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極東動乱
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極東動乱の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「極東動乱 "Rules of Engagement"」(デイヴィッド・ブランズ&J.R.オルソン 早川書房)を読み終えました。米国海軍兵学校出身の二人によるシリーズ三作目(翻訳デビュー作)は、正しくページ・ターナーでした。 極東アジアにおける軍事的緊張を煽りたてようとするロシア・マフィア。依頼を受ける北朝鮮に潜伏中の狂信者、ラフィク・ロシェッド。ロシェッドの指導を受けた北朝鮮のサイバー戦士・ソウォンにより、中国軍、我が国の海上自衛隊の指揮統制ネットワークがハッキングされ、加えて米国の情報通信システム<トライデント>もまたその魔の手にかかり、第三次世界大戦が引き起こされそうな事態にまで発展します。その「起承転結」が、あまり描写されることのなかったサイバー軍の側から描かれ、尚且つそこにリアルな現実世界における陸海空の戦闘行為とが渾然一体となることで、スリリングで、シャープな軍事スリラーが生み出されています。 SIGINT収集プログラム〈トライデント〉。各種衛星が破壊されても、地球上のあちこちに大量に散らばる船舶と航空機で構成されるヴァイラル・ネットワークの存在。それらを描くことで、現代の戦争においては高性能なハードウエアだけではなく、サイバー空間を統制すべき優れたソフトウェアの存在が不可欠であることをこの小説は証明しようとしています。 プログラマー・ラミレス、データ・ストリームを直感的に処理するグッドウィン、そして彼らを統制するチームのアドミニストレータ・エヴェレット、その三人によるサイバー空間での戦いが細かく描写されていますが、願わくば、そのプログラムとスクリーンを流れ落ちるログの数々がよりイメージできれば満点だったかもしれません。(その場合、この小説が売れるかどうかは保証できませんが(笑)) 可能であれば作者たちの旧作が翻訳されることを願います。狂信者、ラフィク・ロシェッドが最重要キャラクターの一人ではありますが、本作だけではその凄みが伝わらないきらいがあります。 いずれにしろ、(興奮冷めやらぬまま)次作を期待したいと思います。 | ||||
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