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(短編集)
プラネタリウムの外側
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プラネタリウムの外側の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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早瀬耕さんは短編でも決して手を抜くようなことはなく、さすが一流作家だと思った。 | ||||
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有機素子ブレードという特殊なコンピュータで出会い系チャットサービスを提供する南雲。動いている会話プログラムは人間臭い応答ができ、最初はさくら要員だった。南雲の共同研究者だった北上が突然死した後に、南雲は北川を模した会話プログラム「ナチュラル」を作成。南雲の話し相手となる。読んでいるうちにだんだんテクノロジーの暴走とシンギュラリティ後の世界の恐怖を感じるが、ある意味、死者と生者がシームレスに繋がっているような世界を幸せに描写している。特に表題作品の「プラネタリウムの外側」では死者の直前の気持ちに迫るために会話プログラムを使おうとする。 ほとんどの作品はSFマガジンで掲載されたもの。まとめて読むことで南雲を中心とした人物や会話プログラムとの関係に一本筋が通ったかのように読める。 リアルでもバーチャルでもない、心の通い合いがきれいに描かれていて気持ちいい読後になる。 本書には収録されていないが、「十二月の辞書」(SFマガジン2018年6月号に掲載)というスピンオフ作品がある。この作品も収録してもらえたら、「夢で会う人々の領分」での謎がすべて解決されるのにもったいないと思った。「十二月の辞書」を収録した完全版が出版されたら、また印象が変わる本になるかもしれない。 | ||||
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おそらく著者は前提として、有機素子コンピュータを "量子演算が発生し、現実の可能性に対して量子状態のデコヒーレンスを起こせるもの" として考えてらっしゃるのかなと思って読んでおりました。 そうすると、量子脳理論からの演繹としてナチュラルには意識が芽生えていると考えられ、かつ有機素子コンピュータの計算結果が現実の可能性の別の収束を行えるということにも繋がるのかなと。 作風は爽やかで、学生時代を思い出しつつ楽しく読ませていただきました。 | ||||
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人とAIが普通に会話できるようになった世界のSF小説です。 亡くなった恋人と話しができるとすれば。人格をコンピュータにコピーできるか? もうすぐやってきそうな未来と、やって来てほしい未来を考えさせられる一冊です。 | ||||
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Good | ||||
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ネタバレしないよう書くが,早瀬耕の両親引越しでたまたま実家となった札幌近郊の原始林(ココまでは事実)の奥に,コンピュータの研究所がある(コレはフィクション)の処女作は発表直後に読んだ1992年「グリフォンズ・ガーデン」.僕は複数自治体にまたがる実在の野幌森林公園がある江別市大麻に住み札幌に通勤し,彼の両親と知りあいだった個人的な事情がある.発表直後に読んだ「グリフォンズ・ガーデン」から最新作までは一連の作品だ.もちろん近作「未必のマクベス」のように違う作品もあるが,何れもコンピュータ・ネットワークや人口知能・ネットワーク上の暗号・セキュリティーに感心がある読者なら小躍りして楽しめる.他に早川書房「SFマガジン」に複数の短編を発見できる.これも,読めば「処女作から最新作までの一部」だと気がつく.全てを読んでほしいが中古市場でも入手困難だった処女作は最近に文庫版・Kindle版が出たので「先ずは基本」として押さえておくことも勧める. | ||||
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舞台は、札幌の北海道大学がメイン。有機素子コンピュータなるもの(いわば、生きているコンピュータ)が物語の鍵を握る。主要な登場人物は、個性的でバックグラウンドもしっかり。そんな連作短編。 第一話のラストと第五話(最終話)の最後の一文が呼応するところが個人的にはハイライト。 とてもうまいオチ方だと思う。 読書の感覚としては、有機素子コンピュータの内側の世界と、外側の世界(つまり、この現実世界)がときおり入れ替わり、登場人物はどちらの中で生きているのかわからなくなる、その感じがメビウスの輪のような幻惑を生み出して、面白い。 そのテイストは、単にSFというだけでなく、サイエンスの想像力よりも、むしろファンタジーに土着的な感覚かな、とも思う。ハードなSFはついていけない、と思われる方も、ファンタジーが好きならきっと楽しめる、と思いました。 ついでに、コンピュータと人間の接続(関係)でいうと、攻殻機動隊(原作コミック)もテイストとしてちょっと似ている気がしました。 | ||||
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現実と仮想世界に始まり,生と死や過去現在未来など,対となるような要素を交えつつ, 時に技術やその反作用の着眼点に高揚と怯えを,かと思えば,彼らと彼らが見る別の彼ら, そして自分たちの世界は…と,たびたびの思考のループが楽しくもあり,難しくもあります. また,会話が多くて読みやすい一方,いろいろな『境目』をチラつかせてSF感を出し, それでいてそこへ恋や愛を自然に滑り込ませ,組み立て,進めていく雰囲気が印象的で, SF的な設定は見られるものの,確かに内か外,どこかで生まれた愛の物語に感じられます. 最後の篇もそれまでを束ねながら,愛を窺わせるこの作品を象徴するような閉じられ方で, 目の前の彼や彼女,そして世界の仕組みなど,余韻と想像を膨らませるものとなっています. | ||||
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