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(短編集)

竜王氏の不吉な旅 鮎川哲也「三番館」全集 第1巻



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【この小説が収録されている参考書籍】
竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)

竜王氏の不吉な旅 鮎川哲也「三番館」全集 第1巻の評価: 4.33/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

新たな安楽椅子探偵キャラ

「黒後家蜘蛛の会」の解説を鮎川氏が書かれていて、それで本作を知った。
「黒後家」のヘンリーのような慇懃無礼でもなく、「退職刑事」のうるさ型オヤジでもない、安楽椅子探偵。フワフワとした口調と風貌が魅力。
ただ、シリーズとしての統一性に欠ける箇所もあって、甘いものが苦手と言っているわりにはアイスクリームを食べるシーンがあったり、著者が下戸のせいか酒の描写が変だったり。
水割りを飲むしかないと言って注文するのがオン・ザ・ロックとか。
でもトリックは面白く、本のタイトルにもなっている「竜王氏の不吉な旅」の最後の数行には、思わず声を上げた。
竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)より
4334794572
No.2:
(4pt)

一篇だけ不満

「白い手黒い手」だけは納得できませんでした。真犯人の逮捕の方法はアンフェアではないでしょうか。
また、現場に落ちていた吸い殻の扱いがいつの間にかうやむやになってしまったのでは。
竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)より
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No.1:
(5pt)

謎解き本格を堪能できる安楽椅子探偵シリーズ

昭和のコチコチ本格派の巨匠・鮎川哲也の短編集。弁護士依頼の調査に行き詰まった私立探偵が、行きつけの『三番館』というバーで調査の話をこぼすうちに、なじみのバーテンがいつもピタリと事件解決の核心を指摘してみせるという、安楽椅子探偵もののツボをしっかりと突いた好シリーズだ。本書はいちばん初期の作品が収められているが、短編としては枚数のある作品が多く、そのぶん内容の濃い良作が揃っている。

例えば表題作の『竜王氏の不吉な旅』は、大小様々なトリックやアイディアを、多重構造的な複雑さで組みあげるなかに、全国にある不吉な駅名という、鉄道ミステリの巨匠らしい知識を披瀝してタイトル回収しつつ、ラストはくどくどしい説明によらず、電話音声のアリバイトリックを鮮やかにさばいてみせる結末で、思わず唸らせられる傑作である。他にも『春の驟雨』や『太鼓叩きはなぜ笑う』なども好きな作品だ。短編集とはいえ、巧緻な謎解き本格の醍醐味をシッカリと堪能できる好短編集になっている。
竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:竜王氏の不吉な旅 (光文社文庫)より
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