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温室デイズ
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温室デイズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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学校の闇の部分をえぐり出している。例えば、教師がいじめを見て見ぬ振りをしてしまう所などの細かい描写はリアルだ。 教師は、実利的な理由からいじめを容認する。それは、いじめられる生徒が教師のクラスコントロールにとって都合の悪い存在だからだ。教師は、クラスをいかにコントロールするか、よく言えばまとまったクラスにするか、ということを考えるのが仕事といっても良い。クラス担任の場合はなおさらだ。もっと消極的に、学級崩壊を起こさないように、授業が成立するためにという場合もある。本質的に望ましい集団とは何か、ということを考え実践するというよりも、より実利的で事務的なことで行動している。学校という小さい世界と、日々の忙しさや精神的な種々の重圧からそこに倫理的な思慮は置き去りにされる。 現実を表しているが、解決策がいけない。重松清の「エビスくん」という話を読んだ時にも感じたが、問題行動を起こす子どもに対する見方が一面的で古臭い。不良少年である「伊佐くん」に対する教師の言動は間違っているとは言え現実を表しているが、もしこの学校に格闘家の屈強な先生がいたら暴力行為は収まる。不良というのは案外にそういうもので、実際に中学生の不良は自分より強い暴走族には向かっていかないし、ヤクザに対してなどなおさらだ。つまり、できるからやっている。アドラーのいうところの「目的」が達成されるから暴力行為を行い、ものを破壊するのだ。自分より屈強な相手がいて暴力が通じない、ものを壊したらそれなりのペナルティーを与えられるとなれば「目的」が達成されないので行動は起こらない。それを同級生が合理化のごとく、カウンセリングをするというのはリアルなのかもしれないが不良を曖昧な存在にしてしまっている。そして、行為に肯定的なメッセージを与えることにもなり兼ねず、その行動を助長する。 暴食行為や器物損壊行為を、いじめという言葉や不良という言葉で曖昧にしてしまっている表現はいただけない。この小説ではその部分のリアルさに欠ける。特別支援学級(例えば知的障害のある)の子どもに向かって、「生きている価値がない」と言ったら。国籍を理由に人格を侮辱するような言動を繰り返していたら。そこが描写されれば、最後のような終わり方にはならないはずだ。 著者は教育について専門的な知見を持っていないのだろうが、これを読んだ子どもは、学校とはこういうものなのだという諦めに近い感情を呼び起こしはしないか。結果として、仲間外れをしている現状、いじめがある現状を肯定することにはなりはしないかという懸念がある。 | ||||
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物語に名を借りた教育現場の現状を訴える告発文的作品。 なので登場人物や舞台はそれぞれ象徴的で極端な描かれ 方をしています。 ラストも物語として(ひとつの)解決方法を描く事はできたとは 思いますが、作者が実際に教育に携わっている事や作品の 性格上安易な解決方法を描く事をしなかったと言うより出来 なかったのではないでしょうか。 とは言ってもガチガチのドキュメンタリー風でも説教臭くもなく きちんと物語として成立しているのはさすがだと思いました。 又途中で語りの視点が変わる事により、誰か1人に感情移入 する事無く作品(問題点)を俯瞰的に見る事になります。 その辺りにも、単純に誰かが悪いとか何かが悪いとは言えない という作者のメッセージが有るような気がしました。 いじめや学校生活に最終的になんらかの答えが欲しい人や、 カタルシスを得たい人には向かない作品だとおもいます。 実際に教育現場に携わっている人が読んで、どういう感想を 持つのか聞いてみたい気がしました。 | ||||
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つまらないと思いました。 他の作品では瀬尾まいこさんにしか出せない家族や友人や他人の温かさがあったのですが、この作品は、それがなく、よくあるストーリーになっています。 そして登場人物が浮いて見えました。不良と幼なじみとゆう設定の女の子もどうかと思うし、不良をカウンセリングしてる女の子も嘘くさいです。 嘘くささの中にも晴れやかな気持ちになれるのなら良かったが、なんとなくジトーッと終わった印象。 いじめられたからって・・保健室とかに行かないです。私は、屋上に逃げたり、好きな社会の先生の部屋に入り浸っていました。 重松清さんの 『きみの友だち』の方が感情移入しやすかったし、すっきりしました。 | ||||
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僕は本は読んでも文の方は達者ではないのですが、この本を多くの人に読んでもらいたくて、書き込む事にしました。 この本は、「いじめ」について書かれていて、それは、主人公でもあり、当事者でもある、二人の少女の視点でストーリーが構成されています。 僕も現実の世界でも、似たような事が起きている事を知っているだけあってか、これを読んでいる間、本というより、現実を読んでるような感覚になっていました。 僕の学校では、さすがに絶える力がなくなって、登校拒否をしてしまう子がいましたが、その事を時々振り返っては、「いじめ」られている子を思い出すと、 僕は「その子に何もしてやれなかったなー。」、と思い、情けない気持ちになります。 応援している気持ちは大いにありましたが、私のできなかったことを、どのように切り向けていくのかのだろうか?と考えながらながら読んでいました。 | ||||
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