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街とその不確かな壁



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【この小説が収録されている参考書籍】
街とその不確かな壁

街とその不確かな壁の評価: 3.89/5点 レビュー 221件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全150件 1~20 1/8ページ
No.150:
(5pt)

村上春樹の集大成的な作品

どこを読んでも日本語が美しい。「きみ」と「僕」から「君」と「私」、それから「彼女」と「私」に視座が変わっていく。そこに引き込まれてしまう。
街とその不確かな壁Amazon書評・レビュー:街とその不確かな壁より
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No.149:
(5pt)

おそらく作者の「何かを伝える」という意味を考えてはならない

本書では珍しくあとがきが付けられている。
この中で、いくらか説明されているが、書かなければならなかった小説であり、今じゃなければ書けなかった小説だったようだ。
画家のジョルジュ・ルオーが以前描いた自分の絵画を買い取り、改めて書き直した逸話を思い出した。
その時の力量では中途半端だったものが、今ならば完全な形に作り上げられる、その思いのために書かれたのだろう。
小説を通して何かを学ぶ、何かに気付かされることを求めてはならない。
一人の作家の思考を追体験するだけであり、そこから何かを捉えるのは読者個人の自由に任せられる。
1章だけではだめだったとあとがきで書かれてあり、個人的に思うのは2章で終わってもよかったが、あえて、3章を付け加えている。
読者としては4章でその次を知りたいと思えるような内容だ。
しかし、3章で終わって、その後のことは誰も知らないし、私達が考えたら良いのだろう。
おそらく、読者が紡ぎ出す存在しない4章がこの小説の本質なのかもしれない。
実体と影が合わさる4章は私達の生きている世界だろうし、壁の中の世界(これまでも一つのテーマだった集合的無意識の世界観)を知ったのだから、自分自身の理解が大きく深まるはずなのだ。

例えば時間感覚を考えてみよう。
友人がニューヨークから東京へ向かう飛行機に乗ったとする。
14時間ほどのフライトだが、私は日常の14時間でも、友人は閉じ込められた非日常の14時間だ。
友人と空港で再会したとき、私にとっては当たり前の空港だが、友人からすると閉じ込められ開放された世界は時計の時間も違う、空気感も違う、場所に到着している。
飛行機に乗ってきたので違う場所に来たという認識があるため、かろうじて友人は現実を受け入れられる。
常識的に時差の存在があるから、適応しなくてはならないという認識の修正が可能だ。
常識が違えば、おそらくその違うものに適応しようとする。
私達を囲う常識は壁であり、その壁の存在を知っているからその中で過ごそうとする。
そこから飛び出すのは無理だと思っているし、知ろうともしない。
東京にいた自分とNYから来た友人の感覚で正しいのはどちらなのだろうか。
常識は私達に真実を突きつけているのだろうか、あるいは何かを騙そうとしているのだろうか。

ユングの集合的無意識はすべての人類が根っこでつながっていることを示している。
科学はあとから付与された知識であり、わたしたちの本質とは違ったなにかの可能性が高い。
科学は時として大きく覆される。
しかし、集合的無意識は普遍的無意識とも訳され、変わらないなにかだと考えられている。
影の私は科学的世界観の中で、それを真実だと思いこんでいる。
実体の私は集合的無意識の中で、人としてのつながりや本質の中で生きている。
感覚を信じてはいけないし、しかし、常識を信じてもならない。
そして、悲しいことに私達は本質的自己に気づくことも少ない。
社会や文化の波に流され続けているが、本来であれば自己という錨を下ろして、流されずに停泊したいのに。

どうやれば自己の停泊が可能になるかは本書では示されない。
しかし、自己が一つではなく、複数の側面があることを示してくれた。
読者が自分で紡ぎ出す4章に踏み出すかどうか。
もし、何かを得ようとするなら4章に踏み出すことなのだろう。
あくまでも個人的理解であるが、私は自分で4章を紡ぎ出そうと思う。
そして、自己を見つけたいと思った。
街とその不確かな壁Amazon書評・レビュー:街とその不確かな壁より
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No.148:
(5pt)

状態よし

上記の表記どおり、綺麗な状態の本が届きました。
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No.147:
(5pt)

安定の村上春樹

私はもう30年ほど村上春樹の本を読んでいます。
この作品は世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの書き直しみたいな作品となるのでしょうか。
村上春樹の書くものの主題のようなものは不変である気がしますが、作品ごとに洗練されてきて、少ない言葉数の中で多くを伝えるような、削ぎ落とされて必要なものだけが残ってきているような印象を受けてます。読みやすいポップな文体が特徴のような気がしていましたが、少し印象が変わってきたのかなと思います。
この作品に関しても既視感があるのは当たり前ですが、過去の作品と比べてどんどんと洗練、老練されていく言葉使いを一つ一つを楽しみながら、またハードボイルドワンダーランドを読んでいた懐かしい過去を思い出しながら楽しみました。
何にしても、一人の作家が変わっていく様をリアルタイムで体感できているのだから幸せであるなと思います。
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No.146:
(4pt)

楽しめました!

この比較的厚い本を最後まで読み終える事ができました。
こう言ったファンタジーと言うか、謎めいた小説は時空の流れをダイナミックに利用して最後にその流の意味するところの意外性に惹かれるのがオチなのですが、少々迫力に乏しかったように感じました。なぜなら影を一つの存在としてみるのはファンタジーとしても無理があるようです。
ただし、作者の意味主張するところは何かとか考えてもさほど重要ではなく、読者としてはなんとなく落ち着いて飲むコーヒータイムような感じで楽しめました。こんな分野の小説もあってよいのでしょう、そしてこの小説に価値があるのは十分感じられました。影のない子易らのが行くべきところと、この不確かな壁の街の影のない住人との関係、さらにはあの世との関係はどう言うものなんだろうかと思いましたが、それは作者だけが設定できるものなので意味のないことかもしれません。ただ、昔読んだ海辺のカフカと比べると少々斬新さがなくなっているように感じました。
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No.145:
(4pt)

世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの続編?かな・・それとも順序が逆?

個人的には世界の終わりとハードボイルドワンダーランドがとても好きで、あれが村上ワールドの完成形だと思っていたので、出だしを読んだとき、「何だ、またか」という感じで、裏切られたような気分になってしまった。先が知りたくてサクサク読めて、悪くはなかったが、最後まで以前の作品をなぞっているというイメージが抜けず、いつものような満足感がなかった。この小説は、ひたすら作者が自分自身のために書き綴ったのかもしれない。
ただ、以前読んだトルーマン・カポーティのgrass harpという小説の一節を思い出した。

過去と未来とは一つの螺旋形をなしていて、一つのコイルには次のコイルが連なっており、またその中心主題をも包含しているということを、いつか本で読んだことがある。恐らくそのとおりなのであろう。だが、僕の人生は、むしろ閉じた円、つまり環の羅列であって、決して螺旋形のように次から次へと連なっていくことはなく、一つの環から次の環へ移行するには、すべるように伝わって移ることは不可能で、跳躍を試みるより他にない。そのような形に思えるのだった。

跳躍するには以前の自分から脱皮していく必要があるのだろう。
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No.144:
(4pt)

多層であること。。。

村上春樹の新作を読みました。

もう一つの壁のある街は、時間が止まっている別世界として存在いる。

それは自分の心の奥底につくられた、隠れ家みたいなものか。

自分にとって誰が本物で、誰が影か。誰かと融合することはできるのか。

詩的であるとともに、深く入り組んだ小説だと思いました。
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No.143:
(4pt)

読み終えるのがもったいない

楽しみました
読み終えるのがもったいないと思いながら
丁寧に読みました。
読めて幸せです。
ありがとうございます。
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No.142:
(5pt)

いつか来たことがあるこの世界

皆意識下では色々な世界に行き来しています。
これを具象化して普遍的な物語にできるのが
村上春樹。異世界との曖昧な境界が核になっていると感じました。なんとかついていけました。
次は現代世界の都会でハードで光りある物語を。
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No.141:
(5pt)

最高傑作ではなく 一番好きな作品と言いたい

タイトルが全てです。作品としてもっと感動したもの、衝撃を受けたもの、圧倒させられたものは他の作品かもしれません。だけど間違いなく一番大好きだと思えた一作でした。
ずっと心に仕舞っておきたい、最高に愛おしい物語でした。
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No.140:
(4pt)

どうしても既視感が……

分厚い1冊を一気に読んでしまった。村上春樹文学の信奉者としては、どっぷり春樹ワールドに浸かって至福の時間を過ごすことができた。が、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』で、春樹文学のおもしろさに目覚めた身には、どうしても「どこかで読んだことがあるような……」が多々あり、純粋におもしろい作品なのだが、どうしても★5つにはできなかった。
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No.139:
(5pt)

一つの高みへ

繊細で奥深く美しい
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No.138:
(4pt)

村上ワールドは健在だが…

テーマは村上春樹が1980年代から一貫して追究して来た、日常世界と異界とのコンタクトの物語。両者の接近や接触や反転、また両者の境界を巡るストーリー。村上文学の王道と言えるテーマなのでファンにとっては魅力的な村上ワールドが楽しめることは間違い無い。ただ以前に書かれて来た作品ほどの吸引力、すなわち読んでいる自分が日常に戻れるか不安になるほどの作品世界への圧倒的な吸引力や、日常と異界との緊張関係がもたらす危険なサスペンスの感覚などは弱まっているように感じられ、わりとマイルドに仕上がっている印象を受けた。
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No.137:
(4pt)

じっくり味わえた

村上春樹の小説は、文章をたどることを味わいながら、ページをめくっていきたくなる。不思議なものだ。

 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は好きな作品で、高校くらいの頃に読み、その後、2回くらい読み返しているんじゃないだろうか。その原型となったという『街とその不確かな壁』(雑誌版)の方は、噂だけは聞いていて、著者自身が失敗作だったと言ったらしいけど、読んでみたいとは思っていた。

 本書を読んで、あらためて読み比べてみたい気もするけど、難しいだろうな。著者が出さないだろうから。図書館とかで借りて読むことができるかどうか。

 そこまではしないかな。

 本書を読んで、最初に思ったことは、

 生と死の境界はあいまいなのだ

というようなことだった。

 個人の感想であって、そういうことが書いてあったわけではないと思う。ただ、最後のページを読み終えて、そんなふうに思ったのだ。

 どっちが影で、どっちが本体か。

 どっちが生で、どっちが死後の世界なのか。

 いや、そんなこと、どうだっていいじゃない。あいまいなもんだよ、なんて考えたんだよね。そんなことがかいてあったわけじゃないと思うけど。

 なんで、そんなふうに思ったんだろうということを、これからつらつら考えるのかもしれない。

 『世界の終わりとハードボイルド~』を読み終えたあとは、あのあと、どうなったんだろうと、もどかしく想像をめぐらせた。

 本書を読んだあと、そういうもどかしさはなかった。

 あぁそういうことなんだね、というか、納得感があったというか。

 物語は、ここで終わったのだという満足感があったんじゃないかな。

 隠された何かは、もうない。

 それが40年くらい前に書かれた小説と、その後長いときを経て書かれた小説のちがいだろうか。

 わからないけど。

 堪能できたと思う。
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No.136:
(5pt)

LOVE Murakami

bought it for one friend who is collecting Murakami’s books, the crazy thing is that he doesn’t know Japanese so I don’t see the point of collecting it… I, on the other hand, am waiting for the English version to buy it and read it properly.
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No.135:
(4pt)

長年眠っていた物語の決着か。

この諸説は80年代に、文學会に発表されたもので、その中編小説を長編小説へと大幅に構想され直されたものです。とにかく分厚いですが、とにかく読みやすいから一気に読めます。また、一時期の村上春樹のくどい比喩も少なく感じます。でも、近年で言うと往年の村上ワールドが全面的に押し出されている作品だと思いますね。
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No.134:
(4pt)

新たな要素が乏しく、期待を下回る出来。長編だが、密度が低い。

この本を読む前に、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んでおく必要があります。必須です。昔、読んだという人も、どう終わっているかを正しく認識しておくと良いです。私は経年で誤った「結末」で覚えていました…。

さて、皆さんの評価は高いですが、5★でもなく、3★でもなくといった感じです。
続編扱いと言っても良いでしょうか、新たな振れ幅の大きい感動はなく、静かに物語が進んでいきます。
エロも暴力もありません。

読みながら、過去の村上作品の「海辺のカフカ」、「国境の南 太陽の西」や、映画「インセプション」も思い出し、残念ながらそれらに比べてかなり弱いと感じました。登場人物を一人ひとりに焦点を当てるならば、書き切れておらず、高評価の要因として『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のイメージで補完されていると考えられます。

小説の本質からは外れますが、人々のコミュニケーションがスマートフォン中心となってくると、1980・1990年代に活躍していた小説家には現代を描くことが特に難しい時代となっています。できれば、村上氏にはある程度の適応をして欲しかったと思いました。
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No.133:
(5pt)

僕の感想

主人公が思い出の少女がいる壁に囲まれた世界から出ていく時、悲しくなりました
丸で心地よい夢が切れて朝目覚める時のような悲しさです
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B0BTGK1HHS
No.132:
(4pt)

どこを切っても村上春樹

期待に違わず村上春樹しています。好きな人には満足度の高い内容。読後マンネリ感も感じたので星4つ。
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B0BTGK1HHS
No.131:
(5pt)

初期の風味

著者の初期の作風が好きな人にはお勧め。
読みながら、羊出てきそうだなと思うような懐かしさと昔に戻った心地よさを感じることが出来た。
逆に中盤以降の作品が好きな人にはちょっと違うという感想が強そう。

昔から作品が好きな人には溜まらない内容であろう。
いわゆるこれが村上春樹の世界を表していると思う。
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