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かあちゃん



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【この小説が収録されている参考書籍】
かあちゃん
かあちゃん (講談社文庫 し 61-14)

かあちゃんの評価: 4.45/5点 レビュー 22件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

忘れない、ということ

とにかく泣ける。泣かせるのが上手い作家である。
内容は実に盛り沢山。イジメ、介護、マザコン。

交通事故で夫だけでなく夫の同僚まで死亡。わき見運転か居眠り運転の車を避けて起こした事故なのだから夫も被害者。にもかかわらず「かあちゃん」は罪を一人で背負い、以後26年間笑うことをやめる。幸せだと思うことを自分に封じてしまう。その「罪を忘れない」という姿勢がイジメに苦しむ子ども達を知らずに救っていく。

ようやく被害者家族と和解し、忘れかけていた笑いを思い出したときには、癌におかされ、余命いくばくもないというお約束の展開で物語は終わる。

26年間笑わない。子育てをしているのに子どもに笑いかけることも自分に禁じる。自分がおかした罪でもないのに。よく考えたら凄まじい話である。
理解に苦しむファンタジーととるか、その真摯な姿勢に襟を正すか。

自分の憂さ晴らしに、自分勝手な理由で簡単に人を殺す現代。殺人への時効を撤廃することも検討されている。

いずれにせよ、忘れっぽいに人間に重松氏が放った痛烈な一矢である。
かあちゃんAmazon書評・レビュー:かあちゃんより
406215496X
No.1:
(3pt)

いじめとけじめ

小学生のときに交通事故で亡くなった父、そして遺された母と息子。母は父と同乗していた同僚の方の家族にけじめとして、笑わない、亡くなった人をいつも忘れないことを誓って生きていく、というお話から始まります。その母の厳しさに触れた遺族の孫が、いじめに関わったことで親友が自殺未遂をはかり、その責任から不登校になり、忘れないことが何より一番大切な贖罪であることに気づきます。そしていじめに関わった友人たちの意識を少しずつ変えていきます。いじめは身近な話題。いじめられないために、仲間はずれにならないために、友人を見限ってしまったことは、もしかしたら誰もが経験したことはあるのではないのでしょうか。市井の人にスポットをあてた重松氏の渾身の作。
かあちゃんAmazon書評・レビュー:かあちゃんより
406215496X

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