すべき作品です。 大正14年4月半ば、大阪実法新聞の身上相談欄を担当する婦人記者・新波苑子は、「私は溺れております 青い家の中で朽ちていきます いずれ 私は」という奇妙な投書を受け取ります。その1週間後のやはり奇妙な投書は文字が崩れており、さらに、そのⅠ週間後に送られてきたこれまた奇妙な投書は、明らかに文字が震えています。 差出人の丹邨孝太郎は丹邨製薬の社長の息子のようです。丹邨家では、なんぞ良うないことが起こってるに違いないと睨んだ苑子は、「化け込み」という手法で丹邨家の娘の家庭教師を装って住み込み、密かに調査を開始します。 そこで、徐々に明らかになったのは、意外過ぎるだけでなく、あまりにも恐ろしいことなので、口にすることは憚られます。 戻らない姉を案じた妹・新波栄衣は、姉の同僚・楢操とともに、真相を探るべく丹邨家に乗り込みます。そこで行われていたことは・・・。 こういう作品に不慣れな私は、こういう作品の作者は、どういう気持ちで書き進めるのだろうかという基本的な疑問が頭をもたげました。 | ||||
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大正時代の、女性の新聞記者が化け込む話で、スリル満点の不気味な前半の展開。 後半からは、思いも寄らぬ美しい展開になっていきます。 中心を貫いているのは、大阪の公害と、そして怪異の美しさ、力強さ。 また、ゴシックホラーとして描かれていて、エロスも感じられます。 構成もきっちりしていて、その丁寧さがはっきり伝わります。 大阪だけでなく、関西の文化そして工場などの弊害、そこに隠された何かを描き出す美しい舞台が完成されているように思います。 神戸と大阪の方必読の、けむりたつ景色が感じられる、ゴシックホラーの名品と言えると思います。 こんな作品は他にありません。作者の次回作も期待大です。 | ||||
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大正末期の阪神は芦屋界隈、新聞の婦人記者・新波苑子(あらなみ そのこ)が丹邨家(にむらけ)に入り込み(化け込み)、家族と話をするなかで、怪しい屋敷での怪異に巻き込まれていく‥‥てな、話の始まりはそんな感じ。 じわじわと不穏な空気が醸成されてゆく前半も良かったけど、主要登場人物がバトンタッチされた後半の展開はスリリングかつおぞましさに満ちたもので、終盤は「うげぇぇっ❗」と吐きそうになりました。 ふと、昔読んだクライヴ・バーカーの〈血の本シリーズ〉のこと、思い出しましたわ。何の話やったか。あの、腐ったはらわたからこぼれる血の匂いに満ちた話の空気感、それと通じるものを、本作品の終盤に感じたんです。読んでて、ぞくぞくしちゃいました。 『をんごく』に続いて読んだ著者の長篇作品。 読みごたえあったんで、次回作をまた、楽しみにしたいと思います。 | ||||
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