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温室デイズ
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温室デイズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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著者が現役の中学校教諭であることを認識した上で読んでいるせいか、 ところどころでメッセージ性を感じすぎてしまい、著者の作風である 飄々とした雰囲気よりも、テーマそのものの重さが際立ってしまった 「学校でのいじめ」を瀬尾さんが描くとどうなるんだろう、 という期待をもって読み始めたのが、どことなくありきたりな作品の印象を受けた | ||||
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この作品を読みながら、ふと考えたこと。 学校に来られなくなった生徒には、同情や優しさや、義務や立場から、色々な手が差し伸べられる。大体において。 しかし、学校に登校しながらはみ出している、はみ出しかけている生徒には、厳しい言葉が飛ぶ。もっと頑張れ、何故きちんと出来ないのか云々。 作中にも同じようなことが書かれていたけれど。 この違いは、何に根ざしているのだろう。 どちらも一人の人間なのに。 ある教師が言っていた。 「学校が立ち直ったのは、教師の力じゃない。荒れている先輩達の姿を見て、同級生の姿を見て、これではいけない、と大多数の生徒が思ったこと。それが始まりだった。それから何年もかけて、今の落ちついた我が校がある」と。 「学校」という名の集団は、本当に「温室」なのだろうか。確かに「学生」という身分で守られていることは、大人のそれよりも遥かに多い。その意味では「温室」かもしれない。 それでも、殆どの中学生達は頑張っているのだ。家庭、友達、学校、恋愛、自らの思いと環境の中で、もがいてあがいて、本にはそうと気づいていなくても、必死に。彼も、彼女も。 何をどう見つめていけばいいのか。 この作品に、明確な答えはない。読むのにもそう時間はかからない。 だからこそ、読み手の思考を求めるいい作品だと思う。 現役の教師が書いているということがまた、問題提起のような気がしないでもない。 | ||||
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最近は純文系で長くしっかりした構成の本を読むことが多かったので、ちょっと肩の力を抜きたくて、さらっと読めて読後感も爽やかな瀬尾まいこを読んで、少し休憩しようと思って購入した。 今作のテーマは中学で起こるいじめ。作者の現役教師の視点さながらのリアルな設定や人物描写はよくできてるし、ご都合主義や安っぽいハッピーエンドなんかにしない所も、いつもながら程々で良いと思う。ただ、今回はいじめがテーマなので瀬尾まいこの持味の一つであるユーモア溢れる会話がほとんど無い。(「図書館の神様」や「卵の緒」にあった、軽妙愉快な台詞達…。)もともとあっさりした作風でパターンが決まりがちな作者だけに、ユーモアが無いとなると面白みが欠けてしまう。 なので、簡単に読みすぎてしまい、あれ?これで終わり?といった感じ。 まぁ、作者の「ほどほどに書く巧さ」に、私自身飽きてきたのかもしれない。「今回もこれ位でいいでしょ」みたいな。 素直に読めない私も、嫌な読み手になったんだなぁ | ||||
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この話は瀬尾作品の中で1番重かった。最初は重いけど最後は暖かいという作品が多いがこれは違った。 みちるや斉藤君のような人は「温室」での生き方をどこかでわかっている。優子や瞬はどんどん流され、落ちていってしまう。優子と瞬の会話はどこかに寂しさがあった。 いじめられる人、いじめる人、登校拒否児、不良…何かに流されている、落ちていこうとしている。誰かに止めてほしい、すくいあげてほしいと心の底で思っているかもしれない。だから周りの人間は気付いてほしい、見離しちゃいけない、諦めてはいけない。 負けてもいい、決して諦めてはいけない。 | ||||
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中学生という身分が守っていることが実はたくさんあって、それは外にでてみないとわからないことだと思う。そのなかでダルダルで生きるか、中学生として生きるか、逃げ出すか、無難に生きるかなど、その守られる範囲のなかでも選ぶのは中学生自身。みちるの中学生活、優子の中学生活、斉藤の中学生活、結果がつらいものであれ、中学生とういう生活のなかにも生き様みたいなものを見た気がしました。 気づかない程度でもきっと何かが何かに少しずつでも、影響しあっているんだと思います。 | ||||
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クラス崩壊やいじめの問題は珍しくなくなっている。だからと言って見過ごすことは できないのだが・・・。一人の人間が標的にされていても、誰もとめる人はいない。 担任までもが見て見ぬふりをする。こんなことが実際に多くの学校で起こっている。 読んでいてつらかったが、反面怒りも感じた。一人を寄ってたかってみんなでいじめる ことに何の罪悪感も感じない今の子供たち。それをとめようともしない大人たち。 世の中、どこかおかしい。中学校生活はもうぬるま湯ではないのだ。見せかけだけの 「温室」の中にいる子供たちは、これからどうなるのだろう?先が全く見えないことに、 とても不安を感じた。 | ||||
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「温室」とはよく言ったものです。 日本の学校は「めんどくさい」「いや」という甘えが通用する。 保健室や特別室がそれを許している。 どうして逃げ場を用意してあげるのだろう? この根本的な甘やかしが、 今の日本の若者の現状をうみだしてはいないだろうか? みちる、優子、斉藤それぞれの「自分を守る方法」。 誰も教師を当てにしてない。 この「温室」は教師にとっても言えること。 問題の解決で終わらなかったところに 現役教師、日本の教育のあり方への大きな課題が託されている。 現役教師がこのテーマを書いた。 名の知れた教育者ではなく、若い一教師が。 この勇気と意味を考えたら、 気軽に読み流すことはできません。 | ||||
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僕は本は読んでも文の方は達者ではないのですが、この本を多くの人に読んでもらいたくて、書き込む事にしました。 この本は、「いじめ」について書かれていて、それは、主人公でもあり、当事者でもある、二人の少女の視点でストーリーが構成されています。 僕も現実の世界でも、似たような事が起きている事を知っているだけあってか、これを読んでいる間、本というより、現実を読んでるような感覚になっていました。 僕の学校では、さすがに絶える力がなくなって、登校拒否をしてしまう子がいましたが、その事を時々振り返っては、「いじめ」られている子を思い出すと、 僕は「その子に何もしてやれなかったなー。」、と思い、情けない気持ちになります。 応援している気持ちは大いにありましたが、私のできなかったことを、どのように切り向けていくのかのだろうか?と考えながらながら読んでいました。 | ||||
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課題図書にもなってる本です。荒れるクラスをどうにかしたくて、声を上げたためにイジメに遭う子と、その親友優子は、それをどうにもできずに、教室に入れなくなる... 凄くリアルでした。大抵の場合、こういう本って甘甘で終わるじゃないですか、金八みたいな感じで。円満に解決して仲良くなって終わる。でもこれは、リアルで、円満解決はありませんでした。私も中学のとき、クラスが荒れるばかりで、イジメられた教師が怪我しながら三人ほど辞めて行ったりしたことがありました。思わずそれを思いだしました。それほどにこの本はリアルでした、まるでドキュメントのようで。私はあの時、イジメとかが嫌で声を上げませんでしたが、これを読んで少し後悔しました。みんながこれを読んで、クラスを良くしようと決心できればいいなと思います。クラスが荒れてたりして、困っている人や、毎日つまらないと思ってる人に読んで欲しいです。 | ||||
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小学校で学級崩壊を経験したみちる、いじめに遭い転校していった親友優子を助けられなかった後悔から再びその轍を踏むまいと決めたのだが…。落書き、タバコ、禁止されているはずの自転車登校…中学3年生のみちるの前で、少しずつ、少しずつ学校が壊れていく… こわい!学校はこうも壊れていくのか…。 今までの瀬尾まいこさんのじんわりあったかい感じを期待して読んだら、のっけから潰されてしまいます。親友を助けられなかったという苦い後悔、また崩壊の構図の愚かさを知っているからこそ逃げずに立ち向かうみちる、転校、保健室登校、フリースクールを転々としていく優子。しかし温室の中で守られているのは2人ではなく、教育を受ける権利の名のもとに何をやっても許され、守られている現実なのかもしれないと思いました。 中学生は本当に生きにくい世の中になってきていると端で見ていても強く思います。でももがき苦しんでも強く生き抜いてほしい、大人も逃げないでちゃんと向き合ってほしい。そんなメッセージが聞こえてきました。 | ||||
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小学校時代「いじめ」を主導したことへの罪滅ぼしなのか、 中学では「いじめを止める側」になり自らを傷つけられることに 身をまかせた主人公みちる…。いじめた側の謝罪や和解で ハッピーエンドかと思いきや、謝罪も和解もなくただ中学生活が 卒業式と共に終わり、そこで「いじめ」と訣別というあっけない エンディングにとてもリアルを感じてしまった。 子どもを持つ親として仲睦まじいと思っていた我が子のクラスにも 大人の目が届かない場所には「権力」があり、自分が好まなくとも 「いじめ」の輪に関わらなければならない子どもたちや、不器用さや 正義感のために傷つけられてしまう子どもたちがいることを知って しまった今、主人公みちるが卒業式までの日々を「あと少しで(いじめ が)終わるんだ」と思いながら戦い続けた姿を大人にも知って欲しいと 思う。 現役の教師でもある瀬尾さんはこの作品を世に出してしまったことで 苦境に立たされていないだろうか…と妙な心配をしてしまう一方で、 この作品が世に出たことで苦しんでいる子どもたちの心が救わるのでは ないか…と希望を抱くことができた読後だった。 もし、自分のお子さんがみちるのように「いじめ」と戦っていたり、 もう一人の主人公優子のように登校できない状況にある親御さんが いたら是非よんでほしい作品である。 | ||||
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とてもリアルです。人の心の動きも、崩れてゆくさまも。 ひとことで簡単に感想の言える本ではなく、読む人それぞれによって様々な思いを持って読めると思います。とても重く苦しくて目を背けたくなるようなことでも、この筆者が描くと、静かにまっすぐに目をそらさずに読もうという気になります。ヒステリックに学校や教師を無能や悪者扱いしたり、荒れる子を単純に切り捨てたりするのでもなく、単純に何かを、誰かをこうだと決めつけて、悪にしたり正義にしたりするのでなく、筆者のまなざしは冷静に公平で。それでいて、考えさせられずにはいられない。 自分はどう戦うのか?なにができるのか? | ||||
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どんな状態であろうとも、教室という空間で過ごさなければならない3年間。 その中学も残り僅か3年の二学期も半ばから、2人の女の子を交互に描いた。 崩壊してゆく中学校に望みをかけて声を挙げたみちるは、いじめの標的にされる。 仲良しだった優子は、みちるを救う行動も、みちるの現状を見ることも出来ず教室に入れなくなる。 そのみちると優子を卒業まで交互に描いた。 旨いなぁ・・・・・。 大人が想像した中学生って感じでもなく、 イジメで人格が変貌した当事者の叫びでもない。 教室に通うしかない中学生の現状の中で、 いじめから逃げないみちるの気持ちと、 いじめが発生した教室から逃げた優子が、 中学の温室と言われる環境とどう折り合いをつけて暮らしていくか。 教育委員会が実際にしていること、教師は駒の補充のような存在で、 崩壊に対し嵐が過ぎるのを待つだけのような大人たち。 でも、その嵐の中に通わなくてはならない中学生。 学校生活に意味があるのか考え始めてしまったとき、こっそりこの本を渡してあげたい。 課題図書に選ばれてしまったけど、ここまでリアルな本に対し、感想文を要求されるのは可哀想だ。 現役中学生には、教師や親に感想を強要されず、胸の中で反復させてあげたい。 | ||||
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十数年前の中学時代の頃を思い出した。多少、荒廃してたのでそこにだけ澱む空気感が蘇ってきた。私には主人公の二人の放つ言葉にはリアリティーを感じ胸が痛くなった。閉塞感と焦燥感で満ちた学校も、社会という枠からすればやはり守られてる温室なのだという然という事実。けども、大人だけでなく子供も懸命にもがき苦しんで生きてるというのも事実。意外に、子供も大変なのだ・・・・・書きたい事はホントは沢山あるのだけども、あり過ぎて混乱してしまうのでこれ以上は止めにします。伝えたい事は一人でも多くこの本を手にとって読んでほしいという事、それだけです。 | ||||
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