煙草屋の密室
評判
煙草屋の密室の評価:
4.60/5点 レビュー 5件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1〜5 1/1ページ
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煙草屋の密室の評価:
4.60/5点 レビュー 5件。 B ランク
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肉屋(Buchers)
肉屋の主人ピュー老人が冷凍庫に閉じ込められて死んでいた。こいつは欲張りで従業員から何かと恨まれています。フランクは同僚のパーシーの犯行と思い、彼をかばって証拠隠滅を図ります。 登場人物と読者が一緒になって騙される構成となっています。
ゴーマン二等兵の運(Private Gorman's Luck)
よくよくツいてないゴーマン二等兵は軍を脱走して憲兵隊に捕まること七回目。しかし今回は空襲のどさくさにまぎれて死んだ戦友プラムリッジの服を身につけ、脱走。プラムリッジの美人の恋人の所にたどり着くのですが・・・。珍しくお約束のオチですが、その先も一ひねり。
秘密の恋人(The Secret Lover)
33歳の独身パムは営業で街に来るトレーシーと恋に陥いります。トレーシーには妻がいて「愛人」という格好ですが、納得ずくのパムは恋人として、毎週一晩彼女の家に招きます。ある日、パムの家に同じくトレーシーの「愛人」となっているギボンズ夫人が訪ねてきて騙されていたことを知らされます。愛人たち2人は共謀してトレーシーを毒殺しようと企てますが。
このオチは最後まで予想つきませんでした。
ベリーダンス(Belly Dance)
ベリーダンスの上手な私は、ダンカンに仲介されてとある富豪の老人宅で踊ることになります。この富豪というのが最後まで正体を明らかにしないので、怪しい屋敷に連れていかれる私は不安がいっぱい。実は富豪はダンカンの叔父で、ダンカンは死後その膨大な遺産を相続することになっており、私はその殺人の片棒を担がされる羽目になっていたのです。これもオチが読めませんでした。
厄介な隣人(Fall-Out)
新しく隣に越してきた新人類の夫婦のことをクローショーは気に入りません。生活保護受給者のくせに大勢を呼んでパーティーしたり、路上で演奏してお金をもらったり、庭に生えているリンゴの木を切り倒したりと、いちいちカチンと来ます。その隣人が核シェルターを作ると庭を掘り起こしだします。クローショーも隣の庭との境の部分を掘り起こし、地下で我が家に入り込んでるシェルターをけしからんと壊すのですが。厄介な隣人とはクローショー自身のことでした。
女と家(Woman and House)
銀行員の夫がロンドンから遠く離れた田舎のペンザンス支店に支店長として転勤することになりました。妻のアニタは夫と家探しをするとたった1件理想的な家があったのですが、持ち主であるグラス氏は家を売るにあたって「信頼できる人にしか売りたくないんですよ」と、夫婦の趣味や週末の予定などをしつこく尋ねるのでした。多くの購入希望者の中で、グラス氏のお眼鏡に適った夫婦はめでたく理想的な家を購入します。しかししばらくして亭主が事故死してしまいます。一連の事件は実は仕組まれていたことで。Woman and Houseという題名が光ります。
アラベラの回答(Arabella's Answear)
雑誌の人生相談コーナーの記事だけからなる作品。書簡小説の範疇に入るのでしょうが、伏線が非常に巧みで大変よくできています。少女の恋愛相談に対する相談員の返事だけで綴られます。最後に待っていたのは殺人事件ですが、この一人称の記事から無理なくストーリーが想像できるように工夫されています。本書の中で一番出来がいい作品なのであえて筋書きは紹介しません。この作品だけでも立ち読みする価値ありです。
見つめている男(The Staring Man)
新婚旅行から帰ってきたばかりの夫婦。そのの写真を見ていた新郎ジェイミーは別の場所で撮った2枚の写真に同じ人が写っていて新婦ドナを見つめているのに気づきます。実はドナは自分の素性を隠して富豪のジェイミーを捕まえたのですが、ジェイミーにもじつは隠し事があって・・・写真に写っていた男の謎と相まっての上質なサスペンス。
煙草屋の密室(The Locked Room)
メスターという謎の男。空き室になるのを11ヶ月も待って煙草屋の2階に部屋を借ります。事務所として使うというのですが鍵をかけて何もしません。そのうち刑事が目スターのことを聞きに大家の煙草屋に聞きに来ます。犯罪がらみかと心配になった大家がメスターに問いただすと「実は今となってはものすごく高価になった切手をこの部屋の壁に張りつけた女がいて、これを見つけた私は今は金持ちだ。」と姿を消します。刑事とともに鍵を破って部屋に入った大家が見たものは。
いずれの短編も登場人物が3-4人ですので、一人は殺されて残りのうちから犯人を予想するのですが、これがなかなかうまくいきません。というくらい期待を裏切るいい出来となっています。しかもギミックやトリックに頼らずに、人間関係や心情でストーリーを展開させますので読み物として楽しめる構成です。したがって本書を推理小説として読むとちょっと腹が立つかもしれません。でも読者をミスリードする話の面白さは折り紙付きです。ピーター・ラヴゼイは短編の方が面白いかも。