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ドゥルガーの島
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ドゥルガーの島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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篠田節子らしい、宗教と信仰、人間の生を織り交ぜた展開で楽しめる。 インドネシアの島に暮らす人々と、外部から来た人間との対比により、視点が違う現象への熱量ととらえ方の違いがストーリーとして読み応えある。 ただ全体的に著者にしては表面的というか、もっと日々の暮らしの人間の生きる力というか内面の描き方が予期の頃より弱く感じる。 これは本作に限ったことではないが、初期のころのようなドロドロした感覚が最近薄い。 主人公の言動や、女性の学者や現地をフィールドワークで訪れる学生などもどうにもちぐはぐ。 個人個人をもっと丁寧に描けば感情移入しやすかった。 | ||||
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「冒険傑作小説」ではけしてありません。「ローマ、アラビア、ヒンズー文明の交錯」「原始信仰、イスラム教、ヒンズー教のせめぎあい」「原住民の差別」といったインドネシアの孤島をめぐる風土記にくわえて「海中考古学」「建築史」「遺跡発掘、保存と開発」などの工学・政治的要素、さらに「日本人と現地人の軋轢」といった文化人類学的見地などたくさんの要素を細かく埋め込んだ「超長尺SFファンタジー小説」こそがいちばん適していると思います。 残念なのは主人公をバツ3の元ゼネコン社員と描くだけで人物像としての深みが皆無で、2人の学者もまったく個性を描写していません。その他脇役に至っては「男子学生」「女子学生」だけで固有名詞すら与えられません。小説としていちばん大切な「感情移入」がまったくできませんでした。 そしてエンディングはなんと「失われた岬」とまったく同様に『火山オチ』であったことに愕然とさせられます。 やはりこの作者さんは「田舎のポルシェ」「セカンドチャンス」系の『人情噺短編集』がいちばん筆力を発揮できると強く思いました。 | ||||
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前作長編の『失われた岬』が、彼女にしては珍しく失敗作のように思えたので、この作品は失地挽回の期待をこめて読み始めた。 今年から図書館利用を始めて、基本的に手元に置いておきたい本以外は買わないことにしているし、これまで読んだ小説類のほとんどは処分してしまっているが、篠田節子の本はほぼすべて蔵書にしているし、本作も禁を破って購入した。 それほどの期待を込めているのである。 で、結論はというと、これがまた彼女得意の『ゴサインタン』『弥勒』『インドクリスタル』等の系譜に連なる異境ものなのだが、『女たちのジハード』以来の軽妙でシニカルな視線と描写を失わないまま、円熟味が増してとても素晴らしい。 舞台は、インドネシアの架空の火山島である「ネピ島」。 そこにアラビア系と自認しているが顔立ちと体格はインドネシア人そのもののイスラム教徒が11世紀から住み、島の反対側のサンゴ礁に囲まれた入江には、イスラム教徒から首狩り族として差別されている部族が住んでいる。 そこに、大手建設会社勤務の主人公がたまたま訪れ、サンゴ礁の側に遺跡らしきものを見つける。 そこが発端となって、日本の考古学者や文化人類学者を誘って現地に調査に行くのだが、何と出発前日には3番目の妻が逃げ出して3度目の離婚。 さらに、現地の部族の習俗と住民間の対立、インドネシアの遺跡保護の問題、火山の爆発、イスラム過激派と様々なファクターが現れて、話はどうなって行くのかとハラハラさせられるが、最後はちゃんと着地。 インドネシアのボロブドールをはじめとする仏教遺跡の保護政策も詳しく紹介され、物語の中にしっかりと取り込まれているし、同国がイスラム化する以前の仏教時代、ヒンドゥー教時代にも詳しく言及されて、それがストーリーの厚みになっている。 主人公が少しおっちょこちょいで、その味もよく出ていた。 読後感よし! | ||||
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通常なら氏の小説は一気読みが多いんだが、今回少々読み進むのに時間が掛った 主役の「ボロブドゥールを作った」の自負がしつこすぎるのと名誉欲?みたいなモンが鼻について… 男女の役割という対比上、自負心と名誉欲が強い中年ってのが物語りを進行する上で必要な役だったんだろうが はい。ワタクシあの辺りの地域は主に仏教だとばかり思っておりました。正しくボロブドゥールとプランバナンしか認識してません!そういう点では興味深かったんだが、物語りとしての吸引力がいつもより少々控えめというか 基本は楽しみましたが。面白かった~というより、歴史の教科書を教科書よりはかみ砕いた感じで読ませて頂きました って感じ | ||||
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篠田さんのこの手の異教の土地でのありえない出られない物語を楽しみに予約して即購入。しかし、中途半端な場所に踏み込んではすぐ日本に戻り、またその島へ気になって向かい、そしてまた日本へ戻る、を何度繰り返すんでしょうか。しかも中途半端な主人公が。普通の主人公であっても「ありえない」物語ならいいのです。出てくる人物全てになにもなく、そしてなにも起こらない。これは結局なんだったんでしょうか?結局その島はなんだったのでしょうか?なにがしたかったのか、なにが言いたかったのか、なのが面白かったのか、全ての軸がなく、そして終わる。考えて作ったとも思えないくらいのよくある話。はっきり言って高く値段設定するために長くしたんでしょうか、、と、読後怒りさえ湧きました。本当に凄い作家と「弥勒」を読んだときの感動が忘れられず期待した私がいけなかったんでしょう。残念です。 | ||||
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篠田節子さんの大ファンで、この作品も予約して楽しみに読み始めました。『弥勒』や『インドクリスタル』の興奮ふたたび!という帯の文句にワクワクしましたが、間延びしたストーリーは無駄に長く、読むのがとても苦痛で、大好きな『弥勒』や『インドクリスタル』には遠く及びませんでした。『失われた岬』を読んだときにも感じましたが、残念ながらここ数年の篠田節子さんの作品は頭打ちな感じがして仕方ありません。世界で一番好きな作家さんなので、是非とも頑張ってほしいです。 | ||||
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●濃密な筆致でリアル感はあるが、なかなかダイナミックな展開に移行しない。同様な考察や似たような場 面のリフレインが多く、冗長で退屈。おまけに衒学的すぎて若干だれ気味。 プレゼンテーションの成否は最初の数十秒で決まると言われている。即ち冒頭で聞き手の興味や関心を引 くことが重要。 で、本書は残念ながら半分まで耐えても面白さを感じなかった。give up です。 | ||||
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篠田作品の特徴を天気に例えるなら、晴れで始まった一日が、どこともなしに灰色の雲が発生し、そして不気味に黒い雲が湧き始め、それらが広がり、もはや逃げ場のない状況にまで追い込まれ、「さあどうするのだ」と人物も読者もその世界に誘われてしまう、そんな魅力があると思っています。 今回もそのような篠田ワールドを構成する要素や緻密な描写は存在するものの、「日本人の軸の細さ」「現地人のミステリアスな魅力の不足」など、非常に散漫かつ冗長な印象を受けました。「鏡の背面」以後の作品には、正直、失速を感じています。帯には「インドクリスタル」と並ぶかのような煽り文句がありましたが、それは「搾取」「保護」という物語の構造の話であるなら理解できるものの、内容に関しては残念ながら、あの傑作には遠く及ばないと感じました。 | ||||
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30年近く篠田さんの大ファンです。今回の作品も、いったいどこにどう着地するのかわからない、トンネルの暗闇を手探りで進むようなワクワク感を味わいました。超常現象かと思いきやウラがある、みたいな小ネタも大好きです!!発売日と夏休みが重なり一気読みでした。 | ||||
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