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私が先生を殺した
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私が先生を殺したの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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進路を決める時期特有の浮ついた感じ、勉強や将来に対する大きな不安、来たる別れの意味もよくわからずとも過ぎる日々。懐かしさを感じながら、読み進みました。複数目線から描かれる一つの事象、一気に最後まで引っ張られます。 | ||||
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読みやすくスルスルと先に進んでいきました。 わかりやすく、気づいたらこの世界観に飲み込まれていました。 とてもおもしろかったです。 | ||||
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『私が先生を殺した』は、桜井美奈さんが描くミステリースリラーで、読者を最後までぐいぐいと引っ張ってくれる作品です。 タイトルだけでもかなり強烈な印象を与えますが、その期待に応えるかのように、内容も緊張感たっぷり。 物語は、ある学校で起きた先生の死をきっかけに展開され、誰が犯人なのか? という謎解きを中心に進んでいきます。 まず、ストーリーの軸となる「先生殺し」の動機や背景が気になる部分。 読み進めるにつれて、登場人物たちの心の奥底が少しずつ明らかになっていくのが面白い。 特に、主人公?の内面描写がリアルで、彼女の葛藤や罪の意識がじわじわと胸に迫ってきます。 読者としても「この子が本当に殺したのか? それとも?」と、疑念を抱きながらも感情移入してしまうことが多々ありました。 桜井美奈さんの文章はシンプルかつ読みやすく、テンポが良いです。 余計な描写に頼らず、必要な情報だけを巧みに配置しているので、途中で退屈することなくスイスイ読めます。 また、登場人物の個性がしっかりしていて、それぞれのキャラクターが立っているのも魅力。 特に、先生という大人の存在に対して、生徒たちが抱くさまざまな感情――尊敬や反発、そして時に恐れなど――が、鮮明に描かれています。 これらが事件にどう絡んでくるのか、予想がつかずに読めました。 個人的に惜しいなと感じたのは、物語のクライマックス。 もう少し深く掘り下げられた部分があれば、感動や驚きがより大きくなったかもしれません。 ラストは意外性がありつつも、少し駆け足に感じた部分もあり、もう一息欲しいところ。 まとめると、先生と生徒という関係を舞台に、ミステリーの醍醐味である「人の心の闇」に踏み込んだ、考えさせられる作品でした。 読後は「自分だったらどうするか?」と、ふと考えさせられる瞬間があり、そんな余韻もこの本の魅力の一つだと思います。 | ||||
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人気のある若い男性教師が生徒たちの目の前で屋上から飛び降りるところからストーリーが始まり、飛び降りる前の話が生徒たちの目線で進みます。複数だった線が絡み合い、最後に一本にまとまる伏線の回収はみごとで、途中ある程度、予想はついても心締め付けられ、読後はしばらく本を抱きしめたくらいです。私は5時間かけて一気に読みました。それくらい、夢中になれます。 | ||||
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なかなか面白かったようですよ。 | ||||
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第5章のラストは、読み進めるのが怖くて苦しかったです。救われず、最悪な結末。 エピローグで希望を示してくれなかったら、もやもやするところでした。 途中でどうにか真相を当てたいと読みましたが、 動画の女子生徒は2章での予想が当たり、撮影者は2章で予想した人物がハズレで4章の答え開示的な場面でやっと気づき、犯人的な人は、5章の中のちゃんとした正当なヒント(単語)まで読んでからじゃないとわかりませんでした。 それはズルイと思ったけれど、第1章からも巧妙に書いてはありました。 人を蹴落としてまで保身するのか、自分を犠牲にして人を守るのか。 どちらも両極端にしてはいけない。 でも理想のバランスを取れないのが人間だと思いました。 悪意だけではなく、善意も人を追い詰めうるものだけど、何かに追い詰められた時には生きる力を信頼してほしいと考えさせられました。 人物の描写が良くて、どの人物も応援したくなる気持ちになったので、事件については悲しかったです。 | ||||
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誰もが自殺だと分かる形で屋上から飛び降りた教師。ただ、教室に行くと黒板に 「私が先生殺した」 と書かれてるところから始まる物語。 複数の生徒の視点でその前後の時間が描かれる。不可解な行動の一つ一つに彼らや彼女らなりの思想と理由があったことが明らかになっていく。 不可解な、特異な、稀にしかない出来事だからこそ立場による視点が様々なようであるが、僕たちは普段からこのくらい当たり前に誤解し、思い誤り、錯乱しているのかもしれない。ただそれに気がつかないだけで。 | ||||
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久しぶりの桜井美奈作品。お近づきになったり疎遠になったりしながらデビュー10年目の作家が出した新刊だけどタイトルの中々に剣呑な雰囲気に「また新しい方向性にチャレンジしたのかな?」と首を傾げながら拝読。 物語は私立の才華高校の避難訓練で校庭に集合した生徒たちが退屈な校長の話を適当に聞き流している場面から始まる。校長の話が続く中で誰かが挙げた「ねえ……あそこに誰かいない?」という声に他の生徒たちが目を向けると校舎の屋上、フェンスの外に立つ人影が。 背が高く、バランスの取れた体型のシルエットにそれがファンも多い若き英語教師・奥澤だと気付いて悲鳴を上げる生徒が増える中、必死の静止の声を振り切る様に奥澤は身を投げてしまう。 グラウンドに集められた生徒はおろか教師陣も恐慌状態になる中で、無人になった教室の黒板には「私が先生を殺した」という謎の文字が大書されていた…… うむ、なんというか徹頭徹尾救いの無い話であるなあというのが読み終えての第一印象。作中の人物が非業の死を遂げれば読者としては「可哀そう」だの「気の毒な」といった共感の心情を掻き立てられると思うのだけど、その共感すら許して貰えず「結局誰が罰せられるべきだったのだ」と困惑したままラストを迎えてしまうという意味ではまことに後味の宜しくない作品ではあるのだけど、そのビターな味わいが実に良い。 物語の方はちょっと変わった連作短編形式。物語の主人公であり、プロローグで投身自殺した青年教師・奥澤が担任していたクラスに所属する男女4人の高校生が各章の語り手を担当し最後には奥澤の自殺を目撃する章が4編。そして種明かし篇とでも称するべき奥澤自身を語り手とするやや長めの最終章の計5章から構成されている。 生徒たちが語り手となる各章には共通ルートみたいな部分が存在する。無人の部屋で奥澤が女子生徒の胸に手を当てている模様を捕らえた、しかし女子生徒の顔はボカされた動画が生徒の間で拡散されやがて淫行の疑惑を掛けられた奥澤が担任を外されるという一幕である。 奥澤は本当に女子生徒に手を出す不埒な教師なのか? 生徒に慕われる善良な教師としての顔は作り物だったのか? そんな疑問が生徒間に溢れる中で各章の語り手を担う生徒たちがこの事件を各人の立場・視点から追うのが基本的なスタイル。生徒たちもなかなか個性に富んでいて飽きさせない。 進学校に入学したはいいが落ちこぼれ気味で授業妨害の常習犯・砥部 名門大学の志望学部で学ぶ事を希望し、指定校推薦の枠を狙う優等生・黒田 奥澤に恋い焦がれ、近付くために苦手の英語を克服までした恋する少女・百瀬 大病院の経営者一族に生まれたにも関わらず医学部に進む気力の無い少年・小湊 彼らが受験を控えた三年生となり担任の奥澤と補習や進路相談、あるいは恋のアプローチみたいな様々な形で関わる姿が描かれる訳だけれども、次第に彼らの利害が奥澤を追い詰めていったのだという事が明かされていく。しかしこの生徒たちが語り手を務める4つの章では奥澤は追い詰められていく立場、即ち「哀れな被害者」の域を出ない。 だが、上にも書いた事ではあるけれども最終章である奥澤自身の視点で語られる章を読み終えた時にはこの「可哀そう」「気の毒な」という単純な共感は作者自身の手によって跳ね除けられてしまう事に。哀れみというのはその感情を注ぐ対象が善性であるからこそ湧く部分があると思うのだけど、もし対象が全くもって善人である、という前提をひっくり返されてしまえばどうか? いや、最終章においても基本的には奥澤は被害者ポジションを崩さない。むしろ私立高校というイヤでも経営を考えざるを得ない組織に自分の理想とは相容れない要求を突き付けられる存在として生徒視点の章よりよほど被害者っぽく描かれていると言っても良いだろう。 だが、だからこそ……読者が「なんと可哀相な」「お気の毒な」という感情を掻き立てるだけ掻き立てる様に仕向けたからこそ最後の最後で明かされる真実が奥澤と彼に同情・共感するよう誘導されてきた読者が奈落の底に蹴落とされる趣向が抜群に効く事になる。 その上で奥澤を追い詰めていった学校経営に関わる面々が一概に悪であると断じる事もまた難しい。特に最終章では学園のOBでもある奥澤が「口は悪いが面倒見は悪くない」と信頼してた古株教師など、組織の論理と教師の理念の間で揺れ動く存在である事が見えてしまう分、どうしても憎み切れないよう仕立ててあるのだから手の込んだ人物造形である。 結局読者としては「いったい誰が罰せられるべきだったんだ……」というモヤモヤ感と共に本を閉じる事になるのだけど、このモヤモヤ感は消化不良というよりも人間というものの一概に「善・悪」という形では断じれない割り切れなさを突き付けられたが故に湧き上がってくる感情では無いのかと思わされた次第。 「塀の中の美容室」のヒロインにも感じた事ではあるけど、人を「善・悪」に二元論で捉えがちな時代だからこそ人というのはそう簡単に割り切れる物ではないのだと諭された様な気分になった。デビューから10年、桜井美奈も本当に良い作家になったなあと改めてその才能を思い知らされたような一冊。 | ||||
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ああやっぱりと思い読み進み、展開はわかっていても最後には心が締め付けられました。 先生は悪人か善人か… 読破した後も簡単には答えのだせない小説。 主人公の置かれた立場、葛藤、選んだ道を読み進め感慨深い気持ちになる小説でした。 どんでん返しや、驚くトリックがないストーリーでも、主人公の葛藤にハラハラとさせられてとてもおもしろかった。 | ||||
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