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街とその不確かな壁
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街とその不確かな壁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全221件 141~160 8/12ページ
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村上春樹の小説はシンプルに言うと,いつも主人公が俗世間から離れて「隠遁所」へと入っていく点が好き。今作も壁に囲まれた街や図書館にある半地下の部屋とかナイスな隠遁所に入ってくれました。あとは蛇足ですが冒頭の17歳と16歳男女の瑞々しい情景も良かったかな。 春樹ファンは気にいると思いますよ。 | ||||
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かれこれ40年近く、多くの村上作品とともに歩み歳をとってきたひとりとして今振り返れば、そんな自分も1Q84の頃までは確かに村上主義者であったように思います。しかし多崎つくる(素晴らしい作品でした)の頃くらいからどうやらそれを通り越し、村上賛成派という感じに変化していったような気がしています… 今回は、若いうちまでは強烈な思い込みとして確かにそこにあったはずの壁(16歳の少女への恋心)のことを、大人になり現実社会の様々な経験(これこそが作中に出てくる疫病なのでしょう)をしていくうちにだんだんと忘れてゆき、心の師のようにも描かれている元図書館長との出逢いや、コーヒーショップの女性と精神的なところで少しずつ繋がっていくところ(ここが実に美しかった!)や、イエローサブマリンの少年(若かりし頃の影の化身なのでしょうか)との奇妙な関係などを通し、そこに確かに存在していた街(作品中実在した16歳の少女の記憶)とともに不確かなものへ成り果てた壁(薄れゆく恋心)は、大人としてはまだまだ成熟途中にある40半ばの男の頭の中でその100%の純朴さを失っていき、ゆっくりあやふやなものへとその姿を変えていくというある意味喪失の物語、あるいは喪失することで得られる成長の物語なのではないでしょうか。 これまでと同じく、この作品でも村上さんは多くを語りますが、最後までは決して語らない。結末はまたしても我々読者の想像に委ねられているわけですが、それで良いのです。それでこそ、です。と、村上賛成派の自分は思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか。 | ||||
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壁に囲まれた街は時間が止まっている、それはひきこもりが自分の世界に捕らわれているような世界のことなのだろうか?我々は勇気をだしてそこから抜け出し、時間を進めなければならないと作者は言ってるのだろうか?いや、現実世界になじめないパーカーを着た少年は時が止まった世界にこれからも住み続けるのだろうか?時が止まった世界は無意識の世界、人間は無意識と意識を折り合いをつけて生きなければならない、無意識の世界だけで生きるとはどういうことなのか? | ||||
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40年以上前に発表したものを 書き直して 71歳で出す彼の力量と その軌跡がすごい 誰もが経験したコロナ禍で 見つめざるを得なかった世界と 人間の死の意味するもの 自己との向き合い方を あらためて一冊の文学書から 投げかけられて さらなる思考を求められる | ||||
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村上さんの物語をたっぷりとエンジョイしました。ファンは必読だと思います。お話が騎士団長から図書館長になって、何だかよく分からない不思議なオジサンが現れて、とても頼りになる女性たち。また一つ、大好きなお話が出来て来た気がします。1Q84もそうなのですが、私は個人的に「続編」があるものという意識をして待っています。この作品にも、きっと「続編があるはず」と思い込んでしまっているのですが…。 | ||||
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文庫化されるまでスルーを決め込んでいたが、話題には抗えず 手に取ってみた。 結論から言うと、安心して読むことができたし期待を裏切らない 内容だった。 そこにはいつもの村上ワールドが展開されていて、その街の住人 になったかのようにその世界を堪能できる。 ここからはネタバレ注意。 ただひとつ釈然としないのは、ラストでテンションが最高潮に 高まった状態でページを繰った時、そこにあった文字は 「あとがき」だった。 なんとも唐突に物語はそこで終わりを迎えていた。 こんなことならページを繰ってもずっと同じページ番号 だったら良かったなと、思わず一人つぶやいてしまった。 そしてあとがきにも書いてあった通り、この作品で氏は やりきったとのことで、これが最後の作品になるかのような 寂しさを拭えなかった。 | ||||
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壁の外と中の世界を交互に描いた文章。情景を目に浮かべながら読むことができて楽しめた。村上春樹の世界観は人によってハマるものとハマらないものがあると思う。作品によって引き込まれるものがある。この一冊はまさに私にとってハマるものであった。じっくりと読むことで秘密と筆者が語っていたことが理解できた。やはりこういう作品は最後まで読まないとしっくりとハマらないのだろうか。一読の価値ありの作品です。 | ||||
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「多崎つくる」のように最初に大きな謎(理由のわからない突然の断絶)が提示されるが、多崎つくると違って、その謎は解明されないまま終わる。単なる好き嫌いの話だけど、僕は多崎つくるのようなシンプルな話のほうが好きです。 でも、実は、今までの中でいちばん違和感なく読めた村上作品でもあります。理由は僕自身がメンタルに不安定になって、ものの見方が変わったからかもしれない。 | ||||
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特にない | ||||
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今まで敬遠してたが、初めて手に取った。 読み進めるのが苦痛。描写など丁寧だし、それだけはいい…けど、丁寧すぎてだらける。登場人物達に好感ももてない。『影』は真っ黒でもないしまるでコピーロボットのようですね。 タイトルに惹かれたけど。高いし損した。 主人公の恋破れて内に閉じこもってしまう描写のみ共感したけど。まさかの、いきなりラノベ的展開。穴にリアルに落ちたら異世界だった(壁の内側)まじか。 ラノベは好きですよ。ええ。けど…合ってない!! 頑張って読んでますが、内容は重いし、共感できない人ばかり。ただただ鬱になりそう。 村上春樹をこれ以外に手に取る事はないでしょう。せっかく手元にあるのだから読みますが、あくまで『もったいないから』です。 はぁ〜好きならしょうがないでしょうが、エロい描写(妄想)ほんと要らない。本屋で買ってたならまず買わなかった。 第二章の途中から進まない…最後まではパラパラと。うん。伏線かと思った繰り返しの表現は置き去りのままだし、いろんな話(出会い)が膨れ上がり余計に意味がわからないから暫くはこのまま本棚に眠るかな…せめてわけわからないなら第一章だけで終わらせとけば『まだ』マシだった。 分厚さのせいでページの真ん中は取れてるし、スピンは初めからささくれてるし…。 | ||||
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唯井、村上春樹に触れる 当零細Blogで氏の作品を扱う時は、概ね批判的なものでしたが、今回は好感を持って読み終えることができました。 その理由の第一は、その長さにあります。 全647ページ、長編と謳われていますが、氏のこれまでの長編小説からすれば驚くほど短い部類ではないでしょうか。 それが幸いして、ストーリーがすっきりと展開され、これまでしばしば見られた無用な停滞がなく、見通しの良い仕上がりになっています。 特に全編のテーマの提示部にあたる第一部は、ラノベ調+パラレルワールドで軽快に展開されます(挿絵がレイアウトされていたら、何て夢想してみました)。 ここで、唯井はごく自然に村上ワールドに入ることができました。 第二部は、本来の村上節炸裂ですが、本作中央部に子易さんの半生記とイエローサブマリンの少年の登場を配置して、物語の中弛みや停滞を救ってくれています。 おそらく、ハルキストと称する方々は随喜の涙を流すであろう、次のような表現に、唯井は初めてその良さを感じました。 ちょうど夜が明けて、やがて窓から日が差してくるみたいに(P249) 凍えた鉄釘に劣らず、命をそっくりなくしております(P.288) 驚くほど短い第三部は、実に55ページに過ぎないのですが、それまでの物語りをひっくり返すに堪える素晴らしい結末です(村上作品の結末は何時もこう上手くいったためしがない)。 本作のテーマ タイトルにもある“壁”、街の掟である“影”と切り離されること、図書館にある“半地下”の正方形の部屋、物語の推進役になる主人公が観る“夢”。 どうしても欠かすことのできない村上ワールドの小道具類―――”ブルーベリーマフィン”やクラシック音楽、JAZZの名曲の数々。 主人公が手慣れた手際で拵える手料理と酒・・・。 ※ SEX描写は、何故か封印されています。 17歳の主人公と1歳年下の彼女との会話でから生み出された壁に囲まれた街。 その内側と外側という物理的間隔と、影と本体とが共振して、主人公の実体が解体していく不穏な予感で終わる第二部―――、 ねえ、わかった? わたしたちは二人とも、ただの誰かの影に過ぎないのよ。(P.598) これまでの村上作品では、物語はここまで進むものの結末が拡散してしまい、もやもや感満載のラストとなってしまっていた訳ですが、本作では先に書いたとおり、驚嘆すべき、あるいは見事な結末が用意されていました(!)。 第三部の意味 嵐は、村上作品に対して、珍しくストーリーの先読みをして読み進めました(もちろん、悉く外れたのは言うまでもありません)。 そうした無駄な先読みを見事に、鮮やかに裏切ってくれたのが第三部です。 ここで、読者は第二部の主人公が、実は、第一部で単身街を命がけで脱出した主人公の”影”だったことを知らされます。 大丈夫です。心配はいりません。あなたの影は外の世界で無事に、しっかり生きています。そして、立派にあなたの代わりを務めています。(P.645) 賛否両論のある、A・クリスティーの『アクロイド殺し』のトリックです。 第二部の主人公にたっぷり感情移入している読者にとって、これは衝撃的なラストでしょう。 そして、嵐も作者の語りを追いかけて、先読みを含めて、主人公の行く末を案じていただけに、ショックは大きかった・・・。 そして、この衝撃、ショックこそ村上春樹氏が本作に込めたテーマだったのです(そして、少なくとも、嵐には大成功と賛辞を贈りたいと思います)。 騙された! と憤慨する読者がいたら、それだけ本作が成功作である証拠であり、作者は一人ほくそ笑むことでしょう・・・。 本作の瑕疵 例えば、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は立派な推理小説と評することも可能です。 しかし、そういうジャンル分けを飛び出して歴史的な名作に成りえたのは、作品に盛り込まれたサブストーリーにあります。 村上春樹氏の本作が傑作と呼ばれるためには、そのサブストーリーに注目しなければなりません。 アンチ・ハルキストを自認する嵐から観ると、本作のサブストーリーは貧弱です。 子易さんの人生訓(55-P496~P.504)はなかなか読ませる内容ですが、他の、例えばコーヒーショップのオーナー兼店長の女性とのやり取りの食い足りなさ、街の成り立ちについての説明(主人公の解釈)の省略など、本作を読みやすくさせた分、刈り込みが過ぎたようでもあります。 唯井にとって楽しく村上ワールドを満喫できましたが、世のハルキスト諸氏はどう評価するでしょうか(なお、本エントリを書くにあたって、本作の書評、レビューは一切読んでいません。掛け値なしの唯井の感想であることを書き添えておきます)。 | ||||
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ファンなので買いました(笑)内容は好みだと思います | ||||
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40年前とか、かなり前の自分と向き合ってみようと思う。何が変わったか何が変わらなかったか。 | ||||
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長編小説は、なんと8年ぶりだったのですね。 村上春樹先生の小説は、もちろん短編小説も面白いのですが、ぐっ!!とのめり込める長編小説が好きです。 大事に少しずつ読んでいましたが、後半は我慢できず一気に読んでしまいました。 きっと何度も読むことになると思いますが… とりあえず、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを再読しようかと思います。 | ||||
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第一部では、語り手の混乱が見られる。17歳の主人公の後ろから村上春樹が二人羽織のように操っている場面がある。初期作品の焼き直しとしても、校正が不十分と感じる。 どこにもない街とどこにでもある壁をめぐる現代のグリム童話。文章の巧みさは評価通りだが、期待値が高いだけに失望もあった。 | ||||
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ああ、私たちは(私も、村上さんも)歳を重ねたんだな、時代は確実に変わったな、としみじみ感じた一冊でした。 村上さんがずっと前から書いていた世界観が、わからないまま勢いで読み進めさせちゃう的なものをそぎ落とし、むしろ噛んで含ませるようなストーリーテリングで描かれています。 語り手の村上さんも70代に。彼の作品を読み倒してきた私も50代になり、彼と一緒にあの世界をちょっと遠い目になって見てきたような感覚がありました。 | ||||
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まだ、読み終わっていませんが楽しみに少しずつ読んでいきたいと思います。 | ||||
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この作者の文章は、わかりやすくてどの作品も何も考えずに読めるから重宝しています。偉そうですいません。 今回の作品もあとがきにもかいてますが、いつも通りの虚実ないまぜの意識と無意識とかのテーマで安定感があります。 娯楽作品としてロックでウイスキー飲みながら読めます。 個人的には2部がクドい気はします。日々のルーティン愛しているようでをいつもクドクド書くのが好きな作者ですが、いくら評価の高い作者でも編集者もアドバイスすべきではないでしょうか。くどいょって。 とにかくこの作者は初期作品からアイロンがけが好きですね。なんのメタファーなのかわかりません。教えてください。 次回作は老年の主人公が、老いの苦しみについてクドクド語る作品をきたいします。 | ||||
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村上春樹の長編小説は今作が初めてでした。タイトルがかっこいいので手に取ってみたのですが、内容はかなり退屈なものでした。特に第一章が絶望的に詰まらないです。おじいさんの妄想振り返り恋愛小説に共感するのはおじいさんだけじゃないでしょうか? お話が面白くなるのは第一章の後半からで、第二章以降は割と楽しんで読めました。が、とにかく描写がクドい。これを「文学的」と評価するかどうかは読む人のマゾ度(あるいは教育度)によるんだろうと思います。 読み終えた感想は「長い」の一言に尽きます。内容の希薄さを、幸いにも豊富な文章表現で何重にも包み込む事でやっと価値を見出せる作品、という印象です。 個人的には、この読後感を12万字程度で表現して欲しかったなと思います。そうであったならamazonレビューで星4くらいの価値はあったんじゃないかなと思います。ストーリーの筋だけ考えれば600ページも費やす(費やしていい)内容とはとても思えません。また、僕自身はビートルズのファンで、イエロー・サブマリンなど作中に同バンドに関連する事柄やアイテムがいくつも出てくる事には好感を持っていますが、一方でいつまでビートルズビートルズ言ってるつもりなんだろうかと少し不安になりました。要するに感性の古臭い感じが滲み出ています。もっと今を見て欲しいなと思いました。 話は若干それますが、この本を読む前に小川哲の「地図と拳」を読んでいた事もあり、両作品に共通する「街と地図」の概念、もしくはその単語の使い方に注目して読ませてもらいました(またマジックリアリズム的な手法という点でも共通点がありますね)。 存在しない街を舞台に描かれる意識と非意識、現実と空想(妄想)、嘘と本当。 両作品は内容やテーマこそ違うものの、実はかなり似通ったアイテムを共有しているようにも思えます。だから何だという話ですが、つまり「地図と拳」が素晴らしかった分、「街とその不確かな壁」のガッカリ度が異常でした。ということです。 多分二度と読み返すことはないと思いますが、不思議と村上春樹文学に対してノーだという気も起きなかったので、機会があれば「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」とかを読んでみようかと思います。 あと全体的に悪く言いましたけど、そうは言いつつもKindle版と単行本の両方とも購入しているので許してください。お願いします。 | ||||
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久しぶりに読んだ村上氏の長編小説はとても良かったです。現実の世界と壁に囲まれた街との対比は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思わせる部分もあるが、氏の描いて見せる世界はとても魅力的で終わりまで楽しんで読めました。ファンには必読です。 | ||||
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