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津軽の髭殿
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津軽の髭殿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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これまで、短編の主役としては2回、「三成の不思議なる条々」にサブキャラとして登場していた津軽右京之介の一代記です。 津軽一国どころか、全国制覇まで夢見る野望の男が、かなり卑怯な手段を用いて、津軽地方を切り取る前半が良かったです。 右京之介に迷いとか悩みがないのが不満でした。岩井三四の小説の中では、斎藤道三が私は好きなので。 | ||||
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長編「三成の不思議なる条々」では物語の最後に登場。また「婿どのの野望」という短編も以前発表されていて、著者にとってそれなりの思い入れのある人物なのかもしれません。その津軽為信をついに真っ正面から取り上げた力作です。 前半は暗殺不意打ち側室あさりと何でもござれの、いかにも成り上がり者らしい武将です。今時の歴史物にありがちな、民のためやら戦なき世のためにというような、似非ヒューマニズムに毒された表現は一切なし。自らの野望実現のために邁進するさまが小気味良い。 それが秀吉の世になった途端に豹変します。上に絶対支配者のいる息苦しさに喘ぎながらも必死に政界を遊泳するのですが、そのさまが田舎臭くて、妙に愛嬌がありますね。荒くれ武将たちが天下人の顔色を気にせねばならなくなった戦国末期の様子をよく伝えています。 最後の側室あさりに失敗し、それが様々な形で人心に悪影響を与えてしまいます。それに対する自らの命を懸けた「処置」も色と欲に生きたこの北奥の武将らしいものです。井筒啓之氏の表紙画も為信の野性味と飄逸味をよく表現しています。 | ||||
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